期日 | 日本関係 | 期日 | 露関係 | 期日 | 英米関連 | 期日 | その他関連 |
1月3日 | 秋山騎兵旅団(門司) | 2月6日 | 露国形勢予想 | 2月13日 | 英国戦艦進水 | 2月2日 | モロッコ会議と独逸 |
2月9日 | 露国革命底流 | 2月22日 | 英国の態度 | 2月6日 | 独仏関係独人観 | ||
2月16日 | 露国騒乱の現状 | 2月23日 | 中ア英領地叛乱 | 2月8日 | 独仏妥協の好望 | ||
2月19日 | 露国の対抗的要求 | 2月24日 | 南亜支那人問題 | 2月13日 | 露佛交情の冷却 | ||
2月25日 | 支那人入米問題 | 2月14日 | モロッコ会議行悩 | ||||
2月26日 | 米国陸海軍整備 | 2月19日 | 独逸政府の挑戦 | ||||
2月20日 | 佛国政府の譲歩 | ||||||
2月27日 | 事態容易ならず | ||||||
2月28日 | 駐露公使の警電 |
明治39年2月
2月1日
広東暴動の警戒 広東の新年は、一先ず無事に経過した。
東欧通商紛議 セルビア、ブルガリヤ両国の関税問題に対して、トルコの干渉を許さない
広東暴動の警戒 31日香港特派員発
広東の新年は、一先ず無事に経過した。暴動が発生した場合には、各国の砲艦から水兵を上陸させる計画で、毎夜居留地を警戒していた。
東欧通商紛議 31日ロンドン特約通信員発
ブルガリヤは、オーストリーとセルビアとの間に論争の種となっているセルビア、ブルガリヤ両国の関税問題に対して、トルコの干渉を許さない旨、トルコ政府に回答した。
2月2日(金)
革命運動終幕 武装した暴徒が、リガの駅長を殺して貨物列車を略奪し
モロッコ会議と独逸 独逸委員はモロッコ会議に於いて、依然として沈黙の態度を維持している。
革命運動終幕 1日ロンドン特約通信員発
武装した暴徒が月曜日(1月29日)、リガの駅長を殺して貨物列車を略奪し、警察本部を襲撃して国事犯数名を解放した。
モロッコ会議と独逸 1日上海経由ロンドンルータス社発
独逸委員はモロッコ会議に於いて、依然として沈黙の態度を維持している。そして独逸の目的や政策に関して何らかの提議をする事にも同意せず、その為に議事は進行せず、モロッコ委員も又終結を急ぐ様子が全くない。
2月3日(土)
秋山騎兵旅団(門司) 秋山陸軍少将は騎兵第十三連隊本部と共に、阿波丸で通峡した。
秋山騎兵旅団(門司)
秋山陸軍少将は騎兵第十三連隊本部と共に、阿波丸で通峡した。少将は、90中隊のコサック騎兵を率いていた彼のミスチェンコと対峙して、我が軍の左翼を守り、有名を馳せて、満州軍の花と詠われた人である。
2月4日(日)
パリ―の騒動 パリ―の騒動は、サン・ブロチルド寺院での騒動となり、無数の群衆が激しく警鐘を鳴らし、寺院を守り
パリ―の騒動(政教分離の余波)3日ワシントン特約通信員発
パリ―の騒動は、サン・ブロチルド寺院での騒動となり、無数の群衆が激しく警鐘を鳴らし、寺院を守り、一旦近衛兵を撃退したが、遂に近衛兵は戸を破って侵入した。それより町々に於いて群衆と格闘した為に多数の死傷者が発生した。
2月5日(月)
露清談判のその後 外務部官吏の情報によれば、3日前に露国公使から清国の提案に対する回答、及び反対の提案を通知して来た。
露清談判のその後 4日北京特派員発
外務部官吏の情報によれば、3日前に露国公使から清国の提案に対する回答、及び反対の提案を通知して来た。その後両国委員は露国公使館に於いて、2回の会見を重ねたが、露国委員は清国の提案に対して、悉く異議を唱え、又は条件を付して承諾の意を表し、又別に新たな要求を行ったと言われている。かの東清鉄道を延長する案の如くは、その主なものと信じられている。
2月6日(火)
露国形勢予想 この春を期して恐るべき農民の一揆が起こる事を予言している。
独仏関係独人観 モロッコ会議の結果如何では独仏間の戦争になるのではとの見方を、馬鹿げたことであるとの社説を掲載し
露国形勢予想 5日ロンドン特約通信員発
露都からの来電によれば、露国の軍人及び貴族の間では、この春を期して恐るべき農民の一揆が起こる事を予言している。
独仏関係独人観 5日上海経由ロンドンルータス社発
独逸新聞コローン、ガゼット紙は、その筋の内意を受けて、アルゼネラスに於けるモロッコ会議の結果如何では独仏間の戦争になるのではとの見方を、馬鹿げたことであるとの社説を掲載し、若し同会議が全く失敗しても現状を維持すべきであると述べている。
2月7日(水)
露清談判慨観 今回の露清談判については、日清談判に於ける我がやり方と大いに趣を異にしている。
露清談判慨観 6日北京特派員発
今回の露清談判については、両国委員の委任状の交換等の形式を取らない様である。会議の或いは外務部に於いて、或いは露国公使館に於いて行われ、敢て一定の場所を定めず、日清談判に於ける我がやり方と大いに趣を異にしている。
2月8日(木)
独仏妥協の好望 独逸皇帝はモロッコ会議に於いて、佛国と軋轢を起こさない方針
露国新聞の偵察 英国がチベット等で、大きな譲歩をしない限り、英露の協商は成立しない
独仏妥協の好望 7日ロンドン特約通信員発
パリ―来電によれば、独逸皇帝はモロッコ会議に於いて、佛国と軋轢を起こさない方針を採る事を決心した。
多分英国の態度により、妥協が成立するものと期待される。
露国新聞の偵察 同上
ピータスブルグ来電―スラヴォ新聞は、英国がチベット、アフガニスタン及びペルシャ方面に於いて、大きな譲歩をしない限り、英露の協商は到底成立しないと断言した。
2月9日(金)
露国革命底流 露国の革命運動は、現在その時期が到来する事を待っている様に思える。
露国革命底流 8日上海経由ロンドンルータス社発
下記4件の事件を見ると、露国の革命運動は、現在その時期が到来する事を待っている様に思える。即ちソスノウイチ、オデッサ及びビエロストクに於いては、爆発物の不意の爆発により多数の死者が発生している。又コエレフスキーと称するロシア人がゲントに於いて逮捕されたが、その自宅には2百の小銃、2万の弾薬、50のピストルが発見された。
2月10日
福建匪賊の跋扈福建省漳浦県に於いて、匪賊の一隊が、武装して教会を破壊し、略奪を行った。
福建匪賊の跋扈 (宣教師迫害される)9日上海特派員発
福建省漳浦県に於いて、匪賊の一隊が、武装して教会を破壊し、略奪を行った。宣教師は身一つで辛くも逃れ、危害を免れた。
匪賊は略奪後、隊を整えて漳州府へ向かった。
2月11日
南ア土人の反抗、溺死 南アのナタルに於いて、14名の警察官が、土人の襲撃を受けて、検査官1名が殺害され、兵士6名が行方不明となっている。
モロッコ問題と佛国 佛国新聞は、依然として独逸の態度を攻撃中であり、その為にモロッコの警察問題の解決は益々困難の度を加えるようになった。
南ア土人の反抗、溺死 10日上海経由ロンドンルータス社発
南アのナタルに於いて、人頭税を徴収中であった14名の警察官が、武装した土人の襲撃を受けて、検査官1名が殺害され、兵士6名が行方不明となっている。植民地政府はこの報を受け、直ちに軍隊を派遣した。
又南部ローデシヤ鉱山に於いて、45名の土人が溺死した。
モロッコ問題と佛国 9日ベルリン特約通信社発
佛国新聞は、依然として独逸の態度を攻撃中であり、その為にモロッコの警察問題の解決は益々困難の度を加えるようになった。しかし首相兼外務卿ルウイエ氏は、政府はこれら新聞の記事に何ら関係していない旨を両院で公言した。
2月13日
露佛交情の冷却 佛国議会は、佛露通商条約に非常に不満足であるとの意を表した。
英国戦艦進水 英国皇帝は、戦闘艦ドレッドノートの進水式を挙行した。
露佛交情の冷却 12日ワシントン特約通信員発
佛国議会は、佛露通商条約に非常に不満足であるとの意を表した。演説者は、露国が佛国の与えた金銭やその他友誼上の援助に対して、今まで何らの報酬も払っていない事を指摘して、且つ露国が絶えず金銭上の援助を求め事は、同盟条約に基づく彼らの特権を乱用するものであると公言した。
英国戦艦進水 12日上海経由ロンドンルータス社発
英国皇帝は、戦闘艦ドレッドノートの進水式を挙行した。同艦は日露戦争に於ける日本海軍の全ての経験に基づき建造されたものといわれている。
進水式挙行後、皇帝は射撃練習を監督する海軍少将スコット氏をヴィクトリヤ、クロス勲章に叙した。海軍少将バリー氏も亦、以前の砲術大改革の功によって叙せられた。
2月14日
モロッコ会議行悩 モロッコ会議は、完全に行き悩みの状態である。佛国側では、この上は一歩も譲る事は出来ないと公言している。
モロッコ会議行悩 12日上海経由ロンドンルータス社発
モロッコ会議は、完全に行き悩みの状態である。佛国の地位に関するその後の報道によれば、佛国は、モロッコの警察制度に対する専管権を要求し、独逸の有名無実な譲歩を冷笑している。なお佛国側では最早、可能な限りの譲歩をしており、この上は一歩も譲る事は出来ないと公言している。
2月15日
失業者示威運動 4千人の失業者はサイト公園に於いて、示威的な集会を催し
米国の対清警戒 国務卿ルート氏は将来清国に起こるであろう事変に備える為に、タフト陸軍卿を説得中である。
失業者示威運動 14日ロンドン特約通信員発
4千人の失業者はサイト公園に於いて、示威的な集会を催し、失業者を保護するよう政府に請願した。出納院長アスキス氏に巨額の救済費を支出する様演説した。
米国の対清警戒 14日上海経由ロンドンルータス社発
ワシントン来電―国務卿ルート氏は将来清国に起こるであろう事変に備える為に、予め軍事上の用意をする事を引き続きタフト陸軍卿を説得中である。
軍隊の一部は既にフィリピンに向け、移動中である。
2月16日
モロッコと佛国 佛国人数名がモロッコ王の軍に入り、指揮をしている。
露国騒乱の現状 拳銃を持った一隊の暴徒等が、早朝に露都の貯蓄銀行を襲ったが、警官等は、激闘の後に之を追い払い
モロッコと佛国 15日ロンドン特約通信員発
タンジールからの来電によれば、佛国人数名がモロッコ王の軍に入り、指揮をしている。又佛国はモロッコからアルゼリアとの国境にあるメリルラの地を割譲させる代わりに、金4万ポンドと小銃7万丁を貸そうとしている。
露国騒乱の現状 15日上海経由ロンドンルータス社発
拳銃を持った一隊の暴徒等が、早朝に露都の貯蓄銀行を襲ったが、警官等は、激闘の後に之を追い払い、死者数名が発生した。
ポーランドの革命党は今後、政治的な同盟罷業をする事を止め、専ら爆裂弾を使う事を宣言した。
オデッサ総督は、爆発物の所有者及びその協力者は、裁判を行わず直ちに死刑に処すと告示した。
2月17日
英国在野党の将来昨日、前首相のバルファーが会長である統一派の集会が行われ、全会一致でバルファー氏に対する信任を議決した
英国在野党の将来(関税改革案の骨子) 16日上海経由ロンドンルータス社発
昨日、前首相のバルファーが会長である統一派の集会が行われた。出席者は総員500名で、全会一致でバルファー氏に対する信任を議決した後、チェンバレン氏は前首相の地位を弁護する演説を行った。
しかるにデボンシャイ候は、関税改革案に同意し難いと述べ、閉会後自ら主宰して、自由貿易論を擁護する統一派の集会を開いた。
前首相は、チェンバレン氏に書簡を送り、統一派は関税改革を第一の主張とする事を述べたがチェンバレン氏は、これに同意する旨を答えた。チ氏が今後も前首相の為に力を尽くすであろう事の表示であろう。
2月18日
その後のロシア 露国に於いては、武器、爆裂弾が次々と発見された
清国形勢観 清国に於ける動乱は満州人排斥の性質を有している。
その後のロシア 17日ロンドン特約通信員発
露国に於いては、その後いたる所で武器、爆裂弾及び革命運動を鼓吹する文書が次々と発見されたとの報道がある。
清国形勢観 17日上海経由ロンドンルータス社発
前駐清の米国公使コンガリ氏の言によれが、清国に於ける動乱は切迫しているが、但しこれは排外的というよりも寧ろ満州人排斥の性質を有している。
2月19日
独逸政府の挑戦 モロッコの警察組織を列国の管理の下に同国王に一任する事を正式に提案した。
露国の対抗的要求 日本が南部満州に於いて得た鉄道や森林等に対する権利を、黒竜江方面に於いて対抗的に要求
独逸政府の挑戦 18日上海経由ロンドンルータス社発
独逸委員のラドウイツツ氏は、佛国委員レバール氏に対して、モロッコの警察組織を列国の管理の下に同国王に一任する事を正式に提案した。これは佛国が全く同意することのできない提案である。
露国の対抗的要求 18日北京特派員発
露国が蒙古鉄道の敷設及び鉱山採掘の特権を要求する事は、日本が南部満州に於いて得た鉄道や森林等に対する権利を、黒竜江方面に於いて対抗的に要求したものであるとは、当地消息筋が確信している事で、東清鉄道技士のダニエルの来朝はこの為であると信じられている。
2月20日
佛国政府の譲歩 若し佛国とスペインの士官を採用するならば、独逸の提案に同意する
利権回収運動 廣西出身の大官等は、佛国の勢力を駆逐しようと現在、頻りに協議中である。
佛国政府の譲歩 19日上海経由ロンドンルータス社発
若し佛国とスペインの士官を採用する事を承諾するならば、佛国はモロッコの警察隊組織を同国王に一任するとの独逸の提案に同意する旨、佛国委員は口頭で回答してきた。
利権回収運動 19日北京特派員発
廣西(こうせい)出身の大官等は、同省の鉄道や鉱山を清国の資本によって運営し、佛国の勢力を駆逐しようと現在、頻りに協議中である。
*廣西省:フランス領であったベトナムに隣接する地域
2月21日
モロッコ会議 佛国政府は、モロッコの警察隊付士官の選任を同国王に一任すべきとの独逸の提議に同意した。
南寧解放の要求 20日北京特派員発
英国公使は、南寧府(なんねいふ)を早く解放するよう外務部に要求している。
モロッコ会議(独仏両国の主張)19日ベルリン特約通信社発
佛国政府は、モロッコの警察隊付士官の選任を同国王に一任すべきとの独逸の提議に同意した。しかしながら佛国政府は、これ等の士官はフランス人とスペイン人に限る事を要求し、独逸政府は、フランス以外の他国にも士官選任の権利を与えるべきと主張している。
南寧解放の要求 20日北京特派員発
英国公使は、廣西省(こうせいしょう)南寧府(なんねいふ)を早く解放するよう外務部に要求している。これはフランスの同地方に於ける利益の独占を防ぐ為であると信じられている。
*廣西省:フランス領であったベトナムに隣接する地域
2月22日
佛国の強硬 佛国政府は、此の上モロッコ問題に関して、独逸の要求を入れない
独逸も強硬 独逸委員の態度は、頑強で且つ非調和的であり
英国の態度 アリセシラスの列国会議は、徐々にではあるが満足に進行していると述べ、佛国との友好は、無論従前のとおり親密であると宣言した。
佛国の強硬 21日ロンドン特約通信員発
パリ―来電―佛国政府は、此の上モロッコ問題に関して、独逸の要求を入れないであろう。佛国の人心は、強硬な態度をとる事に一致している。
独逸も強硬 同上
セシラス来電―独逸委員の態度は、頑強で且つ非調和的であり、警察及び銀行に関する佛国の提案を拒絶した。
英国の態度 同上
英国首相パンナマン氏は、下院に於いてモロッコ問題に関する演説を行い、自分の知る限りに於いては、我が政府は、列強の友好を破るような偏狭な手段をとる事がせず、外交的努力を佛国に与えようとしており、そしてアリセシラスの列国会議は、徐々にではあるが満足に進行していると述べ、更に語調を強くして、佛国との友好は、無論従前のとおり親密であると宣言した。
1月23日
モロッコ会議別報 パリ―の与論は、モロッコ会議の協議は不調に終わると予想
中ア英領地叛乱 セント、コトウの兇暴な土人は、同地守備隊の半数に当る乗馬歩兵一個中隊及び白人の将校5名を殺害した。
モロッコ会議別報 22日上海経由ロンドンルータス社発
パリ―の与論は、モロッコ会議の協議は不調に終わると予想している。独仏の見解は、全く反対であり、警察問題は到底一致する見込みがない。
中ア英領地叛乱 同上
英領ラゴス来電―セント、コトウの兇暴な土人は、同地守備隊の半数に当る乗馬歩兵一個中隊及び白人の将校5名を殺害した。政治顧問スコット、ブラックウッドの二人は、完全武装の新偽聖の従者に脅迫され、且つ機関砲を奪われた模様である。これに対して討伐隊が現在、同地に向けて進軍中である。
この事件は、全く偶然に起きたものであり、土人は英国政府の方針に対して、引き続き頑強な反対を試みつつあり、この事件に関して種種の困難な問題が起こる懸念がある。
*ラゴス:アフリカ最大級の都市で、1976年までナイジェリアの首都、当時ナイジェリアは英国の植民地であった。
2月24日
南亜支那人問題 若し植民地内閣の帝国派と急進派との間に、労働者問題について妥協が成立しない場合には、支那人を帰国させる
清仏談判真相 清国が色々の苦情を申立てて、工事を妨害する為に佛国公使は強硬な抗議を行った。
南亜支那人問題 23日上海経由ロンドンルータス社発
首相パンナーマン氏が去る20日、南アフリカ支那人問題に関して行った演説は、若し植民地内閣の帝国派と急進派との間に、労働者問題について妥協が成立しない場合には、支那人を帰国させると同時に、この支那人の雇用者が被った損害を賠償すべき事を宣言するものであり、急進派は支那人を即時帰国させる事を要求しており、その為この問題に関する一切の危険と異論は今や全て排除されている。
清仏談判真相 23日北京特派員発
安南(あんなん)の東京(とんきん)から雲南府(うんなんふ)までの鉄道は、既に佛国によって起工されているが、清国が色々の苦情を申立てて、工事を妨害する為に佛国公使は強硬な抗議を行った。
2月25日
西蔵と威海衛 政府は西蔵条約を変更する考えは無く、清国との交渉は現在進行中である。支那人入米問題 清国人の渡米者に関して、一般労働者の入国を禁止するのみであり
西蔵と威海衛 24日ロンドン特約通信員発
下院議員の質問に対し、外務大臣サー、グレー氏の答弁は次の答弁を行った。
政府は西蔵条約を変更する考えは無く、清国との交渉は現在進行中である。又旅順は日本のものとなったが、これによって英国の威海衛占領に何らの影響を及ぼすものとは考えていない
支那人入米問題 24日上海特派員発
駐米清国公使からの電報によれば、清国人の渡米者に関して、一般労働者の入国を禁止するのみであり、職工や工夫でない者は上陸禁止令の中には含まれていない旨米国政府の承認を得た。
2月26日
佛国外相の宣言 佛国は平和を希望するけれども、その平和は佛国の権利及び威厳の保持を伴う平和でなければならない。
米国陸海軍整備 米国陸軍卿タフト氏は、に強力な陸軍を組織するよう主張し、又同国海軍省はドレッドノート型の最大戦艦を入渠させ得るよう、ポーツマスのドックを改修する
佛国外相の宣言 25日上海経由ロンドンルータス社発
佛国首相兼外相ルーネー氏は代議員会に於いて、モロッコ問題に関する佛国の政策をについて、語気鋭く次の様に表明した。
佛国は平和を希望するけれども、その平和は佛国の権利及び威厳の保持を伴う平和でなければならない。
米国陸海軍整備 同上
米国陸軍卿タフト氏は、モンロー主義を遂行する為に強力な陸軍を組織するよう主張し、又同国海軍省は前任者の計画を踏襲し、ドレッドノート型の最大戦艦を入渠させ得るよう、200万ドルの経費を投入し、ポーツマスのドックを改修する事を決定した。
2月27日
事態容易ならず 江西省南昌県に於いて、暴徒が米国宣教師キンハム夫妻とその子供、並びに天主教の宣教師6名を殺し、各教会を襲撃した。
事態容易ならず 26日上海特派員発
江西省南昌県に於いて、暴徒が米国宣教師キンハム夫妻とその子供、並びに天主教の宣教師6名を殺し、各教会を襲撃した。
教会が悉く襲撃され、江西の警察は殺された10名を除く、他の外国人を全員小蒸気船にて九江に送った。
米国軍艦エレヤノは南昌に急行した。
2月28日
南昌事変後報 佛国宣教師が知懸(ちけん)を招き、死傷事件の賠償等を要求したが、知懸(ちけん)がこれに応じなかった為、憤激のあまりサーベルで喉を刺した。
駐露公使の警電 最近我が清国に於いて、排外運動が起こるのではとの噂が高く、露国は、清露国境に数十万の大軍を駐屯させる計画があり
南昌事変後報 27日上海特派員発
当地の佛国領事は、江西の警察に交渉するために南昌に向かって出発した。
問題の要点は、知懸(ちけん)氏を負傷させた事件の真相を究明する為であるが、ある新聞の報道によれば、佛国宣教師が知懸(ちけん)を招き、過日発生した死傷事件の賠償、キリスト教に反対する地方紳士の懲罰、入獄した教徒の釈放を要求したが、知懸(ちけん)がこれに応じなかった為、憤激のあまりサーベルで喉を刺したと伝えている。
佛国人側では、宣教師は事件を穏やかに解決する為、酒宴に招いて協議したが、知懸(ちけん)は、清国政府の希望通りに解決できない為に、上官に対して面目を失う事を恐れて自刃したと主張している。
駐露公使の警電 27日北京特派員発
駐露公使が昨26日、外務部に対して、次の電報を送ってきた。
西欧に於いては最近我が清国に於いて、排外運動が起こるのではとの噂が高く、英、米、独、仏の各国が密かに艦隊を派遣する準備をしている。特に露国はこの為に満州軍の本国帰還を中止し、清露国境に数十万の大軍を駐屯させる計画があり、これらは極めて重大な事件であり、速やかに対策を講じて疑問を解く必要がある