明治38年2月23日(木曜日)

講和希望の示威 オデッサ及びセバストポールの地域で講和を要求するデモが起こる恐れがある

ウイッテ疑われる 内務大臣の命令で「ウイッテ」の邸宅の家宅捜索が行われた

露国騒乱 特に来る日曜日には激しい暴動が予想される

密輸船又拿捕 独逸汽船パロス号は去る10日我が軍艦によって拿捕された 

運送船の準備 3隻の予定であったが「ネボガートフ」少将がの切望でさらに1隻を雇入れた

給水船と曳船 北海汽船より給水船1隻、独逸の会社より汽船1隻を購入した

講和希望の示威 10日ロンドン特約通信員発

オデッサ及びセバストポールの地域で、講和を要求するデモが起こる恐れがあるため、ステッセル将軍はこれらの諸港に入港する事を避け、黒海の小さな港に上陸するものと思われる。

ウイッテ疑われる 11日ロンドン特約通信員発

露国官吏及び内務大臣の命令で、大臣委員会議長「ウイッテ」の邸宅の家宅捜索が行われた。これは、明らかに「ウイッテ」は改革党を支援して専制政治に対する陰謀を企てていると見られている事を示している。

解説:ウイッテは、ロシアの良心と言える存在であるが、極東進出に反対し、この時点では政界から遠ざけられていた。日露講和会議となって本格的にロシア政界に復帰する。本紙2月4日「いわゆる大憲章の説」に関連記事がある。

露国騒乱 11日ベルリン特約通信社発

セントピータスブルグ及び各州郡に於いて新たに同盟罷工や暴動が発生した。特に来る日曜日には激しい暴動が予想される。

密輸船又拿捕

独逸汽船パロス号(総トン数2千3百98トン)は軍需品をウラジオ港に輸送中、北海方面(北海道近海)において去る10日我が軍艦によって拿捕された。

運送船の準備

石炭補給の為運送船2隻を露国東亜会社より、1隻を露国バルチック会社より雇入れた。最初はこの3隻の予定であったが「ネボガートフ」少将が給炭船の増加を切望したので、北海汽船より汽船1隻を雇入れた。

回航に必要な炭量を2万4千トンないし2万7千トンと見積もる。

給水船と曳船

北海汽船より給水船1隻を雇入れたが、一昼夜に100トンの蒸留水を得ることができる。曳船その他雑役に使用するため独逸の会社より汽船1隻を購入した。