明治37年11月9日(水曜日)

露獨密約の存在 露獨両国の間秘密条約が結ばれている

露国銃砲の供給 クルップ商会は新造銃砲を露国に供給している

バルチック艦隊 仏領諸港を選んで寄港している

佛国大使の戦局観 露国は勝利を確実にするまで屈してはならない

坑道作業の苦心 爆薬で上層の坑道を破壊する等一般の野戦と大いに趣が異なる

露獨密約の存在 7日ロンドン特約通信員発

露獨両国の間にはしばしば否認されているにも拘わらずなお秘密条約が結ばれていると信じられる理由があり注意が必要である。

露国銃砲の供給 7日ロンドン特約通信員発

クルップ商会は満州軍用の新造銃砲を露国に供給している。

バルチック艦隊 7日ベルリン特約通信員発

バルチック艦隊は特に仏領諸港を選んで寄港している。

佛国大使の戦局観 7日ベルリン特約通信員発

露都駐在佛国大使ボンバール氏は「余は露国が最後に勝利を得る事を信じており日本は今や既に弱っている。露国は勝利を確実にするまで屈してはならない。最初に戦争を始めたのは日本であるため日本はその責任を負わなければならない。」と述べた。

坑道作業の苦心 8日チーフ特派員発電

敵も坑道を掘って逆襲をしようとしているため、往々にして彼我の坑道が重なり、下にいる者は爆薬で上層の坑道を破壊する等一般の野戦と大いに趣が異なる。坑道作業をしながら前進する我が軍は目下徐々に砲撃の効果を収めつつあるようである。

解説:旅順はなかなか落ちなかった。10月31日乃木第3軍司令官は、戦死傷者3千830名を出し再び攻撃を中止している。