明治37年6月28日(火曜日)

第三太平洋艦隊派遣説 黒海艦隊で第三太平洋艦隊を組織することに決し

露国参謀部の所見 クロパトキン大将の軍隊を予定の防禦線まで退却させて全力を集中

列国海軍艦隊比較 世界七海軍国の艦艇を網羅した英国の国会報告書が昨日発表された

第三太平洋艦隊派遣説 露都六月七日発ニューヨーク トリビューン着電報

露国海軍総督アレキシス大公は、露帝の勅許を得て黒海艦隊で第三太平洋艦隊を組織することに決し、トルコ帝からは同艦隊が再び帰港しないことを条件としてダータネルス海峡通過の勅許を既に得たと言われている。 同艦隊は戦艦三隻と若干の水雷艇及水雷駆逐艇で編成され、バルチック艦隊と同時に極東に向かって出発するであろう。

同日発のロンドン電報によれば英国外務省は未だ露、トルコ両国のどちらからもダータネルス海峡通過の要求を受けていない。トルコは固より、海峡通過の件は明らかに条約違反であるため例え要求を受けても英国はこれを承認することはないとあった。

露国参謀部の所見 五月九日露都通信>

当地参謀本部は敵軍が遼東半島の占領及び鴨緑江の進軍により収め得た利益が重大であることを認めるけれども、ザスリツチ将軍が鴨緑江畔において対戦を試みたことは無謀な事であると言明し、若しこの事がなくてクロパトキン大将の軍隊を予定の防禦線まで退却させ、ここに全力を集中させたならば、これは非常に良い作戦であると必ず言われたであろうと述べた。

列国海軍艦隊比較 五月六日ロンドンデーリー、クロニクル

三月三十一日現在の世界七海軍国に於て既に建造されたもの及び現に建造中のものを網羅した国会報告書が昨日発表された。

既成艦艇(建造中艦艇)

     英     仏     獨    伊    米    露   日

戦闘艦  55(12)   30(6)   30(8)   16(6)    12(13)   21(9)   7(2)

海防艦   1    14    11     0      11    14    2

巡洋艦 138(23)  56 (9)    46(10)   24(1)     29(13)   21(5)  37(1)

哨艦     (8)

水雷艦  32     16      2     14       0      9    1

水雷駆逐艇124(36)  24(15) 37(6)    11(2)    20(0)    47(14)   19(1)

水雷艇  87(4)    233(94)    86 (0)   138(14)   31 (1)  167(0)  82(3)

潜水艇  8(21)    26(48)    1(5)     1 (0)   8(14)   1     0(0)

 

総計   455(104) 399(72)   213(24)   204(28)  111(27)   280(42) 148(7)