52

モルモン宗弁護 1日タイムス社発

米国ソルトレーク市から来た特報によれば、モルモン教教祖は、英国人民に対し一つの私書を発し、モルモン教に対し加えられた「多妻主義」の攻撃を否認し、モルモン教信者社会の行為について、十分調査する事を希望した。

モロッコ情勢 1日上海経由路透社発

ラバート来電=モロッコのメキテンツ(フエツの西南30マイルにある都市)より来た急使は、叛賊ベルベル人が戦闘5日の後、419日に至り、同市を占領したとの報道を確認した。又423日フエツ市の通信によれば、前報以来、フエツ市の攻撃は行われておらず、現在同市を攻囲中の主要な種族間には内乱を生じた様である。

獨紙の佛国出兵論 同上 

ベルリン来電=半官報、北獨アルゲマイネツアイツングは、佛国がモロッコに於いて、その予定計画を固守することが出来る様に、事件が進展するよう希望し、若し佛国がアルゼシラス協約に違反する行動にでるならば、必ず無視することが出来ない悪い結果をもたらすと言明した。

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欧州の51 2日タイムス社発

51日」(即ち5月節)に行われる例年のデモ行進は、欧州大陸の至る所で、無事静穏な経過を見た。パリーの労働者諸団体は、市内各所に於いて集会を行おうと計画したが、政府は12千人の軍隊を巧みに集中し、同計画を画餅としてしまった。但し警官及び暴民間に多少の衝突があり、若干名の負傷者が居た。

(備考メイデイは、元々春が来る事を祝す祭りであり、ローマに始まり、現在なお英米で行われている。しかし欧州大陸では、従来の意義は無く、毎年、労働者や社会党の示威運動日となっている)

奇怪なユダヤ人攻撃 2日上海経由路透社発

露国に於いては、ユダヤ人が宗教儀式上の目的の為に、キリスト教徒の幼児を殺害するとの攻撃が又もや盛んに起こっている。

南極探検隊帰る 同上

シドニー来電=日本の探検隊が、当地に帰着した。これは氷山、浮氷群の障害と犬の大部分が死んだ為に止むを得ず引き帰したものである。

墨国排米熱の由来 1日紐育特派員発 

メキシコの排米熱が益々盛んとなっているが、これは今回の内乱は、間違いなく米国の扇動に基づくものであるとの説が盛んな為である。この為米国政府は、メキシコ政府が、これに如何に注意しつつあるかの調査に着手した。

54

否認権案委員会通過 3日タイムス社発

英国の議院案(上院否認権廃止案)は、下院の委員会に於いて、迅速に進捗中であり、同案中、上院の立法的否認権(財政案以外)を制限する第2項は、195票対299票の多数を以って可決された。英国内相チャーチル氏は、上院議員等の行動は、完全に憲政運用を麻痺させるものと公言した。

佛兵派遣と土蕃 3日上海経由路透社発

タンジール来電=佛国のフエツ救援隊がカサブランカ及びラバットを出発したとの報道は、現在ジエハットをモロッコ王と宣言している各ガール種族を激昂させた。 

倫敦と親獨運動 2日伯林特約通信社発 

ロンドンに於いて獨英親善協会が組織され、会員は英国人に限り、アルデル公を名誉会長に、アベブリー男爵を会長に、前駐獨英国大使サー、ラッセルスを副会長に挙げた。

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佛国救助隊到着 4日タイムス社発

タンジール来電=佛国ブレモン少佐の救助隊は、426日フエツに到着した。激戦4日間に亙ったが、兵士の振る舞いは勇敢であった。フエツ市内の欧州人教師等は、無事で壮健である。官軍は529日反乱軍に総攻撃を行おうと準備中である。フエツ市内だけは静穏であるが市外全域は完全に無政府状態である。

墨国平和談判 3日紐育特派員発

メキシコ政府の平和談判委員は、2日談判地と定めたテキサス州エルパソに到着した。正式の談判は4日開始の予定

在墨米人の窮状 同上 

メキシコ各地に散在する米国人は、今回の内乱の為、商業その他の職を失った者が夥しく、これ等の者は、遂に在メキシコ米国大使に向かって保護を願い出た。

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モロッコ官兵勝利 5日上海経由路透社発

巴里来電=佛国少佐ブレモン氏の救援隊がフエツに到着するや、モロッコ官兵は直ちに突進、敵を攻撃し、多大の死傷を生じさせた。なお食料、弾薬については至急要求中である。

英国と波斯鉄道 同上

英国外相サー、グレーは下院に於いて演説し、政府は英国資本により西南ペルシャに鉄道を敷設する権利の許可をペルシャに求めた。しかしその申込条件、若しくはペルシャの回答内容について言明する事はできないと述べた。

叛軍首府に迫る 4日紐育特派員発 

メキシコ叛徒は、現在首府メキシコを攻囲し、将に侵入しようとしている。しかし同市には官兵は僅かであり、果たして支え得ることが出来るか心配であるとの報道がある。この報道に関連して、ワシントンでは、デーアス大統領は遂に叛徒の要求を悉く承認するかも知れないとの噂が行われている。又メキシコの一般人民は叛徒に同情する者が多く、官軍に同情する者は僅かに4分の1位の様である。

5月7日

モロッコ形勢難 6日タイムス社発

タンジール来電=430日頃、フエツ市は危険な情勢となった。蛮族は、続々と叛徒に合流し始めているのに反して、ブレモン少佐の指揮下にある兵士の士気は大いに衰え、弾薬、金員ともに欠乏した。食物は最も高価となった。

モロッコ僭王布告 同上

モロッコ僭王は、海岸を除き、欧州人がモロッコに居住する事を許さない旨の布告を発した。

又々排日案 5日桑港特派員発

▽隔離学校案

ストックトン市の教育委員会に於いて、日本人と支那人の児童の為に隔離学校を設立するとの提案があり、現在委員会に於いて議論中である。領事及び日本人会は否決させようとして奔走中である。

平和談判進捗 5日紐育特派員発 

メキシコ政府と叛徒との平和談判は、現在良好に進捗中である。叛徒の要求には大統領デアズ氏が公衆の面前に於いて、辞職を行う事を誓うとの条件がある様である。

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墨国の示威運動 6日紐育特派員発

▽叛将万歳

メキシコ市に於いて、大統領デアズ氏に反対するデモ行進が盛んであり、中でも学生達は、行列を作り、盛んに叛将マデーロ万歳を叫び、大統領デアズ氏に対しては侮辱する叫びを上げている。この様な状況なので米国政府は、前途を憂いている。

休戦条約破棄 7日桑港特派員発

メキシコ政府大統領デアズ氏は、7日休戦条約を破棄すると宣言した。

隔離学校問題案如何 同上 

ストックトン市の日本人児童隔離問題は、学務課が一旦、投票によって世論に問う事に決定した。この事件は黄色新聞の教唆に出たもので、学務課を撹乱する目的なので、多分これで消滅すると思われる。

59

叛賊失望 8日タイムス社発

モロッコ僭王は失望している様子である。ベルベル人以外の種族も、佛国軍隊に抵抗する事の無益な事を認めている。但しフエツ市は、現在苦境にあり、弾薬につては、僅か2日分の戦闘に対する準備があるのみである。

メキシコ形勢 同上

ニューヨーク来電=メキシコ官賊間の平和協議は中止されたが、協約成立の希望は放棄されていない。大統領デアス氏は、秩序回復後に退職する意思がある。唯叛将マデイロ氏が大統領に一種の公式の刑罰を下そうとする事を非常に怒っている事のみである。そして米国世論は、少しもメキシコに干渉する意思がある事を示すものは無い。

モロッコと佛獨 8日上海経由路透社発 

モロッコのフエツ市に関する獨佛の報道に関する差違は依然として継続中であり、佛国側の報道は「その情勢は一層険悪になっている為に、モロッコ王も佛兵がなるべく早くフエツに到着する事を希望する」の様に説き、これに対しベルリンに達する公報は、在フエツの獨逸人は十分に安全であり、少しも飢餓等の問題は無い旨を報道している。

510

叛魁の弁明書 9日タイムス社発

タンジール来電=ベルベル族の酋長が、私に(タイム社特派員)に一書を送って、次の様に言明した。今回の反乱は、少しも欧州人と対立するつもりは無く、唯国王及び首相の圧政と残虐に対抗する為のみで起こったものである。彼らが、現在まで意のままに、圧制や残虐をすることが出来なかったのは、一にヨーロッパの牽制によるそうである。

モロッコ形勢 同上

モロッコのフエツ発フランス側通信によれば、フエツ守備隊は、5月中旬まで反乱軍に対抗し得ると予想できる。救援隊は、1週間乃至10日以内に到着するであろうと思われる。

墨国愈々平和か 9日桑港特派員発 

墨国大統領デアス氏は、長時間の内閣会議後、国内の平和を克服次第、何時でも自任する旨の宣言書を公表した。この宣言を聞いた革命党党首マデロ氏は、再び平和談判の為に休戦に同意するであろう旨声明し、将に攻撃しようとした米国国境のシュアレザ市の進軍を中止し、退却した。

511

戦争見物禁止令 10日タイムス社発

ワシントン来電=米国政府は、その軍隊に対しエルパソの人民を、戦争地域に近づけさせない様にする厳重な命令発した。しかし人民の好奇心を制限する事は難しく、数千人は戦線に近い屋根の上、或いは川岸に立って見物している。

佛国陸相弁明 同上

巴里来電=佛国陸軍大臣ベルトウ氏は、モロッコのフエツ救助隊の進行遅延について説明した。これは一に包囲中の同市に対する糧食、その他を運ぶ外に、軍隊自身の需要品を全て運ばなければならない為であり、一つはカサブランカ港の現状が軍隊の迅速な上陸を妨げている事によると述べた。

墨国官賊激戦 10日紐育特派員発

▽米人5名殺される 

メキシコのジュアレスに駐屯する叛軍は、突然官軍に対し発砲した事により、官軍もこれに応戦し,約1時間戦争を継続し、39名の死傷者を出した。別に米国人5名を殺した。この地は休戦地であるが、叛徒はマデロ氏の命令を聞かず、遂にこの様な事を引き起こした。

512

阿片協約評 10日上海経由路透社発

ロンドンタイムスは、その社説に於いて、阿片協約について次の様に述べている。同協約が印度財政の上に、如何なる正確な結果を及ぼすかは、なお今後考慮すべき問題である。アヘン貿易が直ちに禁止される様子であるり、これは印度予算に大きな欠損を生じさせる原因となるのは争うことが出来ない。多分新税を促す事になると思われる。

佛国陸相弁明別報 同上

巴里来電=佛国陸軍卿は、モロッコ遠征隊について、次の様に弁明した。モロッコ遠征隊は、同隊が使用する一切の軍需品を自ら運ばなければならないし、又フエツ市が救援された暁には、フエツ市の市民が使用する莫大な物資を持って行かざるを得ず、これらの物資を取り扱わざるを得ない事が遠征隊の遅延する理由である。今や大部隊の後援隊が、続々と佛国を出発し、モロッコに向かいつつある。

墨国戦闘尚激甚 10日紐育特派員発

メキシコのジュアレスに於いては、8日の戦闘に引き続き、官軍と叛徒との間に戦闘が絶えず、又ジュアレス市は、叛徒の為に火を放たれ、今尚炎炎として焼けている。同地方は暑気が非常に強く、負傷者達の苦悶は一方ならずと又今回の再開戦について、大統領字アズ氏葉、この上は最後まで戦う他ないと主張している。

513

佛軍の土民膺懲 12日タイムス社発

巴里来電=アルゼリアとモロッコ国境の佛国膺懲(ようちょう)隊は、土民が軍隊付酒保の主人を殺害した件について、ムルヤ河畔の一村を砲撃し、果物園、家屋を焼失させた。

土将の降伏勧告 同上

トルコ司令官はアルバニアに於いて、戒厳令を布告し、且叛徒に対して、向こう5日間に武器を捨てて降伏するよう求め、そうすれば首脳8名の外は皆赦免されるであろうと説いた。

ジュアレズ陥落 11日桑港特派員発 

ジュアレズを固守し、2日間防戦に奮闘したナヴァーロール将軍麾下の5百余の官軍は遂に固守することが出来ず、10日正午、陸軍大佐ガルバルディーに降伏した。ナ将軍以下17名の将校は誓約して、身体の自由を許され、同日より本営に休息した。仮大統領マデイロは、幕僚を従え、同市に入り、直ちに市庁を仮政庁とし、同市を革命軍の首府とした。

514

フエツ市の形勢 13日タイムス社発

フエツ市からダンジールに到着した書面を見ると、56日頃、同市の包囲はなお継続中であり、救援軍は、土民と兎角の押し問答に時日を空費することなく、一時も速く進軍するべきであると言われている。

戴冠式祝祭 同上

英帝及び皇后は、12日、水晶宮に於ける象徴的帝国祭礼に行啓された。これは戴冠式に関連する催しの始めである。同祭礼の主なる目的は、英国民に対し、帝国富源の程度を知らせる一助にしようとすることである。(一部抜粋)

(備考 戴冠式は622日であるが、先帝の喪服期は去る7日で終わった為、上記のように祭礼的な催しがあった)

叛軍愈々大活動 12日桑港特派員発

▽太平洋鉄道中断

1千人のメキシコ叛軍はカブラル将軍指揮の下に、12日ヘルモシロ市に向かって行軍した。途中、カメネヤカコ、ココヨーラ(?)の両市を焼いて、太平洋鉄道を中断した。叛軍の今後の行動は、首府メキシコを占領する事であり、今や着々と進軍しており、そして全軍の前進を準備中である。

515

米国陸相更任 14日上海経由路透社発

ワシントン来電=米国陸軍卿ディーツキンソン氏が辞職し、先般ニューヨーク州の知事候補であったスチムソン氏がその後を襲った。

墨西哥市悲境 13日桑港特派員発

メキシコ市の監獄には、1千名の囚人を収容している。その内4百名は叛徒に加わった犯罪である為、政府は非常の準備を行い、これら叛徒に備えている。又同市の商業は日々衰退しており、大きな商店の中には閉店しようとする者が多い。

墨国首府の防禦 14日桑港特派員発 

メキシコの首府は、叛軍の攻撃に備える為に、要路に大砲を備え付け、砲台に守備兵を配置し,宮殿に兵備を増加する等防備に忙殺されつつある。現在の守備1千名にて、政府は反乱の兆候があれば、直ちに砲撃をすべきと命じた。叛軍は第1に外人を攻撃する恐れがあり、」外人は妻子を市外に送っている。

516

佛国の対摩方針 15日タイムス社発

巴里来電=佛国政府は、救助遠征隊にモロッコのフエツ市を占領させる事及びその同市滞在は、厳密に必要な日時だけに限る事を決定した。モロッコ王は、再び援助を求める書簡を送った。

女皇記念像除幕式 同上

バッキンガム宮殿の前面に於ける、故女皇ヴィクトリア陛下記念像は、16(火曜)、英国皇帝が臨御の上、除幕式が挙行される予定である。その際、獨逸皇帝も参列される筈である。白い大理石と女皇の銅像とは、相対して非常に壮美な色の配合を示し、これを囲む大規模な

表徴的噴水の数群があり、且これらには1809年葡国戦争に勝利を得た人物の金色像を載せた。 

米国顧問波斯着 13日伯林特約通信社発

ペルシャ政府の財政顧問に新任された米国人がテヘラン府に到着した。

墨国叛徒政府 同上 

メキシコ叛徒等はジュアレスに政庁を設け、内閣を組織した。但し無政府状態は依然、増加している。

517

土国政界の危機去る 16日タイムス社発

コンスタンティノープル来電=青年トルコ党の中堅である合同進歩期成会委員が代議院等に対し、紛争を平和的に解決しなければならないと説き、新政党組織を企てる様な事はしてはならないと警告した結果、トルコの政治的危機は解決しようとしている。

獨逸皇帝着英 16日上海経由路透社発

獨逸皇帝、皇后は、ロンドンに到着し、英国皇帝、皇后、その他皇族及び貴顕の歓迎を受けた。その後陛下は参内の為にバッキンガム宮殿に向かったが、その沿道では、至る所で見物の子女が歓呼の声を上げて歓迎した。

墨国叛徒休戦せず 15日紐育特派員発

▽女子軍大いにふるう 

ジュアレス市に根拠を定めた叛徒軍は、全部隊が條約を破り、活動を開始した。中でもネルバチンコと言う所に居る叛徒軍2千名は、ネルソンと呼ぶ女将軍の指揮に従っている。なお北軍の中には多数の女子が居り、これ等の女子は乗馬ができ、非常に勇敢と言われている。

518

女皇銅像除幕式 17日上海経由路透社発

英国ヴィクトリア女王記念銅像の除幕式が、貴人、名流群衆の前に於いて、英帝によって挙行された。英帝は獨逸皇帝及び皇后の列席された事について、深大の満足を表し,且非常に女皇を称賛したまえり。なおその銅像彫刻者はナイトに挙げられた。

佛軍フエツ前進 同上

佛軍モアニエ将軍は、現在7百名の人数を有する救助隊を自ら指揮し、至急、フエツに前進中である。

墨国叛乱益猖獗 16日紐育特派員発 

メキシコの叛徒は、勢力が益々盛んであり、既にメキシコ市から40余マイルのパキユカという人口4万に近い都市を戦わずして占領した。なおチファファという所は、両3日中に叛徒の手に落ちると言われており、この様になれば、最近では、上流階級の人々も叛徒に加担する事になるであろう。また叛軍はツオブレーレクに於いて、11日より13日迄の3日間、官軍と戦い、大勝利を得たが、この戦いに、凡そ5百名の官軍が虐殺され、叛軍の死傷者は千5百名であったという。(一部抜粋)

519

モロッコ休戦の成否 18日上海経由路透社発

タンジール発の来電によれば、ブルイヤール将軍の部隊が、5月15日までにフエツに到着しなければ、到底救援に間に合わないであろうとアンジヤン大佐が言明したようである。

日本関税反対運動 18日上海経由路透社発

石油入りの箱となった白ブリキは無税で日本に入る事を許されているにも拘わらず、独り白ブリキだけの場合には重税を課されている。英国の実業家は代表者に、外相サー、グレーを訪問させ、この不公平な状態を除去させる為に外交的手段を執るよう要請する事を計画中である。

平和談判大いに捗る 17日紐育特派員発 

メキシコの平和談判は大いに捗った。17日夕刻、若しくは18日朝までに決着しそうな情勢であり、若し決着するならば、直ちに休戦となるであろう。そしてこの様に談判が速やかに捗ったのは、叛徒の主張が貫徹されたものと思われる。叛将マデイロの希望は、内閣中の重要な4卿と14の州知事を味方より出そうとする事であったが、この希望が入れられた様である。

4月20日

英人の獨帝歓迎 19日タイムス社発

英国大衆は、獨帝を誠心誠意、歓迎すると同時に、そのロンドン訪問が両帝室の血縁に基づく純然たる家族的事件である事を承認した。獨帝及び皇后は、各種の国家的社会的催しに熱心に臨席された後、来る20日(土曜)ロンドンを出発し、帰国の途に就く予定である。

叛将平和宣言 同上

ワシントン来電=メキシコ大統領ジアス氏が辞職を約束した為、革命軍首領マデイロ氏は、各方面に於ける戦闘を一切中止し、和睦する旨を宣言した。又遠距離にあるカリフォルニアの下部地域に於いても、政府が完全に降伏したので、戦闘は止むものと信じられている。

布哇州制問題 18日紐育特派員発

ハワイを一つの州とし、白人の労働者を多くハワイに入れる必要があるとの言は、同島の県会から議会に請願しているが、17日、この問題に関する議案が下院に提出された。

5月21日

オタワ来電=カナダ下院で、日本との暫定関税協約が通過した。大蔵卿は、この協約談判の性質を説明して、日本が現在まで、誠実に移民制限の協約を維持した模様を称賛した。4人の英領コロンビア選出議員は、この條約が、日本人の移住問題を完全に日本政府の取締りに一任した点を以って、同協約の継続に反対したが、大蔵卿は更に今回の協約は、2年間だけ有効な事を説明して、2年後は十分にカナダの利益を保護すべき新條約の締結を見る事が出来ることを告げた。

モロッコ近状 20日上海経由路透社発

ポアセ将軍の部隊は、フエツより2日の距離にある。フエツの旧市街は既に匪賊の手に落ちたと信じられる。

大舞踏会 同上

バッキンガム宮殿に於いて、獨帝の為に大舞踏会が開かれ、非常に盛大であった。皇族を始め1千人の賓客がこれに臨んだ。

叛徒愈入京 19日桑港特派員発 

革命派大統領マデイロ氏は、革命党首脳を率いて、20日中にロジュアンズ市を出発し、首府に向かうと思われる。北部の5市は革命派よりその知事を任命する予定である。

5月22日

獨帝と英獨関係 21日上海経由路透社発

獨逸皇帝及び皇后は、5月21日出発、海路獨逸に帰る予定である。獨帝は、今回の英国訪問が、両国間の良好な関係を助長する為に良い影響を与えたと各方面の意見が一致している。

解説:第1次世界大戦まで4年2カ月である。

海員大同盟罷業 20日紐育特派員発

次の週間内に英国の国旗を掲げた全ての船舶の水夫及び火夫等は、世界的大同盟罷業を企てようとしている。彼らは航海中の船に対しては、無線電信を利用して通信を行うと言っている。

革命党自重 20日桑港特派員発 

19日、革命軍首脳会議の結果、今の海軍卿デラーバーラ氏が仮大統領に就任して、革命党の希望を容れた後でなければ、叛徒は、平和又は全国休戦を宣言せず、平和条約に調印せず、叛将マデイロ氏は、首府に向かって出発しない事に決した。

5月23日

露国対日本(グチコフ氏の日本観) 22日タイムス社発

露都来電=現在満州訪問中の前露都下院議長グチコフ氏との会見談が、二三の報道によって発表された。氏は清国が露国の実力、財政等について誤解している事を認め「露国は如何なる費用を以てしても、その極等に於ける地位を強固にしなければならない。」と説き、日本が満州に於けるその支配を強大にする政策を危険であるとして「日本が露国に反対して、争う日が来る事を予想して、露国は十分に準備をしなければならない」と言明した。

獨帝の満足 22日上海経由路透社発

本社は「獨逸皇帝が英国滞在を楽しまれ、又皇帝及び皇后共に英人の歓迎が熱心を極めた事に深く感動させられた旨」を報道することを許された。

墨国大統領辞期 21日上海経由路透社発 

大統領ジアス氏は、24日辞表を議会に送り、辞職し、暫らく臨時農園で休養した後、欧州に遊ぶ予定で、内閣も同時に総辞職すると思われる。

5月24日

墨国仮平和條約 23日タイムス社発

ワシントン来電=メキシコ仮平和條約は、革命軍首領マデイロとメキシコ政府代表との間に調印された。同條約は、大統領、副大統領の辞職を始め、叛徒の主な要求を容れたものである。但し政府代表者は不安の念を抱いている。

飛行椿事と弔電 23日上海経由路透社発

英国皇帝を始め、多数の諸政府首長は、佛国陸相死去、首相重傷の椿事に付き、佛国政府に打電し、哀悼の意を表した。

清人二百名虐殺説 22日桑港特派員発

ワシントン駐在メキシコ公使は、清国公使に対し、メキシコのトレオン市に於いて革命軍と支那人との衝突があり、2百余名の支那人が虐殺され、銀行家林の死体は街頭を引き回されたと伝えた。清国公使は調査の上、政府の抗議する様である。

英国火夫罷業計画 同上 

英国旗の下にある火夫等が、大々的に同盟罷業を企てようとしたが、通信が困難である為に、実行がおぼつかなくなってしまった。

5月25日

摩都愈々救われる 24日タイムス社発

タンジール来電=佛国軍隊は、5月21日一弾も発する事無く、無事に包囲中のフエツ市を救った。同市のヨーロッパ人は、何れも無事である事が判明した。

水夫同盟罷工後報 23日紐育特派員発

英国水夫の同盟罷業は、既に13万5千の同盟が行われている為、巨船モレタニア号は英国を出帆できるか覚束ないとの報道もある。

お礼の為英人釈放 同上

獨帝は、今回、英国に於いて非常な歓迎を受けたが、同帝はこれに報う為に、先に軍事探偵として捕縛した英国人2名を釈放するとの事である。

墨国の外人虐殺 23日桑港特派員発

▽日本人70名殺されるとの説 

ネウダツドデイアズ市来電によれば、去る15日コアツイラトレウン市に両軍の衝突があり、叛軍の勝利に帰し、翌日同市を占領したが、その際、叛軍は略奪を盛んに行い、外人と衝突し、虐殺に及んだ様である。70名の日本人、179名の支那人、12目のスペイン人、1名の獨逸人が叛軍の手で殺された。この地は外人が多く居住している所である。メキシコ市で支那人360名が殺されたとの公報があったが、日本人の虐殺に関しての公報はない。

526

佛国の対摩策 25日タイムス社発

巴里来電=佛国政府のモロッコに対する政策の中には、訓練を経た6千人の土民兵に佛国教官を付けて、モロッコ王に属させる案を含んでいる。又佛国は、今後75年間、シアイア占領の軍事費として、毎年モロッコより支払われる予定の14万ポンドを放棄し、これによってモロッコ王に新たに編成した陸軍の費用として、又土木工事の発達に使用させようとしている。

水夫同盟罷業 25日上海経由路透社発

英国水夫同盟の各部会書記等は、水夫等の組織が完全であると説明し、同盟罷業断行の日は秘密であるが、多分6月上旬と思われる。但し戴冠式の週間ではないと言明した。

大統領本日辞職 24日紐育特派員発

メキシコの大統領デイアズ氏は、本日午後6時を以って辞職する事に決し、その辞表は既に議会に提出してあると言われている。デイアズ氏は辞職すると同時にスペインに赴く予定である。

エルサス憲法可決 24日伯林特約通信社発 

獨逸帝国議会は、アルサス、ローレンス憲法問題を通過させた。これに反対したのは全部保守党である。

527

英国人口統計 26日上海経由路透社発

(ロンドン人口は725万2千)

今回行われた人口統計の仮数字によれば、イングランド及びウエールスの人口は、1901年に32、527、843人であったが今や36,075,269名に増加した。又ロンドンン市の人口は7,252,963名

海軍石油供給 同上

英国海軍省は、スコットランドの諸石油会社との間に石油燃料1千万ガロンを供給させる契約を結んだ。これは、実際に最初に契約したものの倍である。

露国抗議の性質 同上

露国外務省新聞課長は、24日所報の通告(モンテネグロの国境に於けるトルコ兵の集結を非難したもの)文書としての正文でない事を説明し、これは単に、露国大使が口頭で行った単に友好的な交渉で、決して威嚇的と解釈すべきでないと弁明した。

墨都暴動別報 25日紐育特派員発 

メキシコ大統領ディアズ氏は、何故か突然辞任を中止したとの説が起こり、メキシコ市は、この為に混乱を極め、商家は悉く店を閉じ、殆ど暗黒となっている。この最中に国会が開かれたが、人民は潮の湧くように押しかけ、喧噪を極め、巡査と騎兵隊にて十数名を掴み出したが、なお喧嘩が絶えず、その為に議会は議事を進行する事が出来なかった。又農民は悉く大統領の辞職が中止となった事を非難し、マデイロ将軍の万歳を叫び、次いで政府の一機関新聞社を襲い、これを焼き払った。一説によれば、デイアズ氏は既に辞表を残して、他国に赴いたと言うが、真偽は判明せず。

528

佛軍の緋徒掃蕩案 27日タイムス社発

タンジール来電=モロッコの緋徒で解散を肯定しないならば、佛軍はフエツ周辺の各地を掃蕩し、緋徒の陣地を撃滅する計画と思われる。

土耳古送兵の意 同上

トルコは露国の抗議に対し、これに回答を送り、モンテネグロ国がアルバニアの緋徒に助勢を与える様な事がない以上、断じて同国を攻撃しようとする意思がない由を通知した。

墨国大統領辞職 27日紐育特派員発 

メキシコ大統領ディアズ氏の辞表は、25日午後454分発表された。この発表と同時に、メキシコ市の至る所で、マデイロ万歳の声が起き、現在まで非常な功績があったディアズ氏に対し、同情の声が少なく、又々1万人の市民は隊を作り、マデイロ氏の為に市中を練り歩いた。

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前大統領遁鼠 27日桑港特派員発

前大統領ディアズ氏は、その身への危害を恐れ、26日午後2時、家族、親戚一同を伴い、夜に乗じて、密かに首府を出発した。出発の際は、護衛が厳重で、先ず警衛列車を出させ、特別列車にてフエラクルス港に赴き、汽船イヒランガ号に乗り込み、31日欧州に向かい、余生をスペインで送ると思われる。

叛将の告諭 同上

マデロ氏は、仮大統領を辞する旨を宣言し、今からは、新大統領デラバーラー氏に心服し、国内の平和回復に努めると同時に政治の改革を図る事に専念すると述べた。

佛国首相と新陸相 27日巴里特派員発

▽文官任用拒絶 

先日、飛行機にて負傷した佛国首相の健康は次第に回復しており、首相は新陸軍大臣として軍人社会に於いて、賢明であると評価が高いゴアラン将軍を任命した。この一事は、議会では急激派が主張した文官を以って補充するという望みを拒絶する案を下したものである。

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印度陸軍縮小説 29日タイムス社発

一つの風雪によれば、英国政府は印度陸軍を縮小する件を研究中と言われている。これは印度の歳入が減少し、経費が増加する情勢にある為と言われている。ロンドンタイムスは、印度陸軍が、現在既に最低限度である事を指摘して、猛烈に縮小論に反対している。

モロッコ王の感謝 29日上海経由路透社発

フエツ来電=モロッコ国王ムライ、ハフイッドは、モアニエ将軍以下、主要な佛国将校を引見し、佛国がモロッコの秩序回復に尽力した事を感謝した。

墨国戦争費 同上

 

メキシコ来電=墨国戦乱の費用は、2千万ドルと推察されている。そして政府に属する現金は、6千万ドルであり、その内、千6百萬ドルは英国銀行に預け入れている。

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豪州日本を恐れる 30日タイムス社発

オーストラリアの諸新聞は、英帝国会議に於ける、国防討議に対し、深い注意を払い始めている。シドニー、テレグラフ紙は、日本の海軍軍備を論じて、これは、現在、米国を対象として拡張されているが、結局太平洋における英国の地位全部を危険にするものであると言明した。

叛将暗殺の計画 29日紐育特派員発

 

メキシコに於いて、マデイロ将軍を暗殺しようと企てた者が居たが、発覚し逮捕された。犯人は米国人であり、1万ドルにて暗殺を請け負ったと言われている。