明治37年10月27日(木曜日)

英国の対露要求 バルチック艦隊の漁船攻撃について、即刻賠償を露国に要求

独逸新聞の報道 バルチック艦隊への肉類や石炭の供給は英国商船が行っている

攻囲軍成績 日本軍は二龍山と鉢巻山との中間南東の高地を占領した

英国の対露要求 25日ロンドン特約通信員発

英国外務大臣ランスダウン卿は、バルチック艦隊の漁船攻撃について、即刻賠償をするよう露国に要求し、露国が回答をこれ以上遅らせることは許すことは出来ないと明確に通告した。

漁船乗組員を救助しなかった露国艦隊の無慈悲さを世論は憤激している。新聞紙は、バルチック艦隊は世界に対する危険物であり、漁船砲撃に責任を持つ将校を軍法会議により処罰しなければならないと主張している。

独逸新聞の報道 25日ベルリン特約通信員発

諸新聞の報道によれば露国は、少なからざる軍用品を英国より買い入れており又英独2国の造船所は同じように露国に汽船を売り渡している。バルチック艦隊への肉類や石炭の供給は主として英国商船が行っている。

攻囲軍成績 26日チーフ特派員発電

日本軍は二龍山と鉢巻山(堡塁がその山を鉢巻の様に回っているために付けた名称)との中間南東の高地を占領した。この高地は旅順本防禦線の一部である。

25日夕方より二龍山と松樹山(しょうじゅざん)方面において盛んな砲声が聞こえるとの情報があった。多分日本軍は大攻撃を開始したのであろう。露国艦隊は依然として東港内を出なくて一部は白玉山の陰に潜み、一部は港内東北北東の隅に隠れているようで船影を見かけない様である。

解説:第3軍(乃木大将)は10月26日から第2回総攻撃を開始した。今回の目標は松樹山堡塁、二龍山堡塁と東鶏冠山堡塁であった。二十八サンチ榴弾砲をいんいんと撃ち始め,松樹山には約700発、二龍山には約1,100発、東鶏冠山北には約500発を打ち込んだ。巨弾の威力はすさまじく、堡塁の頑丈なペートンのアーチを貫いて炸裂した。