61

印度陸軍縮小無根 31日タイムス社発

シムラ来電=インド政府に於いては、英国守備隊を減少する様な意思は全く無く、唯効力が全く無い印度土民連隊を減少する件は、或いは検討されているかも知れない。

西佛協議困難 同上

マドリード来電=モロッコに関するフランスとスペイン間の協議は、満足に進行しておらず、スペインは、モロッコを行政的に区分し、両国が各々その一方を自己活動の範囲としたいとの希望がある。

佛将土蕃征伐 31日上海経由路透社発

 

フエツ来電=ダルビュ将軍は、モロッコ土蕃を膺懲する作戦に着手した。

62

フエツ守備兵の蛮行 1日タイムス社発

佛国遠征隊の将校が指揮するフエツ守備隊の一部は、シムタ地方の全部を焼き払った。その中には、フエツ市に居住する土民の所有する家畜及び田畑等が含まれる。住民は或いは殺され、或いは追い散らされ、約80名の婦人及び子供は1ドルから40ドルまでの値を以って、フエツ市の市場に於いて公売されたが、売主はその罪を問わない旨、予め保障されていた。即ちモロッコ王は復讐心によってこの酷い蛮行を行わせたものと思われる。

仲裁條約新局面 1日上海経由路透社発

ワシントン来電=獨逸は米国と一般的仲裁裁判條約を協議する意思がある。又他の強国も又同條約協議を開始するだろうと予想される為に、米国と英仏間の仲裁條約の完結は多分来冬迄延期されると思われる。

拍国移民断念 内国電報1日発

    日用品の為膏血を絞られる

南米諸国の内ブラジルは、昨年末より本年にわたり、同国移民を出願する、移民会社が多いにも拘わらす、そのほとんど全てが不許可となっている。

これについて外務当局の方針を聞くと、従前は同国移民が有利である事を信じ、41年には1千人、43年には7百人を渡航させたが、彼らの大部分は甚だしい窮状に陥っている。その原因は、耕主等が耕地と市とが遠隔な事に目を付け、自ら売店を開き、高価な値段で売り付け、暴利を貪っている事である。その為に移民が膏血を絞り尽くされている事が再最大の原因である。

63

土耳古兵の暴行 2日タイムス社発

セネンチ(モンテネグロ国)来電=3隊のトルコ軍隊は、アルバニア蛮族を征討する為に前進中であるが、至る所で略奪を行い、家屋を焼き払っている。教会は、悉くトルコ兵の侵入を被り、その神聖を汚された。

佛軍秘密遠征 同上

フエツ来電=当市に於ける全ての佛軍軍隊が、9日間の食糧を携行し、出発した。多分、或る秘密作戦を行うものと思われる。

米艦戴冠式参加 1日紐育特派員発

 

英皇帝の戴冠式に参列する予定の米国戦艦デラウエア号は、1日、英国に向かって出発した。

6月4日

モロッコ大使拒絶 3日タイムス社発

タンジール来電=英国政府は、佛国将校の指揮するフエツのモロッコ守備隊が、英国の保護下にあるムーア人に暴行を加えた理由により、モロッコ大使の戴冠式への列席を拒絶した。

佛紙の弁解 3日上海経由路透社発

佛紙ル、タンは、モロッコで行われた守備兵の暴行を説明し、これは住民が佛国の飛脚に対して、残忍な行為があった為であると説き、婦人及び子供を売却したとの説は、全く事実無根であると言明した。

マデイロ将軍歓迎 2日桑港特派員発 

1日、テキサス州エルパソの主な人々は、マデイロ将軍を招待し、盛んな祝宴を開いた。又2日は、メキシコのジュアレス市商業会議所に於いて、祝賀会を開き、マデイロ将軍を招待する筈である。これより同氏は、一度、自分の郷里に帰り、時機を見て、首府に赴くつもりであると述べた。

65

英国皇帝誕祭 4日上海経由路透社発

英国皇帝の誕祭にあたり、世界各地より祝電が到来した。

墨国大統領選挙 3日桑港特派員発

メキシコ大統領選挙は、1015日挙行する事に決定した。

マデイロ暗殺計画 同上 

2日、メキシコジュアレス市に於いてマデイロ将軍の為に歓迎会を開いたが、何者かがダイナマイトを投げ、大混乱となった。しかし、幸いにも怪我人を出さずに済んだ様である。

66

戴冠式準備 5日タイムス社発

622日戴冠式行列の通路として決まったロンドンの諸街区は、現在無数の観客席を建築中であり、その為にまるで大きな材木工場の様である。又諸公園は陸軍のキャンプによって満たされ始めている。そして式の当日は、バッキンガム宮殿に於いて3個の行列が組織される予定で、第1は各国皇族、その他外国及び植民地代表者、第2は英国皇太子及び英国諸皇族、第3は英国皇帝皇后がその中心である。

土耳其叛乱重大 同上

セッチンエ(モンテネグロ国)来電=アルバニア種族中、最も有力で、且1万の兵士を戦場に送ることができるマルダイ族が、今回革命を起こした。そしてアルバニア自治を宣言し、アロシに仮政府を建て、アレシオのトルコ守備隊を攻撃した。同種族は、殆ど通路が無い山地を占領している。

西艦隊モロッコ派遣 5日上海経由路透社発 

マドリード来電=スペイン政府は、モロッコのララツへ向け、巡洋艦1隻及び植民歩兵2百名を載せた輸送船1隻を派遣した。同地方に叛乱が起きようとしている情勢がある為である。

67

西佛モロッコ協議 6日タイムス社発

マドリード来電=フランスとスペイン両国の新聞が、モロッコ問題について、互いに攻撃中である。但しスペイン外務大臣は、佛西両国が極めて友好的に協議を継続中である旨言明した。

アルバニア反乱 (モンテネグロの戦争熱) 同上

セッチンエ(モンテネグロ国)来電=アルバニアのマルダイト種族は、アドリア海に近いアレシオを占領した。これはトルコ人の海上交通を遮断する為である。又モンテネグロに於いては、トルコとの戦争熱が益々盛んである。

伊国皇祖記念碑序幕 同上

イタリーに於いては、本年は、同国建国50年に当たり、先に祝宴を挙行したが、又去る日曜日及び月曜日に、イタリア皇祖ヴィクトル、エマニエル帝の記念祭を挙行した。日曜日には、帝を記念する為に、建設された一大国民記念碑の除幕式が、質素、荘厳な儀礼を以って行われた。塔は壮大であり、燦然とローマ市の上に聳えている。又月曜日にはダイバー川に架ける新鉄橋の開通式があった。

東郷大将歓迎熱 5日桑港特派員発 

デンバー市の商業会議所は、その委員会を開き、東郷大将歓迎の件を決議し、名誉領事デンネット氏に通告した。且同氏が内田大使を通じて、是非とも大将の来遊を斡旋するよう要望し、若し来遊の栄を得るならば、州民の寛喜はこれに過ぎるものはないと附言した。

68

御名代宮御着英 6日倫敦特派員発

東伏見宮、同妃両殿下、東郷、乃木両大将一行がお忍びで着英した。歓迎無し。19日正式に着英の計画である。

近東形勢難 7日タイムス社発

ウイーン来電=モンテネグロ国王は、トルコ軍隊が、アルバニア人をモンテネグロに逃走せざるを得ないようにしていると、戦争は避けがたくなるであろうと公言したとの説がある。

摩国新僭王敗北 同上

タンジール来電=モロッコの新僭王タツチアは、アルカザルの南方に於いて、官兵と戦い、大敗北した。又佛軍はゼムムル蛮族を膺懲の為に進軍中である。

佛国シャンパン酒暴動 7日上海経由路透社発

佛国国務会議院(司法卿を委員長として行政訴訟等を決定する機関)は、オーブ県産出のシャンパン酒を「第2産出区のシャンパン酒」と公式に記載することが出来る旨を決定した。この為に、又々暴動が起こると思われる。

墨国高圧政策 7日上海経由路透社発 

米国通信員の報道によれば、メキシコの仮政府は、国民を完全に心服させる為に、圧制手段を取り始めている。降伏を拒否した一市の市長を銃殺し、又他の地方に於いて28名を銃殺した。

69

御着英光景 7日倫敦特派員発

東伏見宮、同妃、東郷、乃木大将の一行は、7日午前11時着、全くの御微行にも拘らず、新聞記者、一般市民が多数押寄せ、写真など撮った。途中、ビスケー湾に少し波があったが、妃殿下にも御障りなく、ご機嫌麗しく、両殿下には大使館にてご昼食の後、直ちに東海岸にご旅行、両大将はハイドパークホテルに入り、ロンドンに留まるも、何れも匿名にて19日改めて正式に着英する予定である。東郷大将の人気は非常に高い。

モロッコ鎮定難 8日タイムス社発

佛国のモロッコ鎮定事業が、日時を要し、且困難を極めるであろう徴候が少なからずある。佛国司令官は、モロッコ王の報復的財産没収の行動を早速中止させ、今や運送中の佛国荷物を襲撃する草賊を成敗中である。

アルバニア反乱 8日上海経由路透社発

トルコ政府は、6日報道のアルバニア蛮族のアレシオ攻撃を重視していない。モンテネグロ国セツチンエ府に於いて説明されたところによると、ミルダイト族がアレシオ攻撃を試みたのは、ジオワニノジュウア港に於いて、弾薬その他荷物の陸揚げを無事し遂げさせる為であり、依って陸揚げが終わると同族は退去したそうである。

墨国地震別報 7日紐育特派員発 

7日朝4時、首都メキシコ市に大地震が発生し、多くの家屋が破壊された。砲兵兵舎のガスが破裂し、70名の兵士が埋まり、その他50余の死傷者を出し、惨状は甚だしい。

610

モロッコ形勢改善 9日タイムス社発

タンジール来電=佛国救援隊の来着と共に、フエツに通じる商隊用道路の交通が開けた。土民は形勢が改善されて、食料費が安くなったので大いに満足している。

墨国政府改造議論 8日紐育特派員発

マデロ将軍は、8日、大統領デラバーラ氏と第1回の会見を行い、政府の改造、知事の更迭について、長時間の協議を行った。

噴火爆発 同上 

7日、メキシコ最南端にあるコリア噴火山が爆発し、死者百余名に達し、家屋を失った者が数千名いる。コリア火山は、メキシコの最南端ジヤスリコ州にあり、海抜12千7百50フィート、コリア市から東北約40マイル、1869年より3回噴火し、今回は4回目である。

611

西班牙兵上陸 10日タイムス社発

タンジール来電=5百名のスペイン軍がモロッコのララヘ港に上陸し、アルカサルに向け、進軍した。モロッコ官憲は、これをもってモロッコの領土権を侵害するものとして、抗議した。またこのスペイン人の行動は、一般に全く不当であると認められ、欧州人の憤怒を喚起し始めている。

達頼喇嘛談 10日上海経由路透社発

カルカッタ来電=在ダージリングの一新聞通信員がダライラマに会見した。ダライラマは、チベットの現状に言及し、同地は全く清国人の占領する所となり、多数の清国軍が駐屯している。チベット人は清国官憲の圧迫を被り、万事について不必要な干渉を受けていると述べた。ラマは更に、清国の駐チベット大臣が辣腕家で、同国人を虐待した事を語り、ラマ教の官憲は大臣が、今少しその政策に関し考慮せられん事を外務部に電請したが、清国官憲の受け入れる所とならなかったと述べた。

墺国政策非難 同上

セントピータースブルグ来電=露国半官報ノウオエ、ウレミヤ紙は、66日所報の墺紙プレムデンブラット紙の記事により示された墺国の政策を激しく攻撃し、これは同国が先にボスニアヘルツェゴビナについて執った合併政策を一層無遠慮にアルバニアに繰返しつつあるものであり、国際上の徳義や法則を無視した巧妙な外交的動作であると述べた。またやがてアルバニア人の代表が墺国皇帝に対し、虐政に苦しむアルバニア人民の保護を訴える事態を生じるのではないかと推測している。(一部抜粋)

仏軍メキネス占領 同上

マドリード来電=公報によれば、佛軍は

蛮族と戦闘の後メキネズに入った。両軍とも多大の死傷者を出した。

612

西班牙兵上陸通告 11日上海経由路透社発

マドリード来電=スペイン政府は列国に対し、スペイン兵がモロッコのララヘに上陸した事を通告し、且同地のモロッコ行政庁は、従前のままに維持されるであろうと言明した。

佛紙の西班牙評 同上

佛国新聞は、皆一致してスペイン兵がモロッコに上陸した事を遺憾とし、これは或いは欧州の平和を害する事もあり得るであろうと考える旨述べた。

清国の対墨要求 10日紐育特派員発 

メキシコ争乱中に殺害された支那人に対し、清国政府は、1千万ドルの賠償金要求をするであろうと言われている。

612

西班牙兵上陸通告 11日上海経由路透社発

マドリード来電=スペイン政府は列国に対し、スペイン兵がモロッコのララヘに上陸した事を通告し、且同地のモロッコ行政庁は、従前のままに維持されるであろうと言明した。

佛紙の西班牙評 同上

佛国新聞は、皆一致してスペイン兵がモロッコに上陸した事を遺憾とし、これは或いは欧州の平和を害する事もあり得るであろうと考える旨述べた。

清国の対墨要求 10日紐育特派員発

メキシコ争乱中に殺害された支那人に対し、清国政府は、1千万ドルの賠償金要求をするであろうと言われている。

613

帝国軍艦着英 12日タイムス社発

日本帝国軍艦鞍馬、利根の2艦は、10(土曜)英国南部ポートランド島に到着した。

西班牙兵遠征反響 同上

スペイン軍隊のモロッコ遠征は、フランスは勿論、獨逸及びモロッコ人の間に於いても激烈な反抗を惹起した。タンジール在住の通信員は、この様な行動は全く承認できない事を指摘した。スペインは、その庇護者であるアメツドベンマルクなるものが虐殺された事を口実として、この挙にでたが、まったく理由にならない。蓋し前例によれば、この様な事件の為に、武力的干渉をする事は不当と認められているからであると述べた。

佛国の激昂 同上

パリーに於ける世論は、スペインの行動は、アルゼシラス條約に著しく違反していると認めている。

土耳古屈服か 12日上海経由路透社発

コンスタンティノープル来電=トルコ政府のアルバニア政策に対する外国の非難は、最初外国の干渉であると怒っていたが、今やトルコ人の間にも、深い感想を引き起こしている。トルコの諸新聞は、漸く言語を和らげて来た。今やアルバニア人の要求で有理なものがあれば、これを考えても良いとの意見を述べ始めている。

ジョルダン博士 11日桑港特派員発

▽日本児童隔離案

以前スタックストン市の学務課が、日清人の児童を隔離学校に収容しようとする議案を出し、大議論が起こり、未解決の状態であるが、同市大学総長ジョルダン博士は、10日その学務委員に書を寄せ、その弊害を論じて、次の様に述べた。 

学務課は、日本人児童を隔離しようとするに当たり、日本人の同意を得たのか、又侮辱しない方法を講じているのか、若し、そうでないならば、何ら支障が無いのに隔離する事は、劣等国民を遇する行いを始めようとしているのである。これは憲法に違反し、日米條約に抵触している。且現在、日米の下級政治家が戦争呼ばわりをする時に当たり、この種の問題を提起するのは、甚だしく時期を誤っている。

614

アルバニア征伐終了 13日タイムス社発

タイムスの解するところによれば、トルコ官憲側に於いては、アルバニア征伐は最早終了したと認めている。トルコ政府は、この上武力に訴えることなく、アルバニア問題を解決しようと考慮中の様である。

モロッコ僭王降伏 同上

タンジール来電=佛国司令官モアニエ将軍の指揮下にある軍隊は、68日メキネスに入り、僭王は降伏した。その際、蛮族と小戦闘があり、佛軍は死者1名、負傷者14名を生じた。

佛国人民激昂 13日上海経由路透社発 

スペイン軍のモロッコ、ララヘ及びアルカサル占領は、佛国人を激昂させた。スペインは、これまでの各協約を破り、モロッコ分割への道を開くものであると非難の声が高い。

615

西班牙援兵到着 14日タイムス社発

タンジール来電=2百名のスペイン援軍がララヘに到着した。

土政府大赦を約す 同上

コンスタンティノープル来電=トルコ政府はトリグト、スケベット将軍に命じ、マリソリ族に10日間の猶予を与え、この間に武器を放棄するならば大赦を行うよう約束させた。

波斯の米人重用 同上

テヘラン来電=ペルシャ議会は、財政監督として招聘した米人シュスター氏に非常に重大な財務行政の権限を与える法律を可決した。

蘇士運河改築 14日上海経由路透社発

パリー来電=スエズ運河会社の総会で、同運河に於ける諸種の改築をする為に、4百万ポンドを借り入れる件を可決した。

モロッコの抗議 13日伯林特約通信社発

モロッコ王は、アルゼシラス條約に調印した各国に通牒を送り、同條約違反に関し、覚書をスペインに送る事を要求した。又その通牒にはスペイン軍隊の撤退を要求している。

獨逸とモロッコ事件 同上 

スペイン軍隊の前進は、獨逸の使嗾によるとの佛紙の噂は、悪意ある捏造設であると政府筋より否認された。ドイツは佛軍又はスペイン軍の前進に賛成した事はない。ドイツは当分、傍観者の態度をとると思われる。

616

三鞭酒問題再燃 15日タイムス社発

佛国の上下両院に於いては、再びシャンパンの生産地域問題に関する運動が起きようとしている。諸大臣は、この生産地域問題に関する議員の質問に答えることが出来ないか、若しくは之に答えたくない状況である。

解説:シャンパン酒は、佛のシャンパン地域でのみ生産されていたが、他の地域も同様のお酒の生産を始め、シャンパン酒として販売した。これに対しシャンパン地域の生産者が,シャンパン酒の命名は、シャンパン地域で生産されたお酒のみであるとして反対運動をしている。

土国大赦公約 15日上海経由路透社発

コンスタンティノープル来電=トルコ政府は、次の公文を発した。アルバニアのマリソリ蛮族に10日間の猶予を与え、この期間に武器を放棄し,降伏することを求めた。そしてこの命令に従う時は、大赦を行うと宣言した。

なおトルコ皇帝は、アルバニアに於ける軍隊の活動によって、破壊された民家を新築する為に、1万ポンドをトルコ人に与える予定である。

万国水夫罷業 14日紐育特派員発 

英国水夫同盟会の水夫等は、いよいよリバプールに於いて、14日より同盟罷業を始めた。米国の同盟水夫も内地沿岸航路に対して、同盟罷業を始める決議を行った。又オランダ等の水夫も1415日の両日、日中に実行すると思われる。猶14日、英国を出港した世界第1の巨大船オリンピック号は、初航海であるので、水夫の要求を容れ、賃金を増加して、漸く出港した。

617

獨逸の日本非難 16日タイムス社発

フランクフルト来電=新聞に、日本の獨逸に対する態度を非難したベルリン電報が掲載されていた。その電報では「日本との通商条約締結に関し、獨逸に有利な協議をする目的の為に、日本の朝鮮合併に対する承認を撤回すべき」と説き、又日本が鉄道その他の材料を購入する事に関し、英国のみ重視する事を非難し「2、3の例外を除き、日本は全く獨逸品に対しボイコットを行っている。若し日本がこの事実を認めていないならば、獨逸は他の競争者と同等の待遇を受けるべきである事を日本に明らかにする権利がある」と言っている。

三鞭酒問題解決 16日上海経由路透社発

長引いた内閣会議の後、佛国政府は、シャンパン酒の産地制限に関する全ての計画を事実上廃棄し、模造品に関する諸問題の解決を裁判所に一任する事に決定した。

英国観艦式 同上

8隻のドレッドノート型戦艦を含む合計22隻の英国戦闘艦が戴冠式観艦式に参列の為、スピっとヘッドに於けるその位置に向かって出港した。

海員同盟罷業続報 同上 

ロンドンに於いては、水夫を見ない船舶は僅かに23隻のみで、地方の港湾に於いても又同様であり、大半の汽船会社は、航海に少しも不便を感じていない。然るにホワイトスター、カナダ太平洋、ラムボルト、ホルト等の汽船会社は、遂に譲歩して、全てに亘り、1カ月10シリングの賃金増加に同意した。

618

アルバニア問題 17日タイムス社発

セツチンエ来電=アルバニアの亡命者等は、トルコ皇帝が大赦と政治的改革を約束した点について、なお疑念を差しはさんだ。又家屋再築の為、1万ポンドを支給するとの約束は、全く不十分であると思われる。

海員罷業重大 17日上海経由路透社発

英国及び欧州大陸諸港より来る電報は、海員の同盟罷業が盛んな事を示している。ある場合には、諸汽船は賃金を増加して水兵を雇い入れた。

阿片栽培減少 17日上海特派員発 

英国の特別阿片調査委員アレキサンダー、ホシイ氏は、6カ月間の視察旅行を終えて、北京に帰着した。氏は貴州に於ける阿片栽培が7割だけ減少したと説いた。

619

土帝マケドニア巡駕 18日上海特派員発

コンスタンティノープル来電=トルコ皇帝は、歴史上トルコ軍戦勝の地として有名なコスドウオの平原で開かれた宗教的祭礼に臨まれた。これに参列してたアルバニア人は、15万名に上ったが、宰相ハツキ、パーシャは、皇帝に代わり、アルバニア人の忠清を信じていると宣明した。

巴奈馬公債発行 17日紐育特派員発

パナマ運河公債5千万ドルは、17日よりいよいよ売りだされた。

朝鮮不要銭買入 同上 

朝鮮に於いて不要となった銭千2百トンが16日、ニューヨークに回送して来た。これは、米国のシンジケートが買い入れた30万トンの一部であるが、これを分析して銅と銀を取ると言われている。

621

戴冠式祝祭 19日タイムス社発

愈々戴冠式の週間に入る。最も興味ある出来事を示す。

19()には、外国皇族方が正式の儀礼を以ってロンドンに入られる。又ウエストミンスター寺院の戴冠式予行がある。夜バッキンガム宮殿に於いて、諸皇族の為に晩餐会があり、一行も招待される。

20()英国皇帝が各国特使を謁見

21()各自治植民地首相等が皇帝皇后に謁見、コンノート殿下の晩餐会

22()戴冠式 宮廷にてご英国皇室家族皇族の晩餐会 夜英国全土で電飾、花火

23()ロンドン市街で大行列

24() スピッドヘッドに行啓、大観艦式

25()各国皇室御名代、ウインブル宮訪問

東伏見宮御入京 同上

東伏見宮殿下及び妃殿下は、同日午後加藤大使、東郷、乃木両大将、その他を従え伊、ロンドンに入京された。アーサー、コンノート殿下は英国皇帝の御名代として、両殿下を迎え、熱心なご挨拶があった。

外国軍艦集る 同上

2隻の日本軍艦を初め、合計18隻の外国軍艦は、24日挙行の観艦式参列の為、スピットヘッドに到着した。

海員罷業形勢 19日上海経由路透社発 

海員罷業者の首脳陣は、現在同盟罷業をしている者は5千名であるが、これ等は621日になると、増俸を以って船舶に雇われるものと信じている。現在でも多数の汽船が、海員同盟の要求した賃金を与えていると説明している。然るにこれに反して船主同盟では、水夫が必要な場所には、これを供給することが出来る旨を公言している。

622

朝鮮関税討議 21日タイムス社発

ロナルドセイ卿は、下院の演説で、最近の日韓併合の歴史に言及し、日本がこの為に英国貨物に対し、高い関税を課する権能を得た点について論議した。外務次官は、これに対し、日本の行動が完全に正当な事を説き、各国が併合に同意するに当たり、同盟国である英国がこれに反対する事はあり得ない点を指摘し、併合の結果、朝鮮との関税條約が廃棄されるのは論理上、正に同然の事であると言明した。

各国使節商隊 20日上海経由路透社発

英国皇帝は、陛下に対し献上すべき勲章を持って来た日本、支那、ペルシャを始め、各国の使節をバッキンガム宮に引見した。外相グレー氏もまた、これに出席した。

海員同盟勝利 20日桑港特派員発 

水夫の大ストライキは、水夫側の勝利に帰した。大会社中、キューナード汽船会社は、その要求に応じた。他の会社も順次要求に応じる形勢である。

623

戴冠式前の光景 21日タイムス社発

英帝戴冠式 21日タイムス社発

△両陛下の御服装

戴冠の御式は、1115分に始まり、皇帝は元帥の御装で、アバーに入らせ給い、傅油(ふゆ)の式が終わった後、素朴なローンの御衣に長外套を召される。黄金の聖帯には印度及びその他英国領土の記章を刺繍している。

皇帝の授かる新宝冠には、有名なアフリカ産の宝玉コーイスールを含んでいる。

土耳古の通帳 22日上海経由路透社発

トルコ政府は、列国に通牒を送り、アルバニアに於ける外国の干渉は、トルコの堪える處にない旨を宣言した。

船員罷業有望 同上 

英国に於ける船員同盟罷業の情勢は、益々良好となっている。船主等は、罷業者等の相当の要求を容れる意思がある。

624

戴冠の盛式 22日タイムス社発

△振古未曾有の盛 

英国の歴史始まって以来、未だ今回の戴冠式の様な壮麗、雄大を極めた儀式が行われた事はなかった。式は最古の伝説的典礼に則り、最近に於ける帝国の発展を表し、イギリス帝国が如何に王政的理想を民主的進化に調和して来たかをはっきりと示している。

壮厳なる挙式 22日上海経由路透社発

△第一行列出発 830分戴冠式行列の道筋は通航中止を命じられ、次いで間もなく第一行列が出発した。この行列は、皇族、諸特使を含み、乗用馬車は解放されなかったがこれは降雨の為であった。

△第二行列の中心は英国皇族を載せた5個の馬車より成る。市民は喝采して、これを迎えた。

△両陛下御発車 やがて殷々たる砲声が轟く。これはジャージ5世皇帝が皇后陛下と共に、第三の行列を従えて、バッキンガム宮をご出発された事を報じたのである。その時、何という天祐か、雨が止んで、太陽が顔を出した。路上では、絶大の群衆の歓呼の声がこれを奉迎した。

△両陛下寺院御着 ジョージ5世陛下はメリー皇后と共に行列の先頭に立ち、ウエストミンスター寺院にお入りになった。ここで神父達は讃美歌の唱和を始めた。 

△戴冠式 種々の宗教的儀式があり、ヨーク大主教が起って、説教を行い、ジョージ5世陛下は宣誓を行い給い、傅油式(ふゆしき)が行われた。次いで、キャンタベリー大主教が戴冠式を司り、宝冠を皇帝の頭上にお載せになったが、この時寺院は「神よ皇帝を助けよ」との声を以って鳴り、ラッパの吹奏があり、ロンドン塔では祝砲を発し、至る所で歓喜の鐘の音が鳴り響いた。

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倫敦大行列別報 23日上海経由路透社発

△ロンドンの不夜城 昨夜(22)、ロンドン市は不夜城の観を呈した。煌々として目を奪うばかりのイルミネーションの中、群衆は驚喜した後、ロンドンの街区に列をなしたまま、夜を徹した。本日の大行列を拝観する為である。

△鳳輦出づ 殷々として、砲声が轟き、微雨があるがやがて晴れ、この間に両陛下の行列は宮門を出て、臣民の熱誠な歓呼の声に迎えられる。行列は、近衛騎兵、海軍砲兵隊、近衛兵砲兵及び5個の軍楽隊がその先頭である。両陛下の御馬車は8匹の馬に曳かれ、その行列にはキッチナー元帥が騎馬にて従い奉る。忽ち驟雨があり、忽ち日光が輝き、晴曇が相交わるにも係らず、両陛下は依然、鳳輦を開かせ給う。

御行列の道筋には、市民の歓呼の声が絶え間なく、やがて御行列が終わり、還宮となるや万歳の叫びは一層高く天地を動かした。

海員罷業成功 24日上海経由路透社発 

グラスゴー来電=アンカー、ソナルドソン両汽船会社は、海員組合等の要求を受け入れた。アンカー汽船会社の波止場人夫も同盟罷業したが、直ちに増給を許された。

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英国大観艦式 25日上海経由路透社発

ポーツマス来電=冷気ある曇天である。総計180隻の英国及び外国の軍艦が観閲式に整列している。32隻の英国戦闘艦もその中にあり、全艦隊は、10列となっている。英国皇帝皇后陛下は、この大艦隊を閲覧された上、カウス水道に向かわれた。

士官不足と登用 24日紐育特派員発

現在、米国の陸軍は、非常に士官が不足しているので、陸軍大臣は、参謀総長と協議の上、大学程度の学力がある者を試験の上、少尉とする様で、その年齢は21歳から27才迄である。

土艦土兵と砲撃 同上

去る17日、トルコ軍隊とアラビア軍隊とが衝突し、トルコ軍は約千名を失い、5百人程がやっと逃げ帰った。当時紅海の入り江に居たトルコの砲艦は、盛んにアラビア蛮族を海上より砲撃したが、如何なる過ちか、その砲弾は、多くトルコ軍に命中し、その為多くの死者が出たそうである。

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観艦式光景 26日タイムス社発 

△英帝の御巡覧 24日の払暁は天気不穏に見えたが、帝室列車がポーツマスに到着した頃には、日陰を見る様になった。正午、陛下は御用ヨット「ビクトリア、アルバート」号に召され、25マイルに亘る海上旅行を始められ給う。折から風が颯爽と吹き、天気も定まり、最大の観艦式に非常に相応しい。各軍艦の水兵は舷測に、海兵隊員はマスト上に整列し、、16名の提督を始め、各艦長及び士官は、これを指揮する。両陛下はヨットの艦橋にご起立のまま、四面の歓呼が囂々とする間に、敬礼を受け給われ、21発の祝砲が始まり、各艦皆これを発射し、反響、又反響と雷鳴の如し。各艦は旗旒を以って飾られ、青い制服を着た水兵、紅衣を着た海兵隊員の姿が相対して光彩を加えた。

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戴冠式昼食会 27日タイムス社発

東伏見宮依仁(よりひと)親王殿下及び妃周子(かねこ)殿下、東郷、乃木大将はランズベリー卿の主催する戴冠式昼食会に主要な賓客として招待された。

近東の危機 同上

アルバニアの情勢は、遂に不安の念を喚起し始めた。モンテネグロ及びトルコ間の感情は益々険悪になり、モンテネグロ人等は深い同情をアルバニア叛賊に注いでいる。

解説:アルバニアはオスマン・トルコ領で、1912年に独立 モンテネグロもオスマン・トルコ領であったが1878年公国として独立、1910年王国となっている。

果実商の苦境 同上 

ハウル来電=英国の果実商等は、商務院に対し、海員のストに干渉し、調停の労を執るよう請願する旨を決定した。現在陸揚げできない果実箱は少なくとも7万個もある。この様な危機の状態は、同商業の歴史上、未曽有の事である。

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アルバニア事件 28日上海経由路透社発

トルコ政府は、マリゾリ族降伏の期限を2週間延期した。

作物枯れ死を免れる 27日紐育特派員発

米国では、先日来から降雨がない為にトウモロコシ、小麦の類が枯れ死するところであったが、今回、降雨があり、蘇生したので作柄には大きな支障はない様である。

モロッコと獨佛 27日伯林特約通信社発 

佛国軍隊はカサブランカ附近にの一地方を占領したが、同地は獨逸の領地であり,在カサブランカ獨逸領事が強硬な抗議を行った結果、直ちに撤退した。

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上院問題討議 29日タイムス社発

英国議会に於いて、憲法問題の論争を再び開始した。上院は、現在上院否認権廃止法案を討議中であるが、政府は、本問題に関し何ら譲歩をする様子もなく断固たる決心を以って、反対貴族の提議に対する様である。

海員罷業重大 29日上海経由路透社発

リバプール及びマンチェスターに於いて海員同盟罷業が非常に延長し、業を休む者が1万4千名、航海中止の様である。

怪獣協約成立 同上

 

タイムスのワシント通信によれば、ワシントンに於けるオットセイ会議の結果、英露日米は、向こう15年間、大洋のオットセイ捕獲を中止し、日本及びカナダは、賠償として、年々米露より、獣皮の分配を受ける予定で、両国は、この目的に向かってその捕獲数の3割を保障する計画である。