明治37年9月13日(火曜日)

新渡戸博士(前橋)当地の師範学校と中学校の両校を訪れ、講演を行った

我が総司令部の恨事 戦闘に無関係な多くの住民が死亡したり或いは傷いた

敵軍の退却続行 敵の主力は奉天の北方清水台付近に退却したと思われる

遊就館の新陳列品 今回の新展示品は、敵の遺棄した防寒外套、長靴、手袋である

新渡戸博士(前橋)

農学博士新渡戸稲造氏は本日伊香保より帰京する途中で、当地の師範学校と中学校の両校を訪れ、講演を行った。

解説:新渡戸博士は明治33年「武士道」を著している。本紙7月25日に米国大統領がこれを読んだと書かれている。

我が総司令部の恨事

露軍は遼陽城に近接した陣地にこもって防戦する際、住民の退去を厳禁したため、戦闘に無関係な多くの住民が死亡したり或いは傷いた。現在英国宣教師ウエストテーター氏は老人や子供を含むこれら不幸な約200名を収容して、救護している。その惨状は言葉に表せられないほどで、我が総司令官も深く同情している。戦争の惨事を殊更に無辜の住民に及ぼす事痛恨の極みである。

敵軍の退却続行

敗残敵軍の有力な数部隊はなお奉天及びその前面の各地に居るが敵の主力は奉天の北方清水台付近に退却したと思われる情報がある筋に届いている様である。

遊就館の新陳列品

去る9日より靖国神社境内にある遊就館に新たに陳列された露国の戦利品を見る為の観覧者が非常に増加している。また陳列品が次第に増加するに従い境内の狭く感じられるようになり、別に小屋を建造する計画がある。

今回の新展示品は、大本営野戦経理部が出品したもので去る5月第○軍方面で敵の遺棄した防寒外套、長靴、手袋である。

解説:遊就館は明治15年に我が国で初めての軍事資料館として開館した。

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