明治37年7月24日(日曜日)

在チベット大使からの電報 ダライラマはイギリスとの和平を模索している様である

排日運動と我が警察 この集会を治安上問題があるとして直ちに解散を命じた

ロシア折れる ロシアは直ちにマラッカ号を釈放する用意がある

敵艦南下の形跡 磯浜沖合い約80海里に軍艦らしき艦が南下している

航行禁止と米の欠乏 横浜に於ける米の在庫が無くなり南京米を食べざるをえない

在チベット大使からの電報 23日北京特派員発

清国のチベット駐在大使が外務省に送った電報によれば、ダライラマは最近の遼東に於けるロシア軍の敗報を聞いて、それまで持っていたロシアに対する信頼感が薄れ同時にチベット兵が到底イギリス兵に太刀打ち出来ないことを知り、なんとかイギリスとの和平を模索している様である。そのため大使はダライラマを説得して平和を回復するよう努力したいと考え、外務省に対し北京のイギリス大使を通じ本国政府に請願し、暫くの間イギリス兵の前進を中止し協商について話合を始める端緒を得たいと希望しているようである。

解説:現在の中国は、チベットを自国の領土と主張しているが当時は違っていた事が伺える。

排日運動と我が警察  22日京城特派員発

本日午後4時頃、我が憲兵軍曹は20名の憲兵を率いて城内の反日グループの集会に赴いたが、韓国人の参加者1400~1500名であった。 1名演説中であったが憲兵軍曹は、この集会を治安上問題があるとして直ちに解散を命じた。しかし喚声を上げ不穏な情況となったため会長以下幹部3名を我が憲兵の手に捕らえた。

ロシア折れる(ドイツの抗議の結果) 23日ベルリン特約通信員発

ベルリンに達した報道によれば、ロシアはなるべく速やかに平和的な手段でドイツ ロシア間の誤解を解きたいと望んでいる。ロシア外相はベルリンから届いたドイツの2回目の抗議文に対し丁寧な回答をすると共に海軍大臣に対して厳重な命令を部下にするように求めた。又イギリスに対しては、マラッカ号の積荷(弾薬)の性質を証明し、香港政府宛てのものであると宣言をすればロシアは直ちにマラッカ号を釈放する用意があると述べた。

敵艦南下の形跡

茨城県発の大本営着電によれば22日昼、磯浜(犬吠埼の北方海岸)沖合い約80海里に2本煙突3本マストの軍艦らしき艦2隻、同じく2本煙突2本マストのもの1隻が南下しているのが見られた。

航行禁止と米の欠乏

 四日市と横浜間の航行が禁止された結果横浜で消費する米を搭載した日本郵船のエンマ号を始め数隻が四日市に停泊している。そのため横浜に於ける米の在庫が無くなり南京米を食べざるをえないと恐慌をきたしている。