期日 | 日本関係 | 期日 | 露関係 | 期日 | 英米関連 | 期日 | その他 |
12月8日 | 大山元帥凱旋 | 12月1日 | 露都の軍人捕縛 | 12月15日 | 日韓協約非難 | 12月6日 | 英独和解の兆 |
12月11日 | 軍費総額と財源 | 12月2日 | 全露電信の不通 | 12月9日 | 独逸の外交政策 | ||
12月12日 | 新造装甲艦進水 | 12月4日 | 形勢益々急 | 12月12日 | 独逸の植民政策 | ||
12月17日 | 日韓協約通告 | 12月5日 | 露国ユダヤ人の哀訴 | ||||
12月20日 | 日清談判の結果 | 12月6日 | 露国大乱続報 | ||||
12月21日 | 大本営解散 | 12月7日 | ウラジオ、ハルピン謀叛 | ||||
12月21日 | 連合艦隊解散 | 12月11日 | ウイッテの辞表 | ||||
12月22日 | 日清協約の内容 | 12月14日 | ウイッテの決意 | ||||
12月25日 | 日清協約の内容 | 12月15日 | 無政府の状態 | ||||
12月17日 | リガ叛乱別報 | ||||||
12月18日 | 露国近状 | ||||||
12月23日 | 露国変乱の大勢 | ||||||
12月24日 | 露国現状 | ||||||
12月27日 | モスクワ戦闘別報 | ||||||
12月28日 | モスクワの革命戦 | ||||||
12月29日 | 露国新選挙法別報 | ||||||
12月30日 | モスクワ革命戦続報 |
明治38年12月1日
露都の軍人捕縛 露都の陸軍電気学校に於いて230名の軍人が、4個大隊の兵によって捕縛されて要塞内に拘束された。
英国の北海艦隊 英国海軍省は東洋から帰還した5隻の戦闘艦を海峡艦隊に編入する事を決定した。
露都の軍人捕縛 30日上海経由ロンドン特約通信員発
露都の陸軍電気学校に於いて230名の軍人が、4個大隊の兵によって捕縛されて要塞内に拘束された。又モスコーに於いては農民会議の議長及び多数の議員が扇動的な演説を行った為に捕縛されたが総督は全てこれを釈放した。
英国の北海艦隊 30日上海経由ロンドンルータス社発
英国海軍省は東洋から帰還した5隻の戦闘艦を海峡艦隊に編入する事を決定した。この為海峡艦隊は、今後二つの艦隊に分かれて、上記5隻の戦闘艦は北海艦隊となり、ドウアを北海艦隊の基地とする予定である。
12月2日
全露電信の不通 同盟罷業は今や露国の西アジア全部に広まり、
クリート問題と列国 列国はクリート島に於ける外国兵の駐留に代えてギリシャ兵を駐留させる事を一斉に拒絶した。
全露電信の不通 30日上海経由ロンドン特約通信員発
ロンドン・テレグラフの報道によれば、同盟罷業は今や露国の西アジア全部に広まり、電信はフィンランド回りの僅かな線を除いて全く普通となっている。
クリート問題と列国 同上
イタリ―議会に於ける首相ジオリッチー氏の演説によれば、列国はクリート島に於ける外国兵の駐留に代えてギリシャ兵を駐留させる事を一斉に拒絶した。
12月3日
近衛兵の捕縛 露帝の宮城を警備する親衛隊でありながら、捕縛された者がいる。
同盟罷業の再燃 ペテルスブルグに於いて再び労働者の同盟罷業が発生し
近衛兵の捕縛 1日ワシントン特約通信員発
露帝の宮城を警備する親衛隊でありながら、ある嫌疑のために捕縛された者がいる。
同盟罷業の再燃 1日ベルリン特約通信社発
ペテルスブルグに於いて再び労働者の同盟罷業が発生し、同時に電信局の吏員も同盟罷業を始めた。
12月4日
クウデターか 親衛隊の将校若干名がツアルスコエ、セロに於いて捕縛された。
形勢益々急 親衛隊の将校が徒党を組んで、反逆を企てた形跡があるが、しかし大公であってこれに関与した者がいたかどうかは断言できない。
クウデターか 3日上海経由ロンドンルータス社発
親衛隊の将校若干名がツアルスコエ、セロに於いて捕縛された。
露国政府がこの際、果断な政策を断行するのではないかとの予想はますますその度を強めている。
形勢益々急 同上
親衛隊の将校が徒党を組んで、反逆を企てた形跡があるが、しかし大公であってこれに関与した者がいたかどうかは断言できない。
政府部内の者も重大な事件が発生した事は承諾している。
ツアルスコエ、セロ及びペテルスブルグの宮殿はコサック兵で充満している。
今や全国のコサック兵は、悉く動員令を受けているようである。
12月5日
露国ユダヤ人の哀訴 オデッサのユダヤ人は国境まで首尾良く使者を送りだし、未曾有の危機を防止する事を哀求するための書簡を発表
露国ユダヤ人の哀訴 4日上海経由ロンドンルータス社発
オデッサのユダヤ人は国境まで首尾良く使者を送りだし、文明諸国民に対して未曾有の危機を防止する事を哀求するための書簡を発表し、軍隊は今やユダヤ人を殲滅しなければならないと扇動されようとしていると述べている。
12月6日
露国大乱続報 バルチック諸州、中でもレワルに於いて軍人による叛乱の爆発が起こったとの情報がペテルスブルグからロンドンの諸大使館に伝わってきた。
英独和解の兆 ロンドン駐劄の独逸大使は、独逸政府は英国と親善な関係を促進する為の運動を歓迎する。
露国大乱続報 バルチック諸州、中でもレワルに於いて軍人による叛乱の爆発が起こったとの情報がペテルスブルグからロンドンの諸大使館に伝わってきた。レワルに於いては予備兵は公然と叛乱を起こしている。
モクコーに於いては大火災が延々と燃え広がりつつあるとの情報もある。
英独和解の兆 同上
ロンドン駐劄の独逸大使はリシャム倶楽部に於いて、次の演説を行った。英独間の反目は故意に悪感情を作り出した者が居る為であり、独逸政府は英国と親善な関係を促進する為の運動を歓迎する。英国側に於いて、若し両国の親交を表示すべき運動を行うものが居れば独逸は喜んでこれに応じるであろう。
12月7日
ウラジオ、ハルピン謀叛 ハルピンは只今火災中である。この原因や目的は、先日来当港において発生した騒乱と全く同様であり、暴徒の大部分はやはり陸兵である。
露国大乱続報 露国は今や将に、武断政治が行われようとしている(この形勢は、反動によって引き起こされた様である)。
トルコ政府の屈服 トルコ政府は列国に公文を送り、列国から提出した要求の主要箇条に同意する旨を通告した。
ウラジオ、ハルピン謀叛 29日(馬山経由)ウラジオ特約通信員発
只今到着し、今上陸したばかりである。
当港から各地への電報や郵便共に一切受け付けられず、これは今朝からの事である。従ってこの電報は只今出港する汽船に託送する。
ハルピンは只今火災中である。この原因や目的は、先日来当港において発生した騒乱と全く同様であり、暴徒の大部分はやはり陸兵である。
ハバロフスクでも昨夜来騒動が発生しているとのことであるが今だに確認が取れていない。
今朝当港を出発した汽車も多分ニコリスクまでではないかと言われている。
当港に在留している日本人は危険の恐れはない。
露国大乱続報 5日ワシントン特約通信員発
露国は今や将に、武断政治が行われようとしている(この形勢は、反動によって引き起こされた様である)。
リガの三個連隊は警察任務に服する事を拒絶した。
水兵及び近衛兵は謀叛し、電信技手の同盟罷業は依然として継続されている。
トルコ政府の屈服 6日ベルリン特約通信員発
トルコ政府は列国に公文を送り、列国から提出した要求の主要箇条に同意する旨を通告した。列国の連合艦隊も程なく示威運動を終止するであろう。
12月8日
無政府の状態 人民の生命及び財産は、適切な保護を受ける事が出来ない状態である。
米国兵露都に入る 米国の水兵は、露都の米国大使館を警護
大山元帥凱旋 我が満州軍総司令官大山元帥、総参謀長児玉大将並びに総司令部全員は昨日7日午前10時38分に帝都に凱旋した。
無政府の状態 6日ワシントン特約通信員発
バルト沿岸諸州に於ける人民の生命及び財産は、適切な保護を受ける事が出来ない状態である。
米国兵露都に入る 同上
米国の水兵は、多分上陸して露都の米国大使館を警護するものと思われる。
大山元帥凱旋
我が満州軍総司令官大山元帥、総参謀長児玉大将並びに総司令部全員は昨日7日午前10時38分に帝都に凱旋した。回顧すれば我が満州軍総司令部が重大な任務を負い、上下の信頼を荷って征途に上ったのは実に昨年7月6日であり、じらい1年有余の長い間、連戦連勝を重ね強敵を北方に駆逐し、至大の任務を全うし、凱旋した。
12月9日
露国財政の将来 首相ウイッテ伯が鎮撫的訓示及び伯が露国公債の利子に支払うべき金塊を外国銀行に預託してある事を明言した
独逸の外交政策 宰相ビュウロー公は独逸は平和の為に三国同盟を維持する。しかし必要な場合が起これば、孤立しても自国の領土を保全する力があると公言した。
露国財政の将来 7日ベルリン特約通信社発
露国からの電信が開通した。
これによって、首相ウイッテ伯が鎮撫的訓示及び伯が今後3年間、露国公債の利子に支払うべき金塊を外国銀行に預託してある事を明言したとの報道が到達した。
独逸の外交政策 同上
宰相ビュウロー公は帝国議会に於いて、独逸の外交政策について演説した。公は先ず英国における強烈な排独感情から説き起こし、最近ロンドンで催された英独協和の目的に基づく運動に対して満足の意を表した後、独逸は平和の為に三国同盟を維持する。しかし必要な場合が起これば、独逸は孤立しても自国の領土を保全する力があると公言した。
12月10日
露国銀行の休業 各私立銀行総裁は、郵便電信技士の同盟罷業が速やかに中止されないならば、止むを得ず銀行業務を休止せざるを得ない
露国保守派の態度 露国内相デユルノルフの党派は、同内相を現在ウイッテ伯が占めている首相の地位に就けようとして準備中である。
露国銀行の休業 9日上海経由ロンドンルータス社発
露国の各私立銀行総裁は、郵便電信技士の同盟罷業が速やかに中止されないならば、止むを得ず銀行業務を休止せざるを得ないと大蔵大臣に通告した旨露都から通報があった。
露国保守派の態度 8日ベルリン特約通信社発
保守派に属する露国内相デユルノルフの党派は、同内相を現在ウイッテ伯が占めている首相の地位に就けようとして準備中である。
反動派は、ペテルスブルグ付近に於ける軍隊の勢力に依頼しようとしている。
12月11日
ウイッテの辞表 露国首相ウイッテ伯は、辞表を提出した
軍費総額と財源
日露戦争の軍事費総額並びにその財源の概数を摘記する。
総額18億9千8百万円になる。そして公債14億9千1百万円
ウイッテの辞表 9日ワシントン特約通信員発
露国首相ウイッテ伯は、辞表を提出したけれど、皇帝は直ちにこれを却下した。
軍費総額と財源
戦時財政の運用経過は既載のとおりであるが、今回の予算に計上されたものを包括して、日露戦争の軍事費総額並びにその財源の概数を摘記する。
第一次計画即ち昨年4月の臨時議会に協賛を求めたものは5億7千6百万円、二次計画即ち昨年末の議会の分7億7千6百万円、今回の予算5億4千6百万円であり、総額18億9千8百万円になる。そしてこの総額を財源によって区別すれば次のとおりである。
公債 14億9千1百万円
増税 1億3千7百万円
一般会計編入 1億2千3百万円
剰余金 8千4百5拾万円
特別会計資金編入 6千3百万円
計 18億9千8百5拾万円
12月12日
独逸の植民政策 宰相ビューローは帝国議会に於いて、アフリカに於ける独逸軍隊の卓越した行為、司令官の勇断及び植民省長官の勤勉を称賛した
乃木将軍凱旋期
第三軍司令官の乃木大将は、この帝都に凱旋するのは来年2月中旬頃になるであろう。
新造装甲艦進水
この軍艦は、装甲巡洋艦であり、排水量約1万4千トン、全長4百50フィートであり、この巨艦の建造によって日本の技術の進歩を証明している事こそ最も喜ぶべきである。
独逸の植民政策 10日ベルリン特約通信社発
宰相ビューローは帝国議会に於いて、速やかに独逸植民地の開発を図る必要を論じて、アフリカに於ける独逸軍隊の卓越した行為、司令官の勇断及び植民省長官の勤勉を称賛した後、植民地の行政に関して個人的な嫉妬を非難し併せて独逸皇帝のモロッコ行啓を勧めたのは宰相自身である事及び独逸海軍の拡張は英国に拮抗する目的ではない旨を言明した。
乃木将軍凱旋期
旅順要塞を陥落させて、東郷大将と共にその有名を内外に発揚した第三軍司令官の乃木大将は奥軍に引き続き凱旋する予定であるのでこの帝都に凱旋するのは来年2月中旬頃になるであろう。
新造装甲艦進水
呉の海軍工廠に於いて新造中であった軍艦筑波は、遂に本日進水することになり、皇太子殿下もはるばる行啓されて、式に御臨席される。この軍艦は、装甲巡洋艦であり、排水量約1万4千トン、全長4百50フィートであり、艦体の他は世界に現存する同種艦の何れにも勝り、特にその攻撃力の強力な点に就いては、全く新機軸を出したと伝えられている。この巨艦の建造によって日本の技術の進歩を証明している点である事こそ最も喜ぶべきである。
12月13日
ポーランドの一劇 ワルシャワの兵士100名が革命党の先頭に立って行進している時、一士官が発砲を命じたが連隊はこれを拒んだ。
露国騒乱近況 12月12日を期して、全露国に亘り、一大同盟罷業が行われるとの情報がある。
ポーランドの一劇 11日上海経由ロンドン特約通信員発
ワルシャワの兵士100名が革命党の先頭に立って行進している時、歩兵1個連隊が路上に於いてこれを遮り、一士官が発砲を命じたが連隊はこれを拒んだ。このためこの士官は逃げ去った。
露国騒乱近況 11日ベルリン特約通信社発
12月12日を期して、全露国に亘り、一大同盟罷業が行われるとの情報がある。
鉄道員の罷業及び農民の暴動がますます盛んとなり、電信の通じるのは僅かな地方に過ぎない。
労働者委員の委員長クルスタレフは逮捕された。
12月14日
露国政府の態度 多数の軍隊がペテルスブルグに集中されている。同時に全国のコサック兵も動員令を受けた。
ウイッテの決意 ウイッテ伯は、完全に保守派を抑え込む事を決心したと信じられている。
革命党領袖の逮捕 クロンシュタットに於ける同盟罷工の発起人も逮捕された。
露国政府の態度 12日ワシントン特約通信員発
多数の軍隊がペテルスブルグに集中されている。同時に全国のコサック兵も動員令を受けた。
露国政府は普通選挙の要求を拒絶し、必要な場合には兵力に訴える事を決意した。
ウイッテの決意 13日上海経由ロンドン特約通信員発
露国首相ウイッテ伯は、到底調整が困難である事を知り、完全に保守派を抑え込む事を決心したと信じられている。
革命党領袖の逮捕 同上
クロンシュタットに於ける同盟罷工の発起人も逮捕された。同人は武器に訴えて革命運動を扇動するために、各地に委員を派遣した事を公然と表明している。
12月15日
日韓協約非難 ハールバルト氏は日韓新協約は脅迫の結果で、無効であるとの電報を受けている
無政府の状態 バルト沿岸諸州に於いては、教会堂の破壊、地主の殺害、財産の強奪等が盛んである
日韓協約非難 14日ワシントン特約通信員発
ハールバルト氏は依然としてワシントンに於ける韓国の代表者であると主張し、日韓新協約は脅迫の結果で、無効であるとの電報を受けていると明言し、現在大統領ルーズベルト氏にその説を訴え中である。
無政府の状態 14日上海経由ロンドン特約通信員発
バルト沿岸諸州に於いては、教会堂の破壊、地主の殺害、財産の強奪等が盛んである旨諸方面から報道がある。
12月16日
モロッコ問題始末 独相ビュウロー公は佛国大使が決断しない事を責め、これを促すために、危険な絶壁の端に立つ様な事をするなと述べた
モロッコ問題始末 15日上海経由ロンドンルータス社発
モロッコ問題に関する佛国の外交文書が公開されたが、これによれば6月中旬に一時危険な情勢となったことがあるがその次第を知る事が出来る。その当時佛国は独逸が希望する列国会議開催の提議に躊躇していたため、独相ビュウロー公は佛国大使が決断しない事を責め、これを促すために、危険な絶壁の端に立つ様な事をするなと述べたとある。
12月17日
コサック兵召還 満州に居るコサック兵の一部が本国に召還された。
リガ叛乱別報 露国のリガ付近に於いて、殆どの農民が挙って蜂起した。地主はピータスブルグへ逃れつつあり、殺された者も多い。
日韓協約通告 清国に於ける朝鮮の外交事務を我が公使館、領事館にて取り扱う旨外務部に照会し
コサック兵召還 16日上海経由ロンドン特約通信員発
満州に居るコサック兵の一部が農民一揆の鎮圧を助ける為に本国に召還された。
リガ叛乱別報 同上
露国のリガ付近に於いて、殆どの農民が挙って蜂起した。地主はピータスブルグへ逃れつつあり、殺された者も多い。鉄道や電信線は切断され、リガの市街では戦闘が続行中で、赤旗が諸官庁に翻りつつあるとの報道がある。
日韓協約通告 16日北京特派員発
14日内田公使は日韓協約により、清国に於ける朝鮮の外交事務を我が公使館、領事館にて取り扱う旨外務部に照会し、当地韓国公使館はその処理事務の一切を我が公使館に引き渡した。
12月18日
露国近状 露国の革命派は、ピータスブルグに於いて宣言書を発表し、政府を否定し、露国の破産を宣告した。
露国近状(革命の宣言)(リガの闘争》(満州軍叛乱)16日ワシントン特約通信員発
露国の革命派は、ピータスブルグに於いて宣言書を発表し、政府を否定し、露国の破産を宣告した。
リガに於いて軍隊、労働者、農民の間に猛烈な闘争があり、機関砲が使用された。リネウイッチ軍の半数が叛乱の状態にある。
12月19日
上海の外国人迫害 当地の清国人はストライキを起こし、非常に不穏な状況となったので、英独水兵が上陸し、市街を警備した。
在露外国人の安全 露国政府はピータスブルグに居る外国人の安全を保障する宣言を発表した。
上海の外国人迫害(英独水兵上陸) 18日上海特派員発
当地の清国人はストライキを起こし、無頼漢等が外国人を襲い、人力車を破壊し、非常に不穏な状況となったので、英独水兵が上陸し、市街を警備した。義勇兵も又武器を取って市内を巡邏した。ドクター マクレート氏が負傷した外、支那人1名外国人1名が撃たれた。
在露外国人の安全 16日ベルリン特約通信社発
露国政府はピータスブルグに居る外国人の安全を保障する宣言を発表した。よって外国軍艦が外国人の保護を目的としてネワ港に航行する事は中止された。
12月20日
労働者の逮捕 露国の労働者の委員が、各種の租税その他の料金を拒否するよう人民に勧告し、何れも逮捕された。
日清談判の結果 両国全権は本日会見し、交渉条項草案及び議事録の順序を整理した。調印は21日頃の予定
労働者の逮捕 19日上海経由ロンドンルータス社発
露国の労働者の委員が、各種の租税その他の料金を拒否するよう人民に勧告し、且つ政府に反対する警告を発表した以後、政府の契約した公債はこれを承認できないと宣言した廉により、何れも逮捕された。
日清談判の結果 19日北京特派員発
両国全権は本日会見し、交渉条項草案及び議事録の順序を整理した。調印は21日頃の予定で、又その内容は不明であるが我が要求の主要なものは、とにかく貫徹したと聞いている。
12月21日
露国騒乱と独逸 露国における独逸避難民救護会が組織された。
高速力を有する数隻の独逸軍艦は、リガ及びリオルの両港に派遣された。
大本営解散
昨年2月宣戦詔勅の降下と同時に組織された大本営は、遂に昨日を以て解散され、
連合艦隊解散
大本営解散と同時に連合艦隊の編成解かれる旨発表された。
海軍大更迭
大将 東郷平八郎 補軍令部長
中将 上村彦之丞 補横須賀鎮守府司令長官
露国騒乱と独逸 19日ベルリン特約通信社発
露国における独逸避難民救護会が組織された。
高速力を有する数隻の独逸軍艦は、避難に際してその旅費が無い独逸の避難民を救助するため、リガ及びリオルの両港に派遣された。
リウオニアの社会党員が虐殺と放火によって在留独逸人を悩ました事実は、露国に於いてすら政府の一部に於いて承認されつつある。
大本営解散
昨年2月宣戦詔勅の降下と同時に組織された大本営は、遂に昨日を以て解散され、午前10時30分山縣参謀総長、山本海軍大臣、寺内陸軍大臣、伊東海軍軍令部長を御前に召されて、勅語を賜った。
連合艦隊解散
大本営解散と同時に連合艦隊の編成解かれる旨発表された。この為間もなく常備艦隊の編成が行われるであろう。
海軍大更迭
大将 東郷平八郎 補軍令部長
中将 上村彦之丞 補横須賀鎮守府司令長官
中将 片岡七郎 補第一艦隊司令長官
中将 出羽重遠 補第二艦隊司令長官
12月22日
露国現状 ロシアの全土に亘る同盟罷業は、木曜日を期して宣言され、鉄道及び電信は影響を受けた。
日清協約の内容 日清協約の内容は、日本が平和条約によって得た権利を確実にしたものである。
露国現状 21日ワシントン特約通信員発
(全露同盟罷業)(露帝の懐柔策)(コサック兵の殺戮)(ウイッテ退陣)
ロシアの全土に亘る同盟罷業は、木曜日を期して宣言され、鉄道及び電信は影響を受けた。
露帝は兵士の給料と糧食を増加する勅令を発布した。
100名のコサック兵がカールランド州のテユカムに於いて殺戮され、且つ手足を切断された。
首相ウイッテ伯は普通選挙を許す決心をした。
日清協約の内容 21日北京特派員発
日清協約の内容は、日本が平和条約によって得た権利を確実にしたものである。
一、 清国は遼東半島の租借権を承認し並びに東清鉄道及びこれに付属する鉱山その他の権利を承認する。
一、 東清鉄道の守備兵の件を承認
一、 満韓の境界に於いて陸路貿易を開始する。
一、 東三省の行政改革を実施する。
一、 日清合同で鴨緑江の森林を経営する。
一、 南北満州の主要な地、十七か所を開放する。
その他名義は兎に角、実質は得る所多いと称される。
12月23日
協約調印 日清協約は、予定どおり本日午前11時調印が済んだ。
バルト沿岸一小戦 バルチック沿岸のツツクムにて、激しい戦闘となり、数百名の死傷者が発生した。
英国の軍艦派遣 英国の軍艦二隻がキールに到着した。
露国変乱の大勢 露国の地方議会及び中等社会は次々と社会党に降伏しつつある。
協約調印 22日北京特派員発
日清協約は、予定どおり本日午前11時調印が済んだ。袁世凱は明日、帰清する予定である。
バルト沿岸一小戦 22日上海経由ロンドン特約通信員発
バルチック沿岸の露国リナニア州リガ市の西40里にあるツツクムにて、近頃小部隊の兵が行動を止められたので、更に他の一隊をリガから派遣したところ、たちまち叛徒と衝突して、激しい戦闘となり、数百名の死傷者が発生した。その大部分は叛徒及び農民であるが、農民隊は尚その後も同地に潜伏している様である。
英国の軍艦派遣 22日上海経由ロンドンルータス社発
露国在住の英国臣民を保護するため、露国の港へ航行の途中である英国の軍艦二隻がキールに到着した。
露国変乱の大勢 21日ベルリン特約通信社発
露国の地方議会及び中等社会は次々と社会党に降伏しつつある。
そして社会党は今や公然と露国の破産を目的として運動している。
12月24日
露国現状 露帝は普通選挙の許可に関する内閣の奏請を拒否した。
露国変乱別報 暴徒の組織したリチニア共和国は、官庁を設置して既に租税の支払いを受けている。
露国現状 22日ワシントン特約通信員発
(普通選挙不裁可)(形勢益々険悪なり)(同盟罷業の再起)
露帝は普通選挙の許可に関する内閣の奏請を拒否した。
騒乱が益々激しくなる懸念がある。
モスクワに於いて軍隊と暴徒との間に激しい衝突が発生した。
一般に亘る同盟罷業が再びピータスブルグで起こっている。
露国変乱別報 22日ベルリン特約通信社発
暴徒の組織したリチニア共和国は、官庁を設置して既に租税の支払いを受けている。
ピータスブルグ及びモクスワに居る軍隊は、なお信頼するに足り、従ってこの地域における政府の地位は尚確固としている。
コーカサス地方に於いては、惨状を呈する殺戮が行われた。
12月25日
日清協約の内容 今回締結された日清新協約に於いて、清国は遼東の租借及び旅順から長春に至る東新鉄道の管理の権利を日本に手渡し、
露国罷工運動衰え 露国の一般的同盟罷工は、資金が欠乏したため次第に衰えつつある。
日清協約の内容 24日上海経由ロンドンルータス社発
ワシントンからの来電によれば、今回締結された日清新協約に於いて、清国は遼東の租借及び旅順から長春に至る東新鉄道の管理の権利を日本に手渡し、又安東と奉天間の鉄道敷設権を日本に譲渡した。尤も清国は早晩この鉄道を買収する権利を保有している。この他に世界通商の為、満州における16か所の港湾及び都市を開放する約束があり、そしてハルピンもこの中に含まれている。
露国罷工運動衰え 22日ベルリン特約通信社発
露国の一般的同盟罷工は、罷工者を維持する資金が欠乏したため次第に衰えつつある。
ポーランドに於いて戒厳令が宣告された。
12月26日
清廷の訓電 現在の英国副領事を他に転任させ、會審衛門(かいしんえもん)騒動に関与した居留地の英国警部の懲罰を求め、
清廷の訓電(會審衛門事件)25日上海特派員発
外務部は駐英清国公使に次の訓電を行った。現在の英国副領事を他に転任させ、會審衛門(かいしんえもん)騒動に関与した居留地の英国警部の懲罰を求め、且つ又清人の犯人は會審衛門(かいしんえもん)の獄に拘留し、全て支那人の犯罪は清国の裁判官のみで裁判すべき旨を主張するよう命じた。
10月27日
変乱依然たり モスクワにて軍隊が市中の障害物を砲撃した際、無関係な良民の死亡した者が非常に多い。
モスクワ戦闘別報 惨憺たるモスクワの市街戦は、今も継続中であり、
変乱依然たり 25日ワシントン特約通信員発
モスクワにて軍隊が市中の障害物を砲撃した際、無関係な良民の死亡した者が非常に多い。
鉄道列車に侵入して略奪を行う者がおり、これを防止しようと努めたが効果が無い。
ピータスブルグの革命党員はモスクワの軍隊に向かって、叛徒に同情するよう要求した。
モスクワ戦闘別報 26日上海経由ロンドンルータス社発
惨憺たるモスクワの市街戦は、今も継続中であり、軍隊も暴徒も一斉射撃を行い、主要な中央の市街には皆障害物が設けられている。
双方の死傷者は未だ概算する事が出来ない。
12月28日
モククワの革命戦 本日モスクワの革命党員は、あたかも狂人の様な勢いで軍隊と戦った。
反乱は益々拡大 数千のリスアニヤ人ウイッテブスク州に攻め入り、リスアニヤ共和国の設立の意思を宣言した。
モスクワの革命戦 26日ワシントン特約通信員発
(非常な惨状)(死傷者多数)
本日モスクワの革命党員は、あたかも狂人の様な勢いで軍隊と戦った。
市民は皆、屋外に出てはならないとの警告を受けた。
夜の7時になって市中の障害物及び駅は破壊された。
死者5千、負傷した者1万4千人
モククワの軍隊は、今のところ政府の命令を信奉している。
反乱は益々拡大 17日上海経由ロンドン特約通信員発
(リスアニヤ独立)
数千のリスアニヤ人(ポーランド人と同じく露国内の異人種であり、常に独立の意思がある)ウイッテブスク州に攻め入り、略奪や放火を繰り返し、リスアニヤ共和国の設立の意思を宣言した。
12月29日
その後のモスクワ 市街の障害物は、益々増設されて、叛徒はなお未だ降伏しなくて、
革命軍敗れる モスクワに於いて、軍隊の力が強くなり、革命軍を圧倒してしまった。
露国新選挙法別報 同上
露国政府は、新たな選挙法を布告して、一切の納税者は悉く選挙権を有するとした。
その後のモスクワ 28日上海経由ロンドンルータス社発
26日付モスクワ来電によれば、市街の障害物は、益々増設されて、叛徒はなお未だ降伏しなくて、大軍がモスクワに向け、ペテルスブルグを出発した。
革命軍敗れる 27日ベルリン特約通信社発
モスクワに於いて、軍隊の力が強くなり、革命軍を圧倒してしまった。政府及び軍隊の威力が漸く発揮されようとしている。
露国新選挙法別報 同上
露国政府は、新たな選挙法を布告して、一切の納税者は悉く選挙権を有するとした。この改正は民心の上に良好な結果を生じた。
12月30日
モスクワの現状 セミノフスキー連隊もモスクワに派遣された。
モスクワ革命戦続報 水曜日(27日)の戦闘は、最も激烈で昨日まで継続した。叛徒も強勢で奮闘しており、防柵をなぎ倒し、或いは不意の襲撃を行いつつある。
モスクワの現状 28日ワシントン特約通信員発
セミノフスキー連隊もモスクワに派遣された。
各地から派遣された軍隊が、今やモククワに入りつつある。
叛徒は皆必死に奮起している。
モスクワ革命戦続報 29日上海経由ロンドン特約通信員発
モスクワに於ける水曜日(27日)の戦闘は、最も激烈で昨日まで継続した。叛徒も強勢で奮闘しており、防柵をなぎ倒し、或いは不意の襲撃を行いつつある。彼らは手当たり次第、無差別に家屋を占領して、内部から攻撃し、包囲されると家を捨て去っていく。
次いで砲兵の砲戦が行われた。婦人の勇敢で猛烈な働きは人の目を驚かした。