明治37年9月27日(火曜日)

英チベット条約破棄の訓令 英国は貴国の主権を蹂躙してダライラマと条約を締結した

旅順背面の砲台占領 水源地は21日に占領された

敵の第2軍司令官 露帝はグリペンベルグ将軍を第2満州軍司令官に任命

英チベット条約破棄の訓令 26日北京特派員発

露国公使が清国外務部(外務省)に対し次の申し入れを行い威嚇した。

チベットは貴国の属国で他国の干渉を許すべきでないにも拘わらず、英国は貴国の主権を蹂躙してチベットのダライラマと条約を締結した。貴国がもしこの条約を承認するのであれば、わが国も自ら我が利益と信ずる手段を取るであろうと威嚇した。そのため清国政府は直ちに駐チベット大使宛てに条約を破棄するよう訓令した。

解説:本紙921日の記事に英とチベットの新条約(英国の勢力圏がインドからチベットまで)について書いている。

旅順背面の砲台占領 25日チーフ特派員発電

当地の露人側に達した情報によれば、敵が水師営の南にある旅順水源地を擁護する為に特に設けた堅牢無比のクロパトキン砲台及び6ヵ所の砲台は19日以来の攻撃により20日正午に我が包囲軍により占領され、又水源地は21日に占領された。露軍は飲料水の確保に苦労しているようである。

解説:第3軍(乃木大将)の第1師団左翼は20日早朝、水師営第4堡塁を落とし、次いで第1堡塁、第2、第3堡塁を攻め落としている。

敵の第2軍司令官 日ロンドン ルーター社発電

露帝はウイルナ軍管区司令官グリペンベルグ将軍を第2満州軍司令官に任命し、次の書簡を送った。

短期間に成功を収めるためには出征軍の兵力を大幅に増加せざるを得ず、そして兵力数の関係上満州軍を二つに分ける必要がある。その第1軍司令官は依然クロパトキンで、卿(グリペンベルグ将軍)は第2軍の指揮をとり、一般的指導はクロパトキンから受け、委任された軍隊の指揮をとり、交戦せよ。

解説:2人の指揮官を設けるのはクロパトキンに対する皇帝の信頼が低下したものと見られた