明治37年6月30日(木曜日)

満州軍司令部出発 76日午前11時新橋発の汽車で遠征の途に就く

潜航水雷艇の試験 潜航水雷艇フォルトン号は海底に12時間留まる潜航試験をした

旅順救援断念 旅順の救援は最早断念されたようである。

決して降伏することなかれ 如何なる場合にも決して敵に降伏してはならない

佛国碩学のヨーロッパ連邦論 ヨーロッパ国民は一大連邦を組織するようになるであろう

満州軍司令部出発

満州軍司令官元帥陸軍大将大山巌、同総参謀長陸軍大将児玉源太郎、同幕僚陸軍少将福島安正氏以下の諸将校はいよいよ来る76日午前11時新橋発の汽車で遠征の途に就くと言われている。

潜航水雷艇の試験 桑港(サンフランシスコ)クロニクル

米国ニューポート建造の潜航水雷艇フォルトン号は今月66日の夜を以て海底に12時間留まる潜航試験をした。乗組員は総員で六人であり、6日の夕刻から7日の午前11時10分まで海底にいたが何らの故障もなく、非常に満足する結果を得た。

海軍技師ウートッド氏は海底の潜航は、10日間継続する事が出来ると語った。

旅順救援断念 

セントピータスブルグ紙の記事を伝える62日パリーテームズ新聞によると、露国は旅順口救援の為に救援隊を組織し、既に三万の兵員を動員したが、金州の陥落及びその他の各所に於ける日本軍の威嚇的上陸の結果、この計画は終に廃棄され、旅順の救援は最早断念されたようである。

決して降伏することなかれ 旅順に関する露帝の勅令

セントピータースブルグ紙の最近の記事で、露国皇帝陛下は旅順口にいるステッセル将軍に対する勅令を発布したと伝えている。この勅令によると、若し旅順の砲台が日本軍にょって占領される場合には、防禦のため或いは重要な建造物は全て破壊せよ。若し卿等がこの様な危機となるならばその艦隊は、一部の危険を顧慮せずに、その全力を傾注して一方の活路を開いて、浦潮(ウラジオ)に到着するようにし、如何なる場合にも決して敵に降伏してはならない。

佛国碩学のヨーロッパ連邦論 経済学者社会学者アナトール、ルロアポーリュー氏

佛国の有名な経済学者、社会学者であるアナトール、ルロアポーリュー氏は、61日の夜、シカゴの佛国同盟会において次の演説を行った。

ヨーロッパ国民の多数は遂に一大連邦を組織するようになるであろう。もっともこの連合は二十世紀中には生まれず、又これに加盟しない国が3つあるであろう。

その第一は英国であり、英国は寧ろ米国と結合するであろう。第二は露国にして、露国は一大独立国として存在するであろう。第三はトルコであるが、同国はこの連邦に併呑されて、その存立を失うことになるであろう。この連合の一面は米国の進出に対抗し、一面は黄人患に対抗するために必要不可欠なものである。