明治37年11月19日(土曜日)

ハル事件仮協定書 英国の仮協定書は調印されるものと思われる

地下戦現状 今や猛烈な地上戦の外に更に地中戦の惨劇を見ることとなる

旅順の天候 我が攻囲軍は、去る8日より防寒衣服を支給した

スエズ運河の警戒 バルチック艦隊がスエズ運河を通過する間、他船の通行を禁止する 

ハル事件仮協定書 18日ロンドン特約通信員発

ピータースブルグ通信員の電報に北海暴行事件に関する英国の仮協定書に対して露国は二,三訂正を提議したに過ぎず調印されるものと思われる。

解説:バルチック艦隊が1023日夜イギリス漁船に発砲した事件に関する協定書である。

地下戦現状 17日佐世保特派員発電

各方面の作業工事が進行して、今や猛烈な地上戦の外に更に地中戦の惨劇を見ることとなる。地中に坑道を掘りつつ進むと敵の通路より暗闇の中から機関砲の攻撃を受ける事があるがものともせず我が方も砲車を坑道中に運び戦う有様である。

 

旅順の天候 17日佐世保特派員発電

我が攻囲軍は、去る8日より防寒衣服を支給した。頭巾、手袋、襦袢、シャツ、外套等が全員に渡された。気候は去る7日より10日まで快晴で17度内外の温度であったが概して例年より寒気が強く時々降雪があった。

スエズ運河の警戒 18日ベルリン特約通信社発

スエズ知事は外国領事を集め、バルチック艦隊がスエズ運河を通過する間、他船の通行を禁止し且つ一切の示威行為を禁止する旨各汽船会社に通知するよう要請した。

解説:第2太平洋艦隊の「フェリケリサム少将」の戦隊がスエズ運河を通過しようとしている。