明治38年8月5日(土曜日)

樺太降伏 30日午前五時敵の軍使が軍務知事リヤブノフ中将の書簡をもたらした

媾和条件予想 

パリ―発行新聞は日本の申し出る媾和条件と露国のこれに対する申出を報道した

樺太降伏 83日夜大本営着電

30日午前五時敵の軍使がタウランに来て、軍務知事リヤブノフ中将の書簡をもたらしたが、その要旨は次のとおり。

包帯材料及び医薬品の欠乏並びに負傷者に対する治療の不可能は人道上の問題があり、余をして閣下に向かい、戦闘の中止を申し込むを得ざるに至れり。

媾和条件予想 

パリ―発行エクレール新聞の露都通信員は611日発電報を以て日本の申し出る媾和条件と露国のこれに対する申出とがおおよそ次のようになる由報道したと言われている。

日本より申し出ると思われる条件(略)

露庫のこれに対する申出

一、償金は一切拒絶する事、日本が若しこの要求に固執するならば露国はあくまでも戦争

を継続する。

二、南部及び中央満州(ハルピンまで)を清国に還付し、日本の民政及び軍政的保護の下に置く事

三、韓国を日本の保護国とし、その港湾に軍事的占領を行う事、但し韓国皇帝を現帝位に存し置く事

四、旅順の割譲

五、東清鉄道の割譲

六、シベリア鉄道を世界貿易の為に開放する事

七、ウラジオを自由港とする事

八、樺太の割譲

九、中立国に居る軍艦の割譲は拒絶する事

25年間極東に軍艦を置かない事は拒絶する事