明治38年6月29日(木曜日)

露国内乱雑文 ワルシャワに於いては、官兵が突進し、六個の障害物を排除して、数十名を負傷させた

独仏交渉 モロッコ問題に関する独逸の通牒がパリー政府に交付された

露国内乱雑文 28日上海経由ロンドン特約通信員発

ワルシャワに於いては、官兵が突進し、六個の障害物を排除して、数十名を負傷させた。民衆は激昂して、警察官及びコサック兵のパトロール隊と再三衝突を起こし、ロツヅ虐殺の二の舞になろうとしたが非常に多数の陸兵と豪雨の為に妨げられて小康を得る事が出来た。

二万のユダヤ人がロツヅを退去した。

独仏交渉 27日ベルリン特約通信社発

モロッコ問題に関する独逸の通牒がパリー政府に交付された。政界で推測されている所によれば、これはモロッコに対して独逸が保持する主義を繰り返し、且つ国際会議の観点から詳細に佛国の反対に答弁したものである。そしてこの公文は佛国に対して友好的な回答をさせる機会を得させる為、全て温和な文言を用いているようであった。