明治38年1月23日(月曜日)

露都罷工 ストは燎原(りょうげん)の火の様に勢いを増して広がりつつある

その後の改革問題(1) 数万の学生、労働者はネウスキー大通りで集会した

回教徒の日本人観 余は日本がその手を「ジャワ」に加えてくれることを信じている

露都罷工 22日上海経由ロンドンルーター社発

ピータースブルグのストは、燎原(りょうげん)の火の様に勢いを増して広がりつつあり、警察官は衝突となる事を恐れているようで手を下していない。但し冬宮の衛兵は厳重な警戒を実施している。

その後の改革問題

12月21日には露都に於いて大規模なデモがあり、数万の学生、労働者はネウスキー大通りで集会し、「独裁政治を倒すべし」と連呼し学生は「マルセイユ」を歌いながら市中を練り歩き、たちまち警官隊と衝突しある者は逮捕された。彼らが最初配布した檄文には次のように書かれていた。

「我らは立ち上がり、戦争の終結と民主政治を得たいと宣言する。戦争は終わり、独裁政治は倒れ、そして「我が社会民主主義」万歳。我らと志を同じくし、共にこの要求の為に戦おうとする者は午後1時にカザン会堂の前に集合せよ」

回教徒の日本人観 

エジプトの「ムスタフツ、カメル、パシャ」は次のように佛国通信員に語った。

・日露の戦争が我ら回教徒にとって一大問題となっている。我らが日本に対して大きな同情を寄せる理由は 

1 露国は我らが祖国トルコ帝国にとって100年の仇敵である。

2 植民地にされる事を防ぐために、いち早く西欧文明の吸収に成功した日本を我らは尊敬する。

3 今回の戦争は露国が三国干渉の後満州、旅順を占領したために起こったもので正当な権利である。

・余は日本がその手を「ジャワ」に加えてくれることを信じている。「ジャワ」はアジア群島に於いて最も富み、人口の多い島嶼である。現在2千5百万の回教徒はこの島においてオランダの圧制に苦しんでおり、とにかくどうにかして今のオランダの手から逃れたいと望んでいる。