明治37年12月10日(土曜日)

ドイツの給炭船 ドイツ石炭船インガリヤ号がカージフよりバタビアに向かって出港した 

給炭禁止とドイツ 石炭問題は英独両国政府間で大きな外交問題とはならないと思われる

佛暹条約(ふつせんじょうやく)と佛国議会 佛国はメコン河流域に於ける優越な地位を得る事が出来た

海軍砲の威力 バーヤンに命中6発、アムールに14発及びアムールはその艦尾がやや沈んだ 

第3艦隊派遣勅令 第3艦隊を極東に向け発進すべき旨を勅令した

ドイツの給炭船 8日ロンドン特約通信員発

ドイツ石炭船インガリヤ号は石炭1万2千トンを積んでカージフよりバタビアに向かって出港した。バルチック艦隊に供給するためと思われる。

解説:バタビアとは現在のインドネシアのジャカルタであり、オランダの東インド会社の拠点があった。

給炭禁止とドイツ 8日ベルリン特約通信社発

カージフで石炭の積み込みを禁止されたドイツ汽船メンチェル号はハンブルグの船主に呼び返されたが石炭問題は英独両国政府間で大きな外交問題とはならないと思われる。何故ならばドイツ政府は、国際紛争を避けるため個人として露国に石炭を供給しているからである。

佛暹条約(ふつせんじょうやく)と佛国議会 9日上海経由ロンドンルーター社発

佛国の上院は1人の反対者も無く佛暹条約(ふつせんじょうやく)を承認した。外相は議場において、佛国は一兵をも動かす事無く又1銭も使わずメコン河流域に於ける優越な地位を得る事が出来たと演説した。

解説:インドシナ半島は佛国の植民地であり、タイ国との間で仏に有利な条約を結んだようである。

海軍砲の威力 12月9日午前3時発電

昨日海軍砲を持って敵艦隊砲撃の成績はバーヤンに命中6発、アムールに14発及びアムールはその艦尾がやや沈んだ。その他白玉山東南の麓並びに機器局付近の倉庫建築物等に命中する物36発であり多くの損害を与えた。

第3艦隊派遣勅令 9日上海経由ロンドンルーター社発電

ロンドンデイリー、メール着露都電報によれば露帝は昨日(7日)第3艦隊を極東に向け発進すべき旨を勅令した。この艦隊は特別に編成されるもので黒海艦隊ではない