明治38年5月16日(火曜日)

獨帝の演説 皇帝は極東に於ける戦争について力を極めて日本将軍の勇敢な事を賞した

露国将官の内信 兵士らは次第に社会主義に感染しつつあり

獨帝の演説(日露両軍の批評)14日ベルリン特約通信社発

独逸皇帝はアルサスのストラスブルヒにおいて、閲兵式を行った後将校に対し演説を行った。

皇帝は極東に於ける戦争について、力を極めて日本将軍の勇敢な事を賞して、また露国の将校は未だ範とするに足るだけの技量を示していない。但しその士卒は勇敢と思われる。クロパトキンが奉天の戦いに於いて自ら前線に立って軍隊を指揮したのは彼の一大失策であり、大山将軍が後方から指令を出すに止めた事ははるかにクロパトキンに勝っている。

露国将官の内信(スタンダード紙3月18日キエフ通信)

露国将官から当地に達した私信

兵士らは次第に社会主義に感染しつつあり、そして戦争中に拘わらず将校に対する尊敬心を失ったために、各所の戦闘に際して将校が前線に出ない者が居る。若し早期に講和が成立し、軍隊が露国に帰還すれば直ちに革命的思想を伝播すると思われ、この様に社会主義に染まった多数の者が露国で解隊される日は一大危険をもたらす恐れがある。