明治38年6月7日(水曜日)

努力倍加の続戦 海陸軍両省は、此の上その努力を倍加して戦争を継続せんとする由を明言

英国の同盟拡張論 タイムスは同盟の範囲及び基礎を拡張すべきと唱えて

マニラの露艦 エンクイスト提督は、マニラに避難した露艦を修理することを願い出た

努力倍加の続戦 5日ロンドン特約通信員発

セントピータースブルグに於いては、依然として鬼面人を威嚇するような態度が継続している。海陸軍両省は、此の上その努力を倍加して、戦争を継続せんとする由を明言し、そのためには更に20万の兵を満州に向かって増派しようとする計画があり、またバルト海沿岸の諸造船所は新艦隊を準備すべき命令を受けた等と言っている。

英国の同盟拡張論 5日ロンドン特約通信員発

日英同盟はますます世人の注意を引いており、タイムスは同盟の範囲及び基礎を拡張すべきと唱えて「将来アジアに於ける平和の維持は、日英同盟を三国同盟条約及び露佛同盟条約と同様な条約とする事により確保されるであろう」と述べている。

マニラの露艦 5日ロンドン特約通信員発

エンクイスト提督は、マニラに避難した露艦を修理することを願い出た。米国官吏は「オレグ」は2カ月、「オーロラ」は1カ月、「ゼムチユブ」は7日掛かるであろうと報告した。

提督の語る所によれば、彼は27日の晩、戦場を去ったため、戦闘が翌日も継続した事を知らなかった。