明治37年6月4日(土曜日)

日本軍の作戦如何 (525日隋南モーニング.ポスト)

市内交通機関の発達

露兵の価値、忠実なる従卒(某参謀より某将校に宛てた手紙)

日本軍の作戦如何 (525日隋南モーニング.ポスト)

 遼東の野に於ける日露両軍の戦闘行動を報じる報道は非常に複雑であるが重要な情報は少ない。とはいえ日本軍が今日までほとんど作戦上の失敗をした形跡がないことは断言することができる。今や両軍が相対戦することは既に三回になろうとしているにもかかわらず日本軍には些の失敗や錯誤の形跡は見られない。

日本軍は三軍で編成されている。旅順口は包囲するか、若しくは素早い攻撃によってこれを陥落させるのは明らかである。日本軍はこれを包囲若しくは攻撃するに十分な勢力をこの方面に留め、残余の軍を以って徐々に北進し、露軍が大々的な抵抗を試みる場合にはこれを撃破しようとしているも思われる。

市内交通機関の発達

 最近一年間において我が東京市の交通機関は殆ど面目を一変した。昨年の8月まで僅かに市内交通機関として見るべきものは、遅くて不潔な馬車鉄道が品川より上野浅草に通じているだけであった。然るに昨年9月には丸の内線が開通し、次いで本郷線、四谷線、深川線、両国往還線も開通し、遠からず本芝線も開通し、これでいわゆる第1期線が完成となり将に第2期線に着手しようとしている。

露兵の価値、忠実なる従卒(某参謀より某将校に宛てた手紙)

 余は貴下に是非一読を請いたいことがある。それは次のようなことである。収容した敵の負傷将校に従って甘んじて捕虜となった某従卒がいたことである。その従卒は、将校が我が軍に収容されるのを見て、彼を棄てて退却するのに忍びず、彼の看護の為に残って、甘んじて捕虜になったのである。そしてその負傷将校の側にあって一歩も離れず、夜間も一睡もしなくて彼を介抱している。これを見て我が将卒は思わず感嘆賞賛の声を上げている。