明治37年6月26日(日曜日)

東郷連合艦隊司令長官報告 昨夜我が駆逐艦と水雷艇により少くとも戦艦一隻は轟沈

鎮南浦の日本兵 日本の兵士はその士官に対して礼儀正しくて従順である

日英同盟の酷似 日本が今日成さなければならない事を我々は明日しなければならない

東郷連合艦隊司令長官報告 六月二十四日午後十時大本営

二十三日午前十一時敵艦が港口付近に出たとの報告があり、全ての艦艇が出動する。敵は戦艦六隻、巡洋艦五隻、駆逐艦十四隻であり、南下をしようとしているようであるが日没後になって港外に仮泊した。

昨夜我が駆逐艦と水雷艇は旅順口港外に於いて敵艦隊を攻撃し、少くともベレスウエート型戦艦一隻は轟沈し、セバストポリ型戦艦一隻とジアナ型一等巡洋艦一隻は今朝曳航されて港内に入るのを見たとの報告があったので多分大損害を受けたものと思われる。我が艦艇には大きな損害はなく、駆逐艦白雲が敵弾の為に士官室を破壊され、戦死三名、負傷三名であった。また湾口の閉塞状況は辛うじて戦艦が通過できる程度に開通しているものと認めれれる。

鎮南浦の日本兵 ニューヨーク ウチールド4月12日鎮南浦発

今や鎮南浦には無数の日本兵と数千の軍属とが充満して居るけれども市内のコヒー店や居酒屋などは極めてひっそりとしたもので、他国の軍隊が宿泊している都市の状況を見慣れている者に取っては誠に不思議に感じられる所である。

士官と兵士との間柄が極めて親密であることや、又他の陸軍のように士官が非常に傲慢で常に兵士との折合が悪い事を見てきた者が、皆同じ様に驚いている。日本の兵士はその士官に対して礼儀正しくて従順であるので、従って命令が徹底し、訓練がよく行届いている。

日英同盟の酷似 モーニングポスト

 陸軍大佐ジョージ クラーク卿は五月十日海軍協会の年会に於て、次の様な演説を行った。世に露人程勇猛な海陸兵はいないと言われながらこの様に戦いに敗れるとは、これはどうしたことか。これは日本兵の脳力が行ったことである。日英両国はその繁栄と進歩を海に依存せざる得ない点に於いてお互いに非常に良く似ている。そうであれば日本が今日成さなければならない事を我々は明日しなければならないようになることを知っておかなければならない。