期日 | 日本関係 | 期日 | 露清関係 | 期日 | 英米関連 | 期日 | 独仏その他関連 |
3月11日 | 血迷える加州人 | 3月8日 | 英露協商進行 | 3月1日 | 日童艶書騒ぎ | 3月25日 | 羅馬法王の楽観 |
3月13日 | 排日法案の成行 | 3月17日 | 露国議会停会 | 3月2日 | 亜細亜人排斥案 | 3月26日 | 摩洛哥動揺別報 |
3月14日 | 日本学童入学制限 | 3月18日 | 鹽課税問題紛議 | 3月3日 | 海軍平和会議 | 3月27日 | 摩洛哥と佛国 |
3月16日 | 学童問題一段落 | 3月20日 | 英露協商と独逸 | 3月3日 | 軍備縮小案 | 3月28日 | 佛独新聞論争 |
3月16日 | 新移民法愈々実施 | 3月27日 | 露国艦隊待遇 | 3月8日 | 太平洋艦隊編成 | 3月29日 | 摩洛哥事件と列国 |
3月17日 | 転航禁止令 | 3月29日 | 英露関係新紀元 | 3月9日 | 学童法案否決 | 3月30日 | 摩洛哥事件と獨西 |
3月20日 | 移民排斥と青木大使 | 3月10日 | 排日運動の其後 | 3月31日 | 独逸の将来 | ||
3月26日 | 台湾民政評論 | 3月19日 | 世界第1の巡洋艦 | ||||
3月24日 | 米国人の悪夢 | ||||||
3月25日 | 米国人の杞憂 | ||||||
3月31日 | 比律賓立法議会選挙 |
明治40年3月1日
モロッコ現状 財政状態は日々悪化しているが、改革反対派は国王を利用しようとしている。
日童艶書騒ぎ 向井某という16歳の児童が、14歳の同窓女生徒にラブレター(艶書)を送り、25円払うから接吻をさせてくれないかと申し込み、昨日27日逮捕された。
モロッコ現状 28日タイムス社発
タンジール来電―モロッコ官吏はアルゼシラス会議に対する責任を逃れたいがために、その方法について某欧州人と協議中である。財政状態は日々悪化しているが、改革反対派は国王を利用しようとしている。
解説:モロッコはフランスの保護国であったが、これに反対するドイツの主張で、スペインのアルゼシラスで国際会議が開かれた。しかしドイツの主張は支持されず前年フランスがモロッコに突きつけた内政改革の要求に正当性を与える結果となった。
日童艶書騒ぎ 28日桑港特派員発
当地から15里にあるミルバレという所に小学校があり、そこに通学する向井某という16歳の児童が、14歳の同窓女生徒にラブレター(艶書)を送り、25円払うから接吻をさせてくれないかと申し込んだとして当地排日党は、これは見過ごす事は出来ず、日米児童の混合教育の危機であると主張し、新聞も又大いに騒いでいる。向井の行いは一時のいたずらに過ぎないものをそのラブレターは郵便条例で禁止されている淫猥な文字であると認められ、昨日27日逮捕された。
3月2日
独逸宰相難局 独逸政府がその施政方針に関して、帝国議会において激しい非難を受けたのは注目すべき事実である。
亜細亜人排斥案 亜細亜労働者排斥の可否を州民の投票で決めるとの議案が州の上院に提出された。
独逸宰相難局 1日タイムス社発
ベルリン来電―独逸政府がその施政方針に関して、帝国議会において激しい非難を受けたのは注目すべき事実である。そして社会党及び僧侶党に対抗する上でビューロー宰相と政府党首脳のある者との間に未だ提携の約束が成立していない痕跡がある。宰相の施政方針は、至る所で評判が悪く、帝国議会は再び解散されるのではないかとの風評が頻りに伝えられる。
亜細亜人排斥案 1日桑港特派員発
亜細亜労働者排斥の可否を州民の投票で決めるとの議案が州の上院に提出された。日本人としなくて亜細亜人としたのは、なるべく多くの賛成者を得る為の魂胆と思われる。共和党員は排日党と協同しているがこの案には余り乗り気でない様である。
3月3日
海軍平和会議 1907年の英国海軍予算は、前年度に比べて142万7091ポンドの減額を示し、人員も1000名を削減している。
軍備縮小案 英国政府は、軍備縮小案を平和会議に提出する意思がある。尤も如何なる形式で提出するべきかなお未定である。
海軍平和会議 1日上海経由ロイター社発
1907年の英国海軍予算は、前年度に比べて142万7091ポンドの減額を示し、人員も1000名を削減している。そして1907年度の戦艦建造費は810万ポンドで2隻のみ建造の予定である。尤もハーグの平和会議に於いて強大な海軍国の間に協定を見る事ができない時には、
ドレッドノート型よりやや大きい戦艦3隻、快速巡洋艦1隻、外洋航行できる駆逐艦5隻、水雷艇12隻及び潜航艇12隻を新造する予定である。
解説:第1次世界大戦まで7年、ドイツ海軍大臣テルピッツ提督は、1900年に第2次建艦法で1920年までに戦艦38隻を常備し、イギリス海軍に対抗する計画を立てていた。イギリス海軍はこれに対抗し、海軍国としての力を維持する必要があった。
軍備縮小案 2日ベルリン特派員発
英国政府は、軍備縮小案を平和会議に提出する意思がある。尤も如何なる形式で提出するべきかなお未定である。そして列国の政府は理論的にこの問題を討議する事には特に異議がない旨を英国に回答している。本件に関して列国の間に何らの打合せがないというロイター電の報道は誤っている。
解説:ここにある1907年のハーグの平和会議では、結局1899年のハーグ陸戦協定の改定は行われたが海軍軍縮は行われなかった。なおこの会議に韓国皇帝高宗はロシア経由で密使を派遣し、第2次日韓協定の無効を訴えようとしたが外交権がない為に参加を拒否されている。
3月4日
軍備制限と英国 今度開かれる予定のハーグの平和会議に於いて、軍備制限問題を討議することに反対する理由はない。
南阿支那人問題 植民次官チャーチル氏は、帝国政府は南アのアフリカ人の同意を得なくて南アに於ける支那労働者の輸入を廃止することはできない。
軍備制限と英国2日上海経由ロイター社発
英国首相パンナマン氏は、新たに発刊された自由派の週刊誌「国民」に次の寄稿を行った。今度開かれる予定のハーグの平和会議に於いて、軍備制限問題を討議することに反対する理由はない。元来前回の平和会議はこの問題の為に招集されたものであり、英国は既に陸海の軍備を縮小して真意のあるところを世界に示している。そして英国の優勢な海軍力が侵略を目的としない事は夙に世界が承認している。
解説:昨日の新聞の続き
南阿支那人問題 同上
植民次官チャーチル氏は、オックスフォードに於ける演説で、帝国政府は南アのアフリカ人の同意を得なくて南アに於ける支那労働者の輸入を廃止することはできない。そしてロランスバールの新議会が如何なる議決をしても帝国政府は従来の公約を実行するであろうと述べた。
解説:鉱山労働者として大量の清国人が南アに出稼ぎに来て、過酷な労働を強いられており、帝国議会で問題となっている。
3月5日
天国の愚人 佛人は英国首相パンナマン氏の軍備縮小問題に対する楽天的な観察を歓迎せず、甚だしい人は英国の自由党のある政治家に対して天国の愚人であると酷評する者も居る。
暗殺又暗殺 パッドベルグ男爵は、6人の暴漢に襲撃され、パッドベルク氏及び従者1名が殺害され、御者も負傷した。
天国の愚人(軍備縮小問題と英、仏、独) 4日タイムス社発
パリー来電 佛人は英国首相パンナマン氏の軍備縮小問題に対する楽天的な観察を歓迎せず、甚だしい人は英国の自由党のある政治家に対して天国の愚人であると酷評する者も居る。又ある新聞では、絶えず軍備の改良に汲々としている独逸の侵略的態度について英国政治家の注意を促した。
尚又ロンドンタイムス紙は細心の注意を要する国際問題に対して、首相パンナマン氏が新聞にその意見を公表した事は、フランス人に不安と疑惑の念を起こさせる原因となったと指摘した。
解説:3月4日「軍備制限と英国」の関連記事で、佛国が心配していたとおり7年後に第1次世界大戦が発生した。当時の独逸に中国の姿を感じる。
暗殺又暗殺 4日上海経由ロイター社発
露国帝室会議委員パッドベルグ男爵は、馬車でレワールの市中を通行の際、6人の暴漢に襲撃され、パッドベルク氏及び従者1名が殺害され、御者も負傷した。
又コーカサス鉄道のチフリス駅の憲兵長官も市街に於いて殺害された。
解説:ロシア革命まで11年
3月6日
中米戦乱後報 ニカラグアとホンジュラスとの戦争は、遂に大規模なものになろうとしている。
中米戦乱後報(米国と墨西哥の態度) 4日ベルリン特約通信社発
ニカラグアとホンジュラスとの戦争は、遂に大規模なものになろうとしている。メキシコは、現在のところなお慎重な態度をとっている。そして米国は兵力による干渉を試みるであろう。
3月7日
露国議会又解散? 官僚派は改革等に致命的な打撃を与えようとして、その機会を狙っている。そして今一度、議会を解散して独裁官を置こうとする陰謀をたくらんでいるとの風説がある。
米国大統領義損 米国大統領は露国飢饉を援助する為、義援金100万ドルを寄付し
露国議会又解散? 5日タイムス社発
露都来電―国民議会の招集がいよいよ明日と迫っているにも拘らず、一般の情勢は不思議に平穏である。しかし各派共に情勢が容易ならざることを自覚している様で、社会党と立憲民主党は互いに謙譲の心を以て注意深く、今後の方針を協議中である。
官僚派は改革等に致命的な打撃を与えようとして、その機会を狙っている。そして今一度、議会を解散して独裁官を置こうとする陰謀をたくらんでいるとの風説がある。
米国大統領義損 5日上海経由ロイター社発
米国大統領は露国飢饉を援助する為、義援金100万ドルを寄付し、これに、露国は従来から米国の親密な友邦であり、米人がこの際奮って露国の為に義援金を寄付する事を希望する書簡を添えた。
明治40年3月8日
英露協商進行 今や英露協商は、着々と順調に進行しているので、昔日の誤解は完全に除去する事ができる。アジアに於ける英露の利益は全く衝突せず
太平洋艦隊編成 米国海軍省は太平洋、支那、フィリピンの三艦隊を合併して一大艦隊とし、新たに太平洋艦隊を組織し、ホノルルを根拠地とする命令を発令した。
桑港市長一行帰着 最初は、日本児童を公立学校から排斥しなければならないと主張していたが、大統領と会見した結果、最初の意思を変更するのが至当であると認めた。
英露協商進行 7日タイムス社発
露国皇太后は英国皇太后の訪問の為、本日木曜日ロンドンに到着される。
ロンドンタイムス紙は、その社説で皇太后を歓迎する次の論評を行っている。
今や英露協商は、着々と順調に進行しているので、昔日の誤解は完全に除去する事ができる。アジアに於ける英露の利益は全く衝突せず、又両国の関係は世界の平和に非常に影響を与える。
解説:軍備を増強する独逸に対抗する為、英国は、フランスと英仏協商、ロシアと英露協商を結ぶことになった。
太平洋艦隊編成 7日サンフランシスコ特派員発
米国海軍省は太平洋、支那、フィリピンの三艦隊を合併して一大艦隊とし、新たに太平洋艦隊を組織し、ホノルルを根拠地とする命令を発令した。直ちに隻数を増やす事は無いが、徐々に増加する計画であると云われている。その為来る4月20日頃、フィリピン艦隊司令官デートン氏は新太平洋艦隊提督となり、兼任支那艦隊司令官ブランソン少将は海軍省航路部長に転任する予定である。
桑港市長一行帰着 同上
サンフランシスコ市長一行は本日7日午後当地に帰着した。市長以下最初は、日本児童を公立学校から排斥しなければならないと主張していたが、大統領と会見し、様々な説明を受け、国際政局に於ける日本の位置及び日本人の性格等を聞いた結果、最初の意思を変更するのが至当であると認めた。詳細な経過は近く報告されると思われる。
3月9日
学童法案否決 「公立学校から日本児童を排斥するべきか否かは、その学区に於ける市民の投票によって決定するべきである」という意味の法案が、19対3の多数で否決された。
桑港市長不評判 サンフランシスコ市長に対する非難の声が依然として高い。
学童法案否決 8日桑港特派員発
本日8日、「公立学校から日本児童を排斥するべきか否かは、その学区に於ける市民の投票によって決定するべきである」という意味の法案が、カルフォルニア州上院に於いて、議事に掛けられ、様々な討論のすえ、既にカルフォルニア州選出の国会議員に約束した事もあるので、直ちに決定するべきものではないとの説が勢力を占め、19対3の多数で否決された。この模様では、土地問題も多分今期だけは大丈夫と思われる。
桑港市長不評判 同上
サンフランシスコ市長に対する非難の声が依然として高い。市長は学校問題について解決の経過を詳しく述べれば、市民は何れも喜ぶであろうと澄ましており、近日中に経過報告があると思われる。
3月10日
英露協商現情 本社(タイムス社)は、英露両国の交渉が最近10日間で非常に進展したと断言できる有力な根拠を持っている。
排日運動の其後 日本人の土地所有権及び年期借地を禁止する法案は、激しい反対運動の結果再び委員会に差し戻された。多分そのまま握りつぶしとなると思われる。
英露協商現情 9日タイムス社発
本社(タイムス社)は、英露両国の交渉が最近10日間で非常に進展したと断言できる有力な根拠を持っている。これは実に露国当局者の融和的態度と駐露英国大使の非常な尽力とによる。露帝が若しこの様に平和派の意見を採用される事になれば、現に権勢を有する党派は到底久しくその地位を保つ事はできず、そして英露交渉は今から2カ月以内に必ず締結されるであろう。なお現在の情勢から見れば日露の交渉問題もこれまでと異なり着々と進展する事が予想される。
解説:独逸の挑戦に対して英国は露国と佛国と協商を結んで対抗している。
排日運動の其後 9日桑港特派員発
日本人の土地所有権及び年期借地を禁止する法案は、昨日8日夜、州会の上院委員会を通過し、本会議においても二読会まで進んだが、激しい反対運動の結果再び委員会に差し戻された。多分そのまま握りつぶしとなると思われる。しかし蒙古人種及び印度人種は隔離教育をする事ができるとする州法を支那人及び日本人その他を隔離する事ができると改正する案は、今の情勢では多分通過するであろう。
なお10歳以上の児童を小学校尋常科へ入学させることを禁止する法案があるが、これは日本児童のみに限らず一般の内外児童に適用しようとするものであり、反対が多く多分不成立となるであろう。
3月11日
血迷える加州人 カルフォルニア州上院は、本日土曜日満場一致を以て日本人の帰化に反対し、更に進んで日本人、朝鮮人その他アジア人排斥案の通過に尽力する事を希望するとの決議案を可決した。
血迷える加州人(日本人帰化反対決議)9日桑港特約通信員発
カルフォルニア州上院は、本日土曜日満場一致を以て日本人の帰化に反対し、且つカルフォルニア州選出の国会議員及び元老員議員に対し、この有害な法律を制定する事に極力反対する事を警告し、更に進んで日本人、朝鮮人その他アジア人排斥案の通過に尽力する事を希望するとの決議案を可決した。
3月12日
英露協商進行 印度と中央アジアの境界に於ける利益範囲の確定を目的とする英露協商は着々と進行中である。
英露協商進行 9日ベルリン特約通信員発
印度と中央アジアの境界に於ける利益範囲の確定を目的とする英露協商は着々と進行中である。
3月13日
排日法案の成行 カルフォルニア州下院は、日本学童の隔離、日本人排斥問題を総選挙の争点とする事及び日本人の帰化に反対する三案を議事日程に上げない事に決定した。
露国内政の物騒 露国の過激派は、政府に是非とも政治犯罪者の特赦に同意させる為、武力に訴えても騒乱を起こす事を国民に勧告した。
排日法案の成行 12日桑港特約通信員発
大統領ルーズベルト氏は、昨日月曜日付電報で、日本移民制限条約交渉の妨害となる事を恐れて、カルフォルニア州上院が最近可決した排日法案を握り潰すよう、カルフォルニア州下院に要求する為に、同州知事に訓電した。この結果、カルフォルニア州下院は、日本学童の隔離、日本人排斥問題を総選挙の争点とする事及び日本人の帰化に反対する三案を議事日程に上げない事に決定した。そして下院は、今週限りで閉会されるために、日本人排斥案は今期、州会を通過する機会はないであろう。
露国内政の物騒 11日ベルリン特約通信社発
露国の過激派は、政府に是非とも政治犯罪者の特赦に同意させる為、武力に訴えても騒乱を起こす事を国民に勧告した。
3月14日
日本学童入学制限 現行規則を修正して16歳未満の日本学童が公立学校に入学することを許可し、英語の不十分な学童だけを東洋学校に入学させる
佛国社会党敗戦 首相件内務卿クレマンソー氏は社会党の党首ジョウレス氏を論破して勝利を博した。
日本学童入学制限 13日桑港特約通信員発
当市の学務局は本日水曜日会議を開き、現行規則を修正して16歳未満の日本学童が公立学校に入学することを許可し、英語の不十分な学童だけを東洋学校に入学させる事に決定すると思われる。
佛国社会党敗戦 12日ベルリン特約通信社発
佛国代議院に於いて、パリー電気職工同盟のストの件に関し討論が行われたが、首相件内務卿クレマンソー氏は社会党の党首ジョウレス氏を論破して勝利を博した。
3月15日
独仏又衝突 アルゼシラス条約の解釈について、独仏両国政府の間に重大な意見の相違が生じ
学童裁判棄却 大統領は、市長の要求するとおり、学務課の決議採用を条件として直ちに裁判の棄却を命じた。
独仏又衝突 14日タイムス社発
パリー来電―アルゼシラス条約の解釈について、独仏両国政府の間に重大な意見の相違が生じ、「タン紙」はこれに関して非常に注目すべき社説を掲げた。
解説:3月1日にモロッコ問題についての関連記事がある。
学童裁判棄却 13日桑港特派員発
サンフランシスコ市長は、大統領に対し本日13日の学務会議にて確定した決議を採用する予定であり、直ちに裁判を棄却する通知を送られたいと電報した。
これに対し大統領は、本日13日の返電で、余は市長に感謝し、且つ米国民特にカルフォルニア州民の為に本件の解決を祝賀する。市長の要求するとおり、学務課の決議採用を条件として直ちに裁判の棄却を命じた。
3月16日
学童問題一段落 サンフランシスコ学務局は日本学童の隔離条例を廃止した。同時に米国本土に入国する日本人は必ず旅行券を携帯しなければならない事になった。
新移民法愈々実施 ハワイ、メキシコ及びカナダから日韓両国の移民が米国本土に入国する事を禁止する
学童問題一段落(いやいやの譲歩) 15日タイムス社発
ワシントン来電―サンフランシスコ学務局は日本学童の隔離条例を廃止した。同時に大統領ルーズベルト氏は改正移民法の実施を布告し、米国本土に入国する日本人は必ず旅行券を携帯しなければならない事になった。
ニューヨーク来電―サンフランシスコ学務局が小学校に日本児童の入学を許可する事になったのは、実にいやいやの譲歩であった。その証拠に学務局長は若し大統領ルーズベルト氏がカルフォルニア委員に対して行った約束を履行しない時には、学務局に於いて再び日本学童を排斥し、彼らを東洋学校に入学させても差し支えないと放言している。
新移民法愈々実施 15日桑港特約通信員発
大統領ルーズベルト氏は、先月議会を通過した改正移民法、即ちハワイ、メキシコ及びカナダから日韓両国の移民が米国本土に入国する事を禁止する法律の施行を命じた。
3月17日
転航禁止令 余はメキシコ、カナダ及びハワイに赴くべき旅行免状を所持する日本人及び朝鮮人の労働者が米国大陸に入る事を拒否する事を命令した。
露国議会停会 農民は罷工者を援け、学生も亦これを扇動しつつある。武器と爆裂弾の発覚により如何に革命党の準備が整っているか明らかになった。
転航禁止令 15日桑港特派員発
去る14日大統領が発布した転航禁止令は、日本人に対して非常に不当なものであり、大統領は次の様に述べている。
余は日本政府が技術ある者と普通の者とを問わず、労働者である同国人又は朝鮮人に与えたメキシコ、カナダ及びハワイ行きの旅行免状を所持する者が合衆国に来ようとする時、これを使用する事は、米国の労働状態を混乱させるものと認める。それ故に2月25日公布した移民法が余に与えた権力により、また商務省から余に提供された完全な証拠によって、余はメキシコ、カナダ及びハワイに赴くべき旅行免状を所持する日本人及び朝鮮人の労働者が米国大陸に入る事を拒否する事を命令した。
解説:ここにある2月25日公布の移民法に関する記事が2月22日に書かれている。
露国議会停会 同上
露都来電―露国皇帝が首相ストリヒン氏の意に反して、議会に停会を命じた理由は、モククワの同盟罷工が蔓延して、その結果国会の解散となる事を予防する為であるという。
農民は罷工者を援け、学生も亦これを扇動しつつある。武器と爆裂弾の発覚により如何に革命党の準備が整っているか明らかになった。
大蔵大臣は国会の解散は商工業社会の崩壊をきたすであろうと申し上げた。
立憲民主党は土地分配問題について政府に譲歩するであろうし、そしてストリヒン氏を首相とする自由主義の内閣が成立するならば露国は平静になるであろうと云うのが一般の観測である。
3月18日
鹽課税問題紛議 清国商人が停車場に塩を持ちこんだので、清国の塩務局員が押収の為に停車場構内に侵入した
鹽課税問題紛議(萩原総領事の抗議) 16日奉天特派員発
清国商人が関東州から公主嶺(こうしゅれい)停車場に塩を持ちこんだので、清国の塩務局員が押収の為に停車場構内に侵入した事に対して、将軍は職務執行の為であれば当然であるとの意見であった。この為萩原総領事からそうであるなら、日本官憲も職務執行の為に満州至る所に自由手段をとるであろうと突っ込んだ。
解説:日露戦争の結果、南満州鉄道は日本の管轄となっていた。
3月19日
世界第1の巡洋艦 世界に比類のない代々の英国装甲巡洋艦1隻ゴヴン造船所に於いて進水式を挙げた。
愛蘭党の態度 自治即ち行政權を与えなければ、アイルランド人は到底満足する事が出来ない。
世界第1の巡洋艦 18日タイムス社発
世界に比類のない代々の英国装甲巡洋艦1隻ゴヴン造船所に於いて進水式を挙げた。その構造は細心の注意が払われ、形状はあたかも快速艇の様に細長く、速力は25ノットで、馬力は4万1千である。そして同艦は装甲の厚さ7インチ、12インチ砲8門を揃えている。
解説:戦艦三笠は、12インチ砲を4門搭載していた。
愛蘭党の態度 同上
英国下院に於いて、アイルランド議員の党首は次のとおり明言した。
自治即ち行政權を与えなければ、アイルランド人は到底満足する事が出来ない。そして内閣はアイルランド人を信用してその希望を容れるのか、そうでなければ政府党はアイルランドを分離するのか二者択一しなければならない。
解説:アイルランド問題には900年の歴史があり、この後第一次世界大戦、第二次世界大戦中も闘争は継続され、現在に至りやっと解決の兆しが見えるようになった。
3月20日
英露協商と独逸 英露協約の成立を喜ばないものは独逸のみである。独逸の諸新聞は、アフガニスタンは遠からず英国に征服されるであろう等と書き立てている
移民排斥と青木大使 同胞の現状を知らない為であるとして当地日本人協議会は青木大使に実地視察をするよう訴えた。
英露協商と独逸 19日タイムス社発
露都来電―ノオワオエ、ウレミヤ紙は次の様に述べている。
英露協約の成立を喜ばないものは独逸のみである。独逸の諸新聞は、アフガニスタンは遠からず英国に征服されるであろう等と書き立てているが、これは笑うべき離間策である。以前露国を徴発して旅順を占領させ、その間に立って仲買業を演じたのは、実は独逸であった等
解説:英国に対抗して軍備を増強している独逸に対し、英国は、佛、露と協商を結んで対抗したが独逸の振る舞いに、現在の中国の姿が見える。第一次世界大戦まで7年
移民排斥と青木大使 18日桑港特派員発
日本政府が移民排斥条約に同意しようとしている事は、多数のカルフォルニア州農民の日本人に対する感情を誤解し、同胞の現状を知らない為であるとして当地日本人協議会は青木大使に実地視察をするよう訴えた。
3月21日
社会党首領憤激 社会党の党首ベーベル氏は帝国議会に於いて、選挙干渉に関し政府を攻撃する一大質問演説を行い、大いに社会の耳目を集めた。
社会党首領憤激 20日タイムス社発
伯林来電―社会党の党首ベーベル氏は帝国議会に於いて、選挙干渉に関し政府を攻撃する一大質問演説を行い、大いに社会の耳目を集めた。氏は次の様に述べた。
政府はこの事について今や徳義上世論の法廷に立っている。そしてもし政府に都合のよい判決を得たいが為に行政機関を利用する様な事があるならば政府は実に不正な所業を働くものと言わざるを得ない。これを従来の事例に照らすならば、議事その他院内の事務に関し議論が起こる時に、自由党各派は何時も少数党を押さえつけて、十分にその意見を述べさせない弊風がある。
3月22日
愛蘭自治問題 愛蘭問題に関して、内閣大臣とアイルランド議員との間で既にある約束が成立しているにも拘らず、政府は言を左右にして、非常にあいまいな答弁を行っている。
阿片問題の発展 英国政府は、アジアに於ける阿片貿易について列国連合委員会を開く事に反対するつもりはない。
愛蘭自治問題 21日タイムス社発
間もなく議会に提出される予定の愛蘭問題に関して、上院に於いて厳しい質問が行われたが、内閣大臣とアイルランド議員との間で既にある約束が成立しているにも拘らず、政府は言を左右にして、非常にあいまいな答弁を行っている。その為反対党の議員は、アイルランドの分離は英帝国の安全を危うくするものであると強く主張した。
ロンドンタイムスもアイルランド自治運動は帝国の発展と相いれないものであると論断した。
阿片問題の発展 21日上海経由ロイター社発
英国政府は、もし他の関係諸国が希望し、且つ又進んで清国に於ける阿片の産出額を調査する事に同意するならば、アジアに於ける阿片貿易について列国連合委員会を開く事に反対するつもりはない。英国政府は既にその意向を米国に通知したという。そして英国政府は列国会議よりもむしろ委員会を希望しているが他の諸国が列国会議を希望するならば必ずしもこれに反対しないようである。
3月23日
休み
3月24日
駐米戦乱の前途 ニカラグワ及びコスタリカ両共和国の公使は、米国国務卿ルート氏と会見し、ホンジュラスとの交戦を停止する必要性を説明し
米国人の悪夢 米国が将来、若し他国と紛争を起こす事があるとするならば、その相手は間違いなく日本人であろう。
駐米戦乱の前途 23日上海経由ロイター社発
ニカラグワ及びコスタリカ両共和国の公使は、米国国務卿ルート氏と会見し、ホンジュラスとの交戦を停止する必要性を説明し、そうでなければ中央アメリカは欧州の干渉を受ける事になるであろうと警告した。
米国人の悪夢 22日桑港特派員発
米国元老院議員ツトーン氏は、カンサス州に於いて日米の関係を次の様に論じた。
米国が将来、若し他国と紛争を起こす事があるとするならば、その相手は間違いなく日本人であろう。日本はフィリピンを狙っているが、日本がその島を得る利害について分からないが、我が国はむげにこの島を与えない事は明白である。日本は1週間でその島を占領する事ができるが、我が国はまた海上から日本軍を一掃する事ができるであろう。
3月25日
米国人の杞憂 我が国が僅かな兵を集めている間に、日本は25万人の軍隊を太平洋沿岸に上陸させる事ができる
羅馬法王の楽観 佛国もやがて後悔して再び同教と結合する時期があると思うと付言した。
米国人の杞憂 23日桑港特派員発
兵器発明家マキシム氏は、ニューヨーク駐在英国総領事の送別会に於いて次の演説を行った。
我が米国人は、日本が70万人の熟練した陸兵を有するのに反して、我が国が5万の常備軍しか有していない事をしっかりと記憶しなければならない。我が国が僅かな兵を集めている間に、日本は25万人の軍隊を太平洋沿岸に上陸させる事ができるであろう。米国は速やかに少なくとも2億ドルを投じて、万一の場合に備えなければならない云々。
解説:発明家マキシムは、世界で最初の全自動式機関銃であるマキシム機関銃を発明し、この機関銃の登場により、日露戦争や第1次世界大戦で見られるように歩兵の戦闘様相を一変させた。またこの当時から米国は日本を脅威と認識し、対日戦争計画の「オレンジプラン」が作成された。
羅馬法王の楽観 同上
ローマー法王は佛国政府の迫害にも拘わらず日本、支那、アビシニアの諸国が法王代理者に大いなる名誉を与えており、カトリック教の勢力は世界を風靡する勢いがあると言い、そして佛国もやがて後悔して再び同教と結合する時期があると思うと付言した。
解説:1906年12月13日「佛国政教分離問題」の記事を始め、14日、16日、17日、18日に、フランスで政教分離法が制定された結果、宗教施設の差し押さえ、神父の追放等の記事がある。
3月26日
台湾民政評論 軍政を民政に変更した故児玉総督の技量を称賛し、台湾における日本人の施政は一大成功であると結論している。
巴奈馬運河視察 陸軍卿タフト氏はパナマ運河開削工事の状況を視察する為パナマに向かって出発した。
摩洛哥動揺別報 佛国医師モウシヤ氏がモロッコのマラケス市街に於いて銃撃され、更に石によって打ち殺された。
台湾民政評論 25日タイムス社発
「スペクタートル」紙は台湾に関する竹越代議士の著述を綿密に批評し、軍政を民政に変更した故児玉総督の技量を称賛し、台湾における日本人の施政は一大成功であると結論している。
解説:日清戦争の結果、1895年馬関条約により台湾は日本の領土となり台湾総督府が置かれた。児玉源太郎は、樺山資紀、桂太郎、乃木希典に次いで第4代の台湾総督となり、後藤新平を民政長官に迎え、台湾の近代化を推進した。
巴奈馬運河視察 同上
ワシントン来電―陸軍卿タフト氏は最近陸軍技師の監督に移管されたパナマ運河開削工事の状況を視察し、且つ運河地帯の民政を改革する為パナマに向かって出発した。
摩洛哥動揺別報 25日上海経由ロイター社発
佛国医師モウシヤ氏がモロッコのマラケス市街に於いて銃撃され、更に石によって打ち殺された。この報に接し直ちに佛国政府は、巡洋艦ジェネデールに対し、即刻モロッコに向けて出港するよう命じた。そして佛国は手厳しい賠償を要求するものと信じられている。
殺害の原因は同医師が測量の為に旗竿を立てたのを見て、無銭電信を据え付けたと誤解したことによる。
英国領事館もまた石を投げつけられたが英国居留民は皆ぶじで、皆屋内に立てこもり、モロッコ兵の保護を受けている。
3月27日
露国艦隊待遇 露国軍艦の乗組員は、英国海軍省の賓客として、盛大な歓迎会に出席した。
摩洛哥と佛国 佛国政府はフランス人医師殺害に対する賠償が支払われるまで、ウジダ市を占領する事に決定した。
中米戦争後報 ニカラグワ軍は、本日26日ホンジュラスの首都を占領する筈であり、中米の戦争は事実上終了したものと認められる。
露国艦隊待遇 26日タイムス社発
英国皇帝の希望により、現在ポーツマス港に停泊中である露国軍艦チェザレウイッチ、ボウチル及びスラワの乗組員は、英国海軍省の賓客として、本日火曜日ロンドンに入り、盛大な歓迎会に出席した。同艦隊は来る木曜日にポーツマス港を出港する予定である。
解説:英国海軍は、ドイツ海軍の増強に対抗する手段として露国、佛国との友好に努めている。第1次世界大戦の7年前である。
摩洛哥と佛国 同上
パリー来電―佛国政府はフランス人医師殺害に対する賠償が支払われるまで、ウジダ市を占領する事に決定した。そして佛国新聞は皆筆を揃えて、現在のモロッコに於けるフランス人の地位は到底耐える事ができないので、これに対し相当な報酬がなければならないと論評している。
解説:ウジダ市は、モロッコ東部の中心都市である。列強によるアフリカや東南アジアの植民地の他に、フランスはモロッコ、イギリスはエジプト、アメリカはフリピン、日本は朝鮮を保護国としていた。
中米戦争後報 26日桑港特派員発
ホンジュラス及びサルバドル連合軍は要害堅固なチェルテカを奪取されて、ホンジュラスの大統領ボニラ氏は手兵200人を率いて、汽船で遁走した。ニカラグワ軍は、本日26日ホンジュラスの首都を占領する筈であり、中米の戦争は事実上終了したものと認められる。
解説:ニカラグアのセラヤ大統領がこの様にして全土を支配する事になった。しかしその後、セラヤの勢力拡大を恐れたアメリカの仲介により、ホンジュラスの大統領にはダビラが就任した。
3月28日
佛独新聞論争 独逸諸新聞は、独逸がモロッコに対する佛国の要求に同意する意思がある事を半官的に断言し、モロッコ人を扇動して佛国に反抗させる様な行動を採ったとの風説を完全に否定した。
佛独新聞論争 27日上海経由ロイター社発
独逸諸新聞は、独逸がモロッコに対する佛国の要求に同意する意思がある事を半官的に断言し、モロッコ人を扇動して佛国に反抗させる様な行動を採ったとの風説を完全に否定した。
佛国新聞が今回の事件に独逸が関係していると疑うのは理由がないわけではない。即ち佛国がこれまでモロッコの各市に無線電信を設置しようと計画したのに対して、独逸は極力これに反対して来た矢先に、今回マルシャン氏が測量の為に旗竿を立てるとモロッコ人はこれをもって無銭電信を受け入れるものと誤解し、終に同氏を殺害したものである。そのため今回の事件に関係がないとは認め難いというのが佛国新聞の言い分である。
3月29日
英露関係新紀元 ロンドンを訪問した露国艦隊の将校、下士卒は、彼らが受けた歓迎に満足した。
摩洛哥事件と列国 モロッコに於ける佛国の行動は、列国を通じて異議を唱えられなかった。中でも英国政府は、完全に佛国の措置を承認した。
英露関係新紀元 28日タイムス社発
ロンドンを訪問した露国艦隊の将校、下士卒は、彼らが受けた歓迎に満足した。ロンドン駐在の露国大使はポーツマス市長に電報を送り、大いにその歓迎を感謝し、あくまでも英露親交の為に努力したい旨を付言した。なお英国皇帝は露国艦隊の将卒に心の籠った聖旨を賜った。
摩洛哥事件と列国 同上
モロッコに於ける佛国の行動は、列国を通じて異議を唱えられなかった。中でも英国政府は、完全に佛国の措置を承認した。
欧州の何れの国と雖も、佛国がその要求を強硬に主張する事に対して何ら異議を唱える事は無いであろうと思われる。
解説:3月26日以降モロッコ事件が報道されている。
3月30日
加奈陀と日本人 ナタル移民条例を模範とする移民法案が今期の英領コロンビア議会に提出される筈である。
摩洛哥事件と獨西 独逸政府は佛国軍隊のウジダ占領は一時的なものである事を希望している。スペイン政府はモロッコに対する佛国の態度に完全に賛同する旨を発表した。
加奈陀と日本人 29日タイムス社発
オタワ来電―ナタル移民条例を模範とする移民法案が今期の英領コロンビア議会に提出される筈である。しかしカナダ政府の当局者は日加条約に規定されているカナダ政府の義務を重んじ、この様な法案に対し断然不同意を表する事は疑う余地がない。
解説:英領コロンビアの命名は、コロンビア地区がアメリカとカナダに跨っている為に、アメリカ領とイギリス領の区別をするために英領コロンビアと命名された。最大の都市は、バンクバーである。
摩洛哥事件と獨西 28日桑港特派員発
独逸政府は佛国軍隊のウジダ占領を是認したけれども、その占領は一時的なものである事を希望している。又独逸はモロッコ事件の再発を喜んでいないが佛国に対して温和な態度を採りつつあるのは、独逸の利害関係が一層重大なトルコに於ける自由行動を英仏両国に黙認させる為であると信じられている。
ウジダを占領した佛国司令官リアントリー少将からの公報によれば佛国艦隊は昨27日、示威運動を行った。セバヒス号は明後30日でなければ到着しないと思われる。
スペイン政府はモロッコに対する佛国の態度に完全に賛同する旨を発表した。
3月31日
独逸の将来 現在の政治的難局から独逸を救い出す為には、海軍の勢力を一層強大にすべきであると主張し、
比律賓立法議会選挙 米国大統領は、フィリピン群島の平和が事実上既に回復した事を以て、第1回立法議会の選挙に関する布告を発した。
独逸の将来 30日タイムス社発
ベルリン来電―レベントウ伯爵は次の一書を著した。
現在の政治的難局から独逸を救い出す為には、海軍の勢力を一層強大にすべきであると主張し、進んで日米の紛争及びこれに対する英国態度に論及し、最後に将来における独逸の運命は、適当な時期にその向背を決するか否かによって決定されるであろうと結論している。
比律賓立法議会選挙 30日上海経由ロイター社発
米国大統領は、フィリピン群島の平和が事実上既に回復した事を以て、第1回立法議会の選挙に関する布告を発した。そして同島に於けるキリスト教徒は来る7月30日を以て投票を行う事を決定した。
解説:フィリピンは米西戦争の結果独立を果たしたが、1898年のパリ条約によって統治権はスペインからアメリカに渡った。しかしフィリピン人により共和国が建国され、米比戦争が始まったが結局植民地支配を受ける事になり、1916年アメリカの自治領となった。