明治37年10月26日(水曜日)

我が同盟国世論 新聞及び大衆は、露国から迅速な陳謝と賠償を得るべきと主張

露艦暴行事件詳報 クレーン号は沈没し船頭及び船員の死体はハルに持ち帰られた

我が同盟国世論 24日ロンドン特約通信員発電

バルチック艦隊が北海に於いて英国漁船を攻撃した事は大いに英人の憤激をまねき皆これは海賊同様の無法な行為であると言っている。

新聞及び大衆は、露国から迅速な陳謝と賠償を得るべきと主張し、今回のことは露国が英国に挑戦するためか若しくは艦隊の気が狂ったために起きた行為であると認めている。

露艦暴行事件詳報 25日ロンドン ルーター社発電

漁船隊は昨日ハルに帰港したが、バルチック艦隊は日曜日(23日)の夜、北海に於いて漁船を襲撃し、その2隻を沈没させ2人の死者と多数の負傷者を生じた。

バルチック艦隊の最初の艦隊は金曜日(21日)の夜半漁場を通過したが、残りの艦隊は日曜日の夜、探照灯でしばらく漁船の方を照らした後砲撃を開始し、クレーン号は沈没し船頭及び船員の頭部を失った死体はハルに持ち帰られた。ウイーン号は船員全部を乗せたまま沈没した模様である。尚現場では29名の負傷者を乗せたまま行方不明者の捜索を行っている。一説によれば当時出漁していた漁船は150隻に上るという。