明治37年8月30日(火曜日)

艦隊出港又延期 バルチック艦隊の出港は再び延期され

主力増援に汲々 露国は新たに第2回の増派軍団を編成し之を奉天に集中

ジャンク談 17日より23日までは極めて激烈な戦闘があり

遼陽戦果未発表 わが軍の行動は既に着々と成功し右側部隊の如きは奉天に前進し

武装解除着手 上海に於ける露艦の2艦はいよいよ昨日をもって武装解除に着手

艦隊出港又延期 28日ベルリン特約通信員発電

バルチック艦隊の出港は再び延期され、そして今回は12月末までと限って延期したと云われる。海軍当局も今やいよいよ同艦隊が果たして極東に達し得るかどうか疑問に思うようになっている。

主力増援に汲々 同上

ベルリン ターゲ ブラット紙がパリーより入手した報道によれば露国は新たに第2回の増派軍団を編成し之を奉天に集中するといわれている。

ジャンク談 28日チーフ特派員発電

最近到着したジャンクの情報によれば、17日より23日までは極めて激烈な戦闘があり、19日には椅子山(いしざん 旅順港のすぐ北側の山)の北側で小口径の砲4門ある八号半台は破壊され露軍は退却した。18日、19日の両夜日本軍は大雨を冒して椅子山を攻撃したがこれを陥れるに到っていない。

25日の夜5~60発の砲弾が旅順市街に落ちた。日本軍は椅子山付近に居るが未だ椅子山を占領していない。

解説:本紙8月26日(22日までの旅順)に関連記事があるが、丁度この頃は第3軍(乃木大将)が多大な犠牲を払い第1回の旅順総攻撃に失敗した時期である。

遼陽戦果未発表

遼陽決戦に関する公報は発表されていないがわが軍の行動は既に着々と成功し右側部隊の如きは奉天に前進し遼陽の敵は退路を断たれる危機に陥りつつある。

解説:本紙8月26日(遼陽の戦機)に関連記事があるが遼陽総攻撃は、開始されたばかりで大本営発表等はまだ無い。

武装解除着手

上海に於ける露艦アスコルド及びグロブボイの2艦はいよいよ期限どおり昨日をもって武装解除に着手し、2日間を以って終了するはずとその筋へ電報があった。

解説810日の黄海の海戦で敗れた旅順艦隊の2隻が中立港上海に逃げ込んでいたが国際法に従って、武装解除されることとなった。