3月1日

借款内渡し 28日北京特派員発

四国銀行団代表者等は、昨年の四国借款復活を条件として、取敢えず2百万元を上海にて、28日支那の代表に払い渡した。

3月2日

北京動乱 29日深夜北京特派員発

▽兵士の給料不払い

▽放火略奪相次ぐ

▽外人に危害なし

袁邸付近の砲火 袁世凱邸付近に於いて発砲が始まり、市街が大混乱となり、電話不通、路上の兵士は空砲を発して人民の交通を遮断し、現在、発砲中で原因不明

△凄惨な光景 乱暴派兵士は略奪の目的で、各家屋に浸入し、公使館の区域内に於いては万一の出動準備をしている様である。

記者はこの危険を冒し、今電報局に来た。途中3回発砲されるも幸い事なきを得た。

●平静に復す 1日北京特派員発

△日本人被害 略奪家裁の凄惨な光景も、1日午前6時となり漸く止み、市街は何等の危険もなく、平日に戻った様である。焼失家屋は百戸に及び、中に日本人商店が1戸あり。日本人で略奪に遭ったもの3戸、流れ弾に胸部を撃ち抜かれた者1名あった。 

△目的は略奪 暴動は排外的なものでは無く、単に略奪の目的で起こったものと思われる。

33

北京暴動原因 2日タイムス社発

在北京モリソン氏は次の打電を行った。今回の暴動は、兵士が解隊等で生活の手段を失うのではないかと憂慮した事と断髪命令に怒れる事に起因している。外務部構内にさえ略奪の禍が及んでいた。人民は袁世凱が難局を支配し、彼らを鎮撫することができると確信している。

英国の大損害 同上

▽罷業調停困難 

英国政府と炭鉱主及び坑夫との協議が中止となった問題は未だ解決を見るに至っていない。坑夫等は、一旦坑夫連合会が決定した最低限度賃金率を再び審議に付して協議する事を望まない為に、政府側の提案を拒絶したと信じられている。炭鉱休業中に於ける日々の損害額は平均34億7千ポンド(340万円)になる。

34

太平洋予備艦隊 3日紐育特派員発

今回、太平洋予備艦隊を創設する事となり、先ずペンシルバニア、オレゴン、デラウエア、セントルイスの4艦で編成し、追ってウエストバージニア等6隻の合計10隻で編成される予定である。また大西洋予備艦隊も5月に編成の予定である。

支那は無政府 同上

ヘラルド紙は、2日発の北京電報で、今回支那の騒動に関し、共和党幹部の無責任を指摘し、この様な状態では、共和政府の成立は危険であると指摘し、今日の情勢で推移するならば支那は無政府的混乱に陥ると思われ、これに対し列国も又責任を免れないと述べている。

罷業影響大 2日上海経由路透社発

炭鉱罷業の結果,麻痺的影響が既に一般商業にも及び、グラスゴー市では、昨日2万人の労働者が休業し、又クライヂド造船所では、来週中、10万人が休業せざるを得ない事になるであろう。

3月5日

孫に援兵を乞う 4日上海特派員発 

南京来電によれば、2日、袁世凱は孫逸仙に打電し、援兵を北京に送る事を要請した。故に孫逸仙は、3日臨時閣議を招集し、武昌の黎元洪に打電し、湖南、広西の連合軍を北上させる様命じる事に決した。

3月6日

万事袁が思いの儘 5日北京特派員発

▽南京政府の屈服

南京政府は4日、袁総統に打電して、今回意外な変事が起こり、袁総統が北京を去る事は当分不可能と思われるので、大総統就任宣誓の為に、南京に来るようにとの要求を取り下げ、袁総統が北京に於いて、速やかに臨時統一政府を組織してもらいたい。大総統の印綬は、人を派遣し、北京に送る予定である。北京に於いて就任を公布して頂きたいと申し入れて来た。

孫出馬 5日上海特派員発

孫逸仙は、3日午後閣議を開き、袁世凱の護衛として、軍隊を北上させる事に決定し、孫逸仙が自ら軍隊を率いて北京に行くと思われる。

3月7日 

墨国叛軍優勢 5日桑港特派員発 

墨西哥の叛将ラズコ氏は、ティワナ市を回復し、北部諸州より援軍が加わり、兵力は5千と称している。今週中に首府攻撃の為に出発の準備中である。北部諸州の市民はマデロ政府の施政に満足せず、革命を援ける為に、百万弗の軍事費を寄付した。北部諸州の戦乱地帯に居る米人は国境に向け引き上げ中である。

38

総統宣誓 7日北京特派員発

袁世凱は北京に於いて正式に就任する事となったが、何ら典礼を行わないのは妙ではないかと、武昌黎副総統を南京に赴かして、袁の代理として就任宣誓式を行わせ、孫総統より臨時大統領の印綬を受け取らせ事とし、この旨を黎元洪に電照した。

六国借款金額 同上

▽合計百一万五千両

日露両国を含む六国合同の第1回対支那借款金額は合計百一万五千両である。これについて支那当局の語る所によると、各国にある支那公館の費用18万5千両、北部軍隊のここ2週間に要する額75万両及び新年の給与として各軍に与えるもの25万両、合計118万5千両であり、現に度支部の有する所17万両に過ぎない。

3月9日

電報宣誓 8日北京特派員発

▽一同北上 

袁は、8日電報を以て参議院に就任宣誓を行い、本日唐紹怡を南京に送り、同地に於いて政府組織を行い、一同北京に来る事となった。

310

人心なお怐々たり 8日北京特派員発

北京の秩序はやや回復した様であるが、経済的恐慌が激しく、金融機関は停止し、物価は高騰し、富者は貧となり、貧者は益々貧となり、商店は売る品物が無く、労働者は求める職業がない有様となっている。(一部抜粋)

宴の宣誓承認 9日南京特派員発 

袁世凱は8日、電報を以て参議院に大総統就任の宣誓を送り、同院はこれに対して、9日午前10時、承認の旨を打電した。袁は今明日、各大臣の任命を行い、内閣組織に着手する予定で、4名の大臣は南京政府の閣員を選ぶだろうと言われている。

311

宣誓式光景 10日北京特派員発

中華民国臨時大統領の宣誓式は、既電の様に南京の使者が先ず式場に入り、続いて他の参列者が着席し、次に招待の賓客が入場し、席が定まり、午後3時袁世凱は大総統の制服を着け、段祺瑞以下、幾多の高級武官に擁護されて、東方の入り口から、各国新聞記者、特派員席を通過し、式場の中央に来た。南面して南京使節を始め各国参列員に対し一礼し、既電のとおりの宣誓の辞を朗読した。(一部抜粋)

墨国暴動猖獗 9日墨国発或筋着電

デメズ叛将の与党は武装して、南部各都市を占領し、その勢いは激しく、近々マデロ大統領の軍と大衝突をする情勢である。本日チホーホ州ココヨトラ市及びサンタロザリア市に於いても官軍との戦闘があったが、反徒は裁判所を襲撃し、判事を殺害したと言われている。

312

六国借款 11日上海特派員発 

北京よりの報道によれば、列国銀行団は9日、32万両を北京政府に貸与した。またなお18万両を在外清国公使等に支払い、次週には60万両を北京政府に貸与する事を確定した。そして銀行団は清国政府の財政が快復するまで、政府に資金を供給する意思があり、即ち向こう23カ月、毎月67百万両を貸与する予定である。日露両国もこれに参加する特権を与えられた。

313

新内閣組織難 11日北京特派員発

袁世凱は、臨時大統領となり、唐紹怡の総理大臣もほぼ確定したが、新内閣を組織する事は非常に難しく、北京の各部長は、10日付で解職の筈であるが、大統領の命によって、南京の臨時政府が北京に到着し、交代するまでは、今まで通りに執務するとなった。(一部抜粋)

罷業和解の燭光 12日タイムス社発

英国炭鉱主及び坑夫共に世論の要求に譲歩する事の得策である点に思いを及ぼしつつあり、13日(火)諸大臣の出席の上で、双方の協議会が開かれであろうとの見込みが多い。坑夫側の首領も漸く一層道理に適う態度を示してきた。

3月14日

唐総理承認 13日北京特派員発

袁総統就任の翌日、唐紹怡を内閣総理大臣に推薦する旨、南京参議院に電告をしたのに対し、12日、参議院は開会の結果、全会一致を以てこれを認可し、この旨を袁総統に複電してきた。

日本留学生渡米奨励 12日桑港特派員発

以前、米国移民調査員であり日本人調査部長であったスタンフォード大学教授ミルス博士は、日本学生の渡米は、移民法にも許可されているにも拘らずに日本政府はこれを禁止しているので、学生を渡米させる為に、各大学を連合し、日本政府に請願しようと、現在奔走中である。

3月15日

英海軍予算と獨逸 14日タイムス社発

伯林来電=主戦論主義の新聞は、英国海軍予算を以て獨逸に対する威嚇であると称して、英国が「若し獨逸が現海軍計画を繰り返せば、英国も造鑑計画を行う」との声明を行った以上は、獨逸に於いても勢い新艦建造の必要が起こるであろうと述べている。

土兵大殺戮 14日上海経由路透社発

ローマ雷電=ベンガジに於いて一大決戦があり、伊太利軍はフォジヤの東北に当たる2カ所の樹林地帯を攻撃し、土耳古軍を破り、銃剣を以て攻撃し、追撃を行い1千名以上の土兵及びアフリカ兵を殺戮した。

3月16日

臨時約法発布 15日北京特派員発

袁総統は南京参議院が議決した中華民国臨時約法を15日発表した。本約法は7章56条からなっている。

l  中華民国の主権は国民全体に属くしている。

l  人民は平等であり、種族、階級、宗教の区別なく、選挙及び選挙権がある。

l  法官は独立制であり、上級官庁の干渉を受けない。

l  約法は施行後10カ月を限り、その中に臨時大総統が国会を召集し、中華民国憲法は

国会により制定する。(一部抜粋)

3月17日

炭鉱連合会議失敗 16日タイムス社発

▽最低賃金法提出

▽英帝旅行見合せ

炭鉱主、坑夫連合会議が開かれ、坑夫罷業を解決させようとする政府の企画は完全に失敗してしまった。その為に政府は直ちに最低額賃金法案を議会に提出する予定である。この法案は適当な炭鉱主保護も含まれている。坑夫同盟会はこの法案が法律となるまでは、復職しない事に決定した。英国皇帝及び皇后陛下は、情勢の重大さに非常に懸念され、予定の外国皇室ご訪問をお見合わせられた。

波斯陸軍改造 同上

テヘラン来電=ペルシャ政府は、英露の通牒に対する回答を延期している。これは、同政府の意向は単に小国の士官のみを採用して、陸軍の再編成を行おうとする事にある。しかし露国は露国士官のみを採用する事を望んでいる。

支那借款と英政府 15日上海経由路透社発

外相サー、グレーは下院議員フィール氏の質問に答えて、英国財政団体は、支那政府に資金を提供中であるが、若しこの借款の返済に関し、紛争が発生した場合には、英国政府の助力を求める権利がある、しかし英国政府は金銭上の責任を負うものではないと述べて。

3月18日

八旗の抗議 17日北京特派員発

▽内閣に満人なきは不公平

八旗代表者等は現在南北両政府に於いて推薦協議中である新内閣員中に一人の満人も居ないのは不法であり、これは五大族平等主義に反するものとして袁総統に抗議書を送った。

米国干渉一歩 同上 

墨西哥政府は、タフトの武器禁輸宣言を以て、米墨両国の親交に害があるとし、市民はこれを以て米国の干渉が一歩進んだとし、且米軍と戦う自国軍隊の武器購入の道を途絶すると称している。

319

埃及疎水工事 18日タイムス社発

カイロ来電=埃及統監キッチナー元帥は、ガルビエ州に新たに疎水工事を起こし、これにより広大な土地は利益を受ける予定で、現在浸水している数千エーカーの土地を耕地に変更する計画である。この工事は4年計画であり、費用は250万ポンドを要すると言われている。

失業者益々増加 同上 

坑夫が罷業した結果、失業者の数が非常に増加した。現在134万人以上の労働者が休業しており、その中には84万9千名の坑夫がいる。

3月20日

袁総統命令 19日北京特派員発

袁総統は、19日命令を発し、従前各省は自ら都督を挙げ、中央政府と関係を断っていたが、今や既に全国が統一され、各省の独立は無く、各省が自ら都督を挙げ政治を行う事は大局を紊乱し、統一主義に反する。現在は現状維持、公安保全を以て趣旨となすべきと命じた。(一部抜粋)

英国海軍新編成 19日上海経由路透社発

英国海相チャーチル氏は、海軍予算案を議会に提出し、極めて重要な次の演説を行った。 

政府は、英国の次位にある強国に対して6割の優勢な海軍を維持する事を決した。しかしもし獨逸が現在以上の拡張を行えば、一艦に対し二艦を建造し、これに対処するつもりである。英国がある欧州強国を攻撃するであろうとの信念を持つ事は全く愚かである。しかし若し一の強国がその優秀絶大な陸軍を以て最も有力な海軍を有する国を攻撃するならば、全世界は危険に瀕するであろう。(一部抜粋)

321

袁世凱窮迫 19日北京特派員発

▽外国の信用を失い

▽兵乱暴発の恐れあり

支那政府が悪辣な手段を用いて四国銀行団を出し抜き、ベルギーのシンジケートと百万ポンドの借款契約を結んだ事により、従来袁世凱を過信してきた銀行団は頗る憤慨したようで、借款に関する一切の交渉を停止すると共に去る16日に貸し出す予定の百万テールも之を中止し、現在本国銀行団と善後策を協議中である。また各省の支払いが滞る為に兵士等が何時暴動を始めるかも計り難く情勢は非常に混とんとしている。

罷業解決近し 20日タイムス社発

▽最低賃金法案通過期

英国首相アスキス氏が議会に提出した坑夫最低限度賃金法案は、いよいよ23日((土)を以て法律になると思われる。これは向う3ヶ年間だけ継続する臨時の試験的方策であり、現在の炭坑問題の難局を決着させる目的で行われたものである。

322

獨逸宰相の苦境 21日タイムス社発

伯林来電=軍備大増加の運動が開始されて以来、獨逸宰相ベートマン、ホルウエヒの地位は非常に困難となった。宰相は海軍卿のテルピイツ大将と意見が合わず、一応財政的難局を外形的に解決するだけの為にも自己の立場を止むを得ず動かすに至った。

英獨海軍競争 同上

▽海相演説と獨紙

英国海軍卿チヤーチル氏の演説に対する獨逸諸新聞の批評は、殆ど全部面白からず、一般に英国が海軍的優勢を維持する堅い決心をすることに対し憤怒と失望の気持ちがある事を示している。保守派新聞は、英国の意は、獨逸海軍を漸減させて、その将来の発達を防止阻害しようとする事にあると公言している。

3月24日

モロッコ問題討議 23日タイムス社発

巴里来電=代議員に於いてモロッコ問題の討議があったが、その際最も注意すべきは、首相のボアンカレ氏が獨佛協議に於いて、沸国は何等秘密の義務を負う様な約束をしていないと言明した事である。

墨国叛将声明 22日桑港特派員発

叛将ロゾツチヨーが次の宣言を行った。革命軍が成功したならば、マデロを死刑に処するであろう。又米人に対しては、米人がマデロ政府と締結した一切の契約を継承するであろうと声明した。

325

借款問題紛糾 24日北京特派員発

ベルギー借款が成立した結果、当地外交界の大問題となり、遂に英米佛獨の四カ国公使と袁世凱との直接交渉を開く段取りとなっている。袁世凱は飽くまで今回の紛争は四カ国側の誤解に基づくものであり、支那は四カ国銀行団に交渉せず、勝手にいずれの資本家とも借款契約を行う自由を保留する者であると主張している。

326

四国抗議 24日北京特派員発

英米獨佛の四カ国公使は、25日借款問題に関する覚書を袁世凱に提出し、ベルギー借款に於ける支那の不徳義な行為を責め、将来の財政方針に対し確実な条件を要求した。

参議院北京に移る 25日上海特派員発

南京参議院は、新内閣と共に北京に移る事に決定し、且国会選挙法を起草した。

孫引退準備 同上

孫逸仙の一家は、本日南京を出発し、上海に向かうと思われる。彼らは近日中に、広東に帰る予定と言われている。

327

唐の軍隊買収 26日上海特派員発

唐紹怡は南京の軍隊費として、現金(銀)にて百万両を払込んだ結果、南京の軍隊は再び平穏となった。

孫黄唐協議 25日小池南京特派員発

孫逸仙、黄興の両人は朝より唐紹怡と内談中で、午後参議院議員連、その他と協議する。顔ぶれの発表は23日中に行われると思われる。

坑夫一部復職 26日上海経由路透社発

連合石炭会議は、即日終了する予定である。スコットランド及び北ウエールスの坑夫約1万2千は本日、首領等より高圧的に復職させられた。

 3月28日

内閣正式引継 27日小池上海特派員発

26日南京来電によると内閣組織は25日より3日以内に成立させ、事務引継ぎその他用務は2週間以内に全部を処理し終わる予定である。唐紹怡は本日午後参議院に臨む。これは孫逸仙が本日を以て職を退き、一切の政務を離れる為、正式に議員に挨拶をするからである。

罷業依然険悪 26日上海経由路透社発

25日夜に於ける罷業情勢は益々険悪となった。世人の大いに望んでいた炭鉱主と坑夫の連合会議は遂に開かれなかった。首相アスキス氏及び閣僚は、炭鉱主及び2名の坑夫実行委員と4時間協議をしたが連合会議を開こうとする氏の努力は失敗に帰した。

罷業解決難 27日タイムス社発

▽首相の嘆声

炭鉱罷業の解決協議は完全に中止された。首相アスキス氏は下院に於いて、感慨に堪えない語調で演説し、政府は種々難局解決に努力したが失敗した。今は、唯坑夫最低賃金案の通過を望むだけであると述べた。

飛行機購入 同上

伯林来電=海軍省は飛行機購入に関し協議中であるが、ツエッペリン号1個は既に購買済となっている。

墨国官軍大敗 26日桑港特派員発 

墨西哥官軍と革命軍との間のチチハル州での戦闘は8日に亘る激戦の末、官軍はトレオンに退却した。官軍総司令官サラス将軍は戦場にて自殺した。オロズコは勝ちに乗じ、64台の汽車でトレオンに向け急行した。

3月29日

孫公式辞職 28

賃金案下院通過 27日上海経由路透社発

坑夫最低賃金案は27日朝250分、48213の多数を以て、英国下院の第3読会を通過した。次いで上院は直ちに同案の第1読会を終えた。

伊土戦区拡張 27日露都特派員発

列強は、伊土戦争調停案について、一致する事が出来ず、伊太利はダータネルス海峡への侵入をするのではと予想されている。

3月30日

婦人参政案否決 29日タイムス社発

英国下院は婦人参政法案を14票の多数で否決した。アルバートホールに於いて開かれた婦人参政論者の会合に於いて、賛成運動費として1万ポンドの寄付が集まった。

3月31日

波斯政府苦悶 30日タイムス社発

▽英国の南波斯討伐

テヘラン来電=印度総督は、波斯政府に通告し、印度政府は、ブシール英国総領事を通じて、直接に南波斯に於ける頑強不逞の種族を討伐せざるを得なくなるであろうと述べた為に波斯内閣は苦悶している。

●伊集院公使帰京

伊集院公使は、既報の通り30日午後2時、新橋着、外交官連並びに多数の親戚知友に迎えられて、所定の宿舎に入った。出迎えの記者に語った。

△北京の近状

過般、騒動が勃発後の北京は、何かと風声鶴唳に驚かされる事はあるものの、今日まで先ず以て静穏である。しかし何時如何なる動機によって又もや不時の変乱が勃発するかも知れない。

△袁との会見

 

余は今度帰朝に付き、始めて袁と会見した。兎角の評はあるが支那の現状に於いて局面を収拾するものは、現在の所袁が最も適任であるので、既に大統領に就いた上は、我が国民もあまり袁の悪口を言わない方が良いと思う。