明治37年7月20日(水曜日)

露艦の乱暴と世論 露国義勇艦隊は英国及び独逸に於いて一般国民の憤怒を引起している

独逸の対露抗議 ベルリン外務省は抗議書を露国外務省に送付した

日本軍艦紅海に向かう 巡洋艦2隻がマラッカ海峡付近を航行するのが目撃されている

墺国大学生と日本戦勝 代表2名は530名連名の祝辞を持って帝国公使館を訪れた

露艦の乱暴と世論 

紅海に於ける露国義勇艦隊の行為は英国及び独逸に於いて一般国民の憤怒を引起している。同艦隊が独逸郵便船の日本行き郵便物を差し押さえたことは国際公法違反であり弁解の余地が無いことと認められ,、列国政府は本件につき露国に抗議すべきであるとの議論が盛んである。

独逸の対露抗議 19日ベルリン特約通信員発

ベルリン外務省は郵便船プリンツハインリヒ号の郵便物が差し押さえられた直後に抗議書を露国外務省に送付した。独逸の新聞は残らずこの差押さえを公法違反として、又露船スモレンス号の行為を未曾有の侮辱であると述べている。

露国政府はこのような驚くべき粗忽な行為について陳謝しなければならない。独逸は決してこの無礼を見過ごすことは出来ず対露関係に重大な影響を及ぼしつつある。

日本軍艦紅海に向かう 19日ロンドン ロイター社発電

シンガポール発の通信によれば、装甲巡洋艦2隻が石炭船を伴って去る木曜日マラッカ海峡付近を航行するのが目撃されている。これは紅海の露国義勇艦隊捕獲の為航行中の日本軍艦に違いないと思われている。

墺国大学生と日本戦勝

 鴨緑江に於ける戦報が欧州に伝わり 墺国レオポール市工科大学学生一同530名は日本軍の戦勝を祝し併せて、本人の意に反して露軍に徴兵された同胞人(ポーランド人を言う)で日本軍の捕虜となった者に対して帝国政府が相当の厚遇を与えることを希望するとの電報を帝国公使館に寄せた。また選ばれた代表2名は530名連名の祝辞を持って帝国公使館を訪れこれを差し出した。