明治37年8月10日(水曜日)

避難者所見 市街の燃えるような黒煙が見え、又山上の砲台より発砲する煙をみた

韓廷廃兵問題 韓朝廷の行政改革の一環として,先ず常備兵力の員数を大幅に減少させる

避難者所見 9日チーフ特派員発電

昨朝当地に到着した日本人の談で、昨日(8日)は砲声が激しく午前11時ごろ旅順より156海里の沖から旅順方面の山と山との間に市街の燃えるような黒煙が見え、又山上の砲台より発砲する煙をみた。港の前には軍艦を見なかった。

解説:陸軍の攻城砲不足に対して海軍から申し出て、12サンチ砲及び15サンチ砲、計33門を揚陸した。そして8月7日(日)に旅順市内及び港内に撃ち込んでみた。日曜日の昼近くのことで、教会でお祈りを済ませて帰ろうとする鼻先へ砲撃をくったので、非常に驚いた。港内に対しても最初は盲撃ちであったが、その内軍艦3隻に砲弾を集中させた。大損害を受けたロシア海軍は恐慌をきたし、港内に居れぬと判断し、8月10日出港し黄海の海戦となった。(参考文献:近代の戦争2 人物往来社)

韓廷廃兵問題 

韓人の間の風説を取り上げた我が国の京城特電の記事によれば、林公使(駐韓大使)は荒地開墾問題を見送る代わりに、韓朝廷の行政改革の一環として,先ず常備兵力の員数を大幅に減少させる事、内外人の顧問を淘汰する事、及び地方政治の監督として日本人を入れることになったという。元より韓人の風説であるので本当かどうかは不明である。

解説:荒地開墾問題とは韓国朝廷が所有する荒地を無償で日本人に払下げるよう要求している問題であり、7月30日に関連記事(特許拒絶の公文)がある。