明治37年11月22日(火曜日)

旅順残存艦隊 戦闘艦5隻は各艦に10数名の番兵を残しているだけである

沙河戦線の対峙 両軍とも対峙の状態を持続している

敵国の騒乱 満州に派遣される予定の予備兵と後備兵3千余名で、戦場に赴く事を拒否

米国に於ける我が公債 我が英貨公債6百万ポンドの申し込みは約6~7倍に達する。

日露戦争に関する英国海軍の懸賞論文 海軍戦略や戦術に関して日露海戦に学ぶ

旅順残存艦隊

捕虜の言によれば、旅順に於ける敵艦中、戦闘艦5隻は全く航行できない状態で目下各艦に10数名の番兵を残しているだけである。バヤンは2発の巨弾を受けているが健全であり、白玉山(はくぎょくさん)下に潜んでいる。駆逐艦、水雷艇は港外に出て、黄金山の陰で我が直撃弾を避けているらしい。

沙河戦線の対峙

沙河における両軍のその後の形勢を見ると、大勢より言えば両軍とも対峙の状態を持続している。その後色々の情報を分析してみれば敵は沙河会戦の際受けた損害(約7万人)を増援兵で補充しようとしていたが今は既にその半数を補充した形跡がある。

敵国の騒乱

先月25日露国ウーイチブスク市で内乱を起こしたのは、満州に派遣される予定の予備兵と後備兵3千余名で、戦場に赴く事を拒否し、その司令官を銃殺したため同地守備兵が鎮圧の為発砲し多数の死者を出した。西部ロシアの2~3市街の社会党員はこの暴動を応援し内乱が広がろうとしている。

米国に於ける我が公債

米国シンジケートの手で売り出された我が英貨公債6百万ポンドの申し込みは先週金曜日に締め切られた。今日中に各都市の報告を纏めた総額が判明する筈であるが売り出し当初の様子から見ると正金銀行ニューヨーク支店は約6~7倍に達するであろうと予想している。

日露戦争に関する英国海軍の懸賞論文(11月2日ジャパンデイリー、メール)

海峡艦隊指揮官チャールス、ペレスフォード卿は日「海軍戦略や戦術に関して日露海戦に学ぶ」という題で各階級の士官から論文を募集している。論文は1500字以内で10月15までに旗艦副長まで提出し、優秀者にはマハン大佐の著書を贈呈し、旗艦艦上で講演の機会を与えることとなっている。