明治38年8月13日(日曜日)

商務卿、大統領に反対する 大統領ルーズベルト氏は、支那人排斥法が極東における米国の商業上の利益を著しく害する事を認め、労働者階級に属しない支那人に対しては、その渡米入国を妨げない方針を明らかにした

商務卿、大統領に反対する (支那人排斥問題について)

大統領ルーズベルト氏は、支那人排斥法が極東における米国の商業上の利益を著しく害する事を認め、移民官及び在清米国領事に訓令して、労働者階級に属しない支那人に対しては、その渡米入国を妨げない方針を明らかにした。

移民問題に関して直接の責任者である商務卿メトカフ氏は、ルーズベツト氏に反対である事は紛れもない事実である。

学生、旅客、官吏、実業家に属する支那人と苦力を区別する事が極めて困難な場合が多く、この様な場合に入国を拒絶する方針を取らなければ、支那苦力は続々と合衆国に入り、その結果は全く移民法の精神を無視する事になる。これがメトカフ氏の主張である。氏はカルフォルニヤ州の出身で、支那人排斥の中心とも称すべきカルフォルニヤ州民の歓心を買うのに汲汲とした結果でもある。