明治38年1月11日(水曜日)

ステッセルの来着期日 ステッセル将軍の長崎着は16日となる予定である

ベルギー新聞の論評 旅順陥落は近世史上最大の事件の一つである

高橋日銀副総裁談 英米人は、果たして日本人の真価を認めたかどうかは疑問である

ステッセルの来着期日

ステッセル将軍は12日ダルニーを出発するので、長崎着は16日となる予定であるが、或いは直ちに欧州行きの船に乗船し、帰国の途に就くかもしれないと言われている。

ベルギー新聞の論評

ランデバンダンス、ベルージュ新聞は次のように論評している。

旅順陥落は近世史上最大の事件の一つであり、ロシア大帝国の歴史的威信もここに初めて失墜する事となった。日本は文明国の仲間に入ったのは昨日のことであり一見すれば奇異な事のように思われるが、幼稚な新しい国は、今や旧世界の一国に対して挽回することの出来ない打撃と恥辱をもたらした。

高橋日銀副総裁談

 高橋日銀副総裁は、帰国早々、社員に対して次のように語った。

余はロンドンに約10ヶ月間滞在し、米国も通過したので、英米人のお世辞を聞き飽きる程聞いたが、彼等はただ日本人の華々しい勝利を認め、自分達の弟子が出世したように喜んでいる。しかし一部の人を除いて果たして日本人の真価を認めたかどうかは疑問である。