明治38年近代化の足跡

主要記事

期日

政治

期日

軍事,司法、治安

期日

金融、財政、商業

期日

工業 農業 教育       通信、鉄道、その他

19

我が領事の告示

15

京城の我が警察権 

117

目賀田顧問と韓国幣制 

127

学部参与官傭聘

117

地方行政監督 

119

地方悪政愁訴

119

財政問題諮詢

317

イタリアの金鉱要求 

25

議政府会議議案 

122

警察権回収紹介

120

朝鮮幣制改革

43

通信機関に関する契約

228

韓国官制改革

21

軍備縮小

122

財政整理綱領

46

朝鮮通信機関設備

628

韓廷新官制 

310

韓国警務と我警部 

128

韓国借款 

512

韓国通信院長辞職

73

地方政治改善

422

韓国の新軍隊

129

借款調印

527

京釜鉄道開通式 

1028

議政府会議

531

新刑法発布

22

1銀行の業務

67

馬山鉄道開通

1119

日韓新条約

61

警務顧問の配属 

28

韓国国庫金取扱

623

韓国教育と日本語

 

 

611

冤罪者解放

29

貨幣整理契約

71

巨智部博士の来韓 

 

 

629

警務刷新の訓令

626

韓廷募債

73

通信機関引継進行

 

 

710

新軍律の改正 

630

韓国金庫事務処理順序

73

巨智部博士と韓廷

 

 

83

韓国司法問題

73

白銅貨交換開始

79

平壌と日本通貨 

 

 

812

韓国近事

818

目賀田顧問通牒 

717

平壌白銅交換

 

 

97

地方警務刷新 

1020

税務司引渡

731

自由航行案決す 

 

 

1026

韓国新守備隊

1023

韓国の新貨幣問題

817

韓国航行条約

 

 

 

 

1220

借入金問題 

93

韓国海関所管 

 

 

 

 

1222

借款契約の調印

925

韓国における電話事業 

 

 

 

 

1230

釜山税関拡張 

104

痘苗製造照会 

 

 

 

 

 

 

1023

韓国の新貨幣問題 

 

 

 

 

 

 

1026

京義鉄道の開業 

 

 

 

 

 

 

1028

韓国貿易機関拡張

 

 

 

 

 

 

111

綿花園と試験場

 

 

 

 

 

 

112

新式度量衡の実施

 

 

 

 

 

 

115

断髪令公布 

 

 

 

 

 

 

123

平壌義州間開通

韓国情勢

明治38年1月

15

京城の我が警察権 4日京城特派員発

長谷川大将の布告分は韓国警察の規律がルーズであるため我が軍事警察権を拡大して、韓国警察の代わりにその権限を行使すると布告している。

京城とその付近では事実上韓国が警察権を持たない事となった。林公使は韓廷に対して貴国の警察は内外人共に信頼されていないため保安上この布告を出したとの意見を付け加えた。また各国公使にはこの布告文は日本人のみを対象とするのでなく外国人にも及ぶことを通告した。

19

我が領事の告示 8平壌特派員発

昨日我が領事は、林公使の訓電により韓国国民に対し、韓国の施政改善は日韓議定書により今や我が帝国に於いて着手中であるので、今後韓国の官吏が虐政をし、咎める事があれば領事館に提訴するか又は領事館を経て公使に申告せよ。みだりに実効の無い運動をすることは国内の秩序を乱す恐れがあり、安寧を維持する事は我が政府の担当する所であると告示した。

117

目賀田顧問と韓国幣制 同上

 目賀田顧問は、貨幣制度改正及び白銅処分に関する意見を奏上するため、本日午後4時度支部(たくしぶ)大臣と共に参内し、謁見した。

119

地方悪政愁訴 18日京城特派員発

 先に我が領事が、公使の訓令として地方官の虐政や不法行為がある場合は我に訴えよと韓国民に布告した結果、各地方人民は我が領事に訴え出るものが甚だ多く、現に鎮南浦(ちんなんぽ)領事が訴えを受けた不正郡守のみでも7名となった。

120

朝鮮幣制改革 19日京城特派員発

 本日の官報号外を以て、貨幣条例実施に関する次の勅令を発布した。

韓国貨幣改革条例を本年61日より実施する。又同時に韓国貨幣と形体量目を同一にする貨幣は通用を妨げない件について次の勅令を交付した。

第1条           条例に規定する貨幣と品位量目及び形体を同一にする貨幣はその通用を妨げず、公私の受授を許すこと

第2条           本例は貨幣条例実施の日より一般に施行する。

又邱貨幣の定期交換に関する勅令は次のごとし

第1条        旧貨幣は次の各条に従って新貨幣に交換又は回収する事

第2条        旧貨銀十両は金貨1貫に相当の比較とし順次交換又は回収する事

第3条        旧白銅貨幣の交換及び回収は光武971日から開始する事

第4条        旧白銅貨幣の交換終了期限を1年以上として定める事

第5条        旧白銅硬貨交換期限後はその通用を禁止する事

第6条        前条による交換の方法や場所等は支部大臣がこれを指定する事

122

財政整理綱領 20日京城特派員発

 韓国財政整理案について聞くところによれば、白銅貨の処分が第1であり、既報のとおりこれに関する勅令が発布された。そして白銅貨を回収して更に新貨幣を発行する為の準備金は、我が政府がこれを貸与し(その額不明)、鋳造に着手する予定である。又これに伴い中央及び各地方に金庫を設けて、我が金庫取扱要領とほぼ同一の規定により、国庫の出納を行う予定である。

127

学部参与官傭聘 26日京城特派員発

 昨日の電報にあるとおり学部顧問幣原坦(しではらたん)氏は学部参与官として聘傭(へいよう)される事となり、顧問としてより一層実際の教育事務に関与する資格を得る事となるがその契約の大要は次のとおりである。

第1条           学部大臣は幣原坦を学部参与官として聘傭し、教育事務に関する起草立案を専管させ、政府に提議させること

第2条           大韓国学部に於ける一切の教育文書は幣原坦に回覧し、その同意を経て処理すること

第3条           幣原坦は学務に関し、議政府会議に参与し、また意見を上奏する事ができる

第4条           俸給月額金貨300円と定める

第5条           本契約を解除の必要がある時は、在京日本帝国代表者の同意を得て解約することができる

128

韓国借款 27日京城特派員発

 韓国の借款は500万円であり、第1銀行がこれに応ずる事となった。同銀行の500万円の増資はこの為であった。但しこの担保に関しては現在交渉中である。

129

借款調印 28日京城特派員発

 韓国借款契約は昨夜2時度支部(たくしぶ)大臣閔泳綺(びんはいき)と第1銀行京城支店支配人清水大吉氏との間で締結、調印を終了した。その金額は300万円、利子は6分で期限は10年と定め、関税を担保とする。そして第1銀行中央支店に金庫を設け、第1銀行がこれを管理し、白銅貨の引き換えを行う事となった。

明治38年2月

21

軍備縮小 31日京城特派員発

韓国の軍備はいよいよ次のように縮小して編成することに決定した。

歩兵10個大隊でこの兵員総数は8500名、内京城に3個大隊、地方に7個大隊、砲兵、工兵、騎兵は各1個中隊である。

22

1銀行の業務 1日京城特派員発

韓国の今回の借款300万円は、白銅貨を引き換え準備金である。第1銀行は将来韓国の中央銀行として、国庫の出納を司るはずで、その委託契約は20カ条からなっている。また第1銀行は韓国政府の公認を経て、紙幣を発行し、それで白銅貨の引き換えを完了する予定であり、この貨幣整理に関する委託契約は8カ条からなっている。

2月5日

議政府会議議案 4日京城特派員発

昨日来、議政府会議に提出された改革議案は次のとおりであった。

官制改革案

一、議政府を総政(そうせい)と改め、内閣を統(すぶる)事

一、参政(さんせい)を廃する事(異議なく決した)

一、学部及び農商工部を廃し、内部の一課とする事(農商工部を廃する事は異議ないが内部を学部に合する事には異議あり)

警務を内部に属させる事

一、法制局を設ける事

一、高等文官試験委員を設け、人材登用の途を開く事

貨幣整理案

一、大阪造幣局に委託し、正貨(銀貨、白銅貨)を鋳造する事(意見一致せず未決)

軍備編成案

一、雇い兵を廃して、徴兵令を布く事

警務部顧問雇聘契約

大韓国内部大臣趙乗式(てうへいしき)は勅令を奉じ、日本政府の推薦した丸山重俊との間に次の条項を協約する。

第1条     丸山重俊を韓国政府の警務顧問とし、警察事務を協賛整理し、警察事務上の諸般の設備に関して誠実に審議立案する事

第2条     韓国政府は警察に関する一切の事務に対して、丸山の同意を得た後施行すること、丸山は政府会議に参予し、警察に関する意見を、内部大臣を経て議政府に提出できること

第3条     丸山の補給は金貨400円

第4条     旅費規程

第5条     契約の解除規定

2月8日 

韓国国庫金取扱 7日京城特派員発

 第1銀行が韓国国庫金取扱の委託を受けたその契約は20カ条からなっており、その主なものは次のとおりである。

一、第一銀行は光武8年12月30日度支部の布令で定めた金庫出納の事務を取り扱う事

一、韓国の歳入は全て第一銀行へ預け入れる事

一、国庫預金に利子を付けない事

一、国庫出納に関する経費は第一銀行がこれを負担する事

一、第一銀行は国庫金取扱の事務上、全国の枢要な地に置く事

一、韓国政府は通貨、金銀及び有価証券を第一銀行に保護預けをなし得る事

一、韓国政府は無利子で30万円以内の金額を第一銀行から引き出し得る事

2月9日

貨幣整理契約 8日京城特派員発

 韓国政府と第一銀行との間で締結した貨幣整理に関する委任契約は次の様である。

第1条     韓国政府は、現行の貨幣整理予算の範囲内に於いて貨幣整理に関する事務を第一

銀行に行わせる事「

第2条     貨幣整理に関する事務に関して第一銀行は度支部大臣の指揮監督を遵守する事

第3条     韓国政府は第一銀行券を公認し、公私授受に支障なく無制限に通用させる事

第4条     貨幣整理に要する一切の費用に充てる為、資金として金300万円を第一銀行の交付する事

第5条     から第7条 省略

2月28日

韓国官制改革 27日京城特派員発

 官制改革が漸く決定したため、数日中に発表される筈であるが大胆な改革は未だその時期で無いように見える。情実の為に行われないものもあり、学部、農商工部についても廃止にならず、改革の主なものは議政府に於いて賛政5名を廃止し、内務部で警務庁を併せ警務局を置き、農商工部に鉄道局を置き、鉄道院及び西北鉄道庁を廃止した等で、各官庁を通じて局長以下290名を削減し、従来に比較し官吏の数約三分の二に減少させた。その他外交官制の様な重要なものは全く手をつけず第2の改革期に決行の予定になっている。

明治38年3月

310

郵政合併勧告 8日京城特派員

韓国郵逓(ゆうてい)事務は我が郵便局に合併したほうが良いとその実行を林公使から勧告した。

317

イタリアの金鉱要求 16日京城特派員発

イタリー公使は金鉱要求に関して、外務部(韓廷の外務省)に対して次の要求を示し、なお交渉中である。

1 イタリア人は契約の成立期日から2年以内に鉱区を選択する事

2 鉱区の広さは幅2里、長さ6里と定める事

3 鉱山採掘特許期限は25年間と定める事

4 税金は金鉱純利益の100分の25と定める事

明治384

43

通信機関に関する契約 2日京城特派員発

韓国通信機関に関する契約は本日林公使と外部大臣李夏榮との間に調印された。

韓人側から聞くところによれば、その契約は次の十ケ条より成り、その大要は次のようである。

1 韓国の通信機関を整理し、日韓両国の通信機関を連絡共通することは韓国の行政上、経済上利益があると認めるため、韓国の郵便、電信、電話事業は日本政府に委託し管理させること。

2 韓国政府は既成の通信機関に関する一切の整理を日本政府に移すこと

3 日本政府が韓国通信機関を整理拡張する際、韓国政府はこれに便宜を与えること

4 拡張整理に関する事業は全て日本政府が負担すること

5 韓国政府はこの協約上の権利及び利益を存しない範囲で別に通信員を置くことができる

6 通信機関運用に関して日本政府は韓国官吏及び必要な人員を任用すること

7 通信機関官吏に関する経費と収益はこれを明確にし、日本政府は韓国政府に利益を納付すること

8 韓国政府が行政上、経済上、通信機関を独力で経営することができるようになれば、全てこれを韓国政府に還付すること

46

朝鮮通信機関設備

朝鮮の通信機関の全てをわが国で経営する事となり今後増設、拡張の予定である。従来の朝鮮電信局は約30箇所、郵便局は46箇所であり、電信は諺文(げんぶん)ローマ字のみで日本文は取り扱っていない。また郵便局も単に信書の郵送のみで為替、貯金、小包や現金引替え郵便等は取扱っていないがこれからは一切日本の郵便局と同様に全ての取り扱いを開始する。

416

韓国の新軍隊 14日京城特派員発

昨日軍部大臣が国家財政上の理由により軍事を改正する訓令を発した。各兵卒を一旦解散して、全ての武器を倉庫に回収し、更に解散した兵士から壮健な者を選抜し召集する事を命じた。京城に於いては親衛隊を廃止し、自衛隊を3個大隊、憲兵、砲兵、工兵、騎兵を各1個中隊、また地方には忠清道清州等7箇所に各1個大隊を置く事とした。

明治38年5月

512

韓国通信院長辞職 同上

通信事務引継ぎについては、外部より我が公使に対して、本日から着手する旨通告してきたが、参政閔泳煥(かんえいかん)は通信院に対し、引継ぎ命令を発することを拒み、且つ辞表を提出したとのことであり、本日からの実行は難しいと思われる。

527

京釜鉄道開通式 25日京城特派員発

京釜鉄道の開通式の模様は次の様であった。

午前九時より停車場構内に於いて花火を連発し、同十時、来賓一同南大門外の式場に参集、十五分奏楽を始める。博泰王殿下、義陽君殿下は馬車に同乗、来場され、同鉄道重役一同はアーチの左側に整列し、奉迎した。古市総裁の先導で御休憩所に案内し、十時半奏楽があり、来賓一同は式場に入る。同四十五分爆竹を合図に両殿下は総裁の案内にて式場に臨まれた。古市総裁が殿下の前に進み、開通式挙行の旨を言上し、博泰王殿下、義陽君の令旨があり、次いで古市総裁の奉答、米国公使アーレン氏の演説、大浦逓相、農商工部大臣朴斎純、貴族院総代江原素六氏等の祝辞があり、これで式典は終了した。両殿下は奏楽中に式場を御退出され、暫く御休憩の後正午食堂の宴に移られ、令旨を賜る。又総裁の式辞があった。参加者は1200名で、内貴族院議員30名、衆議院議員100余名で、京城にとって空前の賑わいであった。

531

新刑法発布 30日京城特派員発

韓廷は本日の官報を以て刑法を発布した。

この刑法は去る明治28年、星亨(ほしとおる)氏が法律顧問であった時に立案したものに修正を加えたものである。また韓廷の法律教師であった佛国人クレマチー氏は昨日付で契約満期となり、解雇された。

明治386

61

警務顧問の配属 2日京城特派員発

今回派遣の警視8名、警部13名は策他到着し、警視の内1名は丸山顧問に属し、他の7名は各道の観察府に配置され、又警部13名も各地方に配置される予定である。

67

馬山鉄道開通 6日馬山特派員発

馬山鉄道の開通式は本日午前十一時に挙行され、京城から石本次官、山根鉄道技監が出席し、盛況であった。

611

冤罪者解放 10日京城特派員発

韓国で多くの囚人が、冤罪で呻吟している状況が見られるので、丸山警務顧問は今後監獄を巡視し、直接囚人を取り調べ、無罪と認められる者は直ちに釈放することに決定した。

623

韓国教育と日本語 21日京城特派員発

韓廷の学部は篠原参事官の立案で、先ず初等教育の改良に着手することとなり、従来城内にあった不完全な9校の小学校を改革し、概ね日本の小学校レベルに倣い、特に日本語の一科を加えて、教科書の編纂も本日から着手するとの事である。

626

韓廷募債 25日京城特派員発

韓廷は近く国庫證券条例を設け、これによって整理公債二百万円を募集し、旧債の償還及び行政費等に充てる予定である。その取扱いは第一銀行が当り、そしてその公債は日本で募集の計画である。利息は年七分、償還期間は五年である。その発行額は九十五円で三ケ年据え置き、明治四十一年六月から満二個年間にこれを償却し、担保としては国庫の歳入を当てる予定である。これに対して東京の資本家は一つのシンジケートを組織し、この金額を引き受ける事に相談が纏まったとの事である。しかし韓廷の旧債権は数年来、第一銀行から借り入れものが殆どで約百万円に達しており、これらが旧債権の主なもののようである。ちなみにこの議政府会議にて可決された目賀田顧問の財政案は、すなわちこの公債募集の件のようである。

628

韓廷新官制 27日京城特派員発

韓廷は、いよいよ官等の俸給令を発令した。官等表によれば、勅任官一等は議制、参制、各部大臣、賞勲局総裁、中樞員(ちゅうすういん)議長であり、同二等は議政府参賛(さんさん)、中樞員(ちゅうすういん)副議長、中樞員(ちゅうすういん)参議、各部協辦(きょうべん)警務使、平理院長等である。

明治38年7月

73

白銅貨交換開始 2日京城特派員発

白銅貨と新貨との交換は予定どおり、昨日から開始された。午後四時までの交換申込額は、日、清、韓人合わせて百三十万円であった。

地方政治改善 同上

韓廷の政治改善は、以後少しずつ地方に及ぼし、先ず十三道を八道に復し、三百四十二郡を百七十郡に廃合し、各郡守を観察使に隷属させ、その権限を縮小させて、従来郡守が直接中央政府に申出ていた事件等は全て観察府を経る事となった。税務は財務官及び補佐官に担当させる方針であり、現在地方制度の改善を評議中である。

巨智部博士と韓廷 同上

巨智部(こちべ)技師の俸給は月額四百円及び官舎料八十円と定め、我が公使から韓廷に通告した。

通信機関引継進行

韓国郵逓司(ゆうていし)並びに電報司の各通信機関は去る六月中に全部引継ぎを完了する予定であった。現在訪韓中である池田逓信書記官を始め、各引継ぎ委員は精励し、その交渉に当り、既に九分通を済ましているが、交通不便の地に散在する十数か所は未だに終わっていなくて、多分今月中までには全部を終了する予定といわれている。

79

平壌と日本通貨 7日京城特派員発

平壌の韓人は日本貨を受け取らない旨決議したと平壌の我が領事から公使館に報告があった。その内容は、同地方の白銅貨に悪貨が多い為、貨幣の交換の際に排斥される事を恐れて、現状のまま白銅貨を流通を望むという無知の念に他ならない。

7月10日

新軍律の改正 8日京城特派員発

韓国に駐留する日本軍の軍律は次の様に改正された。

第一条      韓国に於ける帝国の軍事行動に阻害を加えるものを防止する為次の規定を設ける。

第二条      本軍律に違反したものに科する罰目は次のとおり

一、死 二、監禁 三、追放 四、笞(むち) 五、科料

 前項第二以下の罰目は重擬昇加する事を得る。

第三条      監禁は一定の場所に拘置し、身体の自由を拘束する。但し場合によっては苦役に就かせることもできる。追放は一定の期間、一定の場所から放逐するものとする。

第四条      次に掲げる行為をした場合には死に処す。

(一) 敵の為間諜を行ったもの等

(二) 我が軍隊、艦船艇の動静等軍機や軍情報を漏えいし又は敵に知らしめる等をしたもの

(三) 俘虜を逃亡させる等させたもの

(四) 我が軍隊、艦船艇の指揮官又は吏員に対して反抗や危害を加えたもの

(五) 軍用の電信、電灯、鉄道、車両、船舶等を破壊等をしたもの

(六) 毒を投じて水道所等の飲用水を有害にしたもの

(七) 軍事上機密の書類、兵器等を棄損等したもの

(八) 言語、文章等で我が軍に不利益な報道等を流布したもの

(九) 軍事上の通信、交通や輸送を妨害したもの

(十) 我が軍の徴発に応ずる事を拒み又は徴発を妨害したもの

 (十一) 以上各項の他我が軍の行動を妨害等したもの

 (十二) 本律の違反者を隠匿、逃亡等をさせたもの

以下略

717

平壌白銅交換 同上

度支部(たくしぶ)令第七号によって、平壌に於ける白銅貨の交換を二十五日から開始の旨発布した。交換申込の受付は毎月十六の日で、一日一名につき五百円から三千円の範囲である。

731

自由航行案決す 29日京城特派員発

沿岸自由航行案は、昨日の議政府会議を通過した。調印は3日以内に行われる予定である。

聞く所によれば、沿岸自由航行の条約条項は十カ条より成り、期限を十五カ年としている。我が汽船会社は適切な場所に桟橋、倉庫を設ける事が出来ると同時に、税関に対して相当する税金を払う事等が主要なものの様である。

明治388

83

韓国司法問題

今後の韓国司法制度について、我が政府に於いて多少研究しているが、今日の現状は未だこれら権利問題を争うべき場合にではなく、結局英国が東洋諸国に対して行っている領事裁判権を拡張し、特殊な裁判官を派遣している例に倣って、我が法曹界から敏腕の者を抜擢して韓国各領事館に在勤させる事に内定したようである。但し施行の時期については未だ決定していない。

812

韓国近事

丸山警務顧問に属する各警視は、この程全員補佐官として既に各地に赴任しているが、今回同顧問は各補佐官に対して

(一)、韓国の法律は各地方に如何なる状態で行われつつあるか

(二)、各地方に於いて地方官は罪人を如何に待遇しているか。

(三)、各地方における官民の関係は如何に。

(四)、各地方における白銅流通状況如何に

の諸点について調査を命じ、且つその意見を徴したので各補佐官からこれに関する意見を上申して来るのを待って警務上の基本方針を決定する予定のようである。

817

韓国航行条約

韓国沿岸及び内水航行に関する約定書は今回、日韓両国の代表者によって調印されたがその内容は次のとおり

第一 日本船舶は、約定書の規定に従い貿易の目的で、韓国沿岸及び内水を航行する事が出来る。

第二 沿岸及び内水の航行に従事しようとする日本船舶は領事館を経由して所有者の氏名、住所、船舶名簿、航行区域等を届出て、鑑札を受けなければならない。鑑札はこれを受けた日から一年間効力を有する。

第三 日本船舶は次の金額を納付しなければならない。

  100トン以下の船舶 15

  100トン以上500トン以下の船舶 50

  500トン以上1000トン以下の船舶 100

  1000トン以上の船舶  150

第四 日本船舶は自由にその航行区域を航行できる。

第六 日本船舶所有者は船着き場に於いて土地を借り入れ、倉庫を建造し、許可を受けて埠頭を築造する事が出来る。

第九 約定の有効期限は調印の日から満15年とする。

その他略

818

目賀田顧問通牒 16日京城特派員発

韓廷官吏の俸給は今回改正の結果、増額された事は既に報道された通りであるが、皇室費はこの改正に関係しない。各部官吏は皇室費も増額されるのでなければ官吏のみ加俸を受け取るわけにはいかないとして俸給の受け取りを拒否している。これははなはだ忠義顔に見えるがその裏面は度支部(すなわち目賀田氏)を困らせようとする魂胆である。

この為本日目賀田顧問は議政府大臣に対して、一通の通牒を発した。

その主旨は、俸給の改正は官紀を振粛(しんしゅく)し、廉直養成する目的であり、俸給改正はその旨既に明らかにしており、皇室費をその範囲に加えていない事は宮内大臣も既に聖旨を受けている。

明治389

93

韓国海関所管 2日京城特派員発

韓国の税関は従来、度(たく)支部から独立して総税務司が管理しているが、近く財政整理上の理由で度(たく)支部に所属させ、目賀田顧問の監督の下に置かれるようである。

97

地方警務刷新 5日京城特派員発

内部(ないぶ)は各地方官に対して、警務の刷新を期する為、今後次の事項を警務補佐官に図ってこれを試行すべしと訓令した。

一 高等警察に関係ある事項

一 司法行政警察事項

一 各国人に関係あること

一 伝染病に関すること

925

韓国における電話事業 22日京城特派員発

韓国における通信機関を整備する一環として、我が政府は今回第一期事業として今年中に馬山、大邱、元山、鎮南浦に電話を設け、明年度に木浦、群山、江景、海城、平壌の五か所にも増設の計画である。

明治3810

104

痘苗製造照会 3日京城特派員発

痘苗(とうびょう)製造法は不完全であり危険な為、これを我が同仁会の手で行いたい旨我が公使より韓廷に照会した。

1020

税務司引渡 18日京城特派員発

韓国税務司ブラウン氏は来月5日を期して税関事務を度支部(たくしぶ)顧問に引き渡す予定であり、一説には税務司として大阪税関長曽我祐準が来るのではと言われている。

1023

韓国の新貨幣問題 22日京城特派員発

旧白銅硬貨の交換は、その後着々と進行しており、京城、仁川、平壌等に於いては最早少ししか残っていない。その他の地方でも既に納税期に入っている為、引き続き回収が行われつつあり、来年五月の納税期が終了するまでには大部分の回収が行われると思われる。そのためこれに代わる少額の貨幣を発行する必要があり、今回財務顧問の発案で十銭銀貨、一銭、半銭の青銅貨を鋳造する事となり、昨日その旨奏上して裁可を得た。

1026

韓国新守備隊 24日京城特派員発

韓国における新守備隊の先遣部隊が明日から入京し、当月中に全部隊が来着を完了する予定である。その内幾つかの部隊は地方に配置される事になっており、居留民は南大門に壮大なアーチを作り、歓迎の意を表す予定である。

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綿花園と試験場 同上

既に報道された綿花栽培園及び農事試験場を全国各地に設ける件については、韓廷がこれを快諾し、赤壁農学士がその場所を選定する事となった。

 

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新式度量衡の実施 1日京城特派員発

既に報道されている様に、本日は新式度量衡を実施する初日である為、農商工部大臣の名前で招待状を送って、度量衡製造検定所に於いて祝宴を開いた。

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断髪令公布 4日京城特派員発

韓政府は本日断髪令を公布し、一般臣民を断髪させることとなった。

賛政官圭窩(けいくわ)は昨日自ら断髪し、官吏一同に向かい断髪の励行を勧告した。

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日韓新条約 178日京城特派員発

御前会議 

 17日午後3時、各大臣が参内して、御前会議が開催中であり、林公使も宮中にあり、伊藤大使も参内する模様である。

提案要領 

 我から提出して条件は総督府を京城に置き、其の支部を各開港場に置く事の他、外交権を日本に収める事等である。

交渉の進捗 

 交渉問題が成立し韓廷が承諾の意を表明した模様であり、林公使は韓国各大臣と共に謁見中である。

新関係成立 

 御前会議の結果、日韓両国の新関係は只今成立した。

調印成立 

 韓廷は伊藤大使から提出した条件を容れ、外部大臣も調印を承諾した。(18日午前410分発)

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平壌義州間開通 1日平壌特派員発

今朝から当地と義州間の京義線は営業を開始した。3等の運賃は417銭である。

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借入金問題 19日京城特派員発

韓廷が今度新たに借り入れる予定の150万円は、やはり第一銀行の手を経る筈であり、無利子、無利息と思われる。調印が終わったとの説もあるが、調印はなお両三日の後となるであろう。しかし借り入れの上は、予て目賀田顧問が考案した共同倉庫手形組合基金等に使用して、当地経済界の救済に充てるものである。

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借款契約の調印 20日京城特派員発

150万円の借款の件は、我が政府の代理者である第一銀行支店と度支(たくし)大臣との間で本日調印が終わった。契約は4カ条からなり、使用の目的は、当地経済会の救済資金に充てる事であり、無利子で期限は10カ年以内に償還すべきものとし、担保に就いては何らの約束も無いと聞いている。

借款問題の後報 22日京城特派員発

150万円の借款返済期限は7カ年である。ここに前電を訂正する。なお同金額は第一銀行に預けて、必要に応じ目賀田顧問の承認を得て引き出す事が契約書に規定されている。

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釜山税関拡張 29日京城特派員発

総税務司を兼ねる財政顧問は、来年度から着手する予定の釜山港税関の拡張工事案を発表した。これによれば現在の税関は、構内が狭く、鉄道線路との連結も悪いので、約千坪の埋立地を作って税関の敷地とし、その東南の隅から堤防を築き、釜山市街との間に一つの内港を作り、鉄道を敷き、直接京釜鉄道と連結させる。