明治38年3月11日(土曜日)

清国人の感謝 奉天城内に宿営する事を禁じた命令に対して一般支那人は心から感謝している

罷工暴動続報 露国労働者及び農民の運動は引き続き蔓延している

奉天占領 本日10日午前10時、奉天を占領した。

清国人の感謝 10日上海特派員発

奉天城内に宿営する事を禁じた大山総司令官の命令に対して一般支那人は心から感謝している。

罷工暴動続報 9日ロンドン特約通信員発

露国労働者及び農民の運動は引き続き蔓延しているが、極東の戦争は内政の現状と離れられない関係があり、予備兵の暴動が再発する兆しがある。

西シベリア鉄道員の罷工が眼前に迫っているとの見方がある。

奉天占領 3月10日午後大本営着電

本日10日午前10時、奉天を占領した。数日来の包囲攻撃は全くその目的を達し、今や奉天付近の各所において大変な激戦中であり、捕虜並びに兵器、弾薬、糧秣等諸軍需品を非常に大量に捕獲したためまだ十分な調査がなされていない。

解説:10日、各軍は敗走する敵を追ってさらに進撃中である。

鴨緑河軍(川村大将)は撫順及びその上流に出た。

第1軍(黒木大将)はその左側に進んで、奉天攻撃に向かう第4軍を援護した。

第4軍(野津大将)は、第2軍と第3軍が西方で敵を牽制している間に、奉天の東方を突進、敵の背後を衝いた。このためロシア軍2個師団は、壊走あるいは降伏した。

第2軍(奥大将)は奉天西部及び北部を進撃。午後3時には第1師団の一部が奉天城内に突入した。

第3軍(乃木大将)は、早く鉄道線を手中におさめ、包囲を完成させようとあせったが、ロシア軍は攻撃目標をここに集中し、断固として拒んだ。そのためロシアの大軍を望みながら、ついに取り逃がしてしまった。

同日午後9時、大山総司令官は戦闘の終結を宣言した。