明治37年7月23日(土曜日)

韓国朝廷の拒絶回答 何度要求されてもこの様な特権を外人に与えることは出来ない。

露艦また黒海を出た チェルノモリエツ号はダータネルス海峡を通過した

ウラジオ艦隊の所在 岩手県山田港沖40海里を南方に航行していた。

英国の対露抗議 マラッカ号に搭載していた弾薬は、英国の極東艦隊用として輸送中

韓国朝廷の拒絶回答 1日京城特派員発

韓国朝廷に対する荒地開墾要求(韓国内の未開拓の国有地を日本人が開拓するため無償での払下げ要求)に対する拒絶回答の要旨は、荒地の開墾は韓国政府がこれから行おうとしている事業であり、外国人に許可することは出来ない。日韓両国は真にお互いの利益になる事業に対してはお互いに助け合い、お互いの権利を尊重し両国の信頼関係を強化することが両国の大義である。然るに我が政府が将来、着手しようとしている事業に対し貴公使が繰返し要求されるのは如何なものであろうか。たとえ何度要求されてもこの様な特権を外人に与えることは出来ない。

解説:明治37年7月10日の記事「韓国に対する荒地請求と大隈伯」に大隈重信(早稲田大学創始者)が現代から見ると当然である日本政府の無理な要求に反対する意見を述べている。

日露戦争以前の韓国朝廷はロシアの影響下にあったが日露開戦後日本海軍が制海権を得て以降日本への協力を承諾し、日韓議定書が調印され、韓国内の日本軍の行動に外交上の制約が無くなった。この様な弱い立場の韓国朝廷に対しこの要求は起きている。

露艦また黒海を出た 21日ベルリン特約通信員発

露国の仮想巡洋艦チェルノモリエツ号(武装した商船)はダータネルス海峡(黒海と地中海を結ぶ海峡)を通過した。

ウラジオ艦隊の所在 22日午前岩手県発大本営着電

漁師からの情報に依ればウラジオ艦隊は21日午前7時頃岩手県山田港沖40海里(約72Km)を南方に航行していた。

英国の対露抗議

 英国は露国に対し、マラッカ号に搭載していた弾薬は、英国の極東艦隊用として輸送中のものであったと抗議しており、英国国民の怒りは甚だしい。政府は最も強硬な抗議をせざるを得なくなった。日頃政府に反対する野党党首も本件に関しては政府を助け同一歩調を取る意向と思われる。