明治38年3月19日(日曜日)

独逸宰相の演説 独逸の運送船は露国の艦隊に随行する事は許されていない

敵総帥の更迭 クロパトキンは満州軍総司令官の職を罷めた

熱心な講和論 いかなる過酷な条件でも受け入れて和を講ずる事が露国を救う事になる

独逸宰相の演説 17日ベルリン特約通信社発

独逸宰相は帝国議会において、独逸の運送船は露国の艦隊に随行する事は許されてなく、もしドイツ汽船会社が法律や傭船契約に違反することがあれば独逸政府はこれを告発すると演説した。

解説:ドイツ汽船会社の給炭船がバルチック艦隊に随伴して、インド洋を横断している。

敵総帥の更迭 17日ロンドン特約通信員発電

クロパトキンは満州軍総司令官の職を罷め、第1軍司令官リネウイッチ将軍がその任務を引き継ぐことがその筋より公表された。

解説:老将軍リネウイッチは最近支那の匪賊事件に関して長躯北京に入り、後宮に闖入して掠奪を行った事により剛勇の名を揚げた人物である。学識も識見もない、恐らく連隊長程度の地位に置いたならば、勇猛な将校であったろうと元大蔵大臣であった「ウイッテ」が酷評している(原書房 ウイッテの回想録)。

熱心な講和論 (同上)

メンチェルスキー公は、戦争を止めなければならない事を無遠慮に主張して、「露国は日本に打ち破られ、この上戦争を継続する事は露国を滅ぼす事に他ならず、いかなる過酷な条件でも受け入れて和を講ずる事が露国を救う事になる」と述べた。