明治38年6月22日(木曜日)

両国全権会合期 談判は多分八月中旬より開かれると思われる

露帝と国民議会 連合地方議会の委員は、完全に公の資格で露帝に謁見した

両国全権会合期 21日ワシントン特約通信員発

日本の全権委員は八月初旬にワシントンに到着の予定である。談判は多分八月中旬より開かれると思われる。

露帝と国民議会 21日上海経由ロンドン特約通信員発

連合地方議会の委員は、完全に公の資格で露帝に謁見した。委員の内には露都の代表者3名も含まれていた。謁見の際、トロペツコイ公爵は露国の悲惨な状態に就いて、一時間半露帝に奏上を行った。露帝は深く感動し、戦争の犠牲、特に対馬海峡の戦争に於ける莫大な犠牲を傷み、且つ国民議会招集の件は日々念頭に掛けている趣旨の勅答があった。委員は今後地方議会が露国と帝室とを結びつけることに満身の力を尽くさん事を希望し、会見を謝しつつ退出した。