明治38年8月3日(木曜日)

虚構虚傳 日本全権随員佐藤愛麿氏はまったく媾和条件については知らない

パナマ運河の不好望 同地の気候は到底日本人に適せず、百人中九十人は熱病者となる

虚構虚傳 1日上海経由ロンドンルータス社発

日本全権随員佐藤愛麿氏が語った所によると、米国新聞に日本の媾和条件なるものが掲載され、大いに世間の耳目を引いた事について、この新聞の報道は、虚構でなければ虚傳であり、自分はまったく媾和条件については知らない事を世間に知らせるよう求めた。

パナマ運河の不好望

パナマ運河開削に要する労働者の移民事業に関して、その見込みいかんによっては多数が渡航する事が考えられるので、当局に於いて田中内務省衛生技師及び桑港(サンフランシスコ)駐在領事が出張して調査した結果、同地の気候は到底日本人に適せず、強いてこれを行えば百人中九十人は熱病者となる結果を見る事になるので遂にこの契約は不成立となった次第である。