明治37年7月19日(火曜日)

義勇艦隊と独逸 ドイツ郵便船は、露国の仮想巡洋艦から停船を命じられた

ダムダム弾の審査 ダムダム弾はヘーグ条約の規定により使用を禁止されている

義勇艦隊と独逸 

アデンからの電報によれば、7月16日同港に到着したドイツ郵便船は、前日に露国の仮想巡洋艦スモーレンスクから停船を命じられ、日本行きの郵便物、嚢、小包を没収されたという。

これに関しドイツの新聞は「海上法の国際慣例は、常に中立国の郵便船に対し特別な待遇を与えている。従って今回の場合に於けるように郵便船を停め、郵便物を没収する事は弁解のしようが無いことであり、ドイツ政府は、躊躇することなく十分な救済を求めるべきである。」と述べている。

解説:義勇艦隊と新聞にあるのは、軍艦であるならば許可なく通行できないダータネルス海峡を、黒海から商船旗を掲げて通過し、地中海に入り、現在は露国の軍艦旗を掲げている仮想巡洋艦(大砲を搭載した商船)である。

ダムダム弾の審査

我が軍が今回捕獲したロシア軍のダムダム弾は、近日東京に送られ調査される予定であるが、これがヘーグ条約違反のダムダム弾である時は、第3国を介して抗議を申込まなければならない。

ダムダム弾とは通常の弾丸の先端を平らに切断したもので、これが当ると傷口が大きく裂け治療が難しくなるため単に戦闘力の減殺を目的とする現代の文明戦に於いてはヘーグ条約の規定により使用を禁止されている。

往年英国がアフリカ遠征の際使用したことがあるがこれは野蛮人の多くは頑強で普通の弾丸を使用しても戦闘力がなかなか衰えない為であった。その為ヘーグ条約では現在でも、これら蛮人に対するダムダム弾の使用を禁止していない。

解説:100年前には、アフリカの黒人を野蛮人として野獣と同様に見なしていたようである。