韓国情勢 明治44年

明治44年1月

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総督帰城 30日京城特派員発

寺内総督は30日午後7時、帰任した。

解説:寺内総督は、28日会議終了後に出発し、朝鮮の北端にある新義州に到着し、列車泊、翌29日新義州を視察の後、平壌に移動し、30日帰任すると言う日程を強行している。

朝鮮会社令 同上

30日、寺内総督は、勅裁を経て、官報号外を以って会社令及びその施行規則を公布した。本章は全文24条である。11日より施行される。これに依って朝鮮に設立される会社及び母国に本社を有し、朝鮮に支店等を設立する者は、全て総督の許可を要する事になった。

 

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寺内総督の訓示 31日平壌特派員発

寺内総督は、29日午後、新義州より当地着した。午後5時より主な官民を引見した後、一同を集め、道庁の裁判所、監獄等の事務について訓示を与え、更に外国宣教師等を別室に集めて懇談した。終わって質素な立食の饗応を行い、総督の発声で天皇陛下万歳を三唱し解散した。総督は一泊の後、30日朝7時、鎮南浦に赴き、視察を遂げ、午後1時再び当駅を通過し帰京した。(一部抜粋)

新年の景気 31日京城特派員発

朝鮮人側は、尚陰暦による者が多いので、平日と変わらないが、豊作と下賜金とに依り、一般に好景気で平穏である。日本人側は、取引盛んである。市中禁輸は尚一般に窮迫を告げ、銀行方面は前月に比し寧ろ緩慢である。 

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朝鮮の新年 1日京城特派員発

京城:雪が降り、寒気が強い。昌徳宮に於いては午前7時より、総督官邸にては午前10時より、それぞれ遙拝式を挙げ、午前10時、李王は総督官邸に赴き、御真影を拝し奉られた。

平壌:午前10時より、道庁及び各学校に遙拝式があり、正午より官民名刺交換会があった。夜来の風雪が止まず隷下10

鎮海湾:重砲兵大隊は午前8時、軍港では9時より拝賀式を挙げた。日鮮人の賀客は、織るがごとくで市況は活気があった。

解説:昌徳宮とは、李王の宮殿である。

総督の第2回視察 同上

総督は4日頃、更に他の方面の視察に向かう予定であり、その目的地は秘密である.

1月6日

寺内総督告示 5日京城特派員発

寺内総督は、5日午前11時より山縣政務長官、各部長官以下文武官百余名を総統官邸に招集して、告示を行い、正午新年宴会を開いた。 

1月7日

朝鮮内務談(門司) 内国電報6日発

宇佐美朝鮮総督府内務部長官の談に曰く

現在各道長官は常に管内を巡視して、行政の精神を中心として訓示しており、郡守等も又これを人民に諭す様に努めている。その結果、村民の郡守を見る目が変わり、以前の様に、苛斂誅求の官吏ではない事を知る様になった。故に行政及び収税の成績とも次第に良好に向かいつつある。その為今後しばらくすれば、殖産勧業の実績も徐々に上がると思われる。今や両班達も実勢実益を重視する傾向にある。(一部抜粋)

解説:苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)とは税金や借金などを容赦なく厳しく取り立てることであるが、李王朝の問題点は、額に汗をかかない両班の存在と悪代官の様な郡守の存在であった。郡守の下に江戸時代の目明しの様な下級官吏がおり、お金を持っている農民が居ると嗅ぎ付け、奪う事が日常的に行われていた。内政改革の結果、その様な郡守が居なくなりつつある様である。 

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寺内総督訓諭 7日仁川特派員発

寺内総督一行は、7日午前1130分、港湾及び市中の視察を行い、府庁に於いて午餐の後、午後130分京城に帰任した。なお総督は主要な官民及び学校教師を引見し、次の意味の訓諭を行った。

  諸君は、公共の心を以って私利を求めることなく、又一時の利益を得ようとする様な事なく、着実に仁川及び朝鮮の発達に尽くされんことを望む。

  児童教育は、華美に流れず、実務的教育をする必要があるが、特に朝鮮児童の教育は、空理空論を避け、成るべく実利実益を基礎として教育する必要がある。

(一部抜粋)

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平壌地方の砂金 8日平壌特派員発

当地勧業銀行支店に於いて、昨年中に買い入れた砂金の額は、475万貫でこの価額は1816297円であり、前年の倍額である。

民団議員の選挙 同上

来る31日と決定した。有権者数は778

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水道管営説 9日京城特派員発

当地の英国水道会社の手より渋沢男爵を通じて、水道工事を2百万円で買い上げ、官営とするとの説がある。

解説:渋沢栄一は、明治33年男爵となっている。190970才となり、実業界からの引退を宣言し、第1銀行と東京貯蓄銀行を除く、61の役員を止めている。

古刹保存法 同上

総督は、朝鮮に於ける古刹保存法を設けようとしている。

解説:李王朝の身分制度は、両班、中人、常人、賤人となっており、僧侶は賤人の階級であり、仏教は没落していた。 

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朝鮮会社令発表 内国電報10日発

朝鮮会社令が発表され、産業界を驚愕させた全文が10日の官報に掲載された。その重要は項目を列挙すれば、会社の設立及び朝鮮に支店を設置するものは、全て総督府の許可を要する事とし、更に総督府は会社の禁止、停止若しくは解散に関する絶対、無限の権力を有する事とした。そして制裁は猛烈なもので、5年の懲役、5千円の罰金を課す事とした。民間実業家及び政治家の非難は固より、政府部内に於いても攻撃の声が少なくない。(一部抜粋)

解説:総統の朝鮮を守ろうとする強い決意の表れと思われる。

朝鮮海関工事 同上

政府は、朝鮮に於ける貿易の増進に伴い、各開港場の水陸連絡設備の完成を期す為に、総経費8,271,829円を計上した。先ず来年度、902,845円を釜山に、533,394円を仁川に、325,000円を鎮南浦に62,960円を平壌の各税関工事に支出する事を決定した。

 

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会計事務整頓 11日京城特派員発

併合後、総督府は、従来、各部で分掌していた会計事務を、全て会計局に集中させた結果、一時的には事務の渋滞を来したが、最近漸く整理がついた。且、先日来、開催していた各道の会計主任会議に依って、益々中央と地方との事情が疎通し、好結果を得て終了し、山縣総監は一同に職務上事務の敏捷を守るべき旨を訓示した。

恩賜公債交付 同上

貴族、両班に下付された恩賜公債證書は、いよいよ12日を以って全部交付された。

李王殿下上京期 同上

李王殿下は、いよいよ3月中旬に、内地観光の途に就く予定であり、李完用、趙重應氏等が随行することになっている。

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水道鉄管敷設 12日清津特派員発

羅北川の上流、約3里の地点から水道鉄管を敷設し、羅南の兵営に給水し、残余は市民の使用に供する為に、本年4月頃起工する予定である。

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朝鮮官制改正の議 内国電報13日発

▽総務長官の名称

朝鮮総督府の官制中に総務長官と言う名称がある。各部長の上位にあるような嫌いがあり、つり合い上、不都合なので、秘書官である実質に適応する名称に変更すべきとの議があると聞く

1月14

寺内総督の治績 14日京城特派員発

総督の施政方針の訓示には、至る所に、唯実利実益を図り、空理空論を排すべしと言うに留まり、如何に実利実益を図るべきかに就いては、未だ明瞭な説明が与えられていない。現在は、先日御用始めの訓示にあった様に総督部内の調和を図るに忙しそうである。(一部抜粋)

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林政未だ定まらず 14日京城特派員発

統監府に於いて、20年計画の造林案を決定したかの様に伝えられているが、事実ではない。朝鮮の林野は調査のみで10年を要し、先ず全国の林野の所有者を調査、確定し、その後同じく官有林野の内、保存すべきものとそうでないものとを区別し、その後初めて植え付けに適する樹木を調査し、配置しなければならない。(一部抜粋)

鉱業不許可 同上

従来、内地人の鉱業出願者は唯、鉱業権のみを取って、実際の事業に着手せず、確実な企業家及び朝鮮人の企業家の妨害となっている。その為、総督府に於いては、当分、全ての許可を与えない方針であり、出願は総務部に行詰まっている。農商工部から上申中の鉱業権の取消し及び不許可の分のみは速やかに解決し始めている。

寺内総督着発 15日釜山特派員発

寺内総督が15日午後5時来着、府庁に入り文武官及び各団体の主なものに接見した。警戒が非常に厳重であった。6時半より宴会を催し、同夜弘済丸にて下関に向け出発した。

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漢城銀行一躍増資 16日京城特派員発

朝鮮人の株主のみの漢城銀行は、15日の総会にて、従来30万円であった資本金を一躍、3百萬円に増資する事を決議し、16日の総督府官報号外を以って、同銀行に関する総督府令を発表した。

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ペスト警戒 17日平壌特派員発

16日草河口発鶏冠山着の列車の中で、支那人1名が疑似ペストに罹り死亡した為、同駅にて検疫を開始した。鴨緑江沿岸及び黄海道沿いの海岸の様に支那人及びジャンクの出入が激しい地に於いては、この際特に防疫に努めるべき様厳達した。(一部抜粋)

解説:鶏冠山は、旅順要塞の一部であり、現在も東鶏冠山に要塞壁の一部が残っている。

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ペスト予防 18日京城特派員発

ペスト予防のために、朝鮮に来る支那人は全て健康診断を行い、不健康者は一切上陸を拒否し、健康者も3日間、一定の場所に収容して、後入国させるよう総督府より通知した。又外国人、日本人も同様にて当局は、新義州に収容所に充てる家屋を買い上げ、準備に多忙を極めている。

実業学校長会議 同上

18日より実業学校長会議を開き、総督の諮問案に付、会議した。

平壌の電灯会社 17日平壌特派員発

当地の電灯会社は、その筋の認可をへて、宮川五郎三郎氏が創立委員長となり、事務所を設け、創立に着手した。

解説:宮川五郎三郎氏なる人物は実業家の様であり、小林よしのりの「大東亜論総選挙」の中に遠山満、板垣退助等の名が出てくるが、宮川五郎三郎の名もあった。

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隔離所建設準備 19日仁川特派員発

満州のペストが猖獗を加えている為に、総督府は新義州に隔離所を設ける予定であるが、更に仁川にも隔離所を設ける予定である。満州を経過した船客、荷物を収容し、3日乃至5日を経て、異常がない事を認めない限り、一切市中に入ることを許さない。その為に、現在隔離所を建設する土地を選定中である。

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渋沢男の憤慨(発起人を取消す) 19日京城特派員発

渋沢男爵は、今回発表された会社令の不当な事に憤慨し、前に浅野氏と共に設立に賛成を表した朝鮮製麻会社の在京城発起人の許へ賛成を取消しに来たようである。

法律学校指定 同上

先に政令第7号で帝国大学専門学校又は総督の指定した学校を卒業した朝鮮人は、文官高等官試験委員の銓衡をへて、特にこれを朝鮮総督府判事又は検事に任用する事ができると規定したが、19日総督府告示を以って、次の学校を指定した。

私立早稲田大学、慶応大学、関西、京都法政、明治、中央、法政諸大学

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会社令弁明 20日京城特派員発

20日、総督府より会社令に対する弁明書が出された。その要旨は、寺内総督の本旨は朝鮮に健全な事業の経営を奨励する事であり、確実な会社の設立は固より歓迎する所である。しかるに今後、年々朝鮮人の手に入る恩賜公債利子150万円を見込んで、且朝鮮人の無知に乗じ、内地人が詐欺的甘言を弄し、無暗に会社を設立しようとするのは明らかである。総督はこれを傍観するには忍びず、今回の訓令を発布した所以である。

解説:この会社令に対し、昨日の記事で渋沢男爵は怒って、会社設立の発起人になる事を取消している。

1月23日

検疫規則発布 22日京城特派員発

21日、総督府政令第1号を以って、開港検疫に関する規定が発表された。その内容は、ペスト流行地よりの船舶は、必要により停船を命じ、消毒を施し、10日を越えない期間にて、船客、乗組員を停留する事、又物品の種類を限り輸入を禁止する事等5ヶ条であり、これを拒むものは5百円以下の罰金に処せられる筈である。(一部抜粋)防疫励行 同上

総督府は、取敢えず、ペスト予防費5万円を支出する事を決定した。若し安東県に襲来したならば、大犠牲を払う覚悟で、平壌、新義州間の汽車の運転を中止するという非常手段を採る予定である。現在新義州には、検疫留置中の西洋人両3名おり、盛んに苦情を申し立てている由であるが、この際寸毫の仮借なく規則を励行する様である。

 

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防疫委員部設置 23日京城特派員発

満州ペスト予防の為、総督府に於いて防疫委員部を置き、又明石警務総長は、自ら予防事務督励の為、23日新義州に出張する。同所に新たに憲兵20名を増加した。 

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東拓移民実行 内国電報 25日発

東拓では、以前から土地の整理に着手し、170万9千筆の整理を遂げたので、いよいよ移民の募集を始め、今回の募集に対し、総計1,159戸の希望申込を得た。依ってその内より比較的適当と思われる、団体申込に係る23戸と単独申込に係る240戸、総人員1,159名に承諾を与えた。既にそれぞれの移住地を整えて、移住者が来るのを待っているが、本月以後3月中旬には全部移住させる予定である。24日東上した林東拓理事が語った。 

1月28日

賊徒包囲 26日京城特派員発

黄海道の賊徒を、同道の西端に突出する半島にある九月山に追い込み、2個連隊を以って包囲している。巨魁は、最早、袋の鼠同様の窮地に陥っているが、巧みに山頂に隠れ、未だ逮捕に至っていない。昨年11月より現在までに、逮捕又は罰した賊徒は82名、我が守備隊の死傷34名に及んでいる。

ペスト予防 27日仁川特派員発

満州のペストが益々、蔓延している為、満州から来た船舶及び一切の支那ジャンクに対し停船を命じ、荷客を隔離所に収容して検疫を行いつつある。その外、26日以降、支那苦力の入国を完全に禁止した。尚税関では防疫事務を拡張し、4万円の予算で

(1)新たに数百名を容れる隔離所を設置中で、来月3日竣工

(2)流行地域より入港する船舶に対し、鼠取りを行う為、殺鼠剤の注文をし

(3)防疫事務員30名、医員3名の増加を決めた。 

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満州境の防疫 28日京城特派員発

27日、新義州より帰来した明石警務総長は、鴨緑江の龍厳浦より上流ハントウに至る哨戒線を張り、8百名の朝鮮人補助員を使役して、日夜厳重な監視をし、一人たりとも警戒線を横断させず、朝鮮に入り込む者は、全て新義州の1カ所に於いて、検疫と5日間の留置受けさせることとし、間島方面にも、緩急に応じて、豆満江沿岸に於いて、同様な手段を採る計画で,如何なる犠牲を払ってもこの方面からは決して伝搬させない確信があると言明した。

満州食糧品禁止 同上

度支部は、各税関長にペスト予防訓令を廃し、満州より来る大小豆、玉ねぎ、その他食糧品の輸入を禁止すべき旨訓令した。

碧蹄関保存会 同上

文禄年間の記念物である京畿道高陽郡の碧蹄関が非常に頽廃しているので、同郡守が発起人となり、保存会を設立した。

解説:碧蹄関の戦いとは、2万の明軍を2万の小早川隆景が破った戦いで文禄2年(1593年)に起こった。 

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玄界灘の風浪 29日釜山特派員発

関釜間の波浪が高く、壱岐対馬からの船は当港に停泊しているが、梅が丸は定時に来着した。30日は、下関からの船は1隻も来港しないと思われる。

民団議員選挙 同上

当地の民団議員選挙の運動は、非常に激烈である。 

解説:民団とは、どうもその地域に居住する日本人で議会の様なものを作り、政府への陳情や住民の生活向上を図っていた様である。

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朝鮮森林官営理由 内国電報1

1日の朝鮮森林特別会計委員会に於いて、渡辺修氏は、絶対官営主義を採る理由を質問し、児玉政府委員は、国境付近の事業であり、政治上、複雑な関係を生じる虞があり、当分間、民間に移す時期なく、将来、ますます官営の必要を感じる次第である。

李王家職員任命 

李王家の職制が1日より施行に付き、次の如く長官以下職員の任命があった。

1等 閔 丙?        任李王職長官 (1等 1級俸)

検事 従4位勲3等 小宮三保松  任李王職次官(同    同)年俸2千円加賜

2等 高 義敬        任李王職次官(2等  2等級)

以下略

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総督府の弁明(鉱業権不許可主義) 1日京城特派員発

総督府では、鉱業権不許可主義であると伝えられている事に対し、弁明書を発表した。これは、旧韓国政府から事務引継ぎの為に一時的に中止したもので、今や日本人64、朝鮮人53、外国人1、合計118件の出願に対し、許可の決定をした。なお農商工部の調査した最近の鉱区及び経営者数は、全国で739件、2億4千萬坪に及ぶ。

朝鮮に於ける新事業 

朝鮮総督府予算の主要な施策は

朝鮮人憲兵4,321人を養成する目的で憲兵養成費5万円を計上に、

臨時土地調査費175万円は昨年に引き続き、第2期の調査を行う予定で、主として土地の地位等を定めるにある。

教育費に於いては、内地人の設立した学校補助費として41万円を支出、

小農資金の融通を図る目的で地方金融組合を設立させ、その補助費として52万円を支出する予定で、

又朝鮮の開発は、道路、港湾の修築が急務であるので1千万円の公債を募集し、5箇年計画を以って、幅4間及び3間の道路で、総延長587里を修築する予定で、来年度年間継続額2百万円を要求した。

その海関工事費202万円は、釜山、仁川、鎮南浦、平壌等の海陸設備を修築する方針である。

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豆満江の防疫 2日京城特派員発

明石警務総長は、間島を通じて吉林方面よりペスト病が侵入する恐れがあるので、豆満江沿岸にも、鴨緑江と同様に厳重な防疫手段を執るよう命令した。

朝鮮会社令の影響 3日仁川特派員発

朝鮮会社令が発布された結果、とかく煩雑な手続きを必要とする様になったので、各地にある私設会社で、社名を排し、組合組織に変更する者があるそうであるが、仁川木材会社も組織を変更し、組合組織とし、仁川木材商会と改称した。

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朝鮮航路停止 

山縣朝鮮政務総監は、満州をベスト流行地と認め、満州を出発又は経過して朝鮮の各港に来る船舶は、各税関に於いて検疫の上、10日間の停船をしなければ、全ての貨物の陸揚げを厳禁する事は無論、ボロ、古綿、皮革、古着等の外大豆、豆粕、雑穀と雖も十分な消毒を行わなければ、一切輸入を禁止する事なり、その旨を関東都督府に公達したので、郵船会社、商船会社等の経営する朝鮮回り航路は、解禁があるまで、一時航行を停止する事となった。

26

軽便鉄道出願 4日釜山特派員発

桂二郎氏その他の出願に係る木浦、釜山間の軽便私設鉄道は、昆陽に発電所を設けて、電気にて運転、経営する予定で、願書を慶尚南道庁に提出した。

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朝鮮事業公債 内国電報6日発

昨日午前10時開会、荒井朝鮮度支部長官の説明によれば、新たに発行予定の朝鮮事業公債5,500万円の内

1,000万円を道路費

3,750万円を太田と木浦間及び元山京城間の鉄道敷設費に当て

120万円を漢口の鉄道複線工事に用い

残額約800萬円は、築港費として釜山に380万円、仁川に350万円、鎮南浦に80万円を割りあて、なお12万円を以って大同江の浚渫工事に充当する(一部抜粋)

29

穀物輸入税廃止運動 8日仁川特派員発

来る7月より施行される穀物輸入関税定率法の撤廃運動の為、仁川会議所連合会より、委員2名が上京中である。尚各道朝鮮農民1万余名が連署した請願書を提出し、更に各地日本農事経営者等も連署して同様の請願書を提出すべく運動中である。

210

ペスト朝鮮に入る(京義線南川駅付近) 6日京城特派員発

7日、義州にペストの疑いがある患者が発生したが、検査の結果、胸膜炎と判明し、漸く安堵した矢先、8日朝2時、黄海道南川守備隊(南川駅は京城の北僅かに40マイル)より明石警務総長に向け、南川の南部およそ1里の碧岩と称する一村に急性熱病に倒れた朝鮮人4名、患者6名を発見し、容態はペストと判断される旨急電があった。明石警務総長は8日朝、直ちに宮尾1等軍医、福田警部、憲兵30名と共に発生地に急行、同時に南川駅より他に貨物の運搬を禁止し、発生の現場に厳重な隔離、消毒を施すのは無論、南川駅に検疫を施す旨命令を発した。

釜山港改良 9日釜山特派員発

政府は、今回3百万円を支出し、登港の係船桟橋及び暗礁の撤去工事に直種する計画である。

212

昌徳宗の衛生講話 10日京城特派員発

朝鮮人に衛生思想を普及させる手始めとして、李王が先ずその範を示す事となり、総督府嘱託山根正二次氏及び森安博士は、10日昌徳宗に於いて、李王以下各王族、貴族等を集めて、ペスト予防に関する講話を行った。

李王の御礼使 10日京城特派員発

李王は、今回王世子に対し、聖上陛下の思召しに依り鳥居坂御用邸を賜り、その他優渥な御沙汰を拝する事が度々であるので、このお礼として高事務官を特派した。同事務官は、家職変更について総督と打合せる用務も帯びている。

216

賊魁捕はる 14日元山特派員発

3年来、京畿道、江原道、咸鏡道、平安道の4道を荒らし、我が討伐隊とも数回交戦した、元親衛隊の軍曹であった京城生まれの賊魁姜基東は、長らく行方を晦ましていたが、13日当地吾妻橋に於いてその筋の手に逮捕された。

景徳宮を官ガとす(南山のい官邸は李王別邸とす) 14日京城特派員発

京城の中央部を占め、規模が最も大きい景徳宮を総督府官ガ及び総督府官邸とし、現在の南山の総督府官邸を李王の別邸に差し上げる事に決定した。

2月18日

京城水道買収(追加予算提出) 16日京城特派員発

京城に於いて残っている在留外人の事業である水道を、渋沢、竹内シンジケートに売り渡そうとした事は、既電の通りであるが、総督府では、これを買収する事として、その費用250万円を来年度の追加予算に計上、今期議会に提出し、京畿道庁の官吏に属させる予定の様である。

治外法権撤去 同上

併合の結果、治外法権の撤去を宣言されたにも拘わらず、朝鮮に居る外国人は清国を除く外、いずれの本国政府から公然たる通知がないので、これを認めようとしない者が居る様である。当地の英国総領事代理は、本日、朝鮮に居る英人一般に対し、同国政府が去る1月23日発表された勅令、即ち従来の領事裁判所は韓国併合の日より、その効力を失った旨を公示した。

2月19日

日本帆船停船 18日釜山特派員発

18日、旅順より某日本帆船が来た。当税関にて検疫の上、停船を命じ、乗員は検疫場に停留させられた。満州の病毒地を経て、日本に至るものは検疫を施され、当地に5日間の停留を命じられる。現に数名は不平ながら、停留の処分を受けつつあり、汽船渡航者は注意する必要がある。

223

爵記本書授与式 22日京城特派員発

山縣政務総監は、本日総督官邸に於いて、朝鮮貴族の侯爵李載完以下64名に対し爵記本書授与式を挙行した。

225

朝鮮観光団 24日釜山特派員発

全羅北道庁の主催で、朝鮮人50名乃至60名を以って母国観光団を組織し、3月下旬、当地を出発、凡そ1カ月の予定で、東京、大阪その他各地を視察する予定

米豆取引所不認可 24日釜山特派員発

当地米豆取引所は、遂に不認可の指令があり、一般の失望が甚だしい。

2月26日

北里博士のペスト報告 25日京城特派員発

25日、山縣政務総監、明石警務総監、福田総督府医院長が会合し、24日夜入京の

北里博士、山根正次氏も出席し、博士の満州ペスト状況報告が行われた。今後朝鮮に於ける防疫方針について協議し、博士は25日夜京城官民の歓迎会に臨み、26日朝帰京の予定である。

恩賜公債交付式 同上

24日から28日に亘って、第2回恩賜公債の交付式が京畿道庁に於いて行われる予定である。受恩者は、旧韓国政府時代の各部職員793名であり、その額2万5千円内外である。

東拓規則改正 同上

東拓移民規則中、移住希望者は、最初に町村長の證明を受けて申込む手続きを、更に府県庁を経て申込む事に改正する件が25日、総督府の認可を得た。尚来年度募集する移民は1千家族と決定し、近日募集広告を出す予定である。

2月27日

東拓漁業権放棄 26日京城特派員発

朝鮮の鴨緑江沿岸180マイルに亘る東拓会社の漁業権は、昨年の失敗に懲りて、これを長崎県外3県の漁業組合に譲り渡す予定で、現在協議中である。投資額の評価等について、纏まりかねる所があるが、兎に角、東拓は漁業権を放棄する事に決した。

32

表彰賑恤 28日釜山特派員発

28日、府庁に於いて孝子、節婦、クワン寡、孤獨の表彰、賑恤恩賜金授与式を行う。受領者は総員270名で、何れも非常に感激していた。

解説:賑恤とは貧困者等を援ける為に、金品を与えること

防疫寛大 28日仁川特派員発

ペスト防疫会議の結果、今後の防疫事務を緩やかに輸入禁止品お一部を解禁し、隔離検疫も多少寛大にするようである。

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朝鮮事業公債法案に反対する鈴木力氏 昨日の衆議院より

余は第1に財政計画の点より、次に朝鮮総督の権力が過大である為、第3植民地経営の方針が立たない為に反対する。今や朝鮮は合併されたけれどその政治、経済は未だ見るべきものがない、そして寺内総督は総督ではなく副王の大権力を持っている。しかるにこれに加えて金権を許したなら、その結果はどうなるのか。朝鮮合併の代価について、ざっと見積もって1億2千万円となる。そしてその経費の使い方も言語道断である。(一部抜粋)

2月4日

寺内総督の伏奏 内国電報 3日発

寺内総督は、昨3日午前11時50分参内し、御座所に於いて拝謁の上、伏奏をした。多分朝鮮政令権に関する閣議の結果であろうと聞いている。

35

警務総長招かれる 4日京城特派員発

明石警務総長は、寺内総督の詔電により、4日東上した。氏の用向きは、朝鮮駐箚臨時派遣隊は、内地各師団より来たものなので、今回の師団長会議に際し、打合せの事務があるためと称している。

満州黒死病惨状 同上

江木柘植部長談

3日夜、満州よりの帰途、立寄った江木柘植局第2部長の談によると、今回の出張は、清国官憲と黒死病予防上の打合せの為である。満州の惨状は想像の及ばない程である。病死者の総数は恐らく4~5万人に達すると思われる。(一部抜粋)

36

鍋に蓋して御馳走 内国電報

▽明石朝鮮警務総長の話

明石朝鮮総督府警務総長は師団長会議に参列の為、5日朝、下関に到着

朝鮮には泥棒は無い、安心して皆くるが宜しい。金持ちなんか尚更進んで来るべきだと述べたが、新聞記者は,誰でも自由に行ける様にして貰いたいものだが、今の所は鍋に蓋を目張りして、臭いも嗅げぬので、御馳走に与ることが出来ない、一つ蓋を開けて貰いたいものだ。

38

電気規則発布 6日京城特派員発

6日の官報で、電気事業取締規則が発表された。大体に於いて内地のものと大差がない。唯、最近の技術の進歩に伴う必要上、多少の加減を施しただけである。なお総督府通信局では、水力電気調査費として、44年度に於いて、3万円を計上している。調査機関を5年として、漢江、大同江より着手する予定である。又朝鮮の電機事業で現在経営されつつあるものは、京城、仁川、釜山の3カ所であり、工事中であるのは、馬山及び鎮南浦、認可済みのものは平壌、太田、大邱等であり、羅南、元山、木浦、群山等は認可申請中である。

湖南線鉱区工事落札 7日群山特派員発

湖南線の連山と江景間の第3工区工事は、志岐組が落札し、来る16日頃より工事に着手する予定

39

防疫法変更 7日仁川特派員発

防疫法が次のとおり変更された。

大連、旅順、膠州湾より来る汽船で、健康証を有するものは、貨客とも上陸を許し、その他の流行地から来る汽船は、荷物のみ陸揚げを許し、又食糧品の輸入禁止は一切解除した。

漁港工事進捗 8日釜山特派員発

当地で実施中の漁港工事は、昨今、非常に進捗中であるが、経営委託については、多少の競争が起こる模様である。来る25日電灯会社解散の総会を開く予定

猛獣出没 同上

最近、平安道、江原道、全羅道の各地方に於いて、猛獣の出没が多く、家畜の被害が頻繁に起っている。朝鮮人がこの捕獲に苦心しているとの報がしきりにある。

310

朝鮮人の陰謀 内国電報 8日発

20余名捕縛

安命根等の寺内総督に対する陰謀事件の審理が大体終結した事は、既報のとおりであるが、ここに又旧朝鮮官吏で不平を抱いている者が、学生の一団を唆し陰謀を企て、軍用金と称して密かに金持ちを説き回っていることから暴露し、20数名が捕縛された。彼らの中心は黄海道であり、その勢力は少なからざる様子であるが大局を動かす力がないのは無論である。

3月11日

陸軍記念日 10日京城特派員発

10日龍山司令部に於いて、盛大な陸軍記念祭があり、余興の中に、壮烈な奉天模擬戦、造り物、仮想行列等があり、非常な賑わいであった。

東拓移民着 10日馬山特派員発

馬山府管内に移住する予定の東拓移民、福島県人38名が7日、来馬した。

313

朝鮮納税好成績 11日京城特派員発

統監府では、先日来、度支部課長を各道に派遣し、新政を施行後の税務を視察させたが、本年度の租税徴収は、併合初年の事であり、その始めに於いては、結果の如何を懸念していたが、実績は案外良好であり、人民側にも怨嗟の声を聞かず、今や各道とも既に9割以上の徴収が行われた。これは第1に本年度が豊作であったこと、第2に道及び府、郡に財務官吏が悉く配置されたこと、第3に従来、徴税にあたる官吏の取締りが励行されたこと、第4に人民が諸種の恩典に浴し、多少納税の義務を意識したこと等である。

討伐隊引揚 同上

以前から黄海道の暴徒討伐の為に出動して居た平壌駐箚隊29連隊は、昨今、既に同方面の賊徒を平定したので、引揚、帰隊することの決定したようである。

314

釜山築港工事 14日釜山特派員発

目賀田顧問時代の計画である釜山築港(漁港を含む)工事は、経費150万円で全て、来る6月で完成の予定である。なお政府の計画による382万円の3カ年継続築港工事は、来月着手する。既に報道されている様に暗礁の除去、及び係留岸壁の築造、埋立等であり、近日関税局より設計書を同建築所に送達される予定である。

観光団来着 同上

国民新聞主催の観光団が来た。市の歓迎を受け、明日市内観光、竜頭山に於いて歓迎の宴を受け、明日午後1時、大邱に向け出発の予定である。

315

総務長官事務取扱 14日京城特派員発

有吉総務部長官が宮崎県知事に転任した為、外事局長小松緑氏が総務長官事務取扱を命じられた。

3月16日

東拓改革延期 14日京城特派員発

東拓会社は、世間の批判に堪えず、何らかの組織変更の必要がある。しかし桂首相の思う所があって、暫らくその議を止め、当分現状維持として,近い内のある時期に於いて、親しく朝鮮の実情を視た上で、大改革を施す予定でと思われる。先日来、重役達の東上は不要領を極めたものとなった。

恩賜公債授与式 15日群山特派員発

昨日、当府庁に於いて恩賜公債證券の授与あり、受領者は前郡守以下、千円3名、3百円19名であった。

318

湖南線工事 16日群山特派員発

湖南の連山と江景間は、土地が平坦で、工事が容易な為に、契約期限は9月であるが、7月中には竣工すると思われる。江景と群山間も近々入札し、着工のはずであり、本年内には太田と群山間の列車の運転を見る事が出来る予定であるが、群山以南は長城トンネルの難工事がある為、群山と木浦間の工事を終わるのは尚2年後となると思われる。

臨沃水力工事 同上

臨沃(臨波、沃溝)水力組合工事が20日頃より起工、工費6万円にて臨沃旱魃地5千町歩を灌漑する為,萬頃江の下流より水路を開く計画である。

319

窮民賑恤 17日京城特派員発

京城府に於いては、17日、18日の両日、管内1,265名の窮民に、救済の恩賜金を授与したが、何れの人も聖恩の有難さに感泣した。

肥後村建設計画 18日群山特派員発

熊本県にては、県の保証によって、当地方の耕地50町部を買収し、善良な農民50戸を移住させ、肥後村を建設し、模範的農村を作ろうとの計画がある。村長を置き、学校を設け、医師、僧侶等を派遣し、子弟の教育、医療、葬祭等全てに、内地同様の便宜を与え、農民に安んじて、その経営に当たらせる計画であり、間もなく県の担当者が、土地買入れ、その他実地に視察の為に来群する予定である。

解説:大水害で消滅した村の救済と思われる。

320

朝鮮穀物新販路 18日仁川特派員発

各地よりの報道によれば、露国軍隊に供給するため、昨年9月より今日まで朝鮮籾(もみ)のウラジオに輸出したもの50万石に達した。朝鮮穀物の新販路として将来有望と思われる。

農場の横暴 同上

▽小作人の哀訴

全羅道、忠清道の各地にある細川、東山各農場の東洋柘植出張所等に於いて、小作人より,小作米を取り立てる際に、小作人の利益を無視して、横暴不当な取り扱いを行っていると訴え出る者が多い。

仁川築港 同上

仁川築港は、いよいよ5月頃より着手する予定で、現在準備中である。築港決定の為に人気が上がり、経済界に好景気を与えつつある。

朝鮮移出入税損廃 同上

日鮮間の移出入税関撤廃に関し、速水代議士の質問に対する政府答弁は、朝鮮実業家をして少なからず落胆させたが、更に多数の代議士の賛成を得て、質問書を提出したとの電報に接し、なお一縷の望みを持ち、政府の答弁に多大の注意を払っている。

321

観光団来着 20日平壌特派員発

国民新聞社主催の視察団が19日夜、義州より到着、20日早朝より各所を観光し、正午官民の大歓迎会に臨む。21日京城に向かう予定

323

暴徒千名来襲 22日京城特派員発

ウラジオにある朝鮮革命党の暴徒千余名、本日豆満江を渡り、蜜山より茂山を襲ったので、我が憲兵がこれを撃退し、族兵3名を銃殺し、4名に重傷を負わせ、その後は皆何れかに逃走し、行方を晦ました。

干害地の水利工事 22日群山特派員発

昨年来工費20万円を投じ、臨パ、益山両郡の境にある貯水池(面積千町)を修理し、臨パと益山北部の干害地3千町を灌漑する目的の臨益水利組合工事は5月中に落成する予定である。又昨年末、臨益南部の干害地2千5百町を灌漑する為に測量し、設計中である臨益南部水利組合工事は来る4月1日から起工する予定である。工費25万円は東拓より借入れた。この2工事及び先に報道した臨沃水利工事が皆竣工すれば年々百万円の増収が見られるであろう。

324

練習艦隊津軽 23日仁川特派員発

23日入港した。乗組候補生は63名であり、24日入京の予定である。

解説:海軍機関学校を卒業した候補生の遠洋練習航海である。

325

東拓大失態暴露 24日京城特派員発

8千円の持ち逃げ

東拓会社内の小笠原某なる者が、地方出張所から送金してきた8千円の手形を金融部に渡す間に、地方課の課印を盗んで、韓国銀行で現金化し、行方を晦ました。社内の不取締りを暴露された事により、宇佐川総裁以下大狼狽を極めている。

326

大阪商船支店新築 25日釜山特派員発

大阪商船会社は、釜山駅付近に工費2万円で支店を新築する事に決定した。

鉄道築港管理 同上

朝鮮鉄道局は草梁に工務課を移転させ、技師岡村初之助氏を課長として、鉄道建設経営と共に釜山築港工事を管理させるそうである。

327

慈恵院長会議 25日京城特派員発

2513道の総督府慈恵病院長会議を開き、総監の訓示、各地の実情報告及び今後の施設についての諮問応答が行われた。地方の人心を収めるには、医療面での期待に応えるのが最も望ましいとの意見が一般に有力な様である。

群山の築港及び水道 25日群山特派員発

当地の築港水道会の委員4名及び民団長は、築港水道期成運動の為、月末迄に京城に赴く予定である。同会に於いて調査した築港費は、桟橋、防波堤、漁船係留所その他で96万円を要する。水道費は30万円であり、内15万円は総督府より補助を受けて、残額は借入金で支弁する計画である。

328

日韓併合行賞 27日京城特派員発、

日韓併合に関する論功行賞は、既に調査が終わり、近く奏請の運びになると思われる。

今回の行賞は、単に併合に直接関係するのみに限らず、明治初年以来、韓国問題に関して、公労あった人々にも及ぼすとの事である。今伝えられている所によれば、寺内子爵は伯爵に、駐在軍司令官大久保大将は子爵に、山縣総監は菊花大綬章、倉富地方部長官、石塚、小宮両氏、木内農商工部長官、明石警務総長は何れも男爵を授けられ、その他荒井長官以下多数の人々が叙勲の総花を頂戴すると言われている。

629

製塩業新計画 28日鎮南浦特派員発

当地、廣梁湾の塩田は今年完成し、毎年一億斤の製塩を行う計画である為、井上角五郎氏外10余名が資本金百万円の会社を設立し、輸送、販売を一手に引き受けようと現在総督府に請願運動中である。又当地有志も組合を組織し、同製塩の一手販売を請願中である。もし井上氏籐の請願が許可されると廣梁湾と当地間に鉄道を敷設し、製塩場を敷設し、大計画を立てるそうであり、当地の繁栄に資する所が多いと思われる。

仁川築港区域発着 28日仁川特派員発

仁川の築港地点が発表された。その区域は税関前より市街地一帯の全面を浚渫し、大牟田築港に倣い、開門式の設計の様である。

3月30日

新大橋破損 29日釜山特派員発

漸く竣工した新桟橋は、工事の不都合により、先端に重しを付けなければ浮き上がるとの風雪があったが、28日夜、風波が無いにも拘らず、突然、その最先端が少し陥落し、南方に傾いた。兎に角、設計当時の失敗と言う他なく、建築上の責任については一問題が起こるであろうと言われている。

大桟橋破損調査 同上 

新築大桟橋破損の部分は、約30間内外であり、その原因は基礎工事の不十分にあると思われる。その原因を調査中であり、京城より技師が来る予定である。

41

満州旅券厳重 30日京城特派員発 

露清両国は、朝鮮と国境を接しており、昨今、同地方を往来する無頼の朝鮮人が少なからず居る。これ等の取締りの為に、総督は海外旅券規則を改正し、清国や露領のチハレン、沿海州、黒竜江省等に行こうとする朝鮮人には、旅券願書に写真を添付させる事とし、51日よりこれを実施する事とした。

42

開校3年祭 1日清津特派員発

開港3周年官民合同の祝賀祭を開き、余興があり、盛会を極めた。

2師団兵 同上 

歩兵第4連隊700名は、30日当地に上陸、羅南に向い、除隊兵550名と交代する。除隊兵は本日1日、安平丸にて帰還の途に就く。 

43

天童教主喚問 2日京城特派員発

昨日、突然、天道教主孫秉熙(そんへいき)が憲兵第2分隊に召喚され、何事か取調が行われた。内容は秘密にされているが、孫秉熙は現在朝鮮人より生き仏として尊崇されている。初めは李朝を倒す為に日本の力を借りようとして、子分である李容九に百万円を与えて一進会を作らせ、別に宋乗畯に命じて参謀をさせた。日本政府は自己の功績を少しも認めず、併合後はかってロシア党として排日的行動をとっていた李完用一派のみ貴族に列せられた事を憤慨していた。

天道教主放免 同上

憲兵隊は天道教主孫秉熙が多人数をその居宅に集め、寄付金を命じる事が有ったので召喚して、その趣旨を尋問したが、彼の弁解によれば、未だ不穏と認めるべき証拠がない為に2日放免した。 

44

金鉱発見 3日清津特派員発

当地からおよそ1里の仁長祠という所に一大砂金鉱が発見され、釜山の狭間房太郎氏が採掘出願中であったが、この程許可があり、近々採掘するようである。この付近一帯は一面の砂金鉱があり、その隣地の西南里附近では、韓人が日々6百名が採掘している。

全羅北道観光団出発期 3日京城特派員発 

全州新報主催の全羅道各郡連合観光団は4月末出発する予定である。

46

民団債借換動議 5日釜山特派員発

年8分で興業銀行から借入れた117万円の民団債は、年6分にて韓国銀用より170万円借換の相談が出来た為、5日民会を開いて協議する。

安奉線連絡障害 同上 

新築大桟橋破損の復旧は、約1年の月日を要するので、従って安奉線との連絡に大きな障害となるとの風説がある。

47

釜山築港計画 6日釜山特派員発

釜山の築港計画は、港口の航路及び桟橋附近面積28万9千坪の海底を浚渫し、水深36尺、27尺及び24尺の3区に分け、浮標を配置して錨地を広め、陸面は駅に地続きの突堤を広め、その基部を埋めて係船岸壁を巡らせて鉄道との連絡を図る。この計画によれば、突堤の両側には3千トンの汽船2隻と北側には1万トン以上一隻、7千トン以上1隻合計4隻を係留できる。

工費3824,060円で、この工事は本年より47年度に及ぶ4カ年の継続事業である。(一部抜粋)

駐鮮軍隊着 6日仁川特派員発 

駐鮮第16師団兵6百名、6日仁川に到着、大邱方面に向かう予定

49

陰謀事件のその後 8日京城特派員発

陰謀事件について、以前警務総監部に拘引中である安命根、梁基決一派の取調が終わり検事局に移された。

寺内総督論 同上 

総監府警務総監部に於いて、3日、5日の東京朝日新聞及び5日、6日の大阪朝日新聞所載の寺内総督論を見て、治安に妨害があるとして何れも発売禁止を命じた。今日到着予定の分も、同様に釜山にて押収されると思われる。この統監論は決して特派員の独断的意見ではなく、殆ど在鮮邦人全部の意見を表明したものである。

410

民間新聞停止 8日京城特派員発 

当地唯一の民間新聞である京城新聞は、昨日と今日の両日に亘り、我が新聞に連載中の本社特派員の「寺内総督論」第1回を全文転載した。昨日は何事もなく、今日になって総督府より発行停止を命じて来た。第1回の文中、前半を不問に付し、後半のみを治安に妨害があると認めるのはその意を解し難い。同社長は、はなはだ遺憾である旨を言明した。

411

言論圧迫の弁解 10日京城特派員発

▽朝日新聞発売禁止について

総督府当局は、今や朝鮮は将来の鮮人思想界を利導すべき過渡期にある為、専ら言論に対する取締りを必要とする為である。しかしこの当局の認定なるものが、しばしば在鮮邦人一般が考える判断と離反している為、官民の融和が思うように行われないことは総督論に述べる通りである。在鮮読者一般の意見は、総督府の言論に対する圧迫は、その弊害を指摘される苦痛に耐えられなくて起こるものと解釈されている。

巡査の懲戒処分 10日仁川特派員発

▽朝日新聞の没収 

配達後、発売禁止された6日の朝日新聞を仁川警察署が、購読者各戸から没収した事は署長に命令ではなく、一巡査が勝手に行ったことが判明し、該巡査は懲戒処分に処せられた。

413

朝鮮の銀行(下関) 内国電報

生田日本銀行国庫局長は朝鮮に於ける国庫事務及び一般経済状態を視察し、12日帰来した。

併合前の挑戦の銀行は11カ所に過ぎなかったが、次第に増加の必要を来し、現在24カ所となっている。 

朝鮮の農業的地位は、現在に対して多少の改良を加えれば、約3割の増収となると思われる。更に灌漑を行い、水利を加えれば農事の収穫は非常に増加するであろう。

414

不動丸遭難 13日木浦特派員発

珍島沖ジモトリ島西北8マイルに於いて汽船不動丸(1800トン)が遭難した旨の無線電信があり、当地より警備艇を派出し、現場に向かわせた。

後報(同上) 

不動丸は欧州処置をし、所安島に避難したが、その後更に門司に向け、所安島を出発したとの情報があった。

4月15日

言論圧迫反抗 14日京城特派員発

不羈独立(ふきどくりつ)である言論団体を組織し、朝鮮経営の研究に従事しようとして、当地の有識者が設立した春秋会では、今回大阪東京両朝日新聞の移入禁止及び京城新聞の発行停止を不当であるとして、次の決議を発表した。

併合後、朝鮮の情勢は既に定まっている現在、言論の取締りが、厳格にすぎるのは、本会の最も遺憾とする所である。本会は寺内総督が輿論の大勢に鑑み、その方針を改められん事を期す。

仁川取引所疑獄判決 14日仁川特派員発 

以前、米豆取引所の積立金を勝手に支出し、大疑獄を起こした元商業会議所会頭加久栄太郎、同監査役桑野良太郎の両名に対する公判は14日決定し、各懲役1年3か月に処し、刑の執行猶予を申し渡され、2名共服罪した。

416

総督府の怠慢 25日京城特派員発 

総督府設立以来、日本人居留民団に対する方針が、永い間決まらず、当地、民団議員の改選期が過ぎて、既に長期間過ぎている。その為、漸く1月末を以って改選を許可し、同時に監督官庁を京畿道庁と告示したが、昨年12月総督府に提出した伺い書に対し、今もって何らの指令も来ていない。又310日、居留民会の決議した警察改正及び付帯規則の認可申請も1が月余り経過するがなお要領を得ない。来年度予算の認可等も、今後尚どの位の日数を要するか漠然として見込みが立たない。民団理事者は事務取扱上、非常に迷惑を感じている。

4月17

憲兵隊米価を定める 15日京城特派員

▽サーベル主義の弊政

京城の東20里余にある江原道春川に於いて、この程憲兵隊より、最近、米価が高騰し、人民が非常に困っているので、今後、本隊が告示する価格以上で販売してはならない、また犯す者は厳罰に処すとの告示があった。その規定価格は、京城、仁川に於ける卸売りに、春川までの運賃を加算し、引き合う程度を以って小売り相場とするものである。商人の苦痛はこの上なく、これは一種の防穀令であり、総督府が人為的に物価を左右しようとする非常識なやり方であるとして非難の声が多い。

会社令の結果 同上

▽新出願は唯一つ 

会社令が発布されて以来、会社の出願は朝鮮全土を通じて、僅かに大邱に一印刷会社の出願があったのみである。以って同令が如何に一般企業家に不安の念を与えているか表わしていると思われる。

418

土地収用令発布 17日京城特派員発

17日の政令第3号を以って、土地収用令が発布された。施工の地域及び期日は、総督が必要に応じて、これを定める事になっている外、その内容は母国の収用法と大差はない。 

現在の朝鮮の現状は、鉄道敷設、道路修築、その他の公共事業に関し、一層収用令の必要を感じる事は事実である。しかしこれを乱用して、民を苦しめる武器に変化しない様に注意するのは、官憲の責務であり、非常に慎重な取り扱いを要する。

419

道路修築標準制定 18日京城特派員

本年より向こう5年間、1千万円を投じて実行される道路修築標準が17日、制定され、発表された。その概要は、道路を1等、2等、3等と等外に区別し、重要な道路は1等と2等に編入し、3等以下の道路は地方官が決定の上、総督の認可を要するものと決定したものである。

の死刑 同上

予て軍法会議で審理中であった有力な暴徒の巨魁姜は、17日、死刑の宣告があり、直ちに銃殺された。

生徒の教員排斥 18日釜山特派員発 

当地の商業学校2年生45名は、英語科教師福井を無能として排斥し、16日、同盟休校を行った。田崎校長はその生徒の要求をいれて、受持ち教員の更迭を行い、落着し、一同は18日より登校した。

420

朝鮮煙草専売説と会社 19日京城特派員

東京に於いて計画中の韓国煙草会社(資本金150万円)は、総督府が将来、朝鮮に煙草専売の計画があり、その買収に障害があるとして許可を与えないと思われている。総督府は。当地の釜山煙草株式会社を7万円で買収し、その後増資して経営しようとする計画があり、投資者等の間に相談中であると伝えられている。

春秋会と当局 同上 

春秋会は、会員各自の知識を交換するのみならず、会員側が名士、紳士を時々招待し、意思の疎通と意見の交換を企図して起こったものである。先に明石総長を招き一席の歓談を試みた。そしてその翌日既電の建議を行ったが、この事が明石総長やその他当局者の感情を害し、18日、国府長官はなるべく春秋会一同との会談を避けるべしとの内談を行ったらしいと聞く。これはあまりにも狭量ではないだろうか。

421

陰謀連塁者捕縛 20日京城特派員発 

安命根一派の陰謀事件に有力な連累者89名が又もや黄海道方面に於いて逮捕され、18日夜、警務総監部に護送された。

422

御用紙の弁解 21日京城特派員発

連日、総督政治に関し、母国の各新聞の所論を転載した京城新報の記事に対し、御用紙は躍起となって応戦していたが、現在は又、統監政治の真相と題して、極力弁解に努めている。そして新聞取締りは、益々厳重になる情勢である。

民団会議 21日釜山特派員発

牛検疫所敷地1万6千坪の件、他数件について、21日、民団会議を開く予定

実業団歓迎会 同上

京城の会議所連合会に出席する実業団84名の為に、23日府庁楼上に於いて歓迎会を開く予定であり、その準備が行われている。

423日

東拓総裁の弁明 22日群山特派員発

最近、至る所で地価が高騰し、土地熱が盛んであるのを見て、その原因は東拓の買入れに原因があると言う者がいるが、宇佐川総裁はこれに対し次の様に述べた。

東拓が,折角適当な場所として値踏みをして、買収契約をしようとした時、横合いから高値を餌に奪われる事が度々あった。(但し反対の事実もある)

移民の方針は、中農を養成し、健全な国民を随所に附植する事にある。買入れ地の大部分は鮮人に小作させ、その他を移民に耕作させ、幾年後にはその所有に帰させる方針である。鮮人小作人も、この方針に基づき、将来は地主となって、健全な中産国民とする考えである。

暗殺陰謀嫌疑者逮捕 22日京城特派員発

総督暗殺陰謀事件に連座した嫌疑者が続々と逮捕され、22日までに総計79名の多きに達した。今後も多少捕縛されるだろう。そして安命根は21日、いよいよ刑事局へ引き渡されるであろう。

424

消毒の為め変死 23日仁川特派員発

清国〇を搭載し、18日入港した支那ジャンクに対し、消毒をしたが、彼らが隠匿した清国人男女2名が、船底にて、その消毒の為に変死した。これが発見され、現在取調中である。

会議所議員着発 23日釜山特派員発 

京城で開かれる予定の会議所連合会に参列する東京商業会議所の中野武営氏外80余名が、23日到着、当地有志は花火を揚げて一行を迎え、更に府庁楼上に於いて歓迎会を開き、盛会を極めた。一行は午後120分発、盛んな見送りを受け、大邱に向かった。

明治44425

会議所連合会出席者着 24日京城特派員発 

全国商業会議所連合会大会に出席する各地の代表者86名が、本日午前入京し、出迎えが盛んであった。

426

商業会議所連合大会 25日京城特派員発

25日午後、全国商業会議所連合大会の発会式を京城ホテルに於いて挙行し、山口当地会議所会頭の開会の辞、中野武営氏の挨拶、来賓総代表大久保軍司令官の祝辞があって式を終わる。盛況であった。26日よりの会議に提出される主要議題は、次のとおり

一、併合記念博覧会を京城に開く件

一、朝鮮穀物の売買取引斤量に関する件

一、織物丈量を統一する件

一、連絡線賃金引下げの件

一、鉄道賃率引下げの件

その他略

満韓医師大会 同上 

来る29日より、総督府医院で開会する為に、各地よりの申込3百余名に達し、東京より特に大学教授河本弘田が臨席し、講演が行われる予定

429

電気事業許可 28日京城特派員発

大阪の右近権左衛門氏外数名から出願された韓北、清津、厳南の電機事業が許可された。

郵便電話事業拡張 28日釜山特派員発 

政府は、現在の馬山、京城、水原間の長距離電話の外に、釜山と京城間に工費11万余円を増して、長距離電話を敷設する計画であり、400ポンドの銅線を使用して、今年中に急遽開始する事を決定した。又今年度、釜山郵便局の所管として、郵便局30カ所、電報取扱い所10カ所及び電話の新設をする予定個所は3カ所となる。(一部抜粋)

430

暴戻(ぼうれい)なる総督府 29日京城特派員発

警務総監部においては、寺内総督に関する批評を掲載した新聞は絶対に移入を禁止する方針であり、27日の東京朝日、25日の大阪毎日、27日の満朝、時事、26日の東京毎日、18日より24日に至る東京毎日の諸新聞に押収の命令を発した。中には配達後に発売禁止を命じたものもあり、官民ともにその滑稽さに呆れている。

湖南線工事入札 29日群山特派員発 

湖南線の江景と裡里(りり)間の工事は27日太田建築所に於いて入札する。裡里(りり)に大規模な建築事務所設ける予定で、鉄道職員が出張準備中である。

5月2日

中野武営氏と本紙 1日京城特派員発

中野武営氏は、自己の談話が掲載されたのを見て、総督府に憚る所があり、御用紙によって取消記事を発表させた。これは氏より直接に記者の関知した者であり、虚偽のものではない。

東朝大時発売禁止 同上

29日東京朝日及び30日大阪時事が、又々発売禁止となった。

朝日時事差押え 1日釜山特派員発 

1日東京朝日、時事が差し押さえられる。

53

北朝鮮視察歓迎 1日京城特派員発

新潟県に於いては、裏日本の範栄策として、北朝鮮沿岸の視察団を計画中であるが、北朝鮮在住者が、従来の朝鮮視察団は、単に西南に限られているのを遺憾として、上記の計画を大いに喜び、その範囲を舞鶴や宮津等に広め、もって北朝鮮開発の機を促進する機会にしたいと熱心に相談中である。

時事又差押えられる。 2日釜山特派員発 

東京時事新報の2日朝着のものが、又治安妨害として差押えられた。

54

警察即決と米国 内国電報3日発

当局の当惑 

寺内伯爵の朝鮮に於ける武断政治には、外国人側でも不服を言う者が多く、先に発布された警察即決令で、正式に裁判を行う事無く、警察の権限で3カ月以下の禁固、3百円以下の罰金を課する事が出来る規定は、非常に人民の権利を尊重しないものであると米国はその大使を経て、我が外務省に抗議を申し込んだ。

55

会議所視察団来着 5日鎮南浦特派員発

商業会議所視察団が昨日来着した。本日市中を視察し、官民合同の園遊会に臨み、午後出発し、平壌に向かう予定

新遊郭反対陳情 5日清津特派員発 

羅南吉野町を遊郭地に指定されたいとその筋に請願した者が居た。鏡城警務部では、多数の居住民の反対があるにも拘わらず指定地とする様子があったが、4日突然吉野町を指定地とする旨発表されたので、羅南民の激昂は一方ならず、4百余名の連署嘆願書を携え、30余名の委員が鏡城警務部に出頭、陳情を行った。

57

寺内総督帰任期 6日釜山特派員発 

9日午後下関発、10日朝当地着の予定にて、現在警備上の手配中である。

58

織物商視察団 6日仁川特派員発

東京織物商組合の朝鮮視察団一行は6日に仁川着、一泊して7日京城に向かう予定である。

車馬道開削 7日釜山特派員発

釜山とハダ間1里半の車馬道を開削する経費は37千円であり、内1万円は総督府が補助し、残り2万7千円は地方費の補助と釜山民団の経費で開削工事を起こす計画である。

在郷軍人会支部発会式 7日清津特派員発 

帝国在郷軍人会の城津支部発会式が行われた。会長には北川三作氏が当選、会員資格者56名、来賓は官民合わせて5百名で、極めて盛会であった。

59

会議所連合会員出発 8日京城特派員発

全国商業会議所連合会に出席の為に来鮮した各地代表者は、8日出発する。釜山に一泊の上、帰国する予定である。

京釜急行列車準備 8日釜山特派員発 

桜丸の就役した後、京釜急行列車を毎日2回として、新橋と下関間の急行列車に接続させ、時間の短縮を図るべく、現在準備中である。

510

裁判官保障 9日京城特派員発 

9日の官報に制令第4号を以って、判事は直接政治に関与し、商業を営む事を禁じ、禁固以上の刑にて、その官を失い、総督府が必要と認める時は判事に休職を命じるとの改正令を発布した。司法官は初めて身分の保障を得た。(一部抜粋)

511

間島大火別報 10日清津特派員発

間島の龍井村(りゅうせいそん)大火は、9日午後1時半、市の中心より出火し、日清の消防が尽力したが、大風の為に日本人家屋40戸、朝鮮人家屋140戸、支那人家屋20戸を焼き、郵便局も焼失した。領事館は無事で、現在被災者の救助中である。

寺内総督帰任 10日京城特派員発

寺内総督は午後7時、帰任した。

代表鮮人渡日 同上

東拓会社は、昨年の例に倣い、各道より10人宛ての朝鮮人代表者を選び、社費にて内地の農工業の視察をさせる事となり、10日出発した。

朝鮮内地不景気 同上 

朝鮮の各道に於いては、最近、内地商人の入り込む者が多い為、米穀その他の諸物価が日に日に騰貴し、労働者は不景気の為に職業を得難く、各地の貧民が頻りに道庁に救済を出願する者が少なからず居るそうである。

512

阿片協約評 10日上海経由路透社発

ロンドンタイムスは、その社説に於いて、阿片協約について次の様に述べている。同協約が印度財政の上に、如何なる正確な結果を及ぼすかは、なお今後考慮すべき問題である。アヘン貿易が直ちに禁止される様子であるり、これは印度予算に大きな欠損を生じさせる原因となるのは争うことが出来ない。多分新税を促す事になると思われる。

佛国陸相弁明別報 同上

巴里来電=佛国陸軍卿は、モロッコ遠征隊について、次の様に弁明した。モロッコ遠征隊は、同隊が使用する一切の軍需品を自ら運ばなければならないし、又フエツ市が救援された暁には、フエツ市の市民が使用する莫大な物資を持って行かざるを得ず、これらの物資を取り扱わざるを得ない事が遠征隊の遅延する理由である。今や大部隊の後援隊が、続々と佛国を出発し、モロッコに向かいつつある。

墨国戦闘尚激甚 10日紐育特派員発 

メキシコのジュアレスに於いては、8日の戦闘に引き続き、官軍と叛徒との間に戦闘が絶えず、又ジュアレス市は、叛徒の為に火を放たれ、今尚炎炎として焼けている。同地方は暑気が非常に強く、負傷者達の苦悶は一方ならずと又今回の再開戦について、大統領字アズ氏葉、この上は最後まで戦う他ないと主張している。

514

時事差押 13日釜山特派員発

時事新報が差し押さえられた。

桜丸入港 同上 

新連絡船桜丸は13日朝、定時に入港した。

注目すべき二問題 内国電報 13日発

▽即決令と煙草専売 

朝鮮の外交関係について、政界の注意を引いている問題に、警察即決令の適用及び煙草専売制度がある。警察即決令を、万一外人には事実上適用を避け、邦人にのみ適用する様なことがあれば、内外人間に、忍び難い差を生じ、延いては我が属領地に於いて国家の体面に関する恐れがある。又煙草専売制度に関しても、米国を始め利害関係がある諸国に対して、関税問題同様に10年を経過しない間はこれを実施しないとの言質を与えているとの説があり、内地産業の利益を無視する措置で、政界の一部で、熱心に真相を究明中であると言われている。

515

在郷軍人会発会式 14日釜山特派員発

釜山在郷軍人会分会発会式が、14日釜山市で行われ、出席者6百余名であった。寺内総督及び明石、柴各少将の祝電朗読があり、式後種々の余興が行われ、頗る盛会であった。

桜丸歓迎会 同上 

桜丸の入港につき、官民有志は、船長以下主要な向きを招き、歓迎会を催した。

517

趙重應の産業講話 16日釜山特派員発 

子爵趙重應氏は、16日朝来着し、一泊、釜山付近の朝鮮人を集め、産業奨励の講話をおこなった。

5月18日

総督の南鮮視察 17日群山特派員発

北鮮巡視を見合わせた寺内総督は、南鮮視察の途に就き、当地にも立ち寄るとの説がある。

廃田は免税 同上

廃田は、地主の希望を容れて、免税と決まった。

船渠会社新設企画 17日釜山特派員発 

当地に於いて、20万円にて船渠会社を新設する計画がある。

5月19日

恩賜金利子配分 17日京城特派員発

昨年併合の際、全道に配布された臨時恩賜金1,700余万円に対し、年々是より生じる利子は、869,900円であるが、項目別にこれを区分すれば、授産費520,940円、教育費260,970円、災害救済費86,990円である。道別への資金の配分は、道の人口を標準としている。(一部抜粋)

東拓第2回払込決行 17日京城特派員発 

東拓会社は、業務発展上資金を増加する必要を生じ、近く第2回払込を決行する筈である。

520

電気会社株式募集 19日平壌特派員発

当地電気会社は、いよいよ株式募集に着手する。株数6千株に付き50円で、その内3千株は発起人で引き受け、残り3千株を一般に募集する。

平安南道と恩賜利子 同上 

平安南道の臨時恩賜金利子5万3千円は、教育及び殖産事業に支出される事となり、各府、郡に普通学校、養蚕伝習所等を設置する計画である。

5月21日

寺内総督と銀行支店長 20日京城特派員発

寺内総督は、19日夜、在京中の朝鮮銀行各支店長を接見し、将来同銀行の責任が益々重き事から説き起こし、各員勤検質朴を以って世界の儀表たるべしと訓戒を与えた。

臨益通水工事竣成 20日群山特派員発 

昨年2月以来工事中であった臨益(りんえき)水利組合工事(灌漑面積3千町歩)の竣工について、近く試験的通水を行った上、6月4日、盛んな旬古式を挙げる計画である。

5月22日

寺内総督 21日京城特派員発

寺内総督は、21日遊覧の傍ら視察を行う為に開城に赴いた。

群山の海賊 21日群山特派員発 

19日夜半、群山に海賊船1隻(7名乗組み)が表われて、京城より魚類を買出しの為に来た鮮人を襲い、金品を略奪して去った。

5月23日

恩賜金利子事業決定 22日京城特派員発

既電の恩賜金利子によって、今後、年々経営される予定の各道に於ける事業種類は、今回、総督の認可を経て全て決定した。

来るべき地方官会議 同上

7月1日開催の地方官会議は、単に内部行政の事務のみならず、各部所管事務にも亙って協議するとの事で、各方面にて現在その案件を整理中である。

日韓瓦斯点灯 22日馬山特派員発 

日韓瓦斯会社馬山支店は、21日より点灯し、夜の市街は活気を帯びて来た。

5月24日

憲兵狙撃さる(伍長、上等兵即死) 23日京城特派員発

平安南道安州付近で、暴徒によって憲兵伍長及び上等兵の2名が狙撃され、即死した。暴徒の行方が不明であり、同方面の守備隊は、現在八方に捜索の手を張り、活動中である。

学校補助 23日釜山特派員発 

総督府は、当地の商業学校及び高等女学校に対し、年額5千以内の補助を与えることとなった。

5月25日

民団負債借換 24日釜山特派員発 

釜山民団債120万円の借換は、年6分11年償還にて韓国銀行との間に契約が成立した。

526

朝鮮最初の水利事業 25日群山特派員発

今回竣工の臨益水利組合工事は、工費25万円を投じ、2千町歩を灌漑する計画で、朝鮮最初の大水利事業である。その為工事の結果が一般に注目されていたが、通水試験は極めて好成績を以って終わった。来月4日の竣工式には、総督以下の高等官、各地の日鮮人数千名が出席の予定である。藤井組長は、準備の為に来着した。本年より3万石以上の増収が得られる計画である。

鯖不良 25日釜山特派員発 

本年の韓国海域の鯖漁は、去る31日までに2百万匹であり、前年の6百万匹に比べて不良の方である。

5月27日

鮮人聖教徒大討論会 26日京城特派員発

▽精神的文明と物質的文明と何れが幸福?

今回、朝鮮全道に於ける学生の主な聖教徒8百余名が参集し、26日夜、鐘路聖教青年会館に於いて、精神的文明と物質的文明とは、何れが人類の幸福を増進する事が多いかとの大討論会を開催した。

虎20頭の牛を噛む 26日釜山特派員発

平安北道の亀城郡付近に、猛虎が出没し、20頭の牛を噛み殺したとの報があった。

528

愛国婦人会総会 27日京城特派員発

27日午後1時半より、昌徳宮苑内に於いて愛国婦人会朝鮮本部の第2回総会が開会された。来賓として李王妃殿下、寺内総督夫婦以下会員無慮5百名が列席し、君が代の奏楽にて会式、総裁殿下の諭示、会長代理の奉答、来賓の祝辞及び事務報告があった。生憎雨天であったにも拘わらず盛会であった。

末延鉄道協会副総裁 同上

鉄道協会第2回総会に列席する予定の末延副総裁以下会員160余名の一行が27日夜午後6時、無事到着した。

原敬氏一行 27日釜山特派員発 

28日、馬山浦に来着、同地官民は民団楼上にて歓迎会を開く事になっている。

529

鉄道協会総会開催 28日京城特派員発

18日午前9時より、景福宮の勤政殿広間に於いて、鉄道協会総会が開催された。出席会員2百名で、寺内伯爵は会長席に着き、名誉会員、推薦評議員の半数改選、事務及び会計報告、その他講演等があり、午後1時より来賓多数を招待して、大懇親会を開き、慶会堂周囲に於ける園遊会は非常に盛んであった。なお鉄道局の発意によって南大門道の交通館に物品陳列所を創設し、一般の観覧に供している。

松永師団長と徳富蘇峰 28日城津特派員発

徳富蘇峰氏が来訪し、28日夜晩餐会を開き、歓迎する。松永師団長が28日来訪し、官民、学校生徒の出迎えを受け、直ちに軍隊の検閲を行う。

寺内総督の寄付 28日京城特派員発 

寺内総督は、鉄道協会総会に対し、一千円を寄付した。

529

原敬氏 28日馬山特派員発 

原敬氏一行は、午後658分馬山着、直ちに望月楼に於ける官民の歓迎会に臨み、29日朝、鎮海軍港を視察し、午後1時釜山に向かう。

鉄道大会園遊会 29日京城特派員発 

鉄道大会出席者は、29日昌徳宮の咸陽公園を巡覧し、午後3時より大屋鉄道長官主催の園遊会に臨み、寺内総督以下官民凡そ7百名が招待を受け、非常な盛会を極めた。尚寺内総督は29日午後7時、協会員2百余名を官邸に招き、慰労の晩餐会を開く予定である。

531

鉄道協会員視察 30日京城特派員発

鉄道協会員150余名は、30日仁川の視察を終わり、31日当地発京義線を経て、鴨緑江架橋工事を視察する予定である。

森林令その他発布期 同上

森林令、漁業令及び(不明)令の3法令が、近く総督政令として発布される予定である。

新長官来着 30日木浦特派員発 

新任の全羅南道長官工藤英一氏が赴任の途中、来着し、30日出発した。

6月1日

鉄道協会員 31日平壌特派員発

鉄道協会員一行は31日着、各所を視察し、官民歓迎会に臨み、明1日北行する予定である。なお当地の官民は、当委員と平元線の速成に関し協議をすると思われる。

物価騰貴 31日京城特派員発

 

最近、朝鮮の各道一般に物価が騰貴し、特に交通が便利な場所に於ける米価は、寧ろ暴騰の傾向がある。細民は、非常に困窮を来している。

62

密謀事件予審 1日京城特派員発

安命根及びリュウ起錫、その他数十名の密謀事件に関する予審は、今後1週間以内に終了し、公判は今月10日頃開廷される予定である。

旧一進会員憤慨 同上

旧一進会の多数は、昨年解散の際に於ける宋乗畯、李容九の分配金が不当であり、彼らのみ、徒に驕奢贅沢を極めている事に憤慨し、内部の状況を世間に暴露しようと息巻いている。

総督の李王妃招待 同上 

寺内総督夫妻は、来る10日、李王妃殿下を招待して茶話会を催す由

6月4日

英帝誕辰祝賀会 3日京城特派員発

3日は英国皇帝誕辰の日であり、寺内総督以下、主要な文武官並びに各国領事等は、英国総領事館を訪問し、祝賀の礼を行った。

漁業令発布 同上

漁業令がいよいよ3日、制令第6号を以って発布された。全文35条からなるこの制令の施行期は、総督がこれを定めるとなっており、未定である。

寺内総督の学校視察 同上 

寺内総督は、両3日中に、4日間に亘り、京城内に於ける居留民団側及び朝鮮側の各学校を回り、教育機関の現状を視察し、訓諭を与える予定である。

66

長官会議の議案 5日京城特派員発 

71日より総督府に於いて開会の予定である各道長官会議に提出される予定の諸議題が、現在、各部に於いて審査立案中である。某当局者の談によれば、本会議に提出予定の議題は、その種類が多いが、中でも重要なのは、1各種道路改修に関する件、2普通学校急設に関する件、3模範的農場を設置する件、4農事改良に関する件、5鉱山事業奨励に関する件、6 各道の植林奨励に関する件、7漁業及び産業奨励に関する件、その他貯蓄勤倹に関する事等の様である。

67

水利組合竣工式 6日群山特派員発

臨益(りんえき)水利組合の竣工式が、5日正午より益山に於いて挙行された。総督府内部長官代理深谷事務官、中村農務部長、藤原度支部書記官、以下全州、群山等より官民有志の列席者千5百名に上った。工事経過報告、祝辞、演説等が行われ、宴に移って、相撲、手踊り、その他余興があり、盛況であった。

朝鮮学校現状維持 6日京城特派員発

学務当局の談によれば、朝鮮の学制案は既に確定したとの説があるが、それは事実無根であり、現在審議、研究中である。今具体的にこれを漏らす事はできないが、要するに改革の要点は、世間が想像する様に大袈裟なものではなく、国体に則り、新教育方針を立て、実業方面に向かわせるのは無論であるが、直ちに母国に於けると同様の手段を取る事はできない事情がある。学校存廃についても大変革はなく、来年度より、成均館大学と外国語学校を廃止し、法学校に組織変更を加える外、教育機関は現状維持となる計画である。

鉄道各線行程 同上 

湖南線は既に太田と連山間24マイルの建設が終わり、列車の運転ができるまでになっている。京元線もまた20余マイル間の工事の大部分を終え、京義線廻周工事も来る10月、いよいよ完了する予定と言われている。

59

陰謀事件連累者起訴 8日京城特派員発 

今春以来、京城地方裁判所検事局に於いて、取調中であった陰謀事件連累者安命根(安重根の従弟)梁起錫(りょうきしゃく)の2名は、8日起訴された。安命根外17名は強盗犯及び強盗未遂叛で、これと同時に証拠不十分で不起訴となった者18名いた。(一部抜粋)

610

群山水産国合出願 9日群山特派員発

群山に漁区を設置する件を、水産組合より総督府に出願した。

湖南線工程 同上 

湖南線の江景と裡里間の工事は、小林組の手によって請負、裡里に工事本部を、各要所に事務所を置き、数十名の日本工夫監督の下に、6、7百の朝鮮人を使役し、工事を急いでいる。裡里駅は8万坪であり、既に地均しに着手している。

6月11日

寺内総督の招宴 10日京城特派員発

10日正午、寺内総督夫妻は、李王同妃両殿下、李コウ公殿下以下各貴族30余名を主賓とし、尚大久保大将、各部長その他文武勅任官及び秘書官並びに副官夫人等40余名を陪賓として、龍山に新築の総督官邸に招待し、午餐会を催し、席画の余興等があり、午後3時に散会した。 

解説:席画の余興とは、注文に応じ即興的に絵を描く事

612

仁川築港起工式 11日仁川特派員発

11日午前10時、仁川大神宮に於いて、仁川築港起工式を行い、寺内総督祭主となって奉告祭及び鎮礎式を執行し、終わって市民主催の祝賀会があり、総督以下、文武官、新聞記者、各地民会議員、その他3百余名が参列した。市中の各町の日鮮人団体及び外国人等の余興、旗行列、提灯行列等は13日夜に亘って催される予定で、稀有の盛況を極める。

湖南線起工 11日群山特派員発

湖南線の裡里より群山間の工事は菱川組の請負にて、太田より70余名の日本工夫と軌条トロッコ、その他の工事用具が到着し、当地に於いて鮮人労働者数百名を募集し、10日より工事に着手した。

煙草工場設置 同上

英米の煙草会社は、金州に分工場を設置する事となった。

614

群山方面の農事 13日群山特派員発

最近の調査によれば、当地方に於いて日本人の土地買入れ面積は、約2万5千町歩であり、その投資額は3百万円に達している。大阪資本家の投資が最も多く、ちなみに本年は雨量が潤沢である為、旱魃地も植付に着手し、豊作の年の見込みである。

重要法令発布期 13日京城特派員発 

森林令の審議は12日を以って終わった。朝鮮訴訟代理業者に関する規則と相前後して、何れも政令にて発布される事となった。今後、総督府に於いて審議の上に、本年内に発布する予定である重要法令は、船航法、民事令及び刑事令の様である。

615

安命根一派の公判 14日京城特派員発

先に伊藤検事より強盗賊として起訴された安命根一派18名の第1回公判が、いよいよ来る26日京城地方裁判所に於いて公判を開始する予定である。又保安法違反として両角検事より起訴されたリョウ起鐸一派18名は、来る28日に公判を開廷する事に決定した。

寺内総督 同上

寺内総督は14日午前7時より藤田副官を従え、市内鮮人の各小学校を視察した。

官有財産調査 同上

朝鮮全道に於ける官有財産中、山林若しくは駅屯土等に属さない各建築物及び土地等は、総督府営繕課の管理下にあるが、従来の書類のみでは到底正確な台帳を作ることが出来ない。その為、約1カ年位の予定で、各道の官有財産等の調査を開始する予定で、現在その出張人員等に関し協議中であると言われている。 

解説:駅屯土とは、主要道の交通の要所には、公営の宿があるが、その宿が所有する土地

616

朝鮮沿岸航路統一 14日釜山特派員発

資本金60万円の釜山汽船会社は、2百万円に増資して、朝鮮沿岸航路の各汽船を合同統一する計画で、運動中である。

朝鮮儒者優遇 15日京城特派員発

▽経学院設置

寺内総督は、15日総督令にて、経学院規定を発表した。その要旨は、朝鮮の主な儒者を優遇する事であり、第一条に経学院は朝鮮総督の監督に属し、経学の講究を行い、風教徳化を助け補う事を目的とするとある。各道に於いて学識徳望のある者を講師に挙げ、経学院に列席させて、職員としては大提以下比較的多数の者を置いた。 

解説:経学院は、李王朝時代に、最高の教育機関であった成均館を改組した儒教の研究機関

618

神浦航路廃止反対 17日清津特派員発 

神戸浦潮間の航路廃止説について、若し事実であるならば、当地は大打撃を被る事になるので、反対運動に着手し、総督に陳情書を出した。

619

赤十字大会 18日平壌特派員発

18日赤十字大会を開く。来会者多数で盛況であった。

在郷軍人会発会式 18日京城特派員 

18日午後景福宮の勤政殿に於いて、在郷軍人会京城支部並びに京城分会の発会式が挙行された。生憎の雨天にも拘らず、寺内総督及び文武官が来賓として臨席し、総員1千名に近く、盛会を極めた。

621

陰謀関係者検束 20日京城特派員発

8名島流し

先に起訴された者の外、陰謀事件として安命根、リョウ起鐸一派に関係があった浮浪の徒8名が、19日午前10時、総督の命令により、旧韓国保安法5条に照らし、各々1カ年間、住地を去り、指定の島に共住を制限された。

北韓新報停止 20日清津特派員発

20日発行の北韓新報は、羅南施政廓法の改正について、当局の施政を論じ、治安に妨害があったとし、発行を停止させられた。官憲が言論の抑圧するのは、驚く外ない。

森林令発布 20日京城特派員発 

総督府政令第10号を以って、30ヶ条より成る森林令が発布された。

622

森林令内容 20日京城特派員発 

森林令の内容は、総督府の林政上、必要と認める時は森林の所有者に対し、営林方法を指定し又は造林を、又保安林以外の森林について開墾を禁じ、又制限をする事を規定した。従来朝鮮全道が荒廃に帰したのは、火田と称して、農夫が濫りに森林を焼き立てて、開墾し、水原を枯渇したからであり、今後は警察官吏の許可を受けなければ、森林又はこれに接近した土地に火入れをする事を禁じた。森林放火は10カ年以下の懲役に、自己の森林に放火した者は3年以下の懲役、3百円以下の罰金を課される事となった。

6月24日

群山水道と築港 23日群山特派員発

群山水道の敷設費30万円中、15万円を補助する件について、委員が上京し、運動した結果、当局者も又これを受入れる事に傾いた。又群山築港費として来年度予算に270万円を計上した。

群山中心の沿岸航路 23日群山特派員発 

群山を中心とし、忠清南道一帯の沿岸航路は、来月より開始される予定である。

626

柴田総裁来馬 25日馬山特派員発 

柴田柘植局総裁は、25日午後850分、京城より来馬、出迎え盛んであった。

627

全羅北道の苗木配布 26日群山特派員発

植林事業の奨励の為、全羅北道庁に於いては、45萬本の苗木を各府、郡に配布した。 

道庁の所在地及び農事巡回指導員の在勤地には、林用苗場を新設して、種苗の生育に努め、来年度より、5万本以上の配布を計画している様である。

628

韓人留学生規定 27日京城特派員発

27日の総督府令を以って、朝鮮人留学生及び監督に関する規定が発表された。

釜山会議所総会 27日釜山特派員発 

27日釜山商業会議所総会を開き、朝鮮経由上海、浦潮航路を存続する請願を総督府に行う事外、数件を決議し、役員選挙の結果、後藤甚吉氏が会頭に、間房太郎氏が副会頭となった。

630

群山日報認可取消 29日群山特派員発 

群山日報は、商法232条の規定に依り、発行認可を取り消された為、廃刊する事となった。

71

日鮮電信改良 29日京城特派員発

従来、日鮮間の電信線は、釜山長崎間の1線のみを使用していたが、今回、釜山、長崎間を唐津に於いて切り、下関へ接続すると同時に、京城、大阪間、釜山、下関間、京城、下関間、元山、松江線の4線を併用し、通信事情の改善を図る計画の様である。

未墾地利用法 同上

29日の官報に於いて、国有未墾地利用法施行規則及び土地収用法施行規則が発布された。朝鮮に於ける国有未墾地は、120万町歩あり、内一般に利用できるもの60万町歩であり、昨年39年同規則発布以来、現在まで開墾に着手されたもの約3万町歩、旧統監府時代と異なる所は、ただ従来3町歩以内の開墾は人民の勝手であったものを、以後地方官の認可を受ける事となったに過ぎない。

各道鉱山盛んに試掘せん 同上

朝鮮に於ける鉱山に対し、内地の大資本家による現在までの投資は、浅野、大倉その他12に過ぎないが、当局はその緩慢を遺憾として勧誘の結果、漸次投資者が増加し、遠からず、各道に亘って、大投資家の試験的採掘を見るであろうと言われている。三菱が兼二浦を買収したのはその先駆と思われる。(一部抜粋)

72

道長官会議 1日京城特派員発

1日より朝鮮各道長官会議を開き、各道長官、局長が参加し、総督は1時間半に亘る長い訓示を行い、更に司法、行政警察、教育、土地調査、財務、農工業、森林、漁業等に亘り詳細を指示する所があった。2日は日曜にも拘わらず引続き開会し、内務部関係の諮問事項に就き、各道長官の答申及び各道長官より提出の意見

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朝鮮施政方針 1日京城特派員発

▽総督訓示続報

▽総督頓悟の兆

△民事裁判との関係 不動産に対する強制執行は専ら府尹及び郡守の職務に属し、これらの監督は人民の権利保護上遺憾が無い様にしなければならない。

△出獄者保護 一般人民に出獄者保護事業の必要を認知させる事を期す。

△施薬救療 各道に一カ所の慈恵医院を置いたが、将来これを拡張すると共に、窮民保護に努める。

△教育方針 朝鮮人教育は、先ず普通教育の完備を期し、且重きを実業教育に置き、空理空論論とならない様に警戒する。

△警察官の特別任務 朝鮮の警察官は、治安警察以外に、教育,勧業、土木に関する行政事務を援助する任務があり、地方長官は、道の警察部長に臨時施設経営要項を開示せよ。

△内地人と航鮮人との関係 朝鮮人は、その徳性、知能については、日本人と著しい違いはない。又在住内地人は知識、経験共に模範となる者が多く、朝鮮人は、併合後、従来の態度を改め、新来の人民を厚い情誼で接する良い傾向にあり、これを助長するようにしなければならない。

朝鮮師団の準備 2日京城特派員発 

朝鮮師団の増設が決定され、1個師団司令部は龍山に、他の1個師団司令部を咸鏡北道羅南に置く。龍山の師団は、1個旅団を平壌に、1個旅団を太田に置く予定。羅南の師団は、咸興及び会寧に各旅団、元山、北青、城津、会寧及び豆満江沿岸に連隊を配置する予定である。

75

米国独立記念日 4日京城特派員発 

4日は米国独立記念日に相当する為に、当地同国領事館にては、一般の祝賀を受け、総督政務総監等が代理を派遣して、祝辞を述べさせた。

77

鴨緑江流域の貿易 5日京城特派員発 

今回、内国通運汽船会社では、鴨緑江流域に於ける貿易及び海運業に従事する事となり、事務所を新義州に置き、大いに支那側企業に対抗しようと計画中の様である。

78

李王告訴の真相 7日京城特派員発 

李王家では秘密にしているが、明治41年、米韓共同経営の電気会社を、現在の日韓瓦斯会社に譲り渡した時、王の持株45万株を請求したが、コールブラウンは、その株は、既に墺の甥に当たる趙謀が、王の委任状を以って、至急持株を売却する旨要求して来たので、これを7万円で売却し、その内2万円をべセル夫人に渡し、5万円を王の手許に差し出したので、王の権利に属さないと答えた、両者未解決のままであるので、今回王より起訴したものと言われている。

79

釜山の漁港 7日釜山特派員発 

旧税関の海陸を利用して、昨年来、工事中の漁港は全ての機関が何れも竣工し、来る15日を以って落成の上、税関に引き継がれる予定である。この経営は、総督府の監督の下に財団法人を組織させて、委任する事となる計画である。その全工事は、凡そ20万円である。

710

朝鮮豊作 8日京城特派員発

本年の麦作は、各地とも収穫が、昨年に比べ1割方増収の見込みである。(一部抜粋)

土地買収激増 8日同上 

大阪の右近権左衛門氏は、清津附近及び羅北に多額の投資を行っているが、今回、更に全羅南道のカイ、ジョウタイ、カタイの3島を10万円で朝鮮人より買収した。3島の住民は約8千人、水田千町歩、畑2千町歩、塩田6百町歩、山林3千町歩ある。最近、土地買収の為に来る内地人が激増し、地価は平均5割、6割騰貴しているが、右近氏の如きはその大規模なものである。(一部抜粋)

711

各道の水害(京釜間の一部列車不通) 10日京城特派員発

先日来の豪雨の為に、各道の少なからざる所が水害を被っている。全羅北道は、家屋6,450戸が浸水、道路や堤防の破損十数カ所、交通途絶の個所が多い。全羅南道は耕地浸水が約2百万町歩に及び、慶尚南道は畑7千町歩が進水、忠清南道は至る所で交通が途絶し、新たにできた湖南線にも数カ所の破損がある。その為10日に予定されていた開通式が挙行できない。京畿道では漢江の増水の為に京釜間列車が一部不通となっている。(一部抜粋)

7月12日

朝鮮語辞書編纂 10日京城特派員発

総統府取調局に於いて、朝鮮人教育の近道(捷経)として朝鮮語の辞書編纂の事業に取掛った。

釜山漁港落成 11日釜山特派員発

昨年来、総督府が90余万円を以って工事中であった釜山漁港が、来る15日を以って落成し、税関に引き継がれる予定である。この経営について、希望の向きが多いが、その筋では、営利的会社に請け負わせず、新たに財団法人を組織させ、委任させる事となる予定で、この協議の為に山岡税関長が京城に出張している。

馬山線不通 11日馬山特派員発

降雨による出水の為に、馬山線の普水以北に於いて、10日午後より汽車が不通となり、小荷物は船にて連絡した。

梁起鐸等の公判 11日京城特派員発 

陰謀団の一人梁起鐸外17名に対する保安法違反の公判が11日より京城地方裁判所に於いて開かれる。

7月13日

登港上半期貿易 12日鎮南浦特派員発

登港の本年上半期の貿易は、開港以来、戦役中を除き空前の成功であり、輸移出入合計は264万円に達し、昨年に比し109万円の激増を示した。これに同税関である京城出張所の輸移出入合計164万円を加えれば合計428万円であり、この情勢で、本年中の貿易額を推測すれば1千万円に達する貿易額となるであろう。(一部抜粋)

作物全滅 12日釜山特派員発

洪水の為に密陽附近に於ける本邦農民の作物は全滅の状態に陥り、その損害は15万円と推定される。特に岡山村等の如きは移住したばかりであり、非常な打撃である。

朝鮮航路視察談 内国電報12日発

朝鮮航路を視察して帰京した今岡逓信省船舶局長の談話は次のとおり。

△釜山 現在築港、埋立、その他大計画を立て、築港中であり、非常に活況を呈しており、朝鮮に於ける経済の中心地となっている。今後安奉線改良工事が竣工した暁には、なお一層の活況を見るに至るであろう。

△元山 本年に入り平元鉄道建設事務所が設置された為、その材料の持ち込みその他の為に活況を呈する様になった。

△清津 港の第1期工事が終わり、本年より12万円を投じ、第2期工事に着する計画である。間島との交通を便利にする為に4間道路を建設中である。

△木浦 湖南鉄道は10月より起工の予定であり、現在海陸の連絡設備について研究中である。

△群山 桟橋、護岸工事、防波堤等を造る計画であり、輸出物は8分まで米である。同港は漁船の集合地であり、多い時には千隻位に達する。

△仁川 一時不景気となったが漸く回復すると同時に築港の計画ができた。

△鎮南浦 大同江を控えていると同時に築港中である為、将来ますます発展すると思われる。

7月14日

梁起鐸等第2回公判 12日京城特派員発

13日、梁起鐸(りょうきたく)の第2回公判があり、検事は懲役2年又は1年を求刑し、来る22日、安命根と共に判決がある予定である。

南朝鮮の水害 同上

その後、南朝鮮水害の報が頻繁にあり、中には食料が欠乏した所もある。馬山線その他開通に至らず、成歓駅付近に於いて、水害の為に北行列車が脱線した。全羅北部の日本人の経営する農地がある大庭村附近は一面の湖水となり、新築した道路を破壊して水が流れている。

三井家の植林計画 同上

三井家においては、大規模な植林計画に着手すべく、柴、田中の2技師を派遣し、鉄原地方に滞在し、調査中である。

米国人の鉱業許可 同上 

平安道順川郡に於いて、鉱業に従事する米国人モリス氏外4名は、桑港に本店を有し、今回90万ドルの資本にて、コリア、マイニング社の支店を設置し、大規模な経営をおこなうとして出願し、許可された。

7月15

洛東江横溢 13日馬山特派員発 

洛東江の非常な出水によって、全てが水に浸かる様な有様である。三浪津(さんろうしん)の被害者は、濁流が軒に達し、駅はあたかも孤島に似ている。新設の村井農場は一面の海と化し、惨憺たる様子である。

7月16日

京釜鉄道一部不通 15日京城特派員発

京釜鉄道線は、平澤(へいたく)と伊院間の出水により、又復線路破壊の為に15日朝より不通となった。

木浦停車場の位置 14日木浦特派員発 

木浦停車場は、居留地に接近した東北の乾砂地約7万坪であり、更に海陸連絡の為に、居留地内に支線を引き込む事に決定し、14日発表した。居留民は一般の希望が入れられた事を喜んでいる。

7月17日

斎藤大佐視察談 16日清津特派員発

間島よりウラジオに至り、更にボンシュンを経て当地に帰来した斎藤大佐の談による。 

今回の視察は、帝国軍人として、且総督府員として出張したのみならず、統監府派出所長であった時代の顔見知りが多く、露清官憲より優待され、便宜を得た。邦人と鮮人は露清両国の至る所に足跡を留め、現に間島に1,300名、吉林に1,250名、長春に1,000名、ハルピン二に800名、ホンチュンに100名の本邦人を見た。彼らは完全な保護を受けている。交通が完備するならば北清の発展は十分推測できる。

7月18日

水害激甚 17日京城特派員発

天候なお回復せず、連日の降雨により各地の水害はますます甚だしく、錦江は増水25尺に及び、江景附近は一面の湖水となり、昨夜より炊き出しを行い、救助に努めている。

漢江の水量は増して24尺となり、摩ホ附近に浸水家屋60余戸、平安北道の碧胴河附近、忠清南道の洪州及び牙山郡に亘って、被害が少なからずの見込み

京釜線不通 同上

京釜線は今なお普通、18日朝、1番列車より開通の予定であるが、天候の都合により確実でない。なお京釜間が不通となったのは、39年以来の椿事である。

水道断水 同上 

漢江が増水24尺となった為、京城水道の水源地より配水地に至る鉄管に故障を生じ、17日朝以来、突然に断水し、速やかに減水しない限り、1週間以上の断水となりそうで、市民に大恐慌を来している。

719

京釜線開通 18日京城特派員発

京釜線は、17日午後10時発の分より開通した。その後各地共順次、減水の知らせがあった。

7月20日 

大同江出水 19日平壌特派員発

▽汽車不通

連日の降雨によって、大同江の出水26尺、市街に氾濫し、浸水家屋2千戸に及び、被害は多大である。軍隊、警察、消防が大いに防水に努めた。平南線及び当地以北の京義線は破損し、汽車不通となった。但し19日に復旧の見込みである。

鉄道各線不通 19日京城特派員発 

連日の降雨の為に、京義線は平壌以北に損害の個所が多く、全部不通となり、開通の見込みが立っていない。馬山線、湖南線、平南線の不通も以前と同じである。

721

漁港経営方針 20日釜山特派員発

漁港が完成し、近日建築部より税関に引き継がれる予定である。これについて京城では、鈴木税務局長が委員長として会議を開いた結果、その経営は財団法人を組織させ、漁港全部の土地及び建造物を無償で貸与して経営させるのが望ましいと荒井長官に報告したので、何れ漁港に関する政令が交付されると思われる。

釜山築港新設計 同上 

釜山の築港は、海底の土質が軟弱であり、桟橋が陥落した等の事があったので、土質を調査研究した結果、最初の設計を変更して、当局との交渉を経て、近々発表される予定である。設計変更の為に、工費も安く、係船力も増加した。最初、突堤南側に23千トン級の汽船2隻、北側に2千トン級の汽船2隻を係留する筈であったが、更に2千トン級の汽船を2隻係留することが出来る見込みである。工費は予定の382万円で十分であるという。

724

安命根等判決 22日京城特派員発

安命根外17名と強盗犯梁起鐸外15名に対する保安法違反被告事件は、22日、次の様な判決が言い渡された。案命根、終身懲役、梁起鐸以下6名懲役2(一部抜粋)

平安道水害 同上

その後、鴨緑江、大同江の増水が依然として続く。平安道各地の水害は甚だしく、京義線は尚不通、龍厳浦にある営林庁の木材5千連が流失し、平南線は22日より開通する。

厳妃葬儀期 同上

22日は厳妃逝去の3日目に当たり、遺骸を嬪宮(ひんきゅう)に移した。葬儀は3カ月後の前例を破り、8月上旬に行われる予定

水力電気調査 同上

通信局では、本年度より開始すべき水力電気の調査に付き、準備を整え次第、直ちに取掛る予定である。

王世子着京 23日京城特派員発

王世子李垠殿下及び随員一行は、釜山に出迎えた李完用、閔丙せき等と共に午後6時40分、南大門駅にご到着(一部抜粋)

仁川築港設計調査 23日仁川特派員発 

仁川築港の計画は、大体に於いて市民の希望と齟齬する為に、既に一問題となった。今回、民団や商業会議所の両議員、その他有志の中より調査委員を設け、各方面の調査をする事となったが、何れ設計変更の請願をする事となるであろう。尚26日一部の工事請負人の入札がある予定

725

王世子正式御告別 24日京城特派員発

李王世子は旅行の御疲労も無く、頗る健康で、24日午前中、寺内総督を訪問し、昌徳宮に至り、王殿下にご会見、午後5時、厳妃の御遺骸に対し、正式の御告別があった。

朝鮮基督教徒視察団 24日京城特派員発

朝鮮に於ける内地人キリスト教徒と朝鮮人同教徒とは、最近互いに接近して好都合であるが、京城キリスト教会青年部に於いては、内地及び朝鮮に於けるキリスト教徒親睦の機会を作ろうと、代表的朝鮮キリスト教徒の内地視察団を計画し、来る28日出発し、大阪、奈良、京都、神戸、東京等を歴訪する予定であり、内地信徒は大いに歓迎すべき旨通知してきた。

京義線一部回復 同上

京義線の平壌と新安州間は、昨日午後、北行列車から開通し、今日より、日に2回往復する。(一部抜粋)

 解説:京義線とは京城と新義州を結ぶ鉄道

726

朝鮮米界新レコード 25日仁川特派員発 

各地よりの報告によれば、朝鮮に於ける本年の米作は、南部地方の一部を除き、各道を通じて、成績は良好である。今後、天候に異変が無いならば、平年作以上の豊作を見ることが出来るであろう。日本米暴騰の余波を受けた事と品薄の為に非常に暴騰した。当地正米は益々品薄となり、1467銭を唱えるに至り、19円の白米も20円に達する模様である。この様な現象は朝鮮の米作の新レコードである。

728

朝鮮運航統一 26日釜山特派員発

釜山を中心とし、群山、木浦、鎮南浦等を加え、朝鮮の全沿岸の運航を統一しようとする計画がある。但しこの為には、総督府より、年額20万円の補助金を受けなければ、成立が難しい。

厳妃墓地と葬儀 27日京城特派員発

厳妃の墓地は、東門外にある閔妃の墓地附近に確定した。葬儀は王世子の滞在中に執り行おうと急いでいる。多分82日となると思われる。

梁起鐸服罪 同上 

案命根以下9名及び金以下8名が控訴したが、梁起鐸は服罪した。

729

軽便鉄道出願 28日釜山特派員発 

韓国瓦斯会社は、東来と蔚山間、並びに蔚山、慶州間、更に補項、大邱間との間の線路108マイルに軽便鉄道を敷設する事となり、認可を出願した。その工費は230万円の予定である。

731

金時きんじげん)氏投身 29日京城特派員発

京城実業界の有力者であり、日韓瓦斯会社、漢城美術品製作所、朝鮮商業銀行、漢湖農工銀行、韓国第一銀行等の重役を兼ねている金時氏が、漢江に投身自殺した。原因は投機に失敗した事と言われている。

金氏と宋乗畯氏打撃 29日京城特派員発

金時は予てより宋乗畯氏の財産全部を保管、委任されており、三井も無担保にて5万円損失の為多少の影響があるであろうが、宋乗畯氏は大打撃を免れないであろう。

81

京義線開通 31日平壌特派員発

平壌以北の京義線復旧工事が全部竣工し、31日の1番列車より開通した。

水道敷設費補助 31日群山特派員発

水道敷設費3百万円中、総督府は15万円を補助する事に内定した。当地水道の官営説もあるが確かでない。

群山築港測量 同上

群山築港については、総督府より技師が来て、現在港湾を測量中であるが、調査の終了までには、尚数カ月を要すると思われる。

新市街計画 同上 

当民団は、群山駅附近に新市街の計画を立て、現在、設計中である。

82

経学院大提学任命 1日京城特派員発

儒生救済の為に設立された経学院の大提学に朴斎純以下5名が任命され、総督の訓令があった。

解説:経学院(けいがくいん)は、大韓帝国日本統治時代の朝鮮に置かれた儒教研究機関。旧朝鮮時代の成均館の後身である。大提学は長官を意味する。

寺内総督暇乞 同上 

寺内総督は、帰京の為、3日出発するので、1日、李太王、王世子を訪問し、暇乞いをした。

83

厳妃葬儀の製艦 2日京城特派員発 

王世子の実母である故を以って、破格の優遇を与えられた厳妃の葬儀は、2日に行われた。霊柩は、予定通り、5時半、永成門を出て、鐘路通りより東大門を通り、清涼里に至る。10時、清涼里の墓地永微園に達し、午後2時王世子馬車にて到着、埋葬の式があって、夕刻、完全に式を終わる。この日、天は曇り、風暖かであり、満都は、自ずと静粛であった。(一部抜粋)

8月4日

汽船会社官営 2日京城特派員発

釜山、元山、木浦の3沿岸航路汽船営業者は、政府の補助金が本年度末で終了するので、その継続を請願したが、総督府は、3社を合同し、一つの汽船会社を組織し、政府の監督の元に経営するならば、相当の補助金を行うと回答した。本問題の内容を聞くと、これは資本金3百万円の株式会社とし、毎年30万円の補助金を支出し、重役を官選とし、一種の官営事業とする計画の様であった。(一部抜粋)

鴨緑江架橋工事 2日釜山特派員発 

鴨緑江の架橋工事を担任する岡村技師は、一二機械の流失があったが、大阪その他にて材料を求め、龍山鉄工所にて製作することが出来るので、鴨緑江の架橋は予定通り10月中に完成すると語った。

8月5日

王世子総督帰京 4日京城特派員発 

王世子殿下は、5日午前7時、寺内総督と共に出発し、帰京される予定である。寺内総督は、瀬戸内海を東行し、7日舞子に上陸、京都に一泊 王世子は、汽車にて、宮島に立寄る予定である。我が帝室に献上の為、銀製の花瓶その他を用意されている。

86

寺内総督と王世子 5日釜山特派員発 

寺内総督及び王世子の一行は、5日午後5時到着した。駅の内外には、日鮮の学生及び官民の多数が出迎えた。総督、王世子は駅の貴賓室にて休憩、同夜8時発の梅ケ香丸にて下関に向かう。王世子の為に、朝鮮人の見送りが特に多かった。

87

明石憲兵総長 6日馬山特派員発 

明石憲兵総長は、6日釜山より来直、直ちに鎮海軍港に向かった。

88

森林令公布 7日京城特派員発

先に政令を以って発布されていた森林令は、来る91日より施行の旨、7日公布される。

東津江水利組合 7日群山特派員発 

藤本合資会社の藤本寛太郎氏外12名は、資本金17万円を以って東津江水利組合を作り、同江流域の全堤、古阜、泰仁の3郡に跨る水田約35町歩に灌漑目的で許可を申請中

89日 

第二艦隊来航 8日釜山特派員発 

来る25日、第二艦隊和泉、千代田等が来航する。

811

釜山築港設計変更 10日釜山特派員発 

釜山築港計画に於ける設計変更の概要は次の様である。釜山新桟橋より凡そ220m隔てて、長さ360m、幅33mの轍桟橋を造り、その上に軌条を敷いて連絡を保つ。海底を浚渫して、8m乃至11mの深度を保持ち、その両側に3千トン2隻、1万トン2隻の合計4隻を同時に係留させることが出来る様にする。(一部抜粋)

813

第二艦隊消息 12日清津特派員発

八代司令官の率いる第二艦隊日進、春日、千早、和泉の4隻は、12日雄基より登港に入る。

815

視察団帰国 14日群山特派員発

敦賀の視察団36名は、14日朝、湖津(こしん)より入港、官民有志の歓迎盛んである。一行は14日午後7時、神宮丸にて帰国する。

赤痢患者発生 14日城津特派員発 

現在、赤痢患者がいるが、甚だしくなく、次第に撲滅に向かうと思われる。

816

馬山線迂回工事 15日馬山特派員発 

毎年水害を被る馬山線の進永と三浪清間は、4マイルだけ迂回工事を起こすことになり、本年10月より起工の計画である。

818

貴族増製 16日京城特派員発

従来、朝鮮人に対する諸種の銓衡は、全て総督が一二の人の進言を採用するに留まる結果、やや不平を招き、現に少壮論派よりは、趙重應外一人のみであり、甚だ薄い感がある。今回漏れた分を、貴族とし、南人派(とかくこれらは昔の朋党を継続したものである)をも合わせて15名を新たに加えるそうである。

京釜電話開通 同上

京城と釜山間の長距離電話が16日より開通した。

金鉱大規模採掘 17日京城特派員発

 

米人モリス氏が経営している平安北道寧辺郡金鉱は、今回資本金100万円の朝鮮金鉱会社組織の下に、大規模の採掘に従事する計画である。

819

群山の海陸連絡 17日群山特派員発

群山港の海陸連絡設備として、工費2万6千円を以って、防波堤及び桟橋架設の予定であり、宮木仁川税関長が実地に視察を終わり、近々工事に着手し、来春完成の予定である。

山林乱伐と住民 18日京城特派員発

平安北道の雲山金鉱では、金鉱用の燃料の為、年間2万5千円を総督府に納入して、雲山郡に、4マイルの山林伐採権を獲得してきたが、この区域は既に伐り尽くし、最近は遠く焚山(むざん)、寧辺、昌城郡等の広大な区域に於いて、乱伐が激しい為に住民が非常に迷惑している様である。

朝鮮古文書 同上

 

以前、李王家より総督府に引継いだ朝鮮古書全部は、現在、取調局に於いて整理中であるが、遠からず一文庫を建設の上、公開するそうである。

820

趙重應子併合記念談 18日京城特派員発

▽下級官吏廓清論

 

下級官吏(内地人)で人格が低い者については、結局、併合の趣旨を阻害していると言わざるを得ない。天皇陛下の仁慈の下で、総督が朝鮮人の同化に努められるのは、我らが感服する所であるが、唯、下級官吏の多くが朝鮮人を馬鹿にし、例えば郡書記が郡守を侮蔑する様な専横的な弊害は、実に総督政治に災いをなすものと言わざるを得ない。(一部抜粋)

821

取引所設置計画 20日群山特派員発

群山米穀商組合では、当地に取引所設置の計画があり、間もなく出願すると思われる。

822

大阪商船の航路開始 21日釜山特派員発 

大阪商船の萩野氏は、鮮南海岸の航路開始を計画中であるが、一般の人気が高く、何れも歓迎の模様である、この為、現在独占状態の釜山汽船は狼狽し、各地の代理店を集め協議中である。(一部抜粋)

826

御救恤金処分 24日京城特派員発 

天皇陛下より朝鮮水害救恤賜金として下賜された7千5百円は、一両日中に被害の程度に従い一般民に配布する為、各道長官に送付する計画である。

8月29日

朝鮮沿岸航路合同 28日釜山特派員発 

朝鮮沿岸航路汽船の合同計画について、元山、木浦、鎮南浦、仁川等の各汽船会社主任が当地に集まり、2日間協議した結果、大池忠助氏を創立委員長として、発起委員を設け、更に各地に発起委員を募り、株式6万株の内、その引受株を定めて、一般の募集に着手し、来る12月に創立させる計画である。現在のところ、元山運航の汽船は使用しない方針である。なお創立事務所は京城に置く事となった。

830

併合記念祝賀会 29日京城特派員発

南山にある大神宮に民団発起の併合記念祝賀会がり、花火、提灯行列で市中が賑わった。

併合祝賀会 29日鎮南浦特派員発

日鮮人連合で併合祝賀会を開き、種々の余興があった。鮮人各戸に日章旗を出して、市中が賑わった。

露国領事館新設 29日清津特派員発 

露国は、当地に領事館を新設する予定で、既に領事を任命した。間もなく開館の運びとなるであろう。

9月6日

南岸航路開始 5日釜山特派員発

萩野朝鮮組の朝鮮南岸航路は、当分3隻の汽船で、来る10日から開始

大久保大将歓迎会 同上 

大久保大将6日来て、7日府庁に於いて官民合同の歓迎会を開く予定

9月8日

朝鮮の米作 6日京城特派員発

総督府の調査による本年9月1日現在の第1回米作予想高は、9百万石であり、これを昨年度の実収穫高8百萬石に比べると、百万石の増収である。本年度の洪水被害は予想外に少なかった様である。

北鮮の大雨 7日城津特派員発

6日午前1時より降りだした雨は、午後2時までに一坪面に3石5斗に達した。その為河川が溢れ、朝鮮市街を襲い、家屋破壊5戸、浸水百戸で市街は今尚激浪が満ちている。

大同江出水 6日鎮南浦特派員発 

5日朝から6日朝に掛けて暴風雨があった。当地方は非常に損害が多く、ちょうど満潮の為に朝鮮町の浸水は一層甚だしく、深い所は床上56尺であった。5日夜の調査によれば、浸水凡そ7百戸、崩壊4戸であった。全体の損害の程度は不明であるが、頗る惨状を極めている。平南鉄道線路は6日朝から不通である。

99

露国領事館開設 8日清津特派員発

当地露国領事トロツキー氏は、8日浦潮より到着し、府庁を訪問し、直ちに同船にて京城に赴き総領事と事務打合せの上、一カ月の後当地に来て、開館する予定である。

南極探検隊使用の犬 8日清津特派員発 

南極探検隊長白瀬中尉に送られる予定の12頭は、一人の露国人が護送して8日、立神丸にて神戸に向け通過した。犬は力が強勢であり熊に似たものと羊に似たものがあり、何れも性質は温順であり、人に慣れている。

910

練習艦抜錨 9日仁川特派員発 

停泊中であった練習艦阿蘇、宗谷の2艦は、9日午前10時に抜錨し大連に向かった。

911

元山停車場の位置 10日元山特派員発 

京元(けいげん)鉄道の元山停車場の位置は、市川町2丁目裏より海岸に至る約13万坪と決定し、貨物倉庫40棟は、本町4丁目裏の畑一帯に建設される予定である。官舎の位置は市川町12丁目より赤田川に沿った一帯の地に決定した。

913

低気圧来襲 12日京城特派員発 

11日朝、上海附近にあった低気圧が12日朝は海南部に来襲し、風雨が激しく、その一部は雲山附近に及んだが、次第に忠清道、全羅道。京畿道を経て群山沖を通過した。場所によっては農作物の被害は免れないであろう。

914

佛国の態度 13日タイムス社発

佛国の態度は強硬であり、モロッコに於いて獨逸に特殊の権利を与える件には強く反対した。しかし終止、十分に友好的精神を以って協議を行った。

獨逸提議拒絶せられん 13日上海経由路透社発

巴里来電=タン紙は、佛国の輿論を述べ、獨逸外相キデルレン、ウエヒテル氏の要求は、迷惑というよりも寧ろ児戯に等しく、今や佛国はこの様な到底入れることが出来ない要求を拒絶しようとしていると言っている。

ロンドンタイムス紙は、この点に於いて獨逸の妄想は除去されたと述べた。

英国の大警戒 同上

▽陸路石炭を

▽軍港に運搬す 

英国海軍省は、極めて多量のウエールス産蒸気機関用石炭の積荷をハル、ニューカッスルその他の北海沿岸軍港に、汽船を使わず、鉄道便にて、莫大な費用を惜しまず運搬中である。この石炭運搬車には、悉く「至急」と書いた張り紙がある。又1万8千トンの追加注文分には「御用」と書いてある。これは、単に石炭の至急運搬を試験しているに過ぎないと称しているが、莫大な費用を要している点から見ると、時局に関する警戒の為であると推測される。

9月15日

コールブラウン事件 14日京城特派員発 

李太王対コールブラウン訴訟事件について、小川弁護士が来京した。15日第1回公判を開く予定であるが、この訴訟は2カ月前、京城にあるコールブラウン事務所に配達されたが、当時は唯留守居の朝鮮人に渡したのみであり、その後コールブラウン事件を管理するモリス氏は、同事務所はコールブラウンの自宅ではないとの理由で、これを裁判所につき返した。15日の公判に於いては被告側より出頭者が無いと思われ、結局公判は延期となるのではと思われる。

916

李太王対コールブラウン訴訟 15日京城特派員発 

李太王対コールブラウンの訴訟は、15日京城地方裁判所に於いて第1回公判が開かれた。原告を代表して小川弁護士が、被告を代表して辰市弁護士が出頭したが正式の委任状が到着しない為に、又コールブラウンが現在ロンドンに居て、京城に来ることが出来ず手紙で往復照会をする必要がある為に来る118日迄公判を延期する事として閉廷した。

917

鉱泉会社発起人会 16日釜山特派員発

朝鮮鉱泉株式会社は、本月末、設立発起人会を京城に於いて開き、その計画を発表する予定であり、現在着々と準備中である。

香川長官の招宴 同上 

香川慶尚南道長官が来釜し、16日夜、官民の主な者を招いて饗応した。

919

軽便鉄道許可内意 18日釜山特派員発

韓国瓦斯電気会社が出願中の東萊、蔚山、慶州を経て大邱に到り、更に慶州より補項にでる間敷設する計画の軽便鉄道は、会社主任技師の説明により、鉄道局に於いては二三の条件を付して、来月中旬頃、許可の内意を漏らした。許可されたならば、1期線は1年以内、2期線は2年以内に実測起工が条件である。

鮮人授産事業好良 同上

慶州南道の鮮人授産事業は頗る鮮人の状態に適し、その成績は良好である。

蔚山釜山新航路 同上 

朝鮮の南沿岸航路を開いた商船組では、19日より豊川丸を以って蔚山と釜山間の新航路を開く計画の筈

 920

倉富長官東上 19日京城特派員発

19日、朝倉富地方部長官は、急遽東上した。その用件は司法大臣及び次官の更迭に伴う事務打合せの為と言われている。

鎮海湾司令官 19日馬山特派員発

新任鎮海湾防備隊司令官上泉徳弥氏が19日着任した。

921

鮮人文官試験不良 20日京城特派員発

先般、各道に於いて施行した朝鮮人文官試験の受験者総数は1,300名で、その成績はほぼ決定し、近く小松委員長の帰任を待って発表されるが、その成績は良好でない様である。

憲兵隊舎落成 20日釜山特派員発

当地の憲兵隊舎が落成し、23日に移転、開庁式を行う予定

市原宣銀総裁 同上

市原鮮銀総裁は、20日来釜、当地支店の新築工事を視て、午餐の饗応を受け、釜山に向かった。

8師団朝鮮守備(青森) 内国電報 20日発 

8師団は、第2師団と交代し、朝鮮守備の任に就くべき旨の内命があった。明年4月、青森より移動の予定

922

医師規則制定 21日京城特派員発 

近く制令を以って医師規則が発表されるそうであるが、同令による資格は、内地人であると朝鮮人であると問わず、官公立学校及び指定私立医学校、外国医学校及び開業試験に合格した者とし、草根や木皮を以って医療に従事してきた従来の朝鮮医師は、台湾の例に倣い、医生として当分開業を許可して置く予定と言われている。

923

米穀移入税廃止請願 22日群山特派員発

群山農業組合は、商業会議所と連合し、米穀の移入税廃止請願を行った。

取引所設置出願 同上 

資本金20万円を以って、当地に米穀取引所開設の計画がいよいよ熟し、近日中に出願の手筈となった。

924

朝鮮の財政経済 22日京城特派員発

荒井度支部長官は次の様に語った。43年度に於いて実収入は、予算より約百万円の増加であったが、44年度に於いても、43年同同様の自然増収となり、例えば国税では78十万円の増加する筈である。

母国より仰ぐ補助金額は恐らく44年度の1千2百万円より減少する事は困難と思われる。 

併合以来物価の騰貴により、朝鮮小作農民の苦痛は事実であるが、これは将来工業が勃興し、又母国人の投資が増加し、且最近、母国の物価、特に米穀の相場が直ちに朝鮮に影響してきた結果であり止むを得ない。(一部抜粋)

926

京元鉄道一部開通 25日京城特派員発

25日、官報において、1015日より京元線龍山、議政府店間19マイルの運輸営業を開始する旨告示した。

校長特別任用令 同上 

総督府官立学校長の特別任用令は、予て法制局にて審議中であったが枢密院会議で可決されたので、近く勅令を以って発布されると思われる。

929

面長懲戒規定発布 28日京城特派員発

28日総督府令を以て、面長(村長)の懲戒規定が発布された。本令は、発布の日より施行し、その施行前の行為もこれを適用することとした。

森林届出件数 同上

去る411月発布された森林法に基づき、森林山野の所有者は、向こう3か年以内にその地籍,位置を届け出る事となり、この期限内に届けない物は国有地と認められる次第であるが、同期限は本年123日を以て満了した。届出件数は52万件で150万筆に上った。朝鮮人の癖として、他人の土地を届け出て、真の所有者は届出を怠る者が多いので、この整理は非常な面倒が予想される。

東拓移民少数 同上 

東拓会社では、先般来第2回の移民を募集したが、募集者が意外に少なく、本社より勧誘員を出し、僅かに7百人を選定した。会社の方針として団体より単独移民をを奨励しているがその希望者は少ない様である。

 

10月1日

ジ博士朝鮮談 29日京城特派員発

ジョルダン博士は次の様に述べた。予が朝鮮に来た目的は併合以来総督政治によって、朝鮮人の生活に如何なる影響を与え、又彼らは如何に進化しつつあるかを知る為であり、政治的に避難するものではない。京釜間沿道の禿山は予想外に甚だしく、恰も米国サウスカロライナ州若しくはコロラド州に酷似している。この二州では、放牧を奨励し、自然に土地を肥やし、次第に植林又は耕作の方法を取った。朝鮮もこれらに倣って土地の繁栄を図れば大きな利益があると思われる。

解説:ジャルダン博士とは34歳でインデアナ大学学長、その後スタンフォード大学学長、総長を歴任した。

10月2日

太神宮大祭 1日木浦特派員発

1日は開港14年に当たり、毎年市中一般に休業して、祝意を表する例であるが、今年より10月1日を以て太神宮大祭と定めたので、市中は一層の賑わいである。

103

豆満江の暴徒 2日清津特派員発

▽鮮人20名を捕らえて其の名を殺すと

豆満江上流に於いて、去る26日銃器を携帯した暴徒17名が現れ、同地の営林庁で雇った朝鮮人20名をことごとく捕縛し、内1名を立木に縛り、斧にて頭部を破って即死させ、1名をオンドルの大釜に投じて煮殺した等残虐を極めたとの急報に接し、会寧茂山より、憲兵守備隊が出動した。

京釜間夜行列車 2日京城特派員

先日来、三本鉄道局営業課長が東上し、鉄道院と関釜連絡に関し打ち合わせた結果、来る121日より京釜間の夜行列車を毎日(目下隔日)運転することに内定したそうである。

107

依然言論抑圧 6日京城特派員

▽東京朝日発売禁止

4日の東京朝日に掲載された本社特派員の選任総督論第2回は、弊害がある事項を発表した理由を以て、治安妨害を認められる由によって発売禁止を命じられ、依然として言論の抑圧をしている。

108

宇佐川総裁の視察 7日京城特派員発

宇佐川東拓総裁は、10日釜山発の汽船で、岩佐金坑部長、峰秘書官長、鈴木嘱託等を従え、凡そ1か月の予定で、北朝鮮視察の途に就く予定である。

国道開鑿工事開始 7日城津特派員発

1頭国道の中、魔天嶺は6日より開鑿を始める。魔雲嶺も続いて直種する予定

109

総督着京 8日京城特派員発

8日朝、臨時列車にて釜山を出発した寺内総督一行は、午後4時官民多数の盛んな出迎えを受け、無事帰京した。

10月9日

露国軍人墓碑営造 9日京城特派員発

日露戦役の際に挑戦に於いて戦死、病没した露国軍人の埋葬場所は義州の龍厳浦と定州の2か所であるが、戦後一人の参拝者も無く、墓碑は何れも荒廃していた。その為第2師団の将校、下士官卒及び義州の在郷軍人等が発起人となって相当の義金を集め、墓碑整備に着手し、永久に保護する予定である。

10月11日

露領事館開館式 10日間島特派員発

局子街の露国領事館が6日開館式を挙行した。

10月19日

寺内伯の動乱談 17日京城特派員発

清国革命大乱事件に関し、寺内総督は17日、記者に次の様に語った。事態が益々重大となり、列国が之に干渉を始めるようになったならば、問題は複雑且面倒になると思われる。只考慮すべきはこの点である。日本は従来清国に対し特殊な関係を有するが故に、これに向かってある種の注意を与え又必要な援助を与える立場にあると同時に、清国も又場合によって、先ず援助を求めるのは必ず日本であろう。この時は極めて慎重な態度と細密な注意を以てこれに臨まなければならない。

1025

朝鮮の三金山 23日京城特派員発

▽藤田、村井、古河、浅野 

内地の鉱業家は、以前から朝鮮の鉱業に関して、それぞれ技師を派遣して実地調査中であったが、今回調査の結果により藤田組は平安道き川を、村井吉兵衛氏は昌城を、古川組と浅野総一郎氏は亀城を出願する事に決定した。これら三鉱山は何れも金産地として有望な鉱区であるが、以前は宮内府の専有であったものをその後総督府に継承し、特別扱いとなったもので近々許可をされると思われる。

 116

安東の警戒 5日釜山特派員発

安藤県の清商は、当地も取引商店に向け物品の追走を中止する予定と電報した。

釜山埋立 同上

釜山40万坪の埋立は政府が行う予定で、来年度予算に24百万円を計上したとの説がある。

  11月7日

国境共同税決定 6日京城特派員発

満鮮国境共同税関の交渉は次の様に決定した。

一、国境通過の貨物は、安藤県に於いて日清両国の官吏が立会の上、検査を行う。

一、旅客携帯の貨物は、安藤県にて停車中に検査する。ものこの検査が終わらない場合には、両国の官吏が汽車に乗込んで検査する。(一部抜粋)

11月10日

寺内総督着発 9日釜山特派員発

寺内総督一行は、9日午前着、弘済号にて直ちに門司に向かった。官民の送迎が盛んであり、警戒は非常に厳重である。 

1118

清国人避難誤解 17日京城特派員

天津、奉天地方より当地に避難してくる清国人が多数ある様に伝える者がいるが、これは全くの誤解である。

支那人間金融逼迫 18日京城特派員 

清国動乱が朝鮮経済界に及ぼす影響を見ると、上海陥落以来、対清輸入貿易は途絶の姿となり、輸出貿易は日本人の手に依って少量の白米を輸送したに過ぎない。新占領地の銀行は清国人に対してなるべき貸出をせず、回収に努め始めている為、清国人間の金融は逼迫し、非常な困難に陥りつつある。

11月22日

朝鮮の予算 21日京城特派員 

荒井度支部長官は、妙年度予算を携行し、21日朝東上した。予算は前年度より約3百万円の増加であるが、その主なものは土地調査事業費、築港工事費、公債利子費等であり、その他産業奨励費に関する新規の費用が計上された。

11月23日

朝鮮郵船会社株式 22日釜山特派員発

新設の朝鮮郵船会社は、株式の内3万株だけを発起人で引受け、残り2万株は東京、大阪に割当て、他の1万株のみ一般に募集する様である。

朝鮮博覧会計画 同上

当地に於いて朝鮮博覧会を開設する計画がある。総督府に於いても、これに賛成しているようであり、 

財源に都合がつけば開設されると思われる。

11月27日

仁川の台風 26日仁川特派員発 

25日午後より台風が襲来し、船舶貨物の沈没、その他大小の損害は50余件に及んだ。

127

産業政策と予算 5日京城特派員発

総統府の来年度予算は、地方行政の刷新と産業政策の遂行を趣旨とし、各道庁に内地人3名ずつの増員を行い、同時に水産、林業の外、別に技師、技手の増員を行う事に決定している。

花山林邦人経営 同上

水原にある花山森林は、併合前は国有林として、付近の人の立入を禁止していたが、併合後、総督府は特にこれを李王家に与えた。李王家は唯一の資産としてこれを保存していたが、どの様な事情か、先般内地人の田島某と仁川の力武某が合名で、15万円にて譲り受ける契約を行った様である。この森林は約千3百町歩あり、価格約百万円と聞いているものである。買い請け人は今後10年間に伐木を行う計画と言われている。

電気会社認可 6日清津特派員発 

大阪の右近権左衛門、杉村兵太郎外数名から出願中の清津と羅山間の電灯及び電鉄事業は、朝鮮電気株式会社として1日付で認可された。

12月8日

松井参事官の用向 8日京城特派員

松井大使館参事官は、7日夜南大門発北京に向け出発した。同氏はその任務について何も語らなかったが、日英露三国の意見を代表する資格を以て、清国に各省より新たに委員を選ばせ、且各省の意見を徴して、委員会議を開き、一種の干渉的決議を行わせる事が、使命の第一であると想像する理由がある。

民団助役増加説 同上 

京城民団では、助役を更に1名増加する意見がある。

12月10日

東拓の興銀借款 9日京城特派員発 

東拓会社では、過般日本興業銀行に対し、営業資金として3百5十万円の借款を申込中の所、交渉が纏まり、利率5分3厘にて11月30日授与を終わったそうである。

12月11日

馬山公園整備 10日馬山特派員発 

馬山湾内の諸島を公園にしようとする議があり、10日民団役所は技師、技手を派遣して実地の調査を行った。

12月13日

朝鮮国税増収 12日京城特派員発 

11月末日に於ける朝鮮内国税収入の累計は434万円であり、明治43年度に比較し172%の増加であった。

12月14日

中央標準時適用 13日京城特派員発

中央標準時は、現行朝鮮標準時に比べ30分早いので、少なからざる不便があったが、来年1月1日より、内地中央標準時を朝鮮標準時に適用する事に改正したので、31日夜半の12時は新標準時の午前零時30分となる。

建築列車歓迎会 13日全州特派員発 

朝鮮の湖南線の江景と裡里(りり)間の工事が終わり、建築列車の運転を開始したので裡里の日鮮官民は13日、鉄道従業員その他を招いて、建築列車歓迎会を開いた。裡里と群山間の工事も八九分竣工したので、1月早々には建築列車の開通を見ると思われ、湖南第7工区金提と井邑の工事は京城の荒井組が落札し、近日中には工事に着手する筈である。

1215

巡洋艦音羽 14日馬山特派員発 

13日鎮海湾に入港、暫く停泊の予定

12月16日

鮮人赤十字渡清 15日京城特派員発 

朝鮮人で医師を業としている李某は、清国革命戦乱の負傷者を救護する目的を以て、鮮人赤十字を組織し渡清しようと計画中であるが、団員の応募者が今や20数名ある。25名に達するのを待って、当地赤十字支部に交渉し、諸般の指揮を受け出発の予定

12月17日

取引所設立不許可 16日京城特派員発

予て問題と言われていた京城取引所設立の件は、創立委員より15日、その筋に提出されたが、これは絶対に許可されないであろうと言われている。

鉱山外人に転売 同上

朝鮮の鉱業は、鉱業条例の発布以降、日鮮人の出願が非常に多いが、その許可を受けて、真面目に経営されているものは非常に少ない。これに反して外国人の経営しているものは大いに見るべきものがある。しかも朝鮮人の所有する金鉱等で有望なものは、盛んに手を回して買収中である。昨今、内地砿業界の大家として総督府に於いても承認し、特に許可の下に有望な鉱業権を得ようとしている者の内、浅野、村井その他二三の連中は、その得た権利を将来外資に転売しようとする事が明らかであるので非難の声が高い。

12月18日

鮮人の陰謀 17日北京特派員発 

平安北道の宣川(せんせん)の有力な一朝鮮人が陰謀の首領として拘引され、現在取り調べ中である。

12月19日

三井家の山林経営 18日京城特派員発

三井家では、将来朝鮮の山林経営に従事する計画であり、着々とその準備をしている。差し当たり明年3月末を期して、京畿道開城付近に於いて自然林の保護及び植林に着手し、同時に苗床を設け、苗木を養成する予定である。

金融緊縮 同上

年末に於ける当地の金融は、非常に逼迫し、ここ数年来、見たことの無い程の景気であると鮮銀理事は語った。

1220

入超三千万円 19日京城特派員発

朝鮮に於ける輸入品は、最近益々増加し、今年7月から12月に至る輸入超過額の累計は3、342万3千余円に達した。驚くべき現象であるので、当局ではしきりにこの原因を追究し、且その予防策について研究中である。現在の所、教育の普及によって朝鮮人を教育し、極めて着実な民にすること、産業を奨励して輸出品を増加すること、割増付き少額の農工債権を発行及び郵便貯金を奨励すること、穀物税を全廃すること等の外には他に良策がないとの悲観論が多い。

鴨緑江植林 同上 

営林庁では、鴨緑江、豆満江流域の経営に従事してから既に数年を経過したが、従来の事業は主として伐採のみに傾いているので、昨年度から伐採のまま放置している荒れ地の整理及び植林に着手する事になった。

1221

我帝室の離宮 20日京城特派員発

▽龍山の総督官邸

龍山の総督官邸は、膨大に過ぎて人の居住に適せず、空き家のまま放置してあるが、今回帝室の離宮とすることに決し、昨今敷地を拡張し、建物の内外に大修繕を加えつつある。

移出入額増加 同上

今年1月より今月までの朝鮮移出入総額は7千4百万円であり、昨年に比べて6百萬円の増加である。

平壌鉱業所拡張 同上 

平壌鉱業所の石炭採掘量は、年間9万トンの予定であったが、今回これを拡張し、来年度から11万トンを採掘する予定で、内9万トンは海軍へ、残り2万トンは他へ販売する計画である。

1222

小作人不穏 21日全州特派員発

全州、金提、釜山の3郡の耕作人は細川、東山、藤本各農場の小作料が苛酷に過ぎると申し合わせを行い、その低減を迫り、大挙して郡庁に請願するなど不穏な行動に及び、地主等が困惑しているが、不逞の徒が背後にあって煽動した形跡があり、官憲も成行きに注している。

寺内総督 21日京城特派員発 

22日釜山着。同地より海路馬山地方に赴き、鎮海湾、その他地方の状況を視察し、24日京城着の予定である。

12月23日

釜山に於ける総督 22日釜山特派員発 

寺内総督は、22日朝到着した。港湾視察の後、税関、郵便局等を巡覧し、府庁に着き、主要な官民及び支那領事、外国公使等を接見した。終わって商品陳列館、各学校等を巡覧し、福田別荘にて宴を張り、同日午後8時、馬山に向け出発した。

12月24日

総督権限拡張 23日京城特派員発

朝鮮総督は、従来朝鮮に関する事柄について、満州帝国領事に交渉、通知するにも全て外務の手を経ていたが、今回は直接これを行う事となった。即ち総督の権限は一層拡張されたのである。

小作人紛争纏 同上

前羅北道の全州に於ける1千余名の小作人と地主との衝突紛争事件は、その後事態が益々重大となったが、警察署長の尽力により、小作人側より委員を選び、小作料低減に関し地主と交渉させる事となり、辛うじて事なきを得た。

馬山に於ける総督 23日馬山特派員発

寺内総督は、23日弘済丸にて釜山より懸洞に到着、防備隊司令官専用のボートに搭乗、午後2時来馬する。埠頭には重砲兵隊、その他官民学校生徒が出迎えた。総督は直ちに重砲兵大隊及び小学校を巡視し、町庁にて官民の接見を行った。同夜は馬山にて一泊の予定である。

12月25日

実業家招待は投資勧誘 24日京城特派員発

寺内総督の京阪実業家招待に関し、市原朝鮮銀行総裁は次の様に述べた。この招待は政治運動の意味ではなく、又朝鮮企業公債の件でもない。総督が今春、東京実業家と会談したと同じく内地実業家に対し、朝鮮開発の為に投資の途を勧誘したに過ぎない。

会寧の工兵営 24日会寧特派員発

24日工兵隊の新築落成に伴い、移転式を挙行し、盛大を極めた。

総督晩餐会 24日京城特派員発 

24日朝、馬山を出発した寺内総督は同日午後、多数の出迎えを受け、当地着、24日夜、官邸に於いて総督府の主な官吏を招待し晩餐会を開いた。

12月27日

露兵遺骨改葬 26日仁川特派員発

仁川沖日露海戦に於いて戦死した露国将士の死体は当時仁川に埋葬されていた。そして今回本国ロシアに改葬する事となり、25日発掘し、盛んな弔意式を行った上で、本国に向け発送した。

領事官員断髪 同上

清国領事館員一同が断髪した。

11月28日

鎮海湾の管理 27日京城特派員発

鎮海湾の土地管理問題は、総督府と海軍省と協議中であった、今回海軍の設備上必要な土地だけは海軍省の管理にし、その他の管理並びに市街の経営等は総督府に属することとなった。同時に従来の鎮東は鎮海と称し、鎮海郡は鎮東と改称することとなった。

朝銀第三回払込 同上

朝鮮銀行は正貨準備及び営業資金増加の必要を感じ、近々株主臨時総会を開き、第三回株金払込の件を議すると思われる。