明治37年10月10日(月曜日)

独逸の禁制品売込み 露国の為に潜航水雷艇を建造中である

旅順敵船3隻撃沈 某山に設置した砲によって港内に停泊中の敵艦に対して猛烈な射撃

海軍衛生の好成績 艦隊を通じて脚気に罹っている患者は僅かに14人に過ぎない。

黒木大将はポーランド人 ポーランド貴族と日本婦人との結婚により生まれた。

独逸の禁制品売込み 8日ロンドン特約通信員発

漏れ聞く所によれば独逸のゲルマニア造船所において露国の為に潜航水雷艇を建造中である。又バルカン商会は絶えず軍用品を露国海軍省に納入している。

旅順敵船3隻撃沈 9日佐世保特派員発電

一昨日より旅順の包囲軍は某山に設置した砲によって港内に停泊中の敵艦に対して猛烈な射撃を行ったが砲弾は市街及び敵艦上に落下し盛んに火災が起こり、軍艦か汽船か不明であるが間違い無く大型船3隻を撃沈した。

解説:第3軍(乃木大将)の9月19日からの攻撃により第1師団右翼は、203高地の奪取には失敗したが「なまこ山」を手に入れることができた。この頂上からは旅順市内が人目で見渡せる上に旅順口の一部も見えたのでロシア艦船の攻撃には有利となった。某山とはこの「なまこ山」と思われる。

海軍衛生の好成績 

我が軍隊が去る17年より兵食の改良を行った結果、翌18年より今日に至る間脚気に罹る者は殆どなくなってしまった。そのため艦隊を通じて脚気に罹っている患者は僅か14人に過ぎない。兵食改良と言えば世間の人の多くは味を良くすることと考えるがそうではなく軍隊の兵食改良とは専ら栄養分に重点を置いている。

解説:本紙8月25日の記事「艦隊の健康」に脚気について関連記事がある。

 

黒木大将はポーランド人

我が軍の連戦連勝はポーランドの同情を買いポルスキエ、ステロ新聞の如きは甚だしい憶測を巡らし、黒木大将はポーランド貴族クロウスキーと日本婦人との結婚により生まれた人で、現に同大将の甥の大島ヨシカという人物がベルリンに留学していると書きたてた。