明治37年11月11日(金曜日)

スエズと敵艦隊 スエズ運河会社との間に満足な協定を結んだ

バルチック艦隊の集合地 モーリシャ島(英領)若しくはレユニオン島(佛領)と思われる

露国の窮策 怪しい船舶に関して情報を提供した者に相当の報酬を与える

英国の給炭船 バルチック艦隊に石炭を供給しようとしている船舶は13隻である

スエズと敵艦隊 9日ベルリン特約通信員発

露国政府はバルチック艦隊のスエズ運河通過のためにスエズ運河会社との間に満足な協定を結んだ。

バルチック艦隊の集合地

バルチック艦隊はタンジールより二つに分かれたが必ず何処かで集合すると思われる。その集合地点は何処になるか考えてみると普通であれば多分マダガスカル付近のモーリシャ島(英領)若しくはレユニオン島(佛領)と思われる。若しそうでなければシンガポールを通り過ぎたラバーヌ(オランダ領)になるであろう。

解説:モーリシャスはマダガスカルの東方にある東京都程度の広さの島であるがバルチック艦隊はマダガスカルのノシベに停泊した。

我が政府の抗議と佛、スペインの答弁

バルチック艦隊への給炭問題に関して我が政府より佛とスペイン両国政府の行為を局外中立違反と認めて抗議を申込んでいたが両国政府より答弁があったようである。

解説:バルチック艦隊は11月12日フランス領ダカールに投錨したがフランス政府は湾内での石炭搭載を許可しなかった。

露国の窮策 10日ベルリン特約通信員発

露国政府はハル漁船を砲撃した時、その場に居合わせたという怪しい船舶に関して情報を提供した者に相当の報酬を与える事を約束している。

解説:本紙10月21日、22日の紙面にハル事件の様子が書かれているが、今年行われたあるシンポジュームでロシアの教授がドッガーバンクで沈没船を引き上げ、水雷艇について調査すべきと主張していた。

英国の給炭船 10日ベルリン特約通信員発

今日までに知りえた所では英国の石炭船でバルチック艦隊に石炭を供給しようとしている船舶会社は10社あり、その船舶は13隻である。