日本の回答 日本政府の回答書は、冷静にして巧怜(こうれい)、真に辞令の妙を極めている
モロッコ問題 佛国外交官は英国が列国会議に参加するであろうと予想
日本の回答 19日ロンドン特約通信発
媾和談判開始の提議に応じた日本政府の回答書は、冷静にして巧怜(こうれい)、真に辞令の妙を極めている。平和への希望は日本側にあると思わせようとする露国の外交的努力を眼中に於いていない辺りは、未だ何物もかくの如く日本の尊厳を加える所以であると言わざるを得ないと大絶賛を博している。この回答は、益々露国の応ずべき講和条件の如何なるべきかを人々が知りたいと思う気持ちを深くしている。
モロッコ問題 19日べルリン特約通信社発
佛国首相ルウヴイエ氏は外相の椅子を兼務することとなった。
モロッコ問題に関する談判は静かに進行中である。佛国外交官は英国が列国会議に参加するであろうと予想し、佛国新聞の所見も又同じである。
パリ―新聞タンは、半官的に英国の行動は形勢を危険にするものであり、少しも独逸と戦う意思の無い佛国が独逸と戦うのは英国を利することになると述べている。