明治37年8月3日(水曜日)

黒木軍の前進と占領 楡樹林子及び様子嶺付近を守っている敵に対し攻撃運動を開始した

進歩党の戦時財政調査 概略明年度における戦費を5億円と仮定し

政友会の集会 韓国の荒地開墾に対しては反対意見が最も激しく

黒木軍の前進と占領 8月2日午前大本営着電黒木大将報告

軍は楡樹林子(ゆじゅりんし)及び様子嶺付近を堅く守っている敵に対し31日未明から攻撃運動を開始した。

楡樹林子方面に対する攻撃は、同日夕刻前までに予定の如く進捗し、敵の両翼を撃破したが敵の兵力が強大で、またその陣地が堅固であるため夜になっても撃破することが出来ず、そのため翌1日の未明に再び攻撃を開始し正午になってようやくこれを撃退した。

様子嶺方面の攻撃もようやく成功し、31日午後1時過ぎより搭湾及びマークメンザ方向より共に歩兵の攻撃前進に移り、黄昏前にその陣地の大部分を奪取した。しかし敵の一部はなお頑強に抵抗し、夜に入っても退却せず、攻撃部隊は戦闘隊形のまま夜を徹し1日未明に再び攻撃を開始し午前8時様子嶺付近一帯は我のものとなった。

解説:露軍は日本の第一軍(司令官は黒木大将で朝鮮半島から北上、鴨緑河を渡河した)の急進撃を恐れ、これに対する反撃を企図した。7月17日には魔天嶺で反撃したが撃退され、さらに3個軍団を集めて大反撃を準備していた。これを予期した第一軍は果敢な先制攻撃に出て露軍を撃破し、8月1日までに楡樹林子及び様子嶺を占領し露軍の東翼に大きな脅威を与えた。(参考文献 日本の戦争 原書房)

進歩党の戦時財政調査

進歩党の政務調査委員会において、明年度もなお戦局は終結しないものと考え、概略明年度における戦費を5億円と仮定し、その内増税によるもの6千万円余り及び歳計剰余繰入等で合計1億円の他、新税及び事業繰延べ等で3千万円を、その他は公債及び借り入れによる計画である。どの様な種類の新税にするかは尚慎重に調査し決定すると言っている。

政友会の集会

 政友会の議題の主なものは、韓国の荒地開墾及び百三十銀行問題で前者に対しては反対意見が最も激しく、このような大問題を個人より提出させることの間違い、また時期早尚である事、韓人の感情をこの様に害してまで強行するのは得策ではない事等であり、当局に今後の計画を十分に質し、しかる後再協議する事とした。