明治38年3月6日(月曜日)

形勢いよいよ危し 大同盟罷工の開始が再び宣言され、組織的な叛乱が起こる恐れがある

北海事件賠償 英国が要求した金額は約65万円であった

ポーランドの動乱 ワルシャワの同盟罷工は広く一般の職業に広まる勢いがある

全線の戦況 我が軍は間もなく全線を挙げて本戦に移るであろうと言われている

形勢いよいよ危し 

大同盟罷工の開始が再び宣言された。罷工に続いて組織的な叛乱が起こる恐れがあり、革命党員等は外国使節に対して、露都に留まり妄りに外出しないように警告した。戦争に対しては一般に無遠慮な悲観説を唱えている。

北海事件賠償 5日上海経由ロンドンルーター社発

英国が北海事件賠償金として要求した金額は約65万円であった。

ポーランドの動乱(同上)

ワルシャワの同盟罷工は広く一般の職業に広まる勢いがあり、罷工者は爆弾や拳銃で威嚇の態度を取っている。

政府がガス会社の職工に職場に復帰するよう強制できないならば、今度の日曜日は全市暗黒となるであろう。

露帝の詔勅の効果はなく、政府は急いでワルシャワ及びロズに軍隊を集めつつある。

全線の戦況

今や我が軍は最東端の興京(こうきょう)方面から最西端の新民庁舎(しんみんちょう)方面までお互いに連携して攻撃運動を開始したようである。その後その筋に達した諸報告によれば我が軍は既に前進陣地を破り、本防禦線に入った部隊もあり、刻一刻戦況が進捗中との事である。そのため我が軍は間もなく全線を挙げて本戦に移るであろうと言われている。

解説:日本軍は3月1日奉天に対し総攻撃を開始している。第2軍(奥大将)はロシア軍の右翼陣を粉砕しつつ、奉天の西側に向かって進撃しようとし、第3軍(乃木大将)はあたかも第2軍を旋回軸として大旋回を開始している。