31

波斯外相親露演説 27日上海経由路透社発

テヘラン来電=ペルシャ議会に於ける外務大臣の演説は、露国に対して極めて友好的で、非常に協調的である。これはペルシャの外交政策が新方向を示すものと認められる。

10万ポンドの名画 同上

スタンダードの報道によれば、一米国人が、現在ラウスダウン卿の所有する17世紀のオランダ画家レンブラントの名画「ミル」(40歳頃の作)10万ポンドにて買いたいと申込んだ。多分、売却を承諾すると思われる。

解説:この絵は現在ワシントンの国立美術館にある。

32

運河人夫罷業 1日タイムス社発

パナマ来電=パナマ運河運搬人夫6百名は、同僚の1名に大事故を生じさせた責任者を有罪としないならば、同盟罷業を行うと威嚇している。或いは一時全工事の停止を来すかも知れない。

佛内閣辞職経由 1日上海経由路透社発

佛国前首相ブリアン氏は、内閣が総辞職したのは、自分自身に対する敵意に起因すると述べた。余は人心の平安を旨とし、教会と教育との分離を寛大に行おうとする政策が、誤解若しくは曲解される状態の中で、なお陰謀と待伏せ攻撃が行われる状況で留任する事は出来ないと言明した。

布哇の請願 1日紐育特派員発

ハワイ議会に於いて、米国の一州であるとの資格を与えられるよう合衆国政府に請願する議案が通過した。

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日米條約要領 昨日の衆議院より

小村外務大臣が議会に於いて演説した新條約に於ける各項について、更に当局者の説明を聞くと

(第一)現行條約第2条但書の削除に関する覚書は、批准の交換を了承するまで言明しない約束であるので、この説明をすることが出来ない。

解説2条但書とは、日本人の移民を制限する条項であり、米国議会で、これが削除された。

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英国議員改革案 3日タイムス社発

議員法案は243票対368票の多数で英国下院の第2議会を通過した。議場は非常な活気を帯び、自由党と統一党の両党党首は、お互いに非常に激烈な非難の応酬をした。統一党の党首バルフォー氏は、今の政府は策謀をもって憲法を根本的に変えようとしている。議会は第2院としてその独立を保ちつつ、上院を改革する提案をこそ歓迎するが、1院の手に立法権を壟断し、国民が賛成しない重大な変更を予防し得る保障の無い提案には同意することが出来ないと言明した。これに対し首相アスキス氏は憤然と応戦し、反対党は、上院を以って、国民の選出した代表者よりも強いものにしようとしている。現在の憲法では、上院に向かって、進歩主義の立法は不可能であると断言した。

英清阿片問題 3日上海経由路透社発

本社が得た情報によると印度産阿片の清国輸入制限に関し、駐清英国公使ジョルダン氏は、帰任後、外務部と交渉中である。そして清国に於ける阿片耕作の減少に比例して、印度産阿片の輸入額も減少する事になるであろうと一般に信じられている。しかし支那人の一部では、清国に於ける耕作も印度阿片の輸入も、即時に停止すべきとの意見を抱いている。

和蘭移民激増 2日紐育特派員発

オランダからの移民が最近、非常に激増したが、移民官の予想によれば、本年度7~8千人に上るであろうと言っている。

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阿富汗人波斯行 4日タイムス社発

テヘラン来電=多数のアフガン人はペルシャ海岸に向け進行中であるとの知らせがあった。これは密輸入される武器の来着を予期しているものと思われる。但し英国巡洋艦が厳重に警戒中であるので、彼らは多分失望する外ないと思われる。

露帝の詔勅 4日上海経由路透社発

露帝は詔勅を発し、農夫を地主と変えさせ、そしてアレキサンドラ2世の事業を完成させる意思がある旨宣明した。

26

満州の排外思想 5日上海経由路透社発

露都来電=奉天に排外運動が起こり、欧州人を全て駆逐せよと主張する貼り札が掲げられた。

南米の開戦 4日紐育特派員発

南米パラグアイとアルゼンチンが以前から紛争中であったが、いよいよアルゼンチンより最後の通告を与えたとの事であるので、必ず開戦となるであらうが、恐らくパラグアイは勝利の見込みは無いと思われる。

飛行機実用 同上

3日、米国陸軍に於いて軍用飛行機を用い、メキシコ国境にてその状況を視察した。その飛行器は、4時間の飛行が出来るだけの燃料を貯え、4千尺の高度より観測したそうである。

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清国日本を疑う 6日タイムス社発

本社天津通信員は、清国が今回1881年露清條約の改正を希望しない旨、露国に通知した件に言及し、これは日本が露清間の約定と同一の特権を南満州に於いて要求するに至らんことを清国が恐れつつある為であると考えると説き、現にある有力な筋では「露国がその地位を強固にする為、ある手段を執る様に唆したのは、実は日本である」と公言したと報じた。

パラグアイ屈服 同上

ブエノスアイレス来電=南米パラグアイ国は、アルゼンチン政府の要求に屈服し、以前、捕獲したアルゼンチン船舶の返還を約束した。

波斯摂政の決心 6日上海経由路透社発

テヘラン来電=ペルシャ摂生ナスル、エル、ムルク公は「摂政の地位は遥かに諸政党の上であり、よって予は決してこの職責の観念を捨てないであろう。若し議会が協力活動をしない場合があったならば、余は無為の傍観者として国家の破滅を看過する様な事はしないであろう」と宣言した。

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佛国政府信任 7日タイムス社発

佛国代議院は、195票の多数で新内閣信任投票を通過した。但し棄権した議員も多く、百名に達した。

墨国叛乱の原因 6日紐育特派員発

メキシコの反徒は、今なお各地に出没中であるが、彼らが政府に反抗する原因は、諸納税の負担が増加し,到底耐え難い為であると言われている。

排日案提出 6日桑港特派員発

頑迷な民主党議員ホルスレー氏は、48日から開かれる臨時米国議会に請願する為、印度人と日本人移民を排斥する決議案を、6日にカルフォルニア州議会に提出した。しかし議員等は一笑に付した。

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墨国叛乱と米国 8日タイムス社発

(大兵を国境に派遣する)

ワシントン来電=多数の米国軍隊が、テキサス州、カルフォルニア州に赴きつつある。又戦艦4隻が、表面上、連合演習を行うと言う名目で、テキサス州ガルウエストに居る。一般公衆は、軍隊の活動を以って、メキシコの反乱に関係あるものとしており、これら軍隊は国境に配置されると信じられている。

英国海軍費増加 同上

英国海軍予算は3百万乃至4百万の費用増加を決定する予定で、建艦計画中には、ドレッドノート型戦艦5隻を含む予定

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英国海軍拡張 10日タイムス社発

英国海軍予算は、4,4392,400ポンドであり、前年度に比して3788,800ポンドの増加を示している。これは、今世紀に入って以来、未曽有の巨額である。又海軍兵員は、将校,兵員を合わせて134千名と定まり、建艦計画は、ドレッドノート型戦艦5隻、保護巡洋艦3隻、非装甲艦1隻、駆逐艦20隻、潜航艇6隻を含み、その費用合計1千5百ポンドである。

米艦墨国派遣 10日上海経由路透社発

ワシントン来電=米国海軍省は、巡洋艦チェスター号をダンヒチに向かわせた。又陸軍省は3機の飛行機をテキサスに向かわせる命令を発したが、これは偵察用との事である。

墨国叛徒大敗 9日紐育特派員発

テキサス州エルバからの来報によれば、メキシコの反徒は大敗し、機関砲2門を捨てて逃走した。

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佛国海相演説 11日上海経由路透社発

佛国海軍卿デルカッセ氏は、議会に於いて演説し、1920年には獨逸はドレッドノート型戦艦20隻を有し、佛国も同じく20隻を有する予定である。但し装甲巡洋艦については、ドイツの12隻に対し佛国は18隻を有する計画で、佛国は獨逸よりも一層強力になるであろうと言明した。

米国と墨国叛乱 10日紐育特派員発

今回米国の大軍はメキシコ内乱の鎮定まで滞在する予定との事であるが、その任務は米国内より叛徒に送る全ての物品を取り押え、叛徒を苦しめるにある。米国とメキシコとの国境は延長100マイルに及ぶので、この全てを守るには2万人の兵士が必要と言われている。

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墨西哥の戒厳令 11日桑港特派員発

メキシコ政府は、憲法上の保障を中止すべきことを全国に発表し、鉄道、電信、電話の破壊者等は軍隊にて処罰する旨宣言した。

墨軍国境に急行 同上

メキシコ政府は、米軍の進撃を予め防ぐ為に,兵を米軍駐屯地があるテキサス国境に急行させつつある。

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墨国憲法停止 13日タイムス社発

ワシントン来電=大統領ジアス氏は、人権に対する憲法上の保障を一時中止することを要求した。メキシコ議会は、直ちにこの要求を容れるだろうと予想されている。その結果、乱を起こす者は,死刑を以って処罰することができる。

米国陸軍動員 同上

米国陸軍の動員が進行中である。戦時の状態におかれた兵数は1万4千名である。

波斯首相演説 同上

テヘラン来電=ペルシャ新首相は議会に於いて演説し、代議院の情勢は、今日の様に悪い事はなかったと無遠慮に言明し、更に米国財政顧問が着任の暁には、その饒舌、饒弁が制せられるであろうと信じると述べた。

3月15日

英国海軍縮小討議 14日タイムス社発

英国自由党の不平派が海陸軍費の激増を悲しみ、これを削減すべきと主張する決議案を下院に提出した。その為に興味ある討論を引き起こした。海軍大臣マツケナ氏はこれに対し「海軍費の増加は、獨逸の海軍力が俄然、急速な増長を見た為に、止むを得ず、ここに至ったものである。今後なお英国海軍費が増加すべきかどうかは、獨逸が更にその海軍の整備方針を変更するのかどうかにある。」又外相サー、グレーも英国は米国を除く、欧州諸国に対し、2国標準の海軍を維持しなければならない事を反復主張した。この動議は65276の多数を以って否決された。

316

露清問題再燃 15日タイムス社発

露都来電=領事館新設問題、茶に関する自由貿易問題についての両国の立場は、露国政府に不満足の念を深くさせた。清国がこの態度を一変し、1881年の露清條約の文言、精神を厳密に順守する意思がある旨を明確に露国に確約しないのであれば、イリーグルジアの再占領、露清外交関係の断絶は避けがたいと思われる。露国は最近、一旦中止した軍事的準備を至急完成しつつある。

佛国の対摩政策 同上

パリー来電=佛国内閣の対モロッコ政策は次の項目を含む。

    モロッコ王の財源及び権力を強固、強大にする。

    モロッコ王の国際的義務の実行を監視すること

    佛国将校監督の下に役に立ちうる兵数5千の軍隊を造る事とし、この費用を供給する。

なお第2大隊の軍隊は山砲若干を備えてカサブランカに赴きつつある。

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露兵の波斯撤退 16日上海経由路透社発

テヘラン来電=露兵のカズエンからの撤兵は、午前中に終了し、今は80名のコッサック騎兵が領事館護衛の為に残留するのみである。

露国の進軍命令 15日紐育特派員発

露国政府は、トルキスタンの国境に駐屯する軍隊に向かって、清国方面に進軍するよう命じ、又他の軍隊にも進軍の用意を命じた。在清露国公使は既に最後の通牒を発したとの電報が14日夜セントピーターズブルグより来た。

318

モロッコ叛徒猖獗 17日タイムス社発

タンジール来電=モロッコの情勢は容易ならず、叛徒等は常に援兵を得てフエツ市付近を略奪中である。

露国最後通牒内容 16日紐育特派員発

今回露国が清国に送った最後の通告と称するものは、至極平穏なものであり、決して戦争を意味するものではないと言われている。

墨国叛乱情勢 同上

メキシコの反徒の勢は盛んであり、現在米国に近い2カ所の大鉄橋を破壊しようとする計画がある。もしこの鉄橋が破壊されるならば、米国との鉄道連絡が完全に断絶するであろうし、又メキシコは内乱の為に食糧品に乏しいので、或いは飢饉となるかも知れないと言われている。

319

清国政府屈服 18日タイムス社発

露都来電=駐清露国公使は露国の要求中で未解決の2点、即ち茶等の自由貿易及び領事館の新設に関する清国の回答が完全に満足なものであろうと信じている。

墨国政府の布告 17日紐育特派員発

メキシコ政府は何人でも、電線を切断したり、橋梁を破壊した者は必ず死刑に処する旨布告した。これによれば、叛徒を支援している米国人にも適用されるが、米国政府はこの事に関し、少しも異議なしと明言した。

320

排日案統一 18日桑港特派員発

▽不動産所有禁止案

外人及び外人の組織した株式会社の土地所有に関する4個の排日的提案に対し、加州上院司法委員会はこれを修正し、一議案として17日、上院本会議に報告した。これによれば、移民である事が確実な外人及びその種の外人が多数を占めている株式会社は、今後加州に於いて不動産を所有する事はできない。(一部抜粋)

露国軍隊前進19日ウラジオ特派員発

露都来電によれば、メシチェンスク州内に於ける露国軍隊は、訓練を名目として清国国境ジャルケンタに進軍した。そしてその一部はタシケントまで行軍して来たと言われている。

321

土耳古領の反乱 20日タイムス社発

トルコ政府が北アフリカ人種族の義務兵役を規定する法令を発布した結果、フェザン地方に於いて反乱が起こり、8百名のアラビア人がトリポリに進撃した。

清国回答満足 同上

北京来電=露国に対する清国の回答は、蒙古の自由貿易権とヘブド新領事館設置とを承諾した。回答の文言は友愛、慇懃を極めた。

墨国大統領排斥 19日紐育特派員発

メキシコに於いて、種々の利益関係を有する米佛両国の資本家は、密かにメキシコ現大統領ジアス氏を廃し、同国外務兼内務長官であるリマチツル氏をこれに代わらせようと盛んに運動している。

322

佛国鉄道年金 21日タイムス社発

巴里来電=鉄道役員及び人夫に対する年金制を、既往に遡って適用する議案は佛国代議院を通過した。

米国学者の念写研究 20日紐育特派員発

クラーク大学教授ハツフー博士は、今回日本人の発明に係る人間の観念を写真とする事について研究を行う事となった様である。これは恐らく長尾幾子の事と思われる。

解説:長尾幾子は、1909年その透視力が報道されている。1911年服毒自殺をした。

323

米国大統領弁明 21日紐育特派員発

タフト氏は20日、在メキシコ米国大使に向かって、米国の軍隊は、唯単に国境を警戒するのみであると弁明した。

米清借款成立 同上

清国に於いて、兼ねて競争中であった5千万ドルの公債がいよいよ成立する。公債商議に加わったのは、初め米国だけであったが、その後英獨佛の3国の資本家も加わる事となり、遂に成立したものである。

324

排日案可決 23日上海経由路透社発

サクラメント来電=カルフォルニア州上院は外人土地所有禁止法案を可決した。同案はこれまで、議会毎に提出されたが制定されなかった議案と同一のものである。

解説320排日案統一 の記事にある日本人の不動産所有禁止案が可決された。

米国出兵と日本 同上

ワシントン来電=内田大使は、米国大統領タフト氏の求めにより大統領官邸を訪問したがタフト氏は「米国は日本がある陰謀的行動を執る事を予期して、メキシコ国境に軍隊を派遣したとの風雪があるが、これは絶対に何ら根拠のない説である」と言明した。

325

印度革命運動 24日タイムス社発

露都来電=インドに於いて革命党の運動が盛んで、反乱を教唆する檄文が地方の諸学校に配布された。

獨帝と仲裁條約 23日紐育特派員発

獨逸皇帝が自ら発言したのではないが、同皇帝の信任が最も厚いドクトルシーマン氏がある雑誌に寄稿した論文によれば、獨逸皇帝はタフト氏の発表した平和条約には反対であり、狂人の夢に等しいものである。現世界の平和を維持する為にアングロサクソン人が世界の警察官であろうとするのは笑うべきことであると言われたそうである。

解説:第1次世界大戦まで4年の獨逸皇帝の考えである。

排日派の意見 同上

排日派の一議員は次の様に述べた。今や日米戦争説がごうごうと起こっている。日本の態度如何に拘わらず、土地所有権禁止法を通過させなければならない。これは我らの子孫を保護する途である。見よ、カルフォルニア州は既に日本人に豊穣な20万エーカーの土地を所有され、その生産額は一億ドルに達している。この勢いのままに放任するならば、カルフォルニア州は日本人の所有に帰すであろう。これが禁止案の必要な所以である。他州には既に外人土地所有禁止法がある。カルフォルニア州が同様の法案を通過させても何ら怪しむ事はない。

326

米国新兵募集 24日紐育特派員発

米国は今や各所に於いて、新兵を募集中であるが、これは現在の出兵を補充するものであり、シカゴ方面に於いては、広告の印刷物を配布して募集する等、ちょっと東洋では見ることが出来ない状況を呈し始めている。又テキサス地方に出動した兵は、戦闘が起これば全員出動すると言われている。

排日案反対運動 24日桑港特派員発

桑港博覧会との関係

当地の大博覧会会社は、日本人土地所有禁止案は、不公平な法案であるとして反対している。一般外人の土地所有を厳禁するのでない限りは、大博覧会の立場としては同案の不通過を望み、又知事が承認しない事を請願した。その他有力な実業家も反対の意見を知事及び議員等に通告した。

327

露国の対清通帳 26日上海経由路透社発

露都来電によれば、露国の対清最終談判書は、清国が328日までに、露国の通牒に対し詳細で且満足な回答を与える事を要求し、もしこの要求が容れられない場合には、露国は自由行動を執る権利を保留し、清国の頑固に対して責任を負わせるであろうと述べている。。

排日案中止 25日桑港特派員発

大統領タフト氏は、23日、カルフォルニア州知事ジョンソン氏に宛て、現在カルフォルニア州議会に於いて審議中である一切の排日案の議事を中止する事を訓電した。大統領は、若しカルフォルニア州議会が排日案を通過させるならば、大統領は諸外国に対し、サンフランシスコ大博覧会の出品勧誘を拒絶するとの意見を持っている様である。知事はこの訓電を委員会に示し、委員会は既に日本人土地所有禁止案が通過していたが、24日再び委員会を招集しこの決議を撤回した。

328

排日反対運動 26日桑港特派員発

当地の大博覧会会社は、25日夕、州議会に打電し、土地所有禁止案の通過は、大博覧会の事業を阻害すると反対運動を行った。

天皇陛下の親電 27日上海経由路透社発

ワシントン来電=内田大使は、日本天皇陛下の御私信を米国大統領タフト氏に手渡した。これは、日本の対メキシコ野心なるものに関して、悪意ある虚偽的報道が行われているが、天皇陛下がタフト氏に対し、決してこれを信用されないよう宣明されたものである。

清国攻撃 25日伯林特約通信社発

露都電報通信は、清国が清国本土に於ける露国商人の権利について、頑迷な態度を取っていると切言した。

329

排日案消滅 29日サクラメント特派員発

カルフォルニア州議会は、27日午後10時半閉会した。日本人土地所有禁止案は、遂に時間が無くなり、第2議会に入る事が出来なくなり、消滅した。これにて同胞も安堵した。

獨帝伊太利発 27日伯林特約通信社発

獨帝は、帝室船ホヘンツオリシルン号に乗船され、ベニスを出港した。その際オウストリア皇太子の統率下にある水雷艇隊が祝砲を発射した。

露清事件と欧紙 同上

欧州の諸新聞は清国に同情を寄せているが、露兵の清国領土への侵入を避ける途は唯一つ、露国の要求を承諾する事だけであると確信している。

330

露政府の満足 29日タイムス社発

露都来電=露国政府は清国政府の回答を十分満足であると考え、両国の関係はこれで友好的に維持されるとした。

土境不穏 29日上海経由路透社発

土=アルバニア方面の騒動の為に9個大隊の兵が同地へ派遣された。

330

大統領の出兵説明 29日紐育特派員発

タフト氏は、28日議会の外交委員を招き、今回の出兵に関する事情を述べたが、要するにメキシコ各所に戦乱が起こり、加えて排米熱が盛んな為にこの様になったと述べた。これに対し上院の多くは反対しない意向である。

露国の満足 30日上海経由路透社発

露国の要求に対する清国の快諾は露国を満足させた。露国政府は、清国が今後厳重に條約を遵守し、これによって以前と同様に露清両国の友好的関係を一掃鞏固にさせる事を確信し、これを愉快とする意を表した。

遠征隊派遣 同上

ボンベイ来電=ペルシャ湾に於けるアフガニスタン行の武器密輸入に対し、遠征隊派遣の件が裁可された。同隊は2隻の巡洋艦ハイヤシンス号とフチスクス号より成り、第104小銃小隊、山砲大隊の一部、工兵1分隊、野戦病院隊と輜重隊がこれに乗り込んだ。

 

解説:英領インドの独立運動にはアフガニスタンからの武器が関係している様である。